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2021.07.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
図書館で『カムイの世界』という本を手にしたのです。
「とんぼの本」シリーズだから、たいへんビジュアルである。それに自然とともに生きるアイヌの知恵が詰まっている記事もええでぇ♪






堀内みさ, 堀内昭彦著、新潮社、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
文字文化を持たなかったアイヌが、代々語り継いできた精神と伝統を、数年にわたるアイヌの人々との心の交流を経て、現代の語り部たちの「言葉」を丁寧に聞き取り、守り継がれてきた儀式や祭祀、聖地、そしてカムイが宿る北海道の壮大な風景を写真で紹介。今に生きるアイヌの魂を探す旅。

<読む前の大使寸評>
「とんぼの本」シリーズだから、たいへんビジュアルである。それに自然とともに生きるアイヌの知恵が詰まっている記事もええでぇ♪

rakuten カムイの世界
">

さて、アイヌのサケ迎えとは、どんなかな。
p59~62
<アシリチェプノミ(サケ迎え)>
 澄んだ水が豊かに流れる千歳川。その水面に木洩れ日がきらめいている。
 9月。川で生まれ、海で育ったサケが、再び生まれ故郷の川を遡上してくるこの季節、千歳では新しいサケを迎える儀式、アシリチェプノミが行われる。

 アイヌの人々にとって、サケは大切な食糧。この時期は、道内各地でサケ迎えの儀式が行なわれている。
「サケはカムイチェプ、つまり神の魚。アイヌにとっては他の食べ物とは違う、とても身近な主食なんだよ」

 そう話すのは、アシリチェプノミの副祭主、中村吉雄さん。アイヌ語でサケは「シペ」とも呼ばれ、「本当の食べ物、主食」という意味がある。日本人にとっての米と同じ位置づけということだ。

■貴重な保存食
 かつて、千歳川には多くのサケが遡上していた。「ぼっこ(棒)を立てても倒れない」とは、アイヌの人々がよく使う表現で、この時期は、棒が倒れる隙間もないほどサケがひしめき合っている川が多かったのだ。

 アイヌの人々は、秋になると日々食べる分のサケを獲り、切り身にして焼いたり、野菜と一緒に煮てオハウという具だくさんの汁物にして食べていた。内臓や白子、筋子は塩漬けに、頭の軟骨は細かく叩いてチタタプというタタキにし、骨は軽く炙ってスナック菓子のように食べたという。さらに、皮は靴として生まれ変わり、背びれが滑り止めに使われた。サケは捨てるところがないと言われる所以である。

 だが、サケが何より重宝されたのは、貴重な保存食になったからだ。
「千歳のサケは脂やけしないのが特徴。他の川より長く回遊して遡上するから、その間に脂が抜けてしまう。その分保存も利くから、3年以上は持つよ」

 中村さんは言う。
 保存には、主として囲炉裏の上に、お腹を開いたサケを丸ごと一匹吊るし、燻しをかけるトバという方法が用いられた。もっとも、外に干すこともあれば、早く乾燥するように三枚におろして干すなど、用途や目的により干し方はさまざまだったという。昔は塩が貴重だったことから、保存は乾燥に頼ることが多かったのだ。

 さらに、雪が積もると、丸ごと雪の中に埋めて凍らせた。そのサケを薄く切り、溶けかけを食べるルイベ(溶けるもの)は、今もアイヌに関係なく、道内で広く知られる食べ方だ。

■豊漁を願わない
 アシリチェプノミの儀式は、まずアイヌ民族の伝統的な捕獲方法、マレク漁でサケを捕り、それをアペフチカムイ(火のカムイ)に捧げることから始まる。マレクとは鉤銛のこと。魚を突くと銛が反転し、魚がうごくほどに体に食い込む仕掛けになっている。

 儀式の直前、その日漁を行う少年が丸木舟の上でカムイノミを行っていた。マレク漁は舟に乗って行われるのだ。まだ中学生らしいその少年は、最初に舟の先頭部分に挿してあるイナウの先端に、シラリ(酒粕)を、続いてトノト(御神酒)をイクパスイというヘラ状の祭祀具で捧げ、オンカミ(礼拝)をした。

「サケが獲れるように、じゃなくて、怪我なく無事に終わるようにって祈るんだぞ」 
 一連の所作を見守っていた青年が声をかける。
 そのとき、中村さんの言葉を思い出した。それは、アシリチェプノミは豊漁を祈る儀式かと確認したときだった。
「いいかい。アイヌは豊漁や大漁を願わない民族だ。サケが上がってくれてありがとう。それだけだ。そこを勘違いしないでほしい」 

 終始穏やかな中村さんの口調が、その瞬間、諭すような毅然とした声に変わった。では、お願いごとはしないのか。そう尋ねると、

「具体的にこれをくださいと言うことはしない。ただ感謝して、またコタンに戻ってきてくださいとお願いするんだ。そうしたら、次は形を変えて何かを与えてくれる。それは別の食べ物かもしれないし、子どもが授かることかもしれない。そういう発想なんだ、アイヌは」 
 と言う。


アイヌのサケ漁をネットで見てみましょう。

伝統漁法を千歳川で マレク使いサケ採捕-千歳アイヌ協会


 千歳アイヌ協会(中村吉雄会長)は15日から千歳川上流域で伝統漁具マレク(自在もり)を使ったサケ漁を複数回行う。若い世代への漁法継承を目的とし、来年1月31日までの期間を設け、すでに道の特別採捕許可を受けた。道内河川では、儀式以外に民族的な冬季のサケ漁に許可が出るケースは珍しい。大切な主食の一つで、生活するための糧となったサケを得てきた漁の復活は大きな弾みになる―と関係者は期待している。

 アイヌ民族はサケを「カムイチェプ(神の魚)」と呼んで、食料とする以外にも皮も靴などに加工するなどしてきたが、明治政府がサケ漁を禁止して以降、自由な捕獲ができない状況が続いてきた。

 今回は道が、千歳アイヌ協会を実施主体とする形で道アイヌ協会に許可した。市内水明郷の王子製紙第4発電所ダムから下流700メートル地点までの区間で、50匹を上限にマレクで捕獲できるとする内容だ。サケのふ化増殖事業やインディアン水車での漁業に配慮し、影響のない時期に漁を行う。





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Last updated  2021.07.22 01:25:51
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