まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2020.05.06
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カテゴリ: ドラマレビュー!
子供のときに『まんが世界昔ばなし』のアニメで、

いろんなバージョンのレミゼを見てきたけれど、
見るたびに「こういう物語だったのね…」と思い知る。

それもこれも、
ちゃんと原作を読んでないからですけどね。
(その昔、ものの数分で読むのを挫折した)



今回のBBC版ドラマが、

前半部分にはかなりの迫力があったし、
最終回には、すごく重要なメッセージが込められていました。

わたしは「レミゼ」の原作を読んでないかわりに、
同じユゴーの「死刑囚最後の日」を読んでるのだけど、
あの小説に込められていたのと同じユゴーの理念が、
今回のBBC版の最終回に感じることができました。

ユゴーは、
「許さないこと」を信念にしたジャベールの人生を断罪して、
「許すこと」を信念にしたジャンバルジャンの人生を救います。

最終回では、
ジャンバルジャンだけでなく、

それ以上に、いちばん大きな救いだと思えるのは、
マリウスとコゼットに「許すことの意義」が伝わっていくことです。

ややもすると、マリウスとコゼットは、
たんなるお坊ちゃんお嬢ちゃんに見えてしまうのですが、
最後に父=バルジャンが徒刑囚だったと知ることで、

彼らに「許し」を与えていくことの重要性を知っていく。

そこが、物語にとって最大の救いになっています。
つまり「許し」の連鎖が次世代に受け継がれている。



じつは今回のドラマを見ていて、
第7話にちょっと物足りなさを感じていました。
ミュージカル版にくらべて盛り上がりに欠けたからです。

ミュージカル版では、
バリケードの場面にこそ最大のクライマックスがある。
「on my own」ではエポニーヌの悲恋が歌われるし、
「people's song」では自由の闘いが高らかに歌い上げられる。

しかし、ドラマ版の第7話では、
戦いの悲惨さが淡々と描写されるだけで、
ほとんどドラマティックな盛り上がりはありません。
エポニーヌは突然やってきて殺される。
ガブローシュも虚しく死んでしまう。
若者たちの戦いは無残に挫折して終わる。
ただ屍だけがゴロゴロと積み重なっていくのです。

でも、それが原作に近いのかもしれません。

すくなくとも、
このドラマ版の最大のメッセージは、
第7話ではなく、最終回の第8話にあったと思います。
エポニーヌの悲恋や、若者たちの自由への賛歌を、
あえて淡白に描いているのは、
描くべきテーマがそこにはなかったからですね。

「許し」を描くことに焦点を絞ったドラマだったと感じました。





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最終更新日  2020.05.06 12:00:07


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