まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.07.30
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カテゴリ: メディアトピック
キャンセルカルチャーを日本語でいえば、
さしずめ「自粛要求運動」とでも訳せるでしょうか?

検閲でもないし、法的な根拠もないので、
キャンセルするかどうかは、
あくまでメディア側の自主判断に委ねられます。



先月のピーター・バラカンのNHKの番組でも、
今日の山下達郎のTOKYO-FMの番組でも、
ティナ・ターナー追悼という名目で、


いうまでもなく、
アイク・ターナーはDV野郎だったのだけど、
検閲の対象になってるわけではないので、
Rケリーの場合と同様に、
その音楽を自粛するかどうかは個々に判断すればよい。



ちなみに、NHKは、
市川猿之助の出演作も配信するそうです。

つまり、
「作者に罪があっても作品に罪はない」のと同じく、
「出演者に罪があっても作品に罪はない」との判断でしょう。


とりわけ「不倫芸能人へのキャンセルカルチャー」が強烈で、
世界的にも例がないほど異様にヒステリックなのですが、
もちろん法的な根拠もなければ、
社会的な正当性があるとも思えないので、

スポンサーに左右される民放とはちがい、




しかし、
ジャニーズ問題については、それほど単純ではありません。



もともと日本の言論は「メディアの自粛」に否定的でした。

その発端は、
昭和天皇が病気になったとき。
井上陽水の「お元気ですか~」のCMが自粛されたときです。

このときにメディアの横並び的な自粛があり、
表現の自由や放送の独立性の問題などが議論されました。



現在の自粛要求運動 (キャンセルカルチャー) は、
それとは真逆のベクトルですが、

実際のところ、
メディアの自粛には2つの相反する側面があります。
1つめは「公共目的の自粛」。
2つめは「経営目的の自粛」。

メディアがジャニーズについての報道を自粛するのは、
忖度や圧力を背景にした企業側の都合にすぎません。
なので、
報道が「経営的な自粛」をすべきでない、と批判されている。

その一方、
メディアがジャニタレの起用を自粛しないことに対しては、
(これも忖度や圧力を背景にした経営上の都合でしょうから)
むしろ「公共的な自粛」をせよ、と要求されているわけです。


(放送で自粛すべきかどうかはともかく)
すくなくともパラリンピックでの使用については、
公共的な観点で疑問符がついて、自粛されたといえます。




NHKも、民放も、
ジャニタレの起用について、
「出演している方々には問題がない」
と、おしなべて横並びの弁明をしてますが…

さすがに、この理屈には無理があります。
「社員には罪がないから、不正企業との取引も続ける」
と言ってるのに等しい。

たしかにジャニー喜多川は死んでいるけれど、
ジャニーズ事務所が、
彼の性虐待に組織的に加担し、
なおかつ隠蔽してきた疑いは晴れていません。



わたしの想像ですが、

メリー喜多川とスマイルカンパニーが共謀し、
飯島三智とSMAPを排除して同族経営を維持し、
強権的な手法でメディアを支配してきたのは、
ほかでもなく、
ジャニー喜多川の性虐待事件や、
中森明菜排除事件を隠蔽するためだったと思えます。

今回のスマイルカンパニーによる松尾潔の排除も、
それとまったく同じ構造でおこなわれたように見える。


ジャニーズの場合も、
スマイルカンパニーの場合も、
批判的な意見を排除して、
盲信的な支持者ばかりを集めていますが、

その結果、
ジャニヲタも、達郎&まりや信者も、
まるで教祖を崇めるような異様な集団になり、
国際的な人権感覚からは乖離し、
ガラパゴス的な文化を形づくった結果、
虐待の告発者に対する二次的な加害さえも辞さなくなっています。

多くの盲信的なジャニヲタが、
デヴィ夫人の発言を称賛している事実もある。



もちろん、
ジャニーズ事務所だけに問題があるのではありません。

NHK・民放・大手新聞の報道部門が、
上層部の圧力や、ジャニーズへの忖度によって、
性虐待事件の話題を自粛してきたとすれば、

これは、
公共性をないがしろにした「経営的自粛」であり、
報道の独立性という点でおおいに問題があります。



すでに国連が調査に入っていますが、
本来ならBPOや日本新聞協会が調査すべき案件だし、
これらの機関が、
まともに機能を果たしているのかどうかも問われている。

ちなみに国連は、
2016年にも日本政府とメディアの癒着を調査しています。
https://www.unic.or.jp/news_press/info/18693/
今年の「報道の自由度ランキング」では、
日本は180カ国中の68位。主要7カ国で最下位が続いています。



わたしは、てっきり、
松潤大河が終了する12月を目安として、
NHKはジャニーズとの取引を自粛するものと思ってました。

ジャニーズへの疑惑が晴れないかぎり、
この事務所との取引には公共性の観点で問題がありますし、
NHKはたんなる国内メディアではなく、
そのコンテンツは海外へも発信されているからです。

紅白をはじめとして、
NHKの音楽番組は世界中で視聴することができる。



ところが、NHKは、
12月以降の「ザ少年倶楽部」の放送を決定したらしい。
これは事実上の《ジャニーズアイドル支援番組》で、
NHKワールド・プレミアムで海外放送もされています。

NHKの番組にジャニーズのアイドルを出演させるのは、
日本の異常な文化を世界へアピールするのにも等しい。

ある意味で、NHKは、
外圧にも屈せず、キャンセルカルチャーにも屈せず、
ジャニーズのアイドル文化を、
世界に発信しつづける意思を固めたのかもしれません。



しかし、
ジャニーズ事務所に対する疑惑も、
NHKをふくめた日本メディア全体への疑惑も、
いまなお進行中なのですから、
この問題はまだまだ続いていくだろうと思います。




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最終更新日  2024.06.17 20:33:55


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