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2018.12.26
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カテゴリ: アート
図書館に予約していた『フーテンのマハ』という本を、待つこと約5ヵ月でゲットしたのです。
 マハさんといえば、名画を題材にしたエッセイがおしゃれ♪・・・
それを追っかけるミーハーな大使である。





原田マハ著、集英社、2018年刊

<出版社>より
モネやピカソなど、美術にまつわる小説をはじめ、精力的に書籍を刊行する著者、その創作の源は旅にあった!? 世界各地を巡り、観る、食べる、買う。さあ、マハさんと一緒に取材(!?)の旅に出よう!

<読む前の大使寸評>
マハさんといえば、名画を題材にしたエッセイがおしゃれ♪・・・
それを追っかけるミーハーな大使である。

<図書館予約:(8/06予約、12/21受取)>

rakuten フーテンのマハ


おじさんたらしのようなマハさんを、見てみましょう。
p117~119
<親切なおじさんはタクシーに乗って>
 どうしてなのだろう、私は旅先で必ずと言っていいほど印象深い「おじさん」に出会う。もちろん、印象深いおばさんにも出会うけれど、圧倒的に印象深く、親切で、かつおもしろいのはおじさんなのだ。どういう法則が働いているのかわからないが、旅先で、いい人だなあ、おもしろいなあ、ときにはヘンだなあ、と感じるのはおじさんが多い。

 見知らぬおじさんとの偶然の出会いが、そのまま人生を変える出会いになってしまったこともある。
 私が小説を書き始めるきっかけになったのが、旅先でのある男性と「犬」との出会いだった。物書きになる前から、私はなんのあてもなくぶらりとフーテンの旅に出るのが常だったが、そのときも、もともと行く予定ではなかった沖縄の伊是名島という離島を訪れた。その前日に泊まった民宿の女将さんが「いいところだから行ってごらん」と勧めてくれたのだ。

 それじゃあ行ってみようか、と出かけたところ、美しい浜辺で黒い犬と戯れる男性と出会った。と書けば読者の皆さんの脳内には玉山鉄二的イケメンが登場するかもしれないが、当然ながら一般人のおじさんだった。すごいのは犬のほうで、おじさんがサンゴの塊を海に投げると、ザンブと飛びこんで回収してくるのだ。

 私は目をみはり、しばらく眺めていのたが、ついに好奇心に抗いきれずに話しかけた。「すごいですね、コノワンちゃん。なんていう名前ですか?」。するとおじさんは応えた。「カフーです」「おもしろい名前ですね、どういう意味ですか?」「沖縄の言葉で『幸せ』という意味ですよ」。その瞬間に、なにやら霊感じみたものが、すとーんと私の中に落ちてきた。

 沖縄の離島の浜辺で、「幸せ」と言う名の犬に出会ってしまった。まさにこの瞬間、わがデビュー作『カフーを待ちわびて』が芽吹いたのだった。この島人おじさん、名嘉さんのネーミングセンンスが、私の作家人生を決定づけたと言ってもいい。何しろ、このとき出会った犬の名前が「クロ」とか「ジョン」とか「シーサー」とかだったら、きっと私はなんの霊感も得ることなく、小説を書き始めるにいたらなかっただろう。

 沖縄では、土地柄のせいか、ほかにもさまざまなおもしろいいじさんに出会った。漁師のカツオさんも忘れられないひとり。何しろ名前がカツオさん。素潜り漁の名手で、「おれは魚の友だちだからさ」と言う。友だちなんだけど獲って食べちゃうのだ。このカツオさんとは前述の民宿で出会ったのだが、めちゃくちゃ濃い眉毛と凸凹の激しい目鼻立ち、筋骨隆々、真っ黒に日焼けしていて、まったく年齢不詳の上、国籍もわからないくらいだった。べらぼうに酒が強くて、三線も歌もうまい。

 さぞや女性にモテるだろうなあ、と思っていたら、1年後に再会したとき、妙齢の女性を連れていた。くだんの民宿の女将さんによると、女性は神戸出身のバツイチで、傷心を抱えて沖縄旅行をしていたところ、カツオさんと巡り会ってしまったのだという。ちなみにカツオさんは堂々のバツヨン。魚ばかりではなく、女性をモノにするのも名手のようだ。カツオさんは作家デビューをして沖縄に戻ってきた私のために、「カフー節(幸せ音頭)」なる民謡を披露してくれた。まったくめでたいおじさんであった。

『フーテンのマハ』1





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Last updated  2018.12.26 20:44:28
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