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ある夏の日に 奇跡の海 1ふいに伸びてきた手が左膝の上に乗せられた。勇一はあぐらをかいたままの姿勢でその手を握り引き寄せた。「今度もちゃんと勇一の田舎に帰れたね」ヨーコだった。無事の様子で安心した。「ああ、何度も奇跡が続いてくれている」ヨーコは勇一の顔を覗いて言った。「『奇跡なんだ』って言ってたよね、こんなことが続くの」「そうに決まっている。願うまま同じ所を何度も往復できるのは、パラレルワールドでは奇跡としか言いようが無い。なんたって似ているようで違う世界なんだ。俺らが出会うことの無い世界だってあるわけだからな」そうは言ってみたものの、この防波堤から見える景色はどこまでも勇一の記憶のまま、そこにある。人の動きを目の端で捉えた勇一は、立ち上がると言った。「ヨーコ、腹へらないか」二人とも今朝は空が白み始めた頃に部屋を出たのだった。勇一に手を引かれて立ち上がったヨーコは前方の一点を指さした。「あのお店に行くの?」言い終わらないうちに沖合から汽笛が聞こえてきた。「あのフェリーが朝一番の便だ。それに合わせてあの店が開く。見た目はあんなだけど、結構旨いファストフードを喰わせてくれる・・・今、何か言ったか?」何でもない、とヨーコは首を振り「あたし、ベーコンエッグ食べたい」 そう言った。「そりゃいい、ここの一押しメニューだよ」「本当に!」「ああ、分厚いベーコンをカリッカリに焼いて卵を二つ落としてくれる」ヨーコは満面の笑みを見せて頷いた。久しぶりに見るいい笑顔だ。 今日の好きな曲は、イーグルスの「Take it easy」! fritz51357,Thank you for the Up! よろしかったらポチっとお願いします(^^♪
2016.02.19
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「ある夏の日に」 遠のいてゆく音 勇一の首に回していた腕を解くと嬉しそうにヨーコは言った。「ありがとう勇一」「身勝手だってことは分かってる。でもどうしてもお父さんに会いたいの!お願いだからあたしの我儘に付き合ってね勇一、もう一度あの時空を通って戻って来れて、それでも生きているお父さんに会えなかったら・・・その時は」勇一はヨーコの言葉を遮った。「ヨーコ、これだけは言っておくよ」「なに?何でも言って」「相手は超常現象だ。なにがどうなるか分からない。例え今より悪い結果になっても、それを受け入れる覚悟が無ければお前を連れて行く訳にはいかない。」勇一は、わざと一息ついてから続けた。「だから、このチャレンジは一度だけだ。俺の言ってる事わかるよな?」ヨーコは、唇を噛みしめて大きく頷いた。翌日、午前四時。二人は笹塚の児童公園の中に足を踏み入れた。人通りはないが念のため、ポケットライトさえ持っていない。けれどいつものブランコの間に向かって歩いていく・・・!空間が歪み、拍子抜けするほど簡単に二人を受け入れてくれた。(この時空の入り口は俺に好意的なのかな・・・)けれど時空の歪みは、気を失うほど二人をもみくちゃにした。なにかが顔に当たる感触に気がついて、勇一は目を開けた。忘れるはずもない空気を吸い込みながら立ち上がるとビュウと唸る風の音と、繰り返し押し寄せては防波堤を叩く波の音は、懐かしい景色に追いやられて・・・遠のいてゆく。 今日の好きな曲は、「吉田美奈子さん/頬に夜の灯」 です。何度もライブ行きましたが、大人っぽくもあり、お茶目なところもあり、ステージトークで楽しませて、歌声で感動の涙を流した。とにかく素晴らしいアーティストです。ごゆっくり浸ってみてください。kana3353さま、Upして頂き心から感謝します。 よろしかったらポチっとお願いしてもいいですか?
2016.02.11
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ある夏の日に ピリオドの前に 「ありがとう、勇一」「まだ何も聞いてないし、答えてもないのに?」「あたしの気持ちを読み取ってくれたんでしょ?」ヨーコの緩んだ頬が再び硬くなった。勇一の口角が右に上がる。左に上がれば不機嫌なんだとヨーコは知っている。ヨーコの背筋が伸びて勇一の顔が5センチ近くなる。勇一は「引かない」ヨーコをがっちり受け止める腹を決めていた。「ヨーコが何をどう決めたとしても、今までどおり俺はヨーコと一緒に動く。ただそれだけのことだ」ヨーコは両手を伸ばして勇一の首に回し、彼の膝にまたがった。勿論勇一もヨーコを力強く抱きしめた。今日の好きな曲は、Fleetwood Mac の Go Your Own Wayです。久しぶりに聴いてみて、やっぱりいい曲だと思った。TheGreatestRockSongs.Thanks for up! よろしかったら、応援ポチもお願いします。
2016.02.02
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