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2021.11.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類
図書館に予約していた『生態学者の目のツケドコロ』という本を、待つこと1ヶ月ほどでゲットしたのです。
いまのところコロナ禍は小康状態であり、ニッポンはウィズコロナを目指して折り合いをつけようとしているが・・・生態学者の見たコロナ禍は如何なるものか。






伊勢武史著、ベレ出版、2021年刊

<「BOOK」データベース>より
生物と生物、生物と環境との関係を調べる、生物学の一分野である生態学。生きものについて知りたい、自然を守りたいと願う人にとって、生態学的な見方は必ず役に立つ。自然と生きもの、人間との関係を見つめ直す7つの章。
【目次】
第1章 人に囲まれて/第2章 暮らしのなかで/第3章 文化に触れて/第4章 外国を旅して/第5章 里山に生きて/第6章 森を歩いて/第7章 研究をとおして

<読む前の大使寸評>
いまのところコロナ禍は小康状態であり、ニッポンはウィズコロナを目指して折り合いをつけようとしているが・・・生態学者の見たコロナ禍は如何なるものか。

<図書館予約:(6/28予約、副本3、予約21)>

rakuten 生態学者の目のツケドコロ



コロナ禍に触れているあたりを、見てみましょう。
p14~17
<変わりゆく世界>
 僕ら生態学者は、生物が環境のなかでどのように暮らしているかを考えるのが仕事だ。僕ら人間も生物であり、僕らを取り巻く環境のなかでなんとか日々を送っている。

 人間という生物の特徴は、自分で自分のクラス環境を変えること。生物はふつう、与えられた環境でうまく生き抜くために全力を尽くしはするが、環境そのものを積極的に変えようとはしない。人間以外の数少ない例としてはビーバーがいる。彼らは川をせき止めてダムをつくり、安全に暮らし子育てできる環境をつくり出す。

 このように、自分で環境を改変する生物のことを「 生態系エンジニア 」と呼んだりする。僕ら人間も生態系エンジニア。少し気の利いたビーバーみたいなものだ。ちなみに生態系(ecosystem)とは、ある場所の生物と非生物すべてをひっくるめたまとまりのことで、これらの要素がかかわり合いながら、その生態系をかたちづくっている。

 2020年、僕ら人間の社会を新型コロナウイルスが襲った。

 それは、僕らが何十年もかけて築き上げてきた社会システムをいとも簡単に、わりと根本的なところから揺さぶることになった。新型ウイルスはもちろん人類にとっての大問題ではあるが、一歩引いた目線で見ると、人間社会にとっての試金石であるともいえる。人間が試行錯誤を積み重ねてつくってきた現代社会は、人間という生物を中心とした生態系と呼ぶことができる。それなりに安定しているかに見えたこの生態系が、突然の大きな変化を強いられているのである。

レジリエンス という概念がある。外圧によって変化してしまっても、もとに戻る能力のことである。ほんとうに人間にとって必要なことなら、コロナウイルスの影響でそれが一時中断しても、早晩もとに戻るだろう。

 食べることや人と話すこと。これらはウイルス蔓延の渦中では「悪」のようにみなされることもあったりするが、これらは人間の本能的なものだから、コロナ騒ぎが収束したらもとに戻るんじゃないだろうか。もとに戻るどころか、自粛の反動で、とてもテンションの高い数年間がやってくるような気がしてならない。

 その一方で、満員電車で出社して、ときには新幹線に乗って出張して会議して、という現代日本の習慣は、コロナ騒ぎが終わってからも、もうもとには戻らない気がしている。昭和の高度経済成長期、日本では人口の都市集中が進み、満員電車での通勤を余儀なくされる人が増えていった。

 日本の社会が農業中心だった時代は、朝起きたら自宅のそばの田畑で作物の世話をしていたわけだから、満員電車とは無縁である。これが日本の歴史の圧倒的な長期間を占めていて、満員電車時代はたかだか直近の数十年にすぎないのである。

 もっとも、満員電車で通勤するという選択にはメリットもあった。田舎で農業をするよりも都会で会社勤めをするほうが経済的に安定するので、トレードオフとして満員電車をがまんするのも悪くない。生態学的な表現をすると、都会で会社勤めをするという戦略にはデメリットもあるものの、総合的にはその人の生存と繁殖の役に立ってきたのかもしれない。

 このようなわけで、高度経済成長期には合理的だった「満員電車通勤戦略」だが、そのような生活習慣が廃れる機は徐々に熟していた。その最たる要因はインターネットだろう。インターネットが普及しはじめて20年あまり、いまでは有線でも無線でも高速で安定した通信が提供されていて、職種によってはその気になれば出社しなくても、全国どこにいても仕事ができる状況はすでに整っていたのである。





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Last updated  2021.11.09 00:18:34
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