大同2年:円仁や空海、坂上田村麻呂に関連した伝承で、この年号がよく使われる。空海が日本に帰国した年がこの年と言われることも多いが、史実としてはっきりとしない。
東北各地の神社の創建に関する年号はこの年とされる。茨城県の雨引千勝神社の創建はこの年である。早池峰神社、赤城神社なども同様である。また福島県いわき市の湯の嶽観音も、この年の3月21日に開基されたとある。清水寺、長谷寺などの寺院までこの年に建てられたとされ、富士山本宮浅間大社も、大鳥居の前に堂々と大同元年縁起が記載されている。香川県の善通寺をはじめとする四国遍路八十八ヵ所の1割以上がこの年である。各地の小さい神社仏閣にいたるまで枚挙にいとまがないほど、大同2年(807年)及び大同年間(806 - 810年)はそれらの創建にかかわる年号である。
阿仁鉱山や尾太鉱山が発見された年号にも使われている。高根金山、吹屋銀山をはじめとする各地の鉱山の開坑も、大同年間や大同2年とするものが多い。
那須連峰の茶臼岳旧火山の噴火、尾瀬ケ原の燧ヶ岳の噴火、蔵王刈田岳の噴火、秋田駒ヶ岳の噴火もこの年である。会津磐梯山の噴火は大同元年だが、その噴火を鎮めるために、大同2年に山麓に恵月守が建てられたといわれる。日光の男体山で旱魃を静めるために勝道上人が祈祷したのもこの年である。三湖伝説で八郎太郎が大災害を起こすのもこの年である。
八溝山や森吉山、気仙郡などの鬼退治もこの年と伝えられている。
山形県の肘折温泉に伝わる「温泉之縁起」史料の中に、大同2年あるいは大同年間に温泉が開かれたという記述がある。
江戸時代の安永年間に相原友直が仙台藩の風土を記した『平泉雑記』の「田村将軍建立堂社」では、田村麻呂建立とされる仙台藩内の堂舎21ヶ所を挙げ、それらの観音は「大同2年」のものが多く、悉く信用が不足していると述べている。それらの記述を受けて1955年に堀一郎は、研究対象の寺院の地区を東北地方に広げ、12社をあげ研究している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/807%E5%B9%B4
中世では清水寺の建立を「大同2年」と説くのが一般化していた。謡曲の『田村』、『花月』、室町物語の『田村草子』では全て大同2年は清水寺の建立に関わる年号とされている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/807%E5%B9%B4
大同2年、唐で恵果阿闍梨から伝授を受け真言宗第八祖となった弘法大師空海は、京にのぼって平城天皇から真言宗宣布の勅許を得たとの記述が『金剛峯寺建立修行縁起』に登場するそうです。ただ通説では、大同4年7月に太政官符が下るまで空海は太宰府に留め置かれたり和泉の槙尾山寺に滞在したりしていて、上洛していないことになっています。また大同2年11月8日、大和の久米寺で『大日経』を講讃したとされていますが、これもあくまで伝説であるとして学術的にはスルーされているようです。とはいえ、伝統的にはこの「大同2年説」が最も重視されていて、実は高野山でも、明治39年(1906年)に金堂で「弘法大師開宗1100年記念法要」が厳修されたといいます。
http://ww35.tiki.ne.jp/~komyoin/buddhism-and-society202310.htm
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