まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.07.04
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日曜美術館「まなざしのヒント」シュルレアリスム編。

いかにも"お勉強"って感じの趣向だけど、
じつは知らないことが多くて、勉強になります。



シュルレアリスムは1920年代の潮流。

第一次大戦の大量殺戮に直面し、
人間の理性が信じられなくなって、
その内面にひそむ欲望や無意識に目が向けられた。

フロイトの精神分析学を援用して、


シュルレアリスムの和訳は「超現実」ですが、
むしろ「内面的な現実」というほうが正しいかも。



フロイトのお膝元のウィーンでは、
19世紀末に分離派の潮流 があって、
そちらにもフロイトの影響はあったと思う。

シュルレアリスムにかんしては、
アポリネールがプラハで直感を得たことを、
わたし自身は重視してるのだけど、

教科書的にいえば、
シュルレアリスムもフロイトの影響ってことなのね。



オートマティスム(自動書記)をはじめとして、
フロッタージュ、グラッタージュ、デカルコマニーなど、
偶然への反応から無意識の表現を引き出していく技法は、
フロイトの自由連想法の応用なのだと思います。


サルバドール・ダリ「ヴィーナスの夢」

ダリがぐにゃぐにゃの時計を描いたのは、

近代的な時間概念への批評かと思ってましたが…

中野信子の話によると、
ちょうどアインシュタインの時代なので、
相対性理論の影響があるかもしれないとのこと。
時空の歪みの表現ってことですね。



一方、
人間の顔の引き出しは、
隠された無意識が表に晒された状況。
岸辺露伴でいったらヘブンズドア??

まあ、
種明かしをすると、わりと安直な感じもするw

そのほか、
蟻は死の象徴で、
燃えるキリンは戦争による終末の予感。



下の絵も、
大地が黄色に照らし出された終末的な明るさ。
ダブルイメージならぬ、
核兵器&人間の頭&木のトリプルイメージ。

サルバドール・ダリ「ビキニの3つのスフィンクス」


下のキリコの絵を見て思い出したのは、
ソクーロフの「日蝕の日々」というSF映画。
永遠の日暮れのような終末的なイメージです。

ジョルジオ・デ・キリコ「イタリア広場」https://dali.jp/archives/exhibition/3598


下のマグリットの絵は初めて見ました。

この「人間嫌い」というタイトルは、
マグリットの核心を言い表してる気もする。

ルネ・マグリット「人間嫌いたち」

マグリットの絵の特徴って、
しばしば人の顔が見えないことだよね。

顔のない匿名的な人間ともいえるし、
近代社会のなかで没個性化した人間ともいえる。

それが、青空や白い鳩など、
ピースフルな雰囲気と不思議に相まってたり、
楽観的なのか悲観的なのか、よく分からない…(^^;


青いリンゴはビートルズのアップルレコードのロゴマークに応用されてる。


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最終更新日  2024.07.09 05:22:50


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