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2022.12.05
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『なぜデジタル政府は失敗し続けるのか』という本を、手にしたのです。
マイナンバーカード申請時の特典が12月末に終わるそうで、いよいよ申請しようかと迷っているので・・・この本をチョイスしたのです。



日経コンピュータ編、日経BP、2021年刊

<出版社>より
20年かけて政府が積み上げたIT戦略やITインフラが、新型コロナ対策で役に立たなかった。まさにデジタル敗戦だーー。菅義偉首相肝煎りで「デジタル庁」創設に挑む平井卓也デジタル改革相は、こう反省の弁を述べた。
事実、マイナンバーカードは緊急の現金給付事業で力を発揮できなかった。陽性者の情報を登録するシステムは病院や保健所から「使いにくい」と不満が噴出した。国の構造から制度、人材までデジタルシフトを怠ってきたツケが回った格好だ。

<読む前の大使寸評>
マイナンバーカード申請時の特典が12月末に終わるそうで、いよいよ申請しようかと迷っているので・・・この本をチョイスしたのです。

rakuten なぜデジタル政府は失敗し続けるのか



第5章でマイナンバーカードに触れたあたりを、見てみましょう。
p144~148
<コロナ禍で真価を発揮できなかったマイナンバーカード>
■なぜ「自動入力」ができないのか
 今回のオンライン申請で一部の自治体の業務が滞った理由の一つに、氏名や住所の誤入力が多かった点がある。おおよそ申請の1割に何らかの誤入力があり、大半は自治体職員の職権で修正できたが、中には申請を受理できないものもあった。

 オンライン申請に続き実施された郵送方式では、あらかじめ帳票に世帯主や世帯構成員の情報を印字してあり、ご記入の余地はない。なぜオンライン申請でも、世帯主や世帯構成員の名前をあらかじめ自動入力できなかったのか。

 その主な理由として、万一不正アクセスがあった際の被害を最小化する他に、自治体が持つ氏名・住所の情報を1つのシステムに集約する行為が解釈次第で憲法違反ととられかねない点がある。
 マイナンバー制度に基づき行政機関と自治体のシステム間で住民のデータをやり取りする情報提供ネットワークシステムには、自治体が持つ住民の氏名・住所・性別・生年月日、いわゆる「基本4情報」を送信してはならないという運用ルールがある。

 今回のオンライン申請に使われたマイナポータルの「ぴったりサービス」はログイン不要のWebフォームであり、そもそも自治体のシステムから4情報を取り出す機能は全く想定されていない。今回のオンライン申請ではマイナンバーカードに記録された基本4情報を呼び出すことで、申請者である世帯主の氏名や住所は自動的に入力できるが、世帯主の家族の情報までは読み出せず、手入力するほかない。

 さらに、マイナンバーカードから呼び出せる氏名・住所の文字コードは、自治体が住民情報の管理に使う「住基統一文字」とはコード体系が異なる。これは住基統一文字が使えない一般的なパソコンでも氏名・住所を扱えるようにするための措置だが、両者の氏名・住所を機械的に照合するのは難しい。

 仮にマイナンバーカードを使ってマイナポータルにログインしたとしても、やはり氏名や住所などの情報は引き出せない。情報提供ネットワークシステムにそうした機能がないためだ。今回のオンライン申請において、郵送方式のように世帯主・世帯構成員の氏名や住所を事前に取得できなかったのはこのためだ。

 これはマイナンバー制度を運用するシステムが、2008年3月6日のいわゆる「住基ネット最高裁判決」を踏まえて設計されていることに起因する。
 この裁判では、本人確認のため自治体が持つ基本4情報をやり取りできる「住民基本台帳ネットワーク」について、個人のプライバシー権を侵害し憲法13条に違反するかが争われた。
 この裁判で最高裁判所は住基ネットを合憲と認めたが、その根拠の1つに「個人情報を一元的に管理することができる期間又は主体は存在しないこと」を挙げた。

 この判決の後に設計され2015年に運用が始まったマイナンバー関連のネットワークシステムは、この判決を基に「個人情報の一元的な管理」を徹底的に避ける仕様となった。
 自治体と行政機関の間で「世帯主との続柄」「所得」といった個人の属性情報をやり取りする際は、氏名や住所などはネットワークに流さず、マイナンバーから生成した「符号」に、所得などの属性情報をひも付けて送受信する。

 もし仮に、今回自治体が郵送親政のため各世帯に送った印刷物と同じものをマイナポータルで扱えるようにした場合、自治体からマイナポータルヘ氏名や住所などの情報が集約されるため、運用ルールに違反する・・・少なくとも、マイナンバー制度を運用する内閣府や総務省などはそう解釈している。
 憲法違反とみなされる可能性が少しでもあるような運用を、行政が現場の判断で実施するのは難しい。

■突合作業にマイナンバーは使えなかったか
 では氏名・住所が呼び出せないとして、個人を特定できるマイナンバーを合わせて送信すれば、少なくとも世帯主の突合作業を省力化できたのではないか。

 だがこれも、少なくとも行政の判断では実行できない。2015年に施行されたマイナンバー法は、マイナンバーを利用できる事務(法定事務)を法律の別表で厳格に定めているためだ。この表にない事務にマイナンバーを使う場合、新たな法改正が必要になる。
 実は今回のオンライン申請では、マイナンバーは使えない一方、別のIDが世帯主の突合に使われた。マイナンバーカードで本人認証に使われる「利用者証明用電子証明書」のシリアル番号である。

 マイナンバーカードのICチップは、前述のように2種類の電子証明書を格納している。電子契約や電子申請で署名・押印の代わりに仕える「電子署名用書電子証明書」とマイナポータルへのログインや住民票のコンビニ発行などの本人認証に使う「利用者証明用書電子証明書」だ。

 今回のオンライン申請は、ログイン不要のWebフォームに情報を入力し、マイナンバーカードで電子署名を施す方式である。この「電子署名用書電子証明書」のシリアル番号を、証明書の発行主体であるJ-LISのシステムを使って「利用者証明用書電子証明書」のシリアル番号に変換し、申請者のIDとして自治体に通知しているのだ。

 わざわざ電子署名用から利用者証明用にシリアル番号を返還したのは、多くの自治体が住民票のコンビニ発行などを実施しており、利用者証明用のシリアル番号から住民をふも付けるのは容易とみたからだ。二重申請をはじいたり、オンライン申請を受理した住民を郵送の対象から外したりする処理にも使える。

 だが、こうした行政の思惑は半分当たり、半分外れた。
 コンビニ発行などでシリアル番号を使い慣れた大規模な自治体は、職員がÈxcelやAccessを使い、シリアル番号を検索キーとして迅速に照合処理ができた。

 一方、コンビニ発行を実施していない自治体や、コンビニ発行システムを住民情報と切り離して運用している自治体などは、J-LISからシリアル番号の対応表を受け取ったり、コンビニ発行システムからデータを取り出したりして、住民情報とひも付けるなどの対処が必要だった。対処といっても数日~数週間あれば実行できるものだが、その間は目視など手作業での照合を強いられた。
(中略)

 そもそも、こうしたシリアル番号による照合という手法自体、マイナンバー制度の設計において予定された業務とは言えず、「盗人を見て縄をなう」式の運用と言う側面があった。





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Last updated  2022.12.05 08:01:03
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