まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2008.06.10
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カテゴリ: ドミトリー
それでは、




スキル一覧表には、
いわゆるライフスキルではない技術や能力、
またドミトリーの家事には直接関係ないものを、
記載したって構いません。

たとえば、
「パソコンの表計算ができる」「英語の翻訳ができる」

ありとあらゆる能力を記載していいと思います。

それを見て、居住者は、
個人的に仕事を依頼してもいいし、
あるいは、そうした技術を教えてもらってもいい。
そして、その場合も、
ポイントで対価を支払えばいいわけです。



何度か書いてきたように、
ライフ・スキルの伝達と共有は、
かつてなら、
家族や地域の共同体の中で行なわれてきたことですが、


ライフ・スキルばかりにとどまらず、
ときには、きわめて特種で高度な技術や知識などが、
受け継がれていたのではないか、と思われます。

しかし、そのような共同体の機能は弱まっています。

現在では、さまざまな技能や知恵が、

著作権や特許などで法的に保護されたりしています。
つまり、
あらゆるものが市場経済の中に呑み込まれています。

けれど、
市場経済からはこぼれ落ちてしまうもの、
市井の人のなかで無駄に消えていってしまうスキルもある。
あるいは、
生活を共にすることでしか受け継がれないスキルもある。
すごくもったいないことです。
そういったものを、
ドミトリーの中で自由に伝達していければいいと思います。



従来、
ライフ・スキルをはじめとする人間としての素養を、
家庭や地域においてあらかじめ身につけておくことは、
社会に出る上での常識であり、前提でした。

実際、職場で教わる「マニュアル」以前に、
共同体で身につけておくべき基礎的なスキルがなければ、
ビジネスなどでも対応できないことのほうが多い。

しかし、そうした前提が崩れ始めているのが現状です。

学校教育の中だけで生活スキルのすべてを養うのは無理がある。
やはり、家庭や地域の中でのコミュニケーションの中でこそ、
それらは自ずと養われていたのだと思います。

市場経済の拡大と浸透によって、
そうしたコミュニケーションの領域は解体されていきました。
その結果、資本主義社会のバランスが崩れてしまってる。



やや大げさな話になりますが、
資本主義社会というものは、
市場経済だけで成り立っているのではありません。

太陽の恵みがあり、地球の生態系があり、
共同体があり、そこで人間の再生産がある。

人間の、身体性と精神性が、そこで再生産されている。

そこは、いまだ資本化されていない領域です。
いわば“贈与”のみで成り立っているような世界です。
しかし、その土台がなければ、
資本主義社会などというのは、そもそも成り立たないのです。

もちろん、部分的になら、
水やら空気やらを市場で売買することもできるだろうし、
科学の力で人間を再生産することだってできるかもしれない。
しかし、それには必ず限界がある。

健全な地球の生態系を守り、
人間の再生産の場である共同体を再建することは、
じつは資本主義の市場経済を維持していくために不可欠です。
それらが崩壊すれば、資本主義自体が危機に陥る。
両者は補完関係にあるといってもいい。

(つづく)

























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最終更新日  2008.06.10 12:05:44


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