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2022.01.26
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カテゴリ: メディア
図書館に予約していた『デジタル・ファシズム』という新書を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。
堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・
現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。





堤未果著、NHK出版、2021年刊

<「BOOK」データベース>より
行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!

<読む前の大使寸評>
堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・
現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。

<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>

rakuten デジタル・ファシズム



『第1章 最高権力と利権の館「デジタル庁」』の「デジタル庁」あたりを、見てみましょう。
p28~31
<最強権力を持つ「デジタル庁」が来る」>
 2021年5月12日。
「デジタル庁設置法」や「デジタル社会形成基本法」など、合計63本もの法案を束ねた「デジタル改革関連法案」が、参議院本会議で可決された。
 発足に向かって動き出している日本初のデジタル庁には、大きな特徴が三つある。

 一つ目は、権限がとてつもなく大きいこと。
 デジタル庁は内閣の直轄機関であり、デジタル改革担当大臣は内閣総理大臣を直接補佐する立場に置かれる。そしてつうじょうは閣議決定を通さないと出せない他の省庁への勧告も、直接出せるほどの強い権限が、デジタル改革担当大臣に与えられる。  つまり、デジタル庁が内閣府より上位に位置する省庁になるということだ。

 二つ目は、巨額の予算がつくこと。
 デジタル庁の年間予算は8000億円。これに加えて菅総理が1兆円の予算をつけた。総理は世界経済フォーラムの席で、日本は脱炭素とデジタル化に力を注ぐことを公言している。さらに今後全ての省庁の給与と人事、補助金申請などの業務はまとめてデジタル庁の管轄になる。

 全国自治体のシステムの統一や国税の管理、財務省の予算に総務省のマイナンバー発行と全国民の情報の一元管理、AIによる監視システムの整備、文部科学省のデジタル教科書に厚生労働省のマイナンバーカードと健康保険証の紐づけなど、ありとあらゆる省庁の担当プロジェクトを、それがデジタル化されというだけですべてはいかに収めるのだ。もちろんスーパーシティにも巨額の予算がつく。

 三つ目は、民間企業とデジタル庁の間の「回転ドア」だ。
 デジタル庁が予定している職員は500人。うち150人の管理者・技術者を、民間企業から迎え入れる。
 世界は米中を筆頭に、IT人材の争奪戦が起きている。
 では日本政府の本気度はどうだろうか。平井大臣は、鍵を握るのは「回転ドア」だと言う。IT人材不足が著しいここ日本で、公務員レベルの給料で良い人材を集めようとしても限界がある。ならば回転ドアをくぐるように、民間企業と政府の間を自由に出入りする形にすれば、今の仕事を辞めずに柔軟に働いてもらえるだろうと言うのだ。

 だが本当にそうだろうか?
 グローバル企業と政府の間を、利害関係者が頻繁に行き来するアメリカでは、「回転ドア」は利益相反と同義語だ。企業から出向してくる人間達は政策決定の場に入り、自社に都合の良い政策を誘導した後、再びドアをくぐって会社に戻り、出世の階段を上がってゆく。政府の内部事情がわかるので、インサイダー的な情報漏洩も危ぶまれるポジションだ。

 企業側に有利なこの仕組みによって、軍需産業に製薬業界、食品、農業、エネルギー、金融業界に教育ビジネスと、巨額の税金が企業に流れ続けている。
 まごうかたなき<合法的利益相反システム>なのだ。 

 国民の幸福のために奉仕する公務員にとって最も大事なことは、利益や生産性より、<公正性>だ。だから日本の「官民人事交流法」では、公務員の利益相反を防ぐために、兼業や出身企業から給与を受け取ることを固く禁じてきた。

 だがデジタル庁はこの法律を、さり気なく滑り出しから無視している。デジタル政策を企画・立案する「IT総合戦略室」に勤務する100人以上の民間企業出向者は、自社に籍を残したまま、非常勤公務員として働いているのだ。           「デジタル改革推進に向けた機運を一緒に形作ってゆく想い・覚悟のある人材募集」という熱い言葉と共に、デジタル庁はハイレベルな実務経験を必須条件に人材募集をかけている。

 だが政府の本気度が現れるのは、言葉よりもそこに書ける予算額だ。募集条件を見ると、週2・3回勤務、勤務時間は90時間以内、賞与ゼロ、昇給なしの非常勤、各種社会保険なしという、大臣の言う「想いと覚悟」など瞬時に吹っ飛ぶような非正規待遇になっている。この条件で集まれるのは、大手IT企業から出向で送り出される社員だけだろう。

 想像してみてほしい。ひどい待遇の政府と、十全な給与をくれる自社と、非常勤職員は一体どちらの利益のために働くだろうか?
 どれだけ華々しく打ち上げても、デジタル化は方法論にすぎない。そこに、私たちがこの間嫌と言うほど魅せられてきた、税金を私物化する「官民癒着の構造」が見えるだろうか?
 まさに今世紀最大級の巨大な権力と利権の館、それがデジタル庁だ。 


『デジタル・ファシズム』1





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Last updated  2022.01.26 00:04:27
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