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2021.07.16
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カテゴリ: 気になる本
本屋の店頭で『文芸春秋(2020年8月号)』を、手にしたのです。
ウーム 今月号は読みどころがたくさん載っていて、特集「中国共産党の野望と病理」も充実しているので、手元不如意の太子も・・・久々に買い求めたのです。





雑誌、文芸春秋、2021年刊

<Customer reviews>より
①今月は中国特集号だ。一帯一路政策、サイバーテロ、宇宙人戦争、台湾への圧力、ウイグル弾圧と枚挙に暇がない。
②習近平は中華帝国の再来を目指している。ウイグル弾圧や香港の民主化運動場弾圧、台湾への圧力強化が国際社会から非難されても一向に構わない。主権は中国にある。
③台湾への圧力強化は間違いなく日米中関係を悪化させる。中米に挟まれて苦しむのは日本である。これ以上米中関係を悪化させないように仲介役を務めるのが日本の外交政策である。
④善隣外交の手腕が日本に求められている。
お勧めの一冊だ。

<読む前の大使寸評>
追って記入

amazon 文芸春秋(2021年8月号)


中国の「巨大な監視社会」やネットカルチャーを、見てみましょう。
p144~147
<「習近平の個人情報」を盗んだ男たち:安田峰俊>
 今年7月1日に建党百年を迎えた中国共産党が近年ひときわ腐心しているのが、イノベイティブなIT技術の積極的導入による社会のスマート化と、その技術を国内治安の維持に応用することだ。

 今年、中国の治安維持予算は1850億元(約3兆900億円)規模に達した。膨大な費用を投じることで構築されたのが、人類史上でも最大規模の巨大な監視社会である。

 中国では全国民に、ICチップでデータ管理された顔写真入りの身分証が発行され、その常時携帯と、長距離移動やホテル宿泊の際の提示が義務付けられている。旅先で提示された身分証はカードリーダーで読み込まれて公安部のデータベースに送られるため、旅行や外泊の履歴、海外や香港・マカオへの渡航歴や登場便名はすべて個人情報と紐付けされた形で当局に記録される。

 加えて中国では、民間企業が保管する個人情報ですら当局が自由に使用できる。たとえば、個人の銀行の口座残高、携帯電話の番号やGPS(位置情報)、WechatというLINEに似たメッセンジャーアプリのアカウントと会話・通信履歴、QRコードを用いたキャッシュレス決済の利用情報、フードデリバリーや配車アプリの使用履歴・・・といった現代の便利な都市生活を支える情報の一切は、すべて個人と紐付けされた形で公安部に把握されている。

 さらに中国全土には約2億台の監視カメラが存在し、都市部では顔認証機能によってまたたく間に個人の特定が可能である。加えて中国の警官たちには、派出所の巡査や交通警官など最末端の人材にいたるまで「警務通」と呼ばれるスマホ状の移動端末が配備されている。たとえ屋外にいても、端末に身分証番号を打ち込めば、クラウド上にある全国民のデータベースから当該人物の戸籍情報や顔写真が表示される。瞬時に相手の身元を調べられる仕組みだ。

 いまや中国においては、監視カメラのAIと警官が持つ「警務通」の双方によって、戸籍を持つあらゆる国民の身元の洗い出しが一瞬でおこなえるうえ、個人の移動・消費・他者とのコミュニケーション内容といったあらゆる情報も、すべて当局が把握することが可能となっている。

 ・・・もっとも、ほぼ全国民の情報がデータ化されたことで、意外な問題も生れた。
 すなわち、本来ならば最高レベルの国家機密に属するはずの、習近平をはじめとした党高官やその家族の個人情報ですらも、データベースのなかに含まれていたことだ。彼らとて現代中国の社会で生きる民である以上、デジタルな情報管理の網からは逃れられない。
 結果、これが体制の意外な泣きどころとなる。2018年ごろから、各種の手段で入手した中国共産党の高官やそのファミリーの機密情報をインターネット上に公開する行為(ドキシング)を通じて、党体制に反抗する若いネットユーザーのグループが現れるようになったのだ。

 彼らは通称「悪俗圏」と総称される。一昔前に話題になった国際ハッカー集団のアノニマスや機密公開サイト『ウィキリークス』の中国版、と説明すれば多少はイメージが湧きやすいかもしれない。

 しかも悪俗圏の最高レベルのリーダーの一人は、なんと日本国内で暮らしている。本記事では彼の告白を軸に、近年の中国共産党を揺るがせている前代未聞の事態の全貌を描き出していくこととする・・・。

■習近平の個人情報を暴く方法
「中国人民はみんな、18桁の身分証番号を割り当てられている。すなわち、最初の6桁が戸籍登録地の地域番号、次の8桁が生年月日、残る4桁のうち1桁は性別だ。これは習近平だって利害じゃない」 
 地方都市のファミリーレストランで、目の前の若者が喋り続けていた。彼は広東省シンセン市生まれの肖彦鋭(26)。いまや中国国内では大量逮捕によってほぼ壊滅した、悪俗圏の最高幹部の数少ない生き残りである。2018年以降、日本で事実上の亡命生活を送り、関西地方のある小都市で暮らしている。 

「まず、習近平の身分証番号が特定されたのは2018年9月なのだが、これをやったのは僕らの仲間じゃなかった。なぜなら技術的には非常に簡単で、誰でもできることだったからだ。習近平の戸籍登録地や性別、誕生日は公開情報だから、実は18桁の番号のうち15桁までは予測できる。不明なのはたった3桁だけだ。総当り式で試せば番号を特定できてしまう。解析のためのプログラムを組むまでもなく、その気になれば手動でも可能な作業だよ」

 身分証明番号が本物かどうかを確かめる最も簡単な方法は、その番号を使って中国IT最大手のテンセント社のウェブサービスに新規ユーザー登録をおこなうことである。
 なぜならテンセント社は民間企業とはいえ、中国人の大部分が使用しているメッセンジャーアプリ「We Chat」や「QQ」の提供元だ。

 これらは事実上の国民的通信インフラなので、提供元であるテンセント社の利用者情報の登録システムは、中国公安部のデータと直結している。日本では考えられないこの仕組みを、あべこべに利用するのだ。
(中略)

■中国の「Z世代」オタクの反乱
 悪俗圏はもともと『百度テイエハ』というネット掲示板のコミュニティが発祥だ。日本の『2チャンネル』(現5チャンネル)系のネットカルチャーや日本アニメを好むオタクが中心のサブカルチャー的な集まりである。
 「習近平政権下の2015年ごろから掲示板での言論が不自由になったので『悪俗ウィキ』や『シナウィキ』というサイトを作った。特に2018年末に始めた『シナウィキ』は、中国共産党との敵対姿勢を前面に出した」

 すなわち肖彦鋭は、悪俗圏の中心である二つのサイトを立ち上げて運営していた人物なのだ。

 『悪俗ウィキ』『シナウィキ』はそれぞれ、執筆権限を持つユーザーが自由に書き込みや編集をおこなえる『ウィキペディア』に似たオンライン百科事典だった(現在はいずれも閉鎖)





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Last updated  2021.07.16 12:27:55
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