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2022.01.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
図書館で『日本の異国』という本を、手にしたのです。
昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。





室橋裕和著、晶文社、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
2017年末で250万人を超えたという海外からの日本移住者。留学生や観光客などの中期滞在者を含めれば、その数は何倍にもなる。今や、都心を中心に街を歩けば視界に必ず外国人の姿が入るようになったが、彼らの暮らしの実態はどのようなものかはあまり知られていない。私たちの知らない「在日外国人」の日々に迫る。

<読む前の大使寸評>
昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。

rakuten 日本の異国


まず「はじめに」を、見てみましょう。
p3~6
<はじめに>
 僕も「外国人」だったことがある。
 30代の10年間を、タイ・バンコックで過ごした。記者として。記者として熱帯の街を職場にしていたわけだが、「よそもの」からしても実に住みやすい場所であったと思うのだ。外国人だからといって蒙る不利益はあまりなかった。

 長期滞在用のビザや労働許可証の手続きがややこしいくらいだろうか。マンションはパスポートひとつあればその日から住めた。日本食には事欠かない。なによりタイ人は、外国人とのつきあいによく慣れているようだった。バンコクには日本人だけでなく、欧米人、韓国人や中国人、インドや中東の人々なども生活していた。

 それに建設や飲食、工場などの現場を支えているのはミャンマー人やカンボジア人だ。隣に外国人が住んでいる、働いているというのはごく普通のことだった。

 体は歴史的にも地理的にも外国人を広く受け入れ、その力をうまく利用する形で発展してきた。けっこうな国際社会なのである。僕も日本人だからといって特別視されることもなく、かといって警戒や不信の目で見られることもなく、というよりは単なる隣人として放っておかれた。それは僕にとっては居心地が良かった。溶け込みやすい社会だと思った。

 そんな体から帰国してみると、日本もまたずいぶんと外国人の多い社会になっていた。コンビニでも居酒屋でも、どこに行っても外国人が働いている。はたして彼らはなぜこの国に来て、何を考え、どう暮らしているんだろう・・・そう思ったことが取材のきっかけだった。

 調べていくと日本でもいつしか、たくさんの外国人によってコミュニティが形成されていることがわかった。
 高田馬場に行けばミャンマー人たちが多く、インドのIT技術者は西葛西にたくさん暮らす。神奈川県の大和周辺には、ベトナムやカンボジア、ラオスの人々が寄り集まっている。西川口は新しいチャイナタウンとして注目されている。

 どうして彼らはその場所に集住するようになったのか。
 コミュニティのできた背景に興味を持って現地を訪ねてみれば、おいしい料理を食べられ、活気ある食材店が並び、あの懐かしいアジアのやわらかな空気に再び包まれた。日本の中に「異国」を感じることができたのだ。

 そして、出迎えてくれた外国人たちが話してくれる物語に引き込まれた。日本を目指した理由、その街に流れ着いたいきさつ、いまの暮らしとこれから・・・。
 彼らのたどってきた旅程や、日本での生活の実感というか息遣い、そんなものを伝えたいと思って取材を進めてきた。何を食べ、どんなときに笑い、日本の何を疑問に思いあるいは共感し、
職場や学校でどう過ごしているのか。

 昨今多くのひとの関心事となり刊行が続いている、いわゆる「移民本」には、さまざまなデータや専門家の分析、論評が連なる。それらも重要だがそこからは見えてこないもの・・・日本に暮らす外国人のひとりひとりの人格、人生を知りたいと、僕のタイでの「外国人体験」と何か共通するものはあるのだろうかと、さまざまな街を訪ね歩いた。

 「日本に住んでいるのだから、特定のコミュニティに引きこもるな」という意見もあるかと思う。
 でも、海外移住というのはたいてい、そうならざるを得ないものなのである。現地にある母国のコミュニティを、まず頼りにする。

 タイでも7万人の日本人が住んでイテ、バンコクでいえばプロンポンやトンローといった地域に集住し、コミュニティをつくっている。そのあたりには和食レストランや居酒屋、日系スーパーや日本人の子供向け学習塾、そして日本語の通じる病院があり、日本人学校へと行き来するスクールバスが走る。そんな場所に並ぶ日本語のフリーペーパーや新聞や書籍のひとつを、僕は制作して暮らしていた。

 こうした「日本人村」を母港のようにして、現地タイ人社会とゆるやかにつながっていく。そういう日本人が多かった。 

 これは日本人だけの傾向ではない。たとえばインド人も韓国人も、ロシア人やドイツ人も、自分たちのコミュニティをタイにつくっていた。誰しも、どんな国の人でも、母国のネットワークや生活インフラがあるからこそ、海外暮らしにチャレンジできるのだ。

 そんな「異国」が、気づいていないだけで日本にもたくさんある。そしていま、これらのコミュニティを核にして、外国人が急速に増える時代を迎えている。大きくなりつつある外国人社会が、僕たちの生活空間に触れはじめてきたのだ。

 やっと目に見えるようになってきた「 日本の中にある異国 」に、日本人は戸惑っている。生活習慣や文化の違いを前にして、困っている日本人もいるだろう。でも、外国人の手を借りなければ、社会はもう回らなくなっている。で、あるなら、彼らがどんな人々であるのか知ったほうがストレスは少なくなるに違いない。そして外国人もまた、日本についてより知ってほしい。日本の慣習も尊重してほしいと思うのだ。





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Last updated  2022.01.25 07:01:52
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