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2021.02.27
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カテゴリ: 歴史
図書館で『コロンブスの図書館』という本を、手にしたのです。
先日『図書館超活用術』を読んだばっかりで、この本のタイトルに反応したわけです。






エドワード ウィルソン リー著、柏書房、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
1539年、スペイン・セビーリャー世界最高の図書館をつくりあげたのはコロンブスの息子だった。あらゆる分野におよぶ蔵書は、ヨーロッパ一の規模を誇り、さらにその図書館には驚くべき“仕掛け”があったー。持ち主の名はエルナンド・コロン、コロンブスの私生児である。15世紀半ばのグーテンベルクの印刷革命から100年足らず、ルネサンス、宗教改革、大航海時代の最前線で世界のありとあらゆる情報を集めて目録化しようと試みた書物狂の知られざる物語。

<読む前の大使寸評>
先日『図書館超活用術』を読んだばっかりで、この本のタイトルに反応したわけです。

rakuten コロンブスの図書館


シパンゴ(日本)への到着あたりを、見てみましょう。
p39~42
<第1部第1章 太洋からの帰還>
 コロンブスの物語を“運命を背負ったひとりの男”の物語に絞ることで、彼の家庭生活や個人的背景は消し去られ、代わりに彼を取り巻く人々のほうが伝説づくりの流れに組み込まれていった。ジョアン王からの支援獲得に失敗したのち、コロンブスが突如ポルトガルを去ったのは、彼が断固として自分の運命に従ったからだとされているが、実際は妻フィリーパの死にも原因があったのかもしれない。

 フィリーパは長男ディエゴを産んだが、その早すぎる死によって、コロンブスとポルトガルとのつながりが突如断ち切られてしまったのだ。スペインでの行き先を決めたのは亡くなった妻の親戚たちで、とくに最初の航海の出発地となるパロスでは、つてを紹介するなど便宜を図っている。その時点で、コロンブスが名前をイタリア語の「Colombo(コロンボ)」からスペイン語の「Colon(コロン)」に変えたことについても伝説は多くを語っていないが、のちにエルナンドは、どちらの名前も象徴的な意味においてコロンブスにふさわしいものだったと述べている。

 「コロンボ」は「鳩」を意味し、彼もまたノアの箱舟の鳩のように大海へ出ていき、神とその民との契約として、陸地が存在する証を持ち帰る。一方の「コロン」は、ギリシャ語では救世主の「一員」すなわち神の手足となってその意思を実行するする者という意味で、彼が先住民を「coloni」すなわち「キリスト教徒の一員」にさせることを予見しているというのだ。もっとも、じつに皮肉な話だが、この「coloni」は「to colonise(植民地化する)」の語源でもある。

 スペイン王室の猛反対に遭いながらも、先見の明をもち、みずからの運命を全うしようとする孤独な夢想家というコロンブス像は、コルドバで陳情に費やした年月のあいだに年若いベアトリス・エンリケス・デ・アラーナと関係をもったことで、いささか複雑なものとなった。すでに亡くなってイタベアトリスの両親は低い身分の出身だったが、彼女の叔父で後見人でもあるロドリゴ・デ・アラーナは医者であり、彼を取り巻くコルドバの医師仲間を通じて、コロンブスはベアトリスと知り合ったようだ。
(中略)

 最初の航海での出来事が、すでに絶対の自信をもっていた男をいかにして桁外れの自己陶酔に駆り立てたかは容易に理解できる。コロンブスは西へ航行し、“太洋”へ出た。地球上の大陸を囲んでいると考えられていた海だ。記録に残る誰よりも遠くへ到達し、コロンブス自身の説明によると、乗組員たちの暴動さながらの反乱にもひとりで立ち向かった。脅しつける一方で、陸地は近いと励ましながら、なんとか乗り切ったのだ。彼が陸地に近づいた兆候と解釈したものを、のちにエルナンドが詳細に記録している。

漂流するマスト、羅針盤の針の奇妙な動き、空から降りかかる巨大な炎、一羽のサギ、緑色がかった海藻、西へ向かう鳥の群れ、一羽のペリカン、小鳥、ラボ・デ・フンコ、一頭のクジラ、カモメ、鳴き鳥、カニ、空気の清涼感、サンゴ礁に生息する魚、カモ、遠くに見える灯り

 ただの漂流物にしか見えないようなものも、陸地の兆候だと思い込めばそう見えたのだろう。一方で、コロンブスは明らかに策を弄しており、自分たちが知る世界からどんどん離れていくことで水夫たちが感じる不安を軽減しようと、実際に航行したと思われる距離よりも意図的にかなり少なく告げていた。こうして水夫たちをなだめながらどうにか船を進めた甲斐あって、予測どおりの場所に陸地を発見する。そこはカナリア諸島の西750レグアの地点で、緯度計算と、アルフラガヌスの唱えた経度一度につき56と2/3マイルという数値からコロンブスが推測した東アジアまでの距離と完全に一致していた。

 コロンブスは自他ともに認める、西回り航路で既知の世界の果てに到着した最初の人物として、シパンゴ(日本)の島に到着した。現地では、その島はキューバと呼ばれていた。こうして史上初めて太洋の境界を越え、当時の人々が知るかぎりにおいて地球の円周はひとつにつながった。コロンブスはさらに、島で出会った人々を(彼らと言葉が通じなかったにもかかわらず)ヨーロッパ人が抱く、堕落以前の無垢な人間のイメージに当てはめることができた。


『コロンブスの図書館』3 :コロンブスとスペイン王室の関係
『コロンブスの図書館』2 :エルナンド・コロンの幼少期
『コロンブスの図書館』1 :プロローグ
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Last updated  2021.02.27 01:09:14
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