まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.04.25
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菜の花を切って美容院に電話 春セーター息を潜めて白髪染め 初虹や隣で見てた夢の道 けふ母に梳かし洗うは春の虹 付け睫毛のやや剝がれたる春更けし 春の色絵本の並ぶ美容院 髭あたる泡の甘やか目借り時

お題は「美容院」。

今回は、わりと納得感のある内容でした。





犬山紙子。
菜の花を切って美容院に電話


これが今週の1位。
特待生に昇格だそうです。

描いてる場面はなかなか魅力的ですね。
シンコペーションっぽい破調を用いた叙述が、




大久保佳代子。
春セーター息を潜めて白髪染め
白髪染め クロスの下の春セーター
(添削後)

中七は、
本人じゃなくて、
セーターが息を潜めている…とのこと。

その分かりにくい擬人化が減点対象に。



ミッツ・マングローブ。
付け睫毛のやや剝がれたる春更けし
春更くや 剥がれかけたる付け睫毛
(添削後)

・上六の字余り
・中七に「やや」を用いた音数合わせ
・下五の主役が映像をもたない時候の季語


あとは、助詞の時制の問題ですが、
これが古語で詠むときの最大の難関だと思うので、
なるべくなら手を出したくありません(笑)。



藤本隆宏。
けふ母に梳かし洗うは春の虹
けふ母の髪を洗はん 春の虹
(添削後)


字義どおりに読むと、
「春の虹を梳いて洗って母に贈った」
…みたいなファンタジーに見えますよね。

ちなみに「髪洗ふ」は夏の季語だそうです!

昔の人って、
夏にしか髪を洗わなかったの?
たしかに、冬に水をかぶったら寒いしねえ…(^^;

以下、Wikipediaより。
日本では、洗髪の習慣は過去に遡るほど頻度が少なく、

1950年頃までの洗髪の頻度は平均月1-2回であった。
家に風呂を設置した「内風呂」の普及と、
1965年の瞬間湯沸かし器の発売以降、洗髪の頻度が高くなる。
昭和30年代の洗髪頻度は5日に一回、
1980年代には週2-3回となる。
ほぼ毎日洗髪するようになったのは1990年代半ばである。


昔は、
家の浴室にシャワーなんてなかったし、
やっぱり毎日髪を洗うようになったのは、
1980年代以降だろうなと思う。
斉藤由貴のモーニングフレッシュが販売されて、
そこから「朝シャン」が普及したのです!



キスマイ二階堂。
初虹や 隣で見てた夢の道
美容師の夢を叶えて春の虹
(添削後a)
美容師の夢を見守り春の虹 (添削後b)

うーん、道のりは遠い…(^^;
「隣で見てた夢の道」といわれても、
具体的な映像がまったく見えてこないのよね。

とりあえず、
写真をスマホで撮ってから言葉にしてみたら?



フルポン村上。
春の色 絵本の並ぶ美容院


「春光」「春色」といった季語は、
「春景 (春景色) 」とほぼ同義なのですね。

ふつうは屋外の風景を指すものと思うけど、
この句の取り合わせでは、
クレヨンとか春服とかヘアカラーの色が見えてきます。
逆にいうと、
本来の「春景色」は見えにくいかもしれない。

そこをポジティブに評価するかどうかが分かれ目。



梅沢富美男。
髭あたる泡の甘やか 目借り時


いろいろ知らない話が出てきました…。

第一に、
役者にとって「切る」「剃る」という言葉はタブーだとのこと。
これはネットで検索しても出てこない話でした。

第二に、
髭を剃ることを江戸では「髭をあたる」と言ったらしい。
自動詞のように見えますが、じつは他動詞なのですね。
ちょっと妙な日本語感覚です。

第三に、
季語の「目借り時」ってのも知らなかったけど、
いわゆる「春眠」の時期のことなのですね。

この句では、
中七で切れて取り合わせの形になってますが、
季語の「眠さ」と髭剃りの「心地よさ」は近すぎるし、
いっそワンカットにまとめたほうがいいと思う。

たとえば、
髭あたる泡の香甘き目借り時
髭あたる泡甘やかに目借り時

のようにすればワンカットにできます。





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最終更新日  2022.04.29 01:14:06


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