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2020.04.10
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カテゴリ: 歴史
図書館で『暦と行事の民俗誌』という本を手にしたのです。
ぱらぱらとめくると、画像の多いビジュアル本である。
それから昨今の太子の関心は、天体観測から生活感のある暦に移りつつあるわけです。





佐藤健一郎, 田村善次郎著、八坂書房、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
日本独特のカレンダー・暦。日本に古くから伝わる様々な暦とその歴史をたどりつつ、四季折々の行事や歳時を紹介し、日本人にとっての一年を立体的に解説する。日本の行事にちなんだ凧・だるま・注連縄・人形など、写真・図版多数収載。

<読む前の大使寸評>
昨今の太子の関心は、天体観測から生活感のある暦に移りつつあるわけです。

rakuten 暦と行事の民俗誌


落語にみられる花見を、見てみましょう。
p154~157
<「長屋の花見」考>
「表はおおぜい人が出てるなァ。あれは、みんなお花見にいく連中だ」
「うちの長屋も、世間から、貧乏長屋なんていわれて気がきかねえ。そこでひとつ、貧乏神をおっ払うために、みんなで花見でもして、陽気にわァッとさわいでこようてんだが、どうだ」
 という大家の誘いにのった貧乏長屋の一同は、上野の山へ花見に出かけることになる。
 大家の用意したものは、一升びんが三本ときりだめに入れた蒲鉾に玉子焼きであった。ところが、貧乏長屋にふさわしく、一升びんには番茶が入っているし、蒲鉾は大根のおこうこ、玉子焼きはたくあんといった有様であった。
 一同は、毛氈のつもりの筵をかついで出かける。
「山の上にひとつ、陣をかまえるか」
 ということで、酒盛りが始まる。

「花見だよ、酔わなくちゃいけないよ」
 と大家はいうが、一同なかなか酔ったふりはできない。

 そのうち、ご大家の隠居が一杯やっているのを見つける。喧嘩のまねをしたら、隠居があぶないと逃げるだろうから、そこで本物の酒や重箱・折り詰を頂いてしまおうというっことになる。それがうまくいったところでオチとなる。

 これは『長屋の花見』という落語のあらましである。上方落語の『貧乏長屋』を蝶花楼馬楽が東京へ移して『隅田の花見』として口演したのが最初だそうである。
(中略)

 花見に行くことを話題にしながら、大家は、何の花を見に行くのかについては全くふれていない。それでも、長屋の人々には、どんな花が問題になっているかわかったのである。もちろん、ここでは「桜の花」である。「花見」という言葉は、単に「何か花を見る」という意味の言葉ではなく、「桜の花を見る」という意味を持っているのである。

<「ハナ」の習俗考>
 しかし、「花見」という言葉が常に桜花を意識して用いられているとばかりはいえない。『綜合日本民俗語彙』をひくと、ハナミショウガツ(千葉県海上郡)・ハナミノエン(福島県石川郡)・ハナミヨウカ(岩手県下閉伊郡)などがある。これらは四月に行われる花見行事であるが、旧暦であるから、桜花を見るには遅いのである。

 ハナミとは呼ばれていないが、四月八日には、各地で様々の花を採ってくる行事がある。ここで見られる花は、ツツジ・シャクナゲ・ウツギ・シキミなどである。これらを長い竹の先につけて、庭先に立てる。それをテントウバナなどという。

 正月用のマツ・サカキ・シキミなどを山へ採りに行くことをハナキリ・ハナムカエなどという地方の多いことを考えると、ハナは、桜花とはかぎらず、神の依り代となる植物をいうと考えてよいであろう。花見は、このような依り代と深くかかわっているようである。


『暦と行事の民俗誌』1





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Last updated  2020.04.10 00:28:07
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