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2020.02.20
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カテゴリ: お役所システム
図書館で『歴史に学ぶ減災の知恵』という本を手にしたのだが・・・
このところ行政が取り組んでいる減災施策に劣化が散見されることが多いので、読んでみようと思ったのです。





大窪健之著、学芸出版社(京都)、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
「美しい町並み」には、伝統と様式に織り込まれた「災害を生き延びる工夫」が隠されている。震災後の今こそ学ぶ、災害を「受け流す」方法。

<読む前の大使寸評>
このところ行政が取り組んでいる減災施策に劣化が散見されることが多いので、読んでみようと思ったのです。

rakuten 歴史に学ぶ減災の知恵


伝統的な洪水対策が述べられているので、見てみましょう。
p124~126
<人間の想定を超える可能性>
 国土のおよそ66%を山林に覆われる緑豊かな国日本は、それを育む豊かな水の恵みに支えられてきました。一方で、そもそもの成り立ちからして、プレート境界の地殻変動によって発生した島国であるために、ほぼ全域を急峻な山地がそのまま海に落ち込むような地形が占めています。

 このため、陸地に降った雨を海へと排水する河川についても、そのほとんどが急流となります。「いやいや、日本にもゆったりした流れの川もたくさんあるじゃないか」と言われるかもしれません。確かに日本国内だけで相対的に見れば穏やかな河川もあります。しかし国外の河川と比較をしてみれば、日本の河川はすべて圧倒的に急流に分類されてしまうのです(図)。

 日本で最も長い信濃川ですら平均勾配はおおよそ400分の1で、例えば中部ヨーロッパの国際河川であるライン川のおよそ2倍もの急流になります。

 日本はこのような自然条件下で、さらに世界の年平均降雨量(約900ミリメートル)のおよそ2倍もの降雨量があります。その上さらに、人口のほとんどが山裾にわずかに広がる平野部に集中しているわけですから、大雨になると谷を駆け下りた水が平野部で暴れては、毎年のように洪水被害が発生するのも自然な成り行きといえます。

 数ある災害の中でも、人間社会に対する被害の範囲も大きく、その発生頻度も高い洪水は、特に対策が必要な重大な災害の一つと考えられます。

 このように、「どうにも嬉しくない」宿命にある中で、日本人はこれまで膨大な時間と資金とエネルギーを投入して洪水対策を進めてきました。現在では「スーパー堤防」と呼ばれる、河川に対して人間の住む側全体に土盛りをして、市街地ごと嵩上げしてしまおうという大技、あるいは力業も繰り出されるなど、その技術的進歩には目を見張るものがあります。

 しかし、だからといって洪水被害が完全にはなくならないのはなぜなのでしょうか。これはやはり災害自体が「想定を超える」ことで初めて顕在化するものであり、常に自らが想定した範囲でしか完全な対策ができない人間に対して、自然の営みは常に人間の想定を遥かに超える可能性を持ち続けているためと考えられます。


p127~128
<隙間によって水勢を弱める>
では、近代的な道具も、工法も、ましてやコンクリートのような材料もなかった近世以前には、いったいどのようにしてこの毎年のように繰り返される水害から生き延びてきたのでしょうか。

 かの武田信玄をして、「水を治むる者、国を治める」と言わしめたように、当初より治水は、食料を支える農業を守り、民の安全を確保し、国家の基盤を築くために不可欠な事業でした。当の信玄は、その名も「信玄堤」と呼ばれる治水事業を展開しています。

 これは、「霞堤」と別称される仕組みであり、その名のとおり、古い絵図に見られる「たなびく霞」のように、所々が不連続にちぎれた形状が特徴となっています。現在の私たちの目から見ると、堤防がはじめから切れていること自体とても信じ難いことに見えます。もちろんかつてより、現在のように一滴も漏らさない堤防をつくることも試みられてきたはずなのですが、いったいなぜこのような形になっていたのでしょうか(図)。

 一つの理由には、当時の技術では十分な水圧に耐えられる築堤技術そのものがなかったために、幾度も補修しては毎回違うところから破堤してしまうことが繰り返されてきたことが挙げられます。このため、「あえて破堤する場所を始めから設定しておく」ことで、すなわち洪水被害が生じるところをあらかじめ決めておくことで、わざと水を漏らせて、逆に守るべきところに洪水が及ばないようにする手段に踏み切ったものと考えられます。


ウーム 現代のニッポン国では「霞堤」や土砂崩れ跡のよう場所に建売り住宅を建てたりするが・・・業者に癒着した行政がそれに目をつむる例が見られるわけで。ハザードマップは訂正されているだろうか?





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Last updated  2020.02.20 01:05:20
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