まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2006.09.30
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最終回。

浅野妙子にやられた。
この脚本家は凄い。

あざといけど、巧みです。



桜子は、何も成し遂げませんでした。
桜子の人生は、何もできなかった人生でした。
桜子の人生は、なにものでもありませんでした・・。

我が子にすら触れられない桜子の最期の姿は、


でも、
このドラマの本当の主題 は、
桜子のあれやこれやの人生の出来事じゃなかった。

それは、結局、
最後にあの8mmのスクリーンに大映しにされた、
あの赤ちゃんの姿だった ってことです。



このドラマは、結局、
桜子の物語なんかじゃなくて、
あの最後の「赤ちゃんの映像」を見せるための作品だったと言っていい。

桜子の歩んできた人生なんて、本当はどうだっていい。


浅野妙子は、そうやって、
せっかく半年もかけて延々と描き続けてきたヒロインの人生のエピソードを、
最後の最後に、ポイっと捨てる。

大事なのは、
人生の中のあれやこれやの出来事じゃなくて、
「命そのもの」 なんだ、と。

浅野妙子は、最初からそのことだけを描くために、
わざわざ半年もかけて、ヒロインの人生の色々なエピソードを、
“すべて無駄になる”ことをはじめから知りながら、
ただただ、書き続けてきたんだと思う。

しかも、同時に、
テレビの職業脚本家として、
ネタとハッタリを織り交ぜ、
高い視聴率をきっちりと確保しながら!!

それが、浅野妙子の凄いところだよね・・・(*^_^*)



もともと、
母親マサの人生も、何も成し遂げられなかった、儚い人生でした。

このドラマのヒロイン=桜子の人生も、
結局は、何も成し遂げられない、なんでもないような人生でした。

そして、やっぱり息子の輝一だって、
最終的には「なんでもない人生」を送ることになるのかもしれない。

だけど、

あの、生命いっぱいの赤ちゃんの8mm映像を見ていたら、

たとえ、人の一生が、
「何も為すことが出来ないもの」だとしても、
それが無駄だとか、不必要だなんてぜんぜん思えない。
大事なのは「命そのもの」なんだから。

“なくてもいい命”なんてない。

その単純なメッセージのために、
無駄なエピソードを、半年も見せ続けた浅野妙子は、本当に凄い。
演じ続けた役者さんも、えらい。
毎日見続けたわたしも、ある意味、褒めたい。
ものすごくご苦労さまでしたと言いたい。

あの画面いっぱいの赤ちゃんの映像は、忘れられません。



あらゆる意味で、浅野作品のドラマ力に脱帽。





※現在、​ 音楽惑星さん ​にお邪魔して、「斉藤由貴」問題について考えています。






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最終更新日  2020.09.19 12:12:47


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