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ある夏の日に 奇跡の海 4 「碑 文」 『約束の大地を 人は忘れているから流れ星に 願いをかける幸せになれますように あのひとに会えますように幸せがすべて叶うのは約束の大地だと 思い出せないから約束の大地を 人は忘れているから流れ星に 願いをかける決められた願いを 思い出せないまま流れ星に願うことはただひとつ約束の大地への行き方を聴くこと今、真実を伝えよう約束の大地は不老不死物語に勝る完全な世界この世のいのちが尽きても死んだままじゃない約束の大地に生まれたら形のない記憶が 姿を結ぶ約束の大地は こわれない世界健やかなる時の姿 永遠に続く』 読み終えた勇一は、首をかしげて言った。「ほんとに変わった碑文だな・・・」だが、ヨーコに同意の言葉はない「この約束の大地、本当にあったら嬉しい」勇一を見上げたヨーコの目が少しだけ潤んでいた。「どうした?ヨーコ」「だって、これが本当のことならまた父さんに会える」こんなの真に受けるのか、と言えなくなって勇一は言葉を探した。 いつも応援ポチを有難うございます。今日もよろしくお願いします♪
2016.03.30
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ある夏の日に 奇跡の海 3 どうなるのか、と思われた自然界の異変は意外なほど直ぐに落ち着いた。落雷による厨房の火災も、いち早く到着した消防隊の消火活動により、類焼することなく鎮火した。けれど、このまま此処に突っ立って居るわけにもいかなそうだ。次々に駆けつけてきた消防・警察の車両と片付け切れていない消防車から伸びたままのホースが、疲れたヘビのように横たわっているし、これから警察と消防による火災などの原因調査が始まるらしい。役所の職員らしき男が拡声器で声を散らして道の向こう側に見える中学校の 校舎を指示してくれている。日曜で部活動中のわずかな生徒しかいないので一時的な避難場所として 体育館を使えることと、負傷した者がいれば近くの病院まで搬送してくれると 告げている。 校門の前まで来て、勇一は記憶にない石碑の前で立ち止まった。「なんだこれ?この石碑は・・・」「何だか、変わった碑文ね。校歌の歌詞でもなさそうだし・・ 詩のようにも・・・わかんない・・何なのこれ?」ヨーコの瞳が俺を覗き込んだ。 「俺にもさっぱりわからないよ」「え!なんで?勇一の母校じゃないの?」「そうだけど、俺はこんな石碑知らない。初めて見たんだ」「じゃあ、勇一が卒業したあとに出来たってことなんじゃない」「いや、それなら同窓会から知らせがあるだろ、一口いくらとか募金も募るだろうし」「それもそうだね・・・あ!待って分かった!」 シー!ヨーコの声が大きく裏返ったので勇一は、口の前に指を立てた。軽く肩をすぼめてみせてヨーコが続けた。「これってもしかしたら、二人でパラレルワールドを行き来してきて初めての、 明らかな変化との遭遇ってことじゃない?」 歓迎したくない遭遇だけど・・・と前置きしたあとで 「そうかもな・・・ん?ヨーコ、これって伝言ぽくないか?」え、伝言?・・・少しだけ読んでみたヨーコが俺を見上げた。「そんな感じだね!そうかも知れない・・・でも、だとしたら誰から誰にあてた伝言なの?これ・・・」「そんなの分かんないけど・・・読んでみるか」「うん!」 さて、二人を悩ます伝言のような「碑文」とは!どんな言葉が書かれているのでしょうか!・・・次回のお楽しみ? 今日の好きな曲は、Deep Purple-Black Nightです。 ”Eagle Rock” Thank you for up this song. いつも応援ポチを有難うございます。 今日もよろしくお願いしますね♪
2016.03.22
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ある夏の日に 奇跡の海 2今日一日の始まりは、半島東側の低い山間から昇る太陽を振り返って拝むことに始まった。当然のことだが二人とも額の辺りに手をかざしていても、指のすき間から差し込む光の一斉放射のせいで、太陽の全景を捉えることは出来なかった。 当たり前の話である。だが特筆すべきこともあった。潮の香りとウミネコの鳴き声を聞き流しながらビールの咽ごしに言葉にならない感嘆符の声を上げ、焼きたてのベーコンエッグに舌鼓を打ったのだ。・・・唐突に勇一は、彼の味覚が消えてしまった事に気付く。原因を模索する間に、今度はウミネコたちがけたたましい鳴き声を上げてどこかへ飛び去って行く。それは窓から見た勇一に強い危機感を募らせた。気づくと、勇一の手にヨーコの手が重ねてあった。勇一は、その手を両手で包み込み彼女の目を見て頷いた。「離れるな!何かが起きようとしている」確かな理由などない、勇一の直感がそう告げていた。ヨーコが口を開きかけたその時、雲が覆い始めた空からいきなり稲光が走り、店の屋根を雷が直撃した!耳をつんざく雷鳴は、地響きと共に店内にいた全員を恐怖のどん底に叩き落した。「何をしている!早くここから出るんだ!」厨房から怒声が聞こえるとすぐさま、弾き出されるように前掛けをつけた男たちが飛び出して来た。男たちの後方に煙が見て取れた。ここから早く出るべきだ、代金はあとでいいさ。勇一がそう断定しヨーコの手をとって立ち上がる。彼は目を瞠った。いつの間にか雨も風も激しさを増していて、おまけに稲光と雷鳴が暗雲を引き裂くように閃き、大気を震わせていたのだ。 今日の好きな曲は、Paul McCartney (& WINGS)のLive And Let Die です。 Catslle,Thanks for up! 応援ぽちいただけたら嬉しいです。
2016.03.08
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