まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2008.07.10
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これから、断続的に「ゴミ税」を考えていこうと思います。

海外では、
各世帯の住居面積にあわせて「ゴミ税」を課しているところも
あるようです。
広い家に住んでいると、高いゴミ税を払うんですね。

日本では、市町村指定のゴミ袋が有料になっていますから、
これが事実上の「ゴミ税」です。

しかし、これらの「ゴミ税」は、
いずれも 消費者負担
もちろん、ゴミ問題の責任は消費者側にもあると思う。
だけれども、消費者側にのみ責任を負わせるだけでは、
社会からゴミを減らしていく実効性ある方法にはなりません。

事業者側の責任を考えること、
つまり、 メーカーや小売業者の負担 の仕組みを考えることが、
本当の意味で「ゴミを減らすための」有効な施策になるはずです。



ゴミ税を考えるために、
ここだけの特殊な概念を設定したいと思います。
「良い商品」という概念と、「悪い商品」という概念です。


わたしたちが商品の「良し悪し」を考える場合、
「性能が良い」とか「健康に良い」とか「デザインが良い」とか、
そういうことを問題にするのが普通だと思います。
しかし、ここでは、そういうことは関係ありません。
そういうことは、とりあえず、ちょっと横に措いてください。


ゴミの出ない商品が「良い商品」であり、
ゴミの出る商品であればあるほど「悪い商品」ということです。
だから、これは、ちょっと特殊な概念なのです。
健康に良いかどうかとか、性能が良いかどうかとかは、
とりあえず、ここでは無視してください。

ひとつの例を挙げましょう。
「ソフトクリーム」と「お団子」という二つの商品を比べてみます。

結論からいえば、
ソフトクリームは、かなり「良い商品」です。
お団子は、ちょっとだけ「悪い商品」です。

ソフトクリームは、
アイスクリームを舐めるための食べ物ですけれど、
「持つ部分」も食べられるのです。
つまり、コーンの部分も食べることができる。
だから、食べた後は、ほとんど何にも残らない。
まったくゴミが出ない、とても工夫された「良い商品」です。

お団子もなかなか工夫された食べ物ですけれど、
食べた後に「串」が一本残ってしまいます。
串は木でできているので、自然界で分解されますが、
投棄したりすれば、転んだ子供に刺さったりする危険もあるので、
やはりきちんと「回収」して、後に「処分」しなければなりません。
「回収」と「処分」は、通常、自治体が行なっています。
つまり、わたしたち自身の税金が使われています。
だから、お団子は、ちょっとだけ「悪い商品」なのです。

しかしながら、お団子は、
あと一歩、あとほんの少しの工夫をするだけで、
ほぼ完全に「良い商品」になれる可能性をもっています。

その方法はいくつかあります。

1.串を食べられるようにする。
 串をポリポリ食べられるようにすれば、
 お団子からはまったくゴミが出ません。
 したがって、ゴミの回収や処分にかかる税金は必要ありません。
 そうなれば、これ「良い商品」です。

2.投棄されても問題のない串を作る。
 串は自然界で分解されますけれど、体に刺さる危険がある。
 そのような危険性のない串を開発し、、
 自然界で容易に分解される串を作ることができれば、
 その串はもう「ゴミ」と認識する必要はないと思います。
 ゴミの出ない商品として認定してもかまわないと思われます。

3.事業者自身が、串の回収と処分をする。
 メーカーや小売店が、ほぼ100%の串を回収し、
 それを自らの負担で処分、またはリサイクルできるような、
 そのようなシステムを作ることができるなら、
 もはや串の処理のために自治体が手間をかける必要がありません。
 したがって、その場合も、
 お団子は「良い商品」だとみなして構わないだろうと思います。



もうお分かりだと思いますが、
「良い商品」にはゴミ税は課されません。
「悪い商品」にのみ、ゴミ税が課されるのです。

そして、その「悪い商品」から出るゴミが、
可燃ゴミなのか、不燃ゴミなのか、リサイクルゴミなのか、
その種類によって、
つまり、自治体がゴミ回収処分にかけるコストの違いによって、
税の金額は異なります。

その金額は、商品そのものの価格には直接比例しません。
極端に言えば、100円ぐらいの商品であっても、
そのゴミの処理に1000円のコストがかかるのだとすれば、
その商品には1000円のゴミ税が課されるということです。
そんなのは当たり前だと思います。

つまり、「ゴミ税」というのは、
そのゴミを処理するために、
わたしたちが一体どれだけの税を負担しているのか、
そのことによって課され、また、そのことに比例するのです。

ゴミの処理には、「回収」と「処分」の段階がありますが、
そのどちらかだけでも事業者が負担する場合は、
税負担も、その分だけ半減されます。

このゴミ税は、結果的に 消費税 の形をとります。

一般的な消費税というのは、
商品の価格に対して一律10%とか20%とかいう形をとる。
けれども、このような税の課し方では芸がありません。
大事なことは、現在のわたしたちの社会が、
どのような商品であることを望むのか、
企業に対してどのような努力を期待するのか、
そうした社会の意思を、
課税によって表現できる仕組みでなければならないのです。

消費税は、文字通り、消費者が負担する税です。
そして、通常の消費税においては、
消費者が「買わない」という努力をしない限り、税を免れません。
このような消費税は、財源を確保するために必要だとしても、
課税の効果としては、景気を悪くすることにしかならない。
ですが、ここでいう「ゴミ税」の場合には、
企業が「ゴミを出させない」という努力をすることによって、
消費者が税を免れ、事業者は安く商品を売ることができる。
結果的にゴミ処理にかかる公的なコストも減らすことができる。
財源を確保するだけでなく、
課税じたいが色んな点で前向きな効果を促すことができます。

ゴミが出ないような商品を作る努力をしている企業もあります。
しかしながら、今のところ、
企業がそういう努力をしても、たいしたメリットがないのです。
だから、ほとんどの企業は、
ゴミが出ることをほとんど考えもせずに勝手に商品を作っています。
そして、売ったら売りっぱなしなのです。
「ゴミの責任は消費者側にあるのだから」と高を括っているからです。

しかし、これではダメなのです。
企業がゴミの出ないような商品を作る努力をしたならば、
そのことを、
社会がその分だけ評価できるような仕組みを作らなければなりません。

わたしは、
これが本当のゴミ税であると同時に、
本当の消費税なのではないか、と思っています。



※現在、​ 音楽惑星さん ​にお邪魔して、「斉藤由貴」問題について考えています。






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最終更新日  2024.07.17 06:34:22
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