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囲碁の強い対局ソフトは、今すぐには出来そうにありません。しかしチェスが人を抜き、将棋も10年以内にはトッププロと並ぶであろう、という見通しが立ってしまった今、電脳における意思決定のモデルとして囲碁がホットな研究対象としてクローズアップされてくるでありましょう。また認知科学の見地から、人間の脳の仕組みを解明する方法として、囲碁をする時に高段者の脳はどう働いているのか、を解明し、これを電脳に応用しようとの試みもなされてゆくでありましょう。その結果、いよいよ囲碁もこれから10年ほどの間に強いソフトが出てきそうな予感がする私でございます。18年前、ファミコン版「スーパー早打ち囲碁」を制作しました折には、着手の候補手を絞り込む部分は真剣に作りましたが、着手を裏付ける「読み」を省き、候補手の中から着手を乱数で無作為に選択する、という手抜きをやりました。時間的・ハードウェア的制約が多い中で商業的成功のみを狙い、囲碁の真理を追究しようとなどとは一切考えなかった私です。いい加減な碁打ちには、いい加減なソフトしか作れないのでした。(^_^;)チェスのソフトがなぜ強いのか、を研究すると囲碁との違いがわかり、なぜ囲碁は今まで弱いソフトしか作れなかったのかが、わかると思います。コンピュータというハードウェアが進歩した過程で、どのような分野から応用が始まったのか、学問的には会計学・簿記への応用が最も早かったのでした。33年前、マクドナルドによってPOSシステムが出来ました。POSシステムによる単品管理を発明したのが、セブンイレブンの鈴木会長です。これによってコンビニという業態が誕生したのです。会計学は最も古い科学です。複式簿記の原理は15世紀の後半に出来ていました。方法論が固まっていて、原則を数学的に記述できていれば、これをコンピュータ言語に置き換える事は可能です。それを現場に持ち込み試行錯誤してゆくうちに、こなれてきて本当の意味での使える「ソフトウェア」が誕生するのでした。複式簿記と同じ位、チェスも枯れた技術だったのです。チェスは旧ソビエトで国を挙げて科学的に研究がなされていました。その契機は建国の英雄レーニンがチェスの名手であった事。スターリン時代に、ソビエトからフランスに亡命したアレクサンドル・アリョーヒンが世界チャンピオンだった。これを負かせ!とスターリンがチェス学校を作って名手を育てた結果、1950~80年台には旧ソ連から世界チャンピオンが続出し、アメリカの天才フィッシャーくらいしか対抗する名手がいなかったのでした。旧ソ連のチェス研究論文などが対局データベース・定跡として膨大な資料が残っていて、これをプログラムに置き換えれる事は1970年代から行われていたのでした。囲碁に関して、どれだけ科学的に研究が為されたでしょうか。囲碁の着手の法則性を文章化しようとした人物といえば、安永一・苑田勇一先生などがいますが、チェスや将棋界とは比較になりません。いや今日、中国の囲碁研究は旧ソ連のように国家が振興しているのです。その成果はコンピュータに置換されてゆくでしょう。囲碁において着手選択の方法論が数学的に記述された資料があったなら20年前に、私はプログラムにしていました。だけど・・そんな物なかったんです。なかったから、乱数で逃げたのでした。ですから強いソフトが出来る、という事は囲碁が科学的に解明される事とほぼ同義であると私は考えています。
2006.10.31
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以下の文は、私が自分のブログを立ち上げる前(5/20)に書いたものです。しかし、今読み返して見ると、間違いが多い。nipparatさんの挑発によって5ヶ月前の私が書いたものが再度読み返されてしまう事態となりまして、自分の考えを改めるとともに書き直す必要がある、と思いました。----- 元の文 -------命題1 将棋はチェスのように人間のトップが負かされるようになるのか命題2 将棋の次に囲碁もコンピュータも人間が負かされるようになってしまうだろうか上記の2点に絞って私見を述べます。その前に、対局ソフトの開発過程を確認しておかないと的はずれな予想に終わってしまうと思います。コンピュータには、記憶・演算を無制限に行わせる事が可能ですが、終盤のように全ての可能性を確認して比較できる局面を除くと、人間の着手選択に至る思考過程を論述し、それをプログラム言語に置き換える事になります。(注意)全ての対局ソフトがそう言う作り方をしているのではなく、人間のトップに勝つソフトを作ろうとすると、そういうアプローチになるはずだ、と私は考えています。命題1 これに関しては升田幸三氏が40年前にプロ五段までは行くだろう、と予言しています。米長さんも(ほとんど全ての棋士も)最近までは升田予言を信じていました。ところが、10年前に升田予言を否定した天才がいます。羽生善治氏です。羽生氏はチェスを本格的に研究して、将棋は、チェスと比較すると全然科学的に解明されていない部分が多く、今の人間のレベルが低すぎる。ので一時的に人間のトップが追いつかれるかも知れない。将棋をコンピュータ科学の手法で研究してゆくことによって、人間もコンピュータもパラレルに進化し得る。と予言したのです。命題2 囲碁の対局ソフトの未来についても羽生予言は適用できると私は思います。囲碁は将棋に比べても、全然解明されていないし、江戸時代の道策・秀策・丈和などと現在の棋士を比べるとどっちが強いとは断言できないと私は思います。その点、幕末の天才、天野宗歩と羽生さんとどちらが強いか、なんて疑問の余地はありません。-------- 現在の意見 --------上記の発言は大いに修正する必要があります。私は電脳の進歩による弊害を理解しておりませんでした。また羽生氏も10年前とは異なる見解をもっているようです。電脳と人間がパラレルに進歩するなんて事は有り得ない。いったん電脳が人間に追いついたら、もう人間が抜き返す事は不可能でしょう。チェス界においては現世界チャンピオン・クラムニクを他の棋士がFIDEに「ソフト指しをしている」と訴えた、と聞きました。これは私には衝撃的なニュースでした。対局中にトイレに行き、携帯端末で現局面の最善手はどれかを調べようとする棋士の姿を想像して下さい。世界チャンピオンがかかる疑惑を他のトッププロから指摘されるようでは、もはや「チェスの終焉」と言えるでしょう。6年前、将棋世界に真部一男八段がコラム「将棋論考」で、将棋界でも将来、プロ棋士によるソフト指し(不正行為)が行われるであろうと予言しました。でも今や現実に有り得るところまでコンピュータ将棋は進歩してしまいました。こら、あかん。囲碁ソフトだけは進歩しないでくれ~、と思うようになったのでした。しかし18年前、自分の作った囲碁ソフト(ファミコンカセット)が日本橋で売れているのを見て、感激した事は忘れられません。
2006.10.25
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nipparatさんの所で話題となってる件なんですけど、対局ソフトを開発するって具体的にはどういう事なのか、を判ってないのかしらって人が多いと思うのです。実は私は世界で初めてゲーム専用機の19路盤対局ソフトを開発したチームの一員だったのです。1987年の11月にY松君から「・・という会社のAさんという方に電話して下さい」という電話がありました。Aさんに電話してみますとAさんの自宅と私が住んでいた神戸大住吉寮は2キロほどしか離れていませんでした。そこでJR住吉駅の近くで待ち合わせてAさんお勧めのお好み焼き屋とAさんの家で2時間ほど話をしました。Aさんは新神戸駅に近いホームデータ社の総務を担当されている方で、将棋の有段者でした。ホームデータ社はパチンコ台メーカーのコンピュータ部分を下請で作るのが本業の会社でしたが、ファミコン用将棋対局ソフトで一山当てたので、囲碁ソフトも作ろうとしていたのでした。神戸の会社ですから神戸にいる若い囲碁の強い人を探して、開発に協力してもらおうとしていました。まず灘高に在学していたS井秀至さんに声をかけたが断られ神戸大のY松選手(当時、学生本因坊)に声をかけたら、先輩にコンピュータマニアがいるってんで私を紹介した。これが私とホームデータ社の出会いだった訳です。----眠いので、続きは明日書くぞ-----
2006.10.24
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チェスが上手いとはどういうことかのhidewさんと島谷さんの問答を見て思ったのでした。私はネット碁で時間切れ負けをよくやってしまいます。これは直感で閃いた手を読みの裏付けを取ろうとするためです。また対局数が少ないのは敗因を分析しようとするからです。しかし、棋力向上にはあまりつながっていません。島谷さんは負けても負けてもポンポン打つ。でも「ヨミの能力が欠落しているので記憶にない手を打たれると狼狽して奈落の底に落ちる」体験が強烈な記憶になって、その集積によって直感の精度が高まっている、つまり棋力向上につながっているのでしょう。それに詰碁の勉強も随分なさっておられるので強いのでしょう。体験に裏付けられた情報は、記憶に残るし精度も高い。活きた情報量と棋力は比例しているのでしょう。
2006.10.22
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○「もし囲碁の真理を機械が解き明かしポンポンと示すようになったらどうなるだろうか」というnipparatさんの心配は杞憂であると私は思う。○チェスに較べて囲碁はまだまだ、人間が解明していない部分が多い。いや多すぎる。コンピュータは人間の後追いしかできないのだから、囲碁のロマンは永久に不滅ではないだろうか。○ただヨセ・死活に関しては、局面をインプットすると最善手をコンピュータが教えてくれる時代はくるだろうコンピュータにできる事は、基本的には記憶・演算・出力でしかない。それを組み合わせて活用する方法がプログラム開発である。対局ソフトを開発するという事は、人間が思考錯誤して集積したデータを取捨選択してデータベース化する事や、着手決定の過程を分析して再現する事にすぎない。強い対局ソフトを作るには、まず人間がその対象物をよく研究しなければならない。しかるにチェスや将棋では100年以上前の最強者が現代に現れても現代のトッププロとは勝負にならない、と言えるが囲碁はそうではない。ヒカルの碁は秀策の霊が憑依して少年が強くなるという話である。チェスや将棋でもそういうマンガは可能だと思うが、少年が棋士の卵になるところで霊の役割はオワリであろう。人間の囲碁研究自体がまだまだ未熟だからこそ、強いソフトは作れないと私は思う。
2006.10.22
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私は日本は核武装すべきである、と思っている。それも短距離戦術核しか開発・装備しないと表明すべきだ。大陸間弾道弾などはもっての他である。日本の周辺諸国へ睨みを効かすだけで良い。それなら巨額を要するという事はないだろう。佐藤首相が非核3原則を発表したのは1967年の事だ。1964年に中国が核実験を行い、その直後に日本も核武装を真剣に研究した。がアメリカとの協議などを通じて、日本がアメリカの核の傘に入る事を決めた。それが3原則の背景なのだった。しかし3原則の裏返しとして日本はアメリカのイエスマンに成らざるを得ない。それゆえにイラクにも行く事になってしまう。日米安保条約を双務的な対等に近い軍事同盟にする方針だったら、ここまでは日本は責任を持って行うという範囲を設定しないといけない。北朝鮮の船を臨検しようとするアメリカや他国をサポートしようとしても今ではできる事は限られているようだ。兵器の配備よりも経済的制裁の方が厳しいのは確かのようだ。軍事的恫喝だけで上手く打開できないのは北朝鮮やイラクでのアメリカの失敗を見ると明らかである。でも核を持たない事が外交カードとして有効だとは私には思えない。
2006.10.21
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わが職場でも話題になった。Tさん「カネ儲けに走った罰があたったんや。凱旋門賞に勝ったら種牡馬として100億の値が付く、とか言うてファンの声を無視してフランスへ行ったり、引退を早めたりしてからに・・・」Tさんの言う通りである、と思う。日本の競馬では禁止薬物の定義は人間のドーピングと同じで、馬の走りに有利に影響する可能性のある薬物を禁止する事であるらしい。フランスの競馬では全ての薬物は禁止らしい。この事は馬主・調教師・獣医たちは皆知ってるはずだ。知らなかった、ではすまない話である。私はディープインパクトが今年で引退するのは正解であると思っている。ディープインパクトは仔馬の時は体格が小さかったため7千万円で買われた。サンデーサイレンスの子なのら一億円を超えるのが普通らしい。走りはスゴイが、丈夫な体質かは疑問なのだ。ヘタにケガをする前に驚異的な走りの遺伝子を残す事に専念して、日本に競馬界に多くの名馬を残して欲しい。ディープインパクトの子供の中から凱旋門賞を勝つ馬が出る事を期待したい。
2006.10.20
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一週間のご無沙汰でした。体調不良と精神的疲労で書くことができませんでした。で、北朝鮮がらみの話をします。私が今はたらいているヨーグルト工場で、ストロベリーソースという原料があります。イチゴを半ばジャムみたいにしたものでこれをヨーグルトに混ぜて製品にするんです。今日からカリフォルニア産のイチゴを使った新製品を生産し始めました。昨日までは韓国から輸入したストロベリーソースを使っていたのでした。私は不思議でした。苺ジャムの安物は東欧産が圧倒的に多い。なんで韓国産なんだろう?ムムム・・これって北朝鮮の苺を韓国で加工した物じゃないの?では、なぜ韓国のストロベリーソースをやめたのか。大手コンビニチェーンから原料の産地をパッケージに明記した製品を出荷してほしい、と言われたからなのでした(^_^;)こんな小さな所から経済制裁ってのは効果を挙げるのだなぁ。最終的には一般消費者の意識が目に見えない力になっているんでしょう。北朝鮮との貿易を全部禁止したって中国や韓国から迂回して入ってくるから意味ないって人もいる。でも食品業界の人は仕入る時に本当はどこの産地か、大抵わかっている。わかっていながら消費者に言えないような所から買う事が自社の信用を損ねる危険性があるって事もわかってるはずだ。某回転寿司チェーンの松茸入りあんかけ茶碗蒸しとかウニの軍艦巻きは美味しい。でも当分は食べない事にしようっと。なお私は勤務先の製品を良質である、と思っております。苺を着色料・香料でごまかしたりするよりは○○産でもホンモノを使うほうが良心的だと思うからであります。
2006.10.17
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将棋界と比較すると囲碁の棋士は引退が遅い傾向がある。関西棋院では窪内九段が未だに現役である。これは組織文化という事を考えさせられる。もし棋聖戦第一期決定戦で橋本宇太郎九段が勝って、初代棋聖になっていたら当時70才だった宇太郎九段は引退するつもりだったらしい。もし秀行師が負けていたら、関西棋院の棋士も生涯現役志向はなかったかもしれない。将棋界では昭和27年、木村義雄が名人を大山康晴に奪われた時、復位する可能性がないから引退すると表明した。47歳だった。これが当時の棋士に与えた影響は大きかった。加藤治郎・福井資裕・高柳敏夫・大友昇・荒巻三之・高島一岐与など40歳前後で「もう俺は名人リーグ復帰できる自信がない」からと引退した棋士が多かった。それらの棋士は後進の育成、執筆活動・将棋連盟の運営などに尽力した。しかるに、一度も三大リーグに入る事なく、NHK杯や他の棋戦の本戦に姿を見せる事も少ないのに最高段を名乗って、いつまでも引退しない人が多い業界があるのは奇異である。将棋連盟も棋士の互助組織としての側面が強くなり、新規参入障壁を高くする一方で、既に棋士である、既得権者を保護する傾向が強くなってきた。それでも全棋士参加の順位戦でクラスが下がるとフリークラスに転出し、一定期間に順位戦入り可能な成績を上げないと引退を強制される。ところが囲碁界には弱いプロに資格剥奪する仕組みがない。これをなんとかできないものだろうか。
2006.10.11
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3年前、山田監督が更迭されて落合氏に決まるまで時間がかかったと記憶する。落合氏はコーチ経験もなく突然監督に招聘された。私も含めて世間は、落合氏のマネージメント能力を疑問視していた。しかし優勝・2位・優勝と3年の結果を見ると、落合氏の采配能力はかなり高いと言わねばならないだろう。あんまり野球に興味のない私には落合采配のどこが優れているのか、よくわかんない。野村監督のように若手を育てるのが上手い、選手を再生させるのが上手い・・とか言う話はあんまり聞こえてこない。落合氏は就任以来、FAなどによる補強をせず「今の選手の能力だけで優勝は可能」と言い続け、それを実現してしまっている。ってことは経営組織論的にはenpowerment能力が高いmanagerだと言えるだろう。
2006.10.11
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日本の健康保険制度が維持困難になってきた、という認識は徐々に世間に広まりつつある。外資系保険会社の「医療保険」がテレビCMで流れる背景には、公的健康保険・公的年金制度への不安が潜在的需要を作っていて、CMはその不安を喚起しようとしているように思える。テレビで医師10人と芸能人10人を集めて、日本の医療制度の問題について述べるという番組を見た。医師たちの曰く「日本は医師の数が少ない。勉強不足の医師が多いかも知れない。医師免許を更新制にすべき、であろう。でも今の医師の数では労働時間が長く、医師をサポートするスタッフ・体制がないために医師としての仕事に専念できていない。だから政府が医療費抑制政策を転換し、医師の数を増やさないと医療サービス水準を向上させる事はできない」という。また日本の医療費は30兆円でアメリカは200兆円なのだそうだ。しかし今の日本の健康保険制度では、ノーチェックで必要のない検査・高額な薬が提供される現状がある。果たして医療費30兆円は過大なのか、どうなのか。私にはわからない。ちなみに日本のパチンコ・パチスロ業界の総売上は年間25兆円である。これは大きすぎて異常であると思う。
2006.10.11
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私は安倍新首相を好きではないが嫌いでもない。私は小泉前首相を基本的には支持していた。安倍氏は苦労もせずにスーっと首相になってしまった。小泉氏が三度の自民党総裁選を戦い抜いて、ついに首相の椅子を掴み取ったのに対し、安倍氏は禅譲を受けて戦わずして首相になってしまった、という感じだ。安倍氏の個性が見えにくいのは、個性を剥きだしにして闘う必要がなかったからだ。だから安倍氏の個性が見えてくるのは、これからなのだ。凡庸に見えた人物が社長や君主になった途端に、英明・果断である事が明らかになったという例は少なくない。逆に期待された人物が優柔不断でトップの器でなかった、という例も多い。果たして安倍氏はどちらであろうか。国会で野党議員たちは、安倍氏が首相就任以前に個人的見解として述べていた歴史認識を変ったのではないか、と質問している。が、これはナンセンスである。首相就任直後に中国・韓国と北朝鮮問題等で協調すべく交渉している、という現時点で、昔の話を持ち出しても「私は直面する北東アジアの安定に向けて、国益を優先して行動して参る所存でございます」と跳ねつけて宜しいのである。質問者のレベルが低い、という他ない。君子は豹変する。豹変できない人物はトップの器ではないのだ。小泉氏はしばしば豹変したが、これを変節漢と批判してはいけない、と私は思う。
2006.10.10
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医療が受けられない~ゆきづまる国民健康保険~Nスペの予定を見ていると表記の番組があった。実は国民健康保険を含む社会保険料は広義の税金であり、健康保険税の納付などという言葉を役所も使っている。私は長年企業の経理を担当していた。社会保険に関する手続きも実務経験がある。労働者の立場から見て、国民健康保険と社会保険はどう違うのか。保険料の半額を雇用者が払ってくれる社会保険に加入した方が得だという事は一般常識である。しかし常識が通用しない場合がある。それは国民健康保険料は前年度の所得に基づいて算定されるからである。国健の方が得な場合とは、前年の所得が少なかった場合である。ここで言う所得とは、実収入の事ではない。税務署に行って申告して確定した前年の所得に応じて当年7月から来年6月までの一年間の保険料が決まるのだ。だから確定申告は重要なのである。還付される所得税額よりも、翌年の負担する社会保険料の減額の方が一桁大きいのに、それを知る人は意外に少ない。例えば私は平成14年3月から8月まで失業していた。その間の受給した失業保険は所得税法上、無視される。その結果平成14年度は納付税額0円になった。源泉徴収された所得税は全額還付された。だが納付税額0円という確定申告が通るとメチャ美味しいのだ。まず国民年金の支払免除申請が通る。これで一年間年金はタダになる。国民健康保険も介護保険分以外は全額免除になる。平成15年7月~平成16年6月の国民健康保険料はたった20,300円ですんでしまったのだ。所得税の申告と市役所の健康保険課および社会保険事務所への手続きを知っていれば、実際にはそこそこの収入があっても、社会保険料はタダ同然になってしまうのだ。が去年、国民年金に関する法改正があって減免申請が難しくなった。今年からは国民健康保険料の算出方法が変化したし、減額申請が認められる範囲が極めて限定されてしまった。であるから税務署を欺きうまく確定申告しないと甘い汁は吸えない事になってしまった。むろん世間のお年寄りにこうした悪知恵のある人は少ないので、払えない人が増えてきている。こうなった原因は地方交付税の減額等による地方自治体の財政困窮と健康保険の歳出増加にある。社会全体が高齢化し、健康保険加入者も高齢化・所得減少の傾向にある。従来の算式で保険料を集めていたら保険財政は大赤字で、地方自治体が赤字再建団体に成りかねない所まで、追い詰められているのだ。もともと国民健康保険は自営業者の為の保険という位置づけであった。しかし高齢化と中小零細企業が社会保険を維持できない所が多いため、高齢者および低額所得者(非正規労働者)全体の受け皿と化してきてしまった。とてもではないが市町村で支えられる物ではなくなってきている。厚生労働省は今のままでは2020年には勤労者の自己負担率を6~7割。老人の自己負担率を4~5割にしなければいけない、と言っている。これでは医者に行けなくなってしまう。どうせ行けないのなら保険料なんか誰が払うもんか・・って事で崩壊するであろう・・と私は予測するのだ。
2006.10.10
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わたし日本棋院の段位認定に先月応募したんですね。8問を10分位しか考えないで答えました。というのも3~4択の問題ですから、詰碁の問題しか読みません。その結果は98点で5段認定というものでした。あら意外に高得点なのねぇ・・。ところが今月の級位認定の問題を見ると・・どれも3択なんだけど、答えがどれかわかんないのでした。出題の趣旨・意図が察知できないのでした。だいたい資格試験の経験でいえる事は出題者の意図が分かれば、8割方勝利したと言ってよい、と思います。それが第一感が閃かない時は、その問題はパスする。囲碁で第一感が見えない時は、無難な手を選びます。結局、囲碁でも経理でも試験でその人の実戦の力が計れるはずはないと思うのです。試験ではヤマが当たったり、知ってる事柄や局面が出題されたら高得点します。実戦では、そううまく行きませんよね。
2006.10.09
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囲碁・将棋ジャーナルを見た。囲碁の今月の聞き手は鈴木歩三段だ。鈴木さんがしゃべっているのを見たのは初めてだ。囲碁の祷さんには教えてもらったことがあるので女流本因坊に返り咲いていただきたいと思っている。だが注目したのは将棋新人王戦の解説である。糸谷四段の「糸谷流」という対振り飛車美濃囲いの序盤作戦、右玉の薄い構えで左側から攻めてゆく。善悪はともかくオリジナリティがあっていいではないか。振り飛車対策というとイビアナとか高美濃とかガチガチに固めるという思想がはやった時期があった。糸谷四段は、入玉が得意という大山・中原的な将棋だ。大成を期待したい。
2006.10.07
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要旨A)日中間の問題というと北朝鮮とか歴史問題とかがニュースで取り上げられているけれど中国の一般国民の最大の関心事は、進出した日本企業と共産党政府が労働者の権利を保護してくれるのか、という点にある。B)今話題の上海市幹部の汚職は、年金基金の流用が発覚したという物だ。これは厚生省が管理している雇用保険の流用や郵便貯金が財務省資金管理部から特別会計を通じて特殊法人・公団などに資金が回っていった。これが回収不能になっているのと本質的に同じ問題だ。C)資本主義化する前の中国では、農村では人民公社、工業では郷鎮企業が労働者の退職後の年金・医療などの面倒を見る共同体と位置づけられていた。しかし90年代から人民公社も郷鎮企業も解体、民営化されてしまい、高齢者の年金・医療などをどうするのか、受け皿が無い状態なのだ。日本も企業年金基金や社会保険組合の解散が相次いでいて、中国を笑えない状況になってきている。日本では国民年金の未納が多いし、その徴収の手続きに関する不正が発覚して問題となっている。だがそれは枝葉の問題であって、積み立てている基金が正しく管理されているか?年金を納付した人にきちんと還元される見通しがあるか、が根本的な問題だ。つまりB)が根っ子だと言える。小泉前首相の郵政民営化の本当の狙いは、郵便事業の民営化ではなくて、B)の資金の流れを国民に見えるようにする事にあった。それが行財政改革の出発点だと位置付けていたのだ。中国共産党の幹部連中は、日本・韓国・台湾・欧米の企業を誘致しまくり、法人税・事業税・固定資産税は10~20年は安くしておきますから・・と言っている。しかし若い労働者を雇用させ、そこから保険を源泉徴収するのだ。中国の保険制度は、賃金の約5%を労働者が負担し、同額を企業が負担して政府に納付させる。ここまでは日本の社会保険と同じだ。中国政府はそこへ賃金の約5%の同額を政府が補助して積立て基金を作り、労働者やその家族の老後や医療を面倒みる仕組みを構築する方針だ、と言っている。しかし、それを共産党幹部が横流ししている。これでは労働者も企業も保険を納付する気になれない。まるでNHKの受信料みたいな話だ。中国共産党政府が日本に期待する最大の問題は、日本企業に保険を納付させて欲しいという物なのだ。これは現在、中国で工場長をしている友人から聞いた話である。
2006.10.07
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hidewさんが著作権の延長に反対しているのは私も賛成する。しかし相続税100%に関しては税の専門家として賛成しかねる。1952~78にイギリスでは相続税90%を実施したがサッチャー政権によって改められた。イギリスの相続税90%が廃止された理由は、貴族階級が相続税を納付するために土地・邸宅・美術品などを競売にした。それらの多くはアメリカやアラブの富豪が買い取ったために、多くの文化財が流出してしまった。これは文化的損失だ、という議論が起こったからだ。するとイギリスでは課税対象とならない資産と認定するか、どうかが大きな問題となった。これは現在の日本で生産緑地指定された農地に対して、固定資産税と相続税を実質的に非課税にしているのと似ている。日本でも相続税や所得税の最高税率が75%だった時期がある。また法人税の実効税率が55%だった時期もあった。しかし税率が高いと、納税者は必ず租税回避に走る。また担税力を考慮しないといけないので課税の繰り延べなどの例外措置が設けられる。例外措置と租税回避によって、日本では土地投機とバブルが発生してしまった。話を簡単にすると、税率が高い → 例外をいろいろ認めることになる → 抜け穴から思わぬ結果が起きる。 80年代のレーガン・サッチャーに代表される保守主義・自由主義の租税論は、税率を低くし例外措置を撤廃し簡素な税制を作る。この事によって徴税の不公平を無くす事を目指す、という事である。ちなみに税率が高いからといって、税負担が高いという事にはならない。日本では、発生所得や消費には課税するけれど、資産(評価額の増減)には課税されないし、間接的に支配した場合課税されないという抜け穴がある。例えば池田大作氏は巨額の資産を実質的に所有しているけれど、宗教法人には課税されない事になっている。また小佐野賢治氏は1兆円以上の資産を残して死んだが、払った相続税はたったの30~40億円に過ぎなかった。抜け穴の仕組みについて説明したら、長い長い話になるから書かない。
2006.10.06
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食ってみましたわ。380円の並を。食って気が付いた事は、アメリカ産牛肉は原則として生後20ヶ月前後までに屠殺された牛に限って輸入しているでしょう。吉野家はそれを守ってるな、とわかりました。20ヶ月で殺される牛って、乳牛種の雄牛に決まっています。部位はすき焼きや肉じゃがに使うような所です。やわらかいけれど乳牛種特有の臭みが残っていました。従来は、肉牛種の成牛のショートプレートを使っていた。高級牛の最低の部位を使っていた。それが規制によって最低の牛のいろんな部位を使うようになった。私はマズイと思いました。というか材料が根本的に変ってしまったのだから調味方法を見直す必要がある、と感じました。前の味と全然違うのに大勢の客が来ているのは不思議でした。50円引きの券3枚をくれました。即ち、これが牛丼セールの真意かなと思ったのです。牛丼のない吉野家も努力しています。もっとお客さん来て下さいね。米国産牛肉の輸入規制が30ヶ月までOKになれば従来の牛丼を出します。そのときは宜しくね、という事かいな。
2006.10.06
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本格讃岐スタイル セルフうどんの「たなか」が私の好きな店です。へんな大阪風に染まらず、地元の食材と香川の田舎の雰囲気を感じさせるホンモノ志向の店として、発展していってほしい・・と願っています。関西の讃岐うどん界には、もはや讃岐には学ぶ所はない。われわれ固有の文化と融合してゆくべきだ、という意識の店主が多い。これが私には不満なのである。讃岐うどんの奥深さ・多様さを大阪近辺の人間は知っていない。これに私は着目している。大阪の讃岐うどんの亜流の店は十年したら、ほとんど潰れている、と予言しておきます。
2006.10.05
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讃岐うどんの特徴は、腰の強さ、であろう。釜揚げうどんなどというのはヤワな麺では伸びてしまって食えない。しかし日本各地にはいろんなうどんがある。大阪うどんは麺と出汁がからみつく調和に特徴がある。秋田の稲庭うどんとか関東のうどんは細くてのど越しを重視する蕎麦みたいなうどんだ。讃岐うどんは20年前には茹でるのに15分以上かかかる麺が主流だった。しかし山越のような関東的な讃岐うどんが中心になり、カトキチの冷凍麺も基本的には山越のコピーだった。90年代の讃岐うどんブームは腰が強いが細い麺、というのが基調だった。ところが近年、大阪のうどん事情を見ると讃岐離れ、大阪の「もっちり」した麺とか圧力釜で茹でたグミ的な触感の麺を売り物にする店が有名になり独自色が強まっているように思える。私の好みは讃岐本場のうどん文化にあこがれる。いりこ出汁、大きなゲソ天、唐辛子の佃煮、酢をかけて食べる麺など讃岐うどんの多様性をコピーする店が関西には見当たらない。讃岐の多様性をもっと見習うべきで、残念ながら讃岐めぐりをしないと食べられないうどんが多い。カレーうどんなどに力を入れる店を私は評価しない。
2006.10.05
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まず場所がない。核実験をやるとなると大海の中の無人島か、広い砂漠に深い穴を掘ってなおかつ放射能が拡散しない設備を構築しないといけない。そんな場所も技術もないはずだ。こんなブラフは無視してよい。驚いたのは韓国の外相が国連総長に当選してしまった事だ。北朝鮮に融和策を取ってきた当事者をアメリカが承認するとは・・もちろん潘新総長はアメリカ・中国などの5大国の意向に忠実でないとまずいだろう。ガリ氏のようにアメリカと喧嘩して実権がなくなってしまうことは避けるだろう。なんで韓国の候補者が当選したのか・・と考えると非イスラム・非EUという線をアメリカ・ロシアが望んだからではないか・・と想像できる。
2006.10.05
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今日は会社をずる休みして、寝屋川の功留館のラーメンでも食って、銭湯にでも行こうかと思う。左膝と右肩が痛いのである。電気風呂ですっきりするじゃろうか。パンダ杯も観戦したいけど、パンダ杯って幽玄からは見れないだっけ。よくわかんない??
2006.10.04
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前代未聞の事なのでマサカとは思ったが、サッカーW杯の日韓共催のように「やってみれば成功する」んじゃないか、と思う。何故かというと今までは順位戦の棋譜の多くが一般のファンの目に触れないでいた。これを複数の新聞社の将棋欄を使って、分け合えば充分なコンテンツになるはずだ。また七番勝負には各社が解説者・観戦記者が腕を振るって、個々に観戦記を書くべきだ。素材をどう料理してファンに読ませる観戦記を書かせるかに新聞社は鎬を削るべきだろう。当然、棋譜と観戦記はネット上に公開し、第一局は朝日のN記者の勝ち、第二局は毎日の作家Aさんの勝ち、とか将棋ファンは採点投票する、のがいいだろう。同様の事は囲碁にも言える。新聞社は棋戦を主催する必要なんてなくて、主催者から棋譜掲載権を譲渡してもらって記事を作ればいいのだ。またアマの棋譜も解説者・観戦記者の出来一つで充分鑑賞に堪えるコンテンツ足りえると思う。
2006.10.04
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風邪気味である。昨日は仕事休んだろか、と思ったが出勤してみると周りの状況が幸いし、ラクをさせて頂いた。が、その分今日はキツいのでは・・と予感してしまう私だ。寝屋川の会社員が京阪電車の中で女性警察官に痴漢行為をして、その場で取り押さえられたらいい^^;。アンフェアの録画を見ていて篠原涼子みたいな警官がいたら、俺も触って捕まるだろうかなどと考えてしまう私だ。現実にはバイクで通勤し、職場には年配の女性だらけなので欲情に身を誤る危険は皆無である。ちょっと寂しいな。
2006.10.04
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しろへび選手の「京大囲碁部の記録」の中にnipparat選手の棋譜を発見しました。お二人は学生時代に既に対戦していたのですね。nipparatさんは多賀選手などとほぼ同世代であることが判明しました。行松選手と同世代の人かな、と最初思っていたのですがもっと若い人だったのですね。この記録の中には私の名前もあるのです。私と同世代の強豪といえば闇雲さんと金沢東栄さんですね。対戦した事がありましたが結果は書くまでもございません。私も去年のOB戦でひよこ選手と対戦していますし、世間は狭いと言えましょう。
2006.10.02
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土曜日にわが家に隣接している小学校が体育祭をしていた。私は体育祭は日・祭日に開かれるものと思っていたので、予行演習かと思ったらホンモノだったのである。日曜日には近くの中学校が体育祭をするので土曜日にしたらしい。結果的には日曜は雨になったので小学校の決断は正解だった。茨木CCで行われたゴルフの日本女子オープンの最終日は雨で宮里選手の逆転は成らなかった。屋外で行うスポーツは天気が重要だ。稲刈りも天候と大きく関係する。稲穂が濡れた状態では刈り取る事ができない。わが家の近くでは稲刈りを予定していたのが遅れているであろう田んぼがたくさんある。わが家で食べている米は、滋賀県の農家から送られてくるものだ。弟の嫁さんの同僚の実家から買っている。新米が食べられるのは今月下旬以降であるらしい。丹波の黒枝豆もぼちぼち取り入れのシーズンである。これも楽しみだ。
2006.10.01
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