全6件 (6件中 1-6件目)
1
ΩΩΩ 急きょPLUTO星へ戻ります。地球に来るのは1週間後に なりますので「カメぱっぱ」の連載は3月7日(月)に再スタート します。 「海底人との闘い」のあらすじは、392~424までが 518でまとめているから読んでね。その後はこれから下記でお知らせ します。 地球人よコロナに負けるな! 短い人生を楽しめ!ΩΩΩδδδ(425~440)海底人からの脅迫 (441~443)海底王国 (444~448)海底人あれこれ (449~454)エリーゼの追憶 (455~461)王国に潜入するカメぱっぱ (462~467)エリーゼとの遭遇 (468~472)ザビエス・王国の内情を伝える (473~479)ホワイトハウスのモニターにマザー登場 (480~486)直接交渉始まる (487~492)ワイヤレントの罠 (493~501)生物兵器の恐怖 (502~510)スカンク作戦 (511~517)セントラルパークで英気を養う動物たち δδδ 518~549までのあらすじは、次に掲載します。
2022/02/24
コメント(4)
攻撃専用に開発された隠しチューでも、これだけ多くの敵に囲まれて闘うだけの気力はありません。退路を探すために周りを見渡します。 すると上空から白いものがパラパラと舞い降りました。シティ・フィールドの殺気を感じた天がその空気を冷ますかのように、雪を降らしたのかもしれません。クリサーラの澄み透る声が球場内に響き渡ります。「一塁側のネズミたち、ダッグアウトまでの一本道を作っておあげなさい。ダッグアウトの中も空っぽにして、そこのロボット・ネズミを帰しましょう。もう無益な闘いは終わりです。グラッチは死んでいませんから安心してください。あなた方の社長は不死身です。これからもこの地区だけでなく全米中のネズミ族を束ねる勇敢なボスです。あなたたちは、こんなボスを持ったことを誇りにして生きてください。あなたの子供や孫、その孫たちにずっとずっと言い聞かせるのです。ニューヨークにいるグラッチ・マウスの名前を忘れないために」 クリサーラの声が途絶えると、グランド全面を覆い隠したネズミたちですが、一塁側だけ細い道ができました。その道にネズミは一匹もいないから、隠しチューは多少、おどおどしながら歩きだします。 周りを囲んだネズミから強力な殺気を感じ、それを振り切るようにダッグアウトに走り込むと、そのままロッカールームから一直線に外へ出る階段に向かいました。 そのとき、球場内からネズミたちの大歓声が響きます。グラッチが地表に降ろされると、自分の意思で起き上がり、4本の足でグランドに立ったのです。 なにか言葉を発しようとしますが、その前に「グラッチ、グラッチ」の歓声がこだまし、地面を向いたままの汚れた顔には、大粒の涙がきらめいています。降り注ぐ白い精霊たちがグラッチの顔を隠してくれました。 その光景を見届けたクリサーラは、外野席の上空からフェンスを越えて一般道路へひらりひらりと降ります。ようやく生田緑地の動物たちが球場に到着し中に入ろうとするので、優しく声をかけました。「怪物のネズミはすでに退散しました。あの歓声はグラッチ・マウスさんの部下たちが勝どきの声を上げているのです。みなさんが駆け付けたのは、無駄ではありません。その気持ちがグラッチさんに大きな勇気を与えたのです。さあ、一緒に帰りましょう」 ことの詳細を知らない動物たち、クリサーラが言うのを信用していますから、そのままユーターンして来た道を戻りました。大粒の雪が生き物たちの肩や背中に降り注ぎシンシンとした音と、サクサクの足音が寒空に響いています。 つづく
2022/02/19
コメント(4)
相手が跳び上がった瞬間、グラッチの体は、左側に倒れ必殺の攻撃をかわしました。グラッチがいたグランドには、コンクリートの破片が舞い上がります。倒れているグラッチが起き上がる時を1秒も与えず、第二弾の攻撃は、岩盤を嚙み砕く力を持つ<噛みつき>で、口を大きく開けたまま相手の身体めがけてぶつかります。すばやく胴体を右に捻り致命傷を避けたグラッチですが、長く太い尻尾は無残にも食い千切られました。千切った11cmほどの尻尾を咥えた隠しチュー、第三弾の攻撃を開始します。 小説や映画などでは、攻撃している者が倒れている者を見ている表現では、『さあ、次はどう仕掛けるのか、横たわっている者を睨みながら、次の一手を考えます』などの描写がありますが、喧嘩慣れしている実践派は、敵が倒れていれば有無を言わせず速攻で攻め、一気にKOするのです。 隠しチューも倒れているグラッチ目掛け、左右の足蹴りを繰り出しました。強力な右足がグラッチの顎に炸裂し、顔面が上に向いたまま3m近く宙に飛ばされ瓦礫の山に叩きつけられます。ドテッ、音を立て仰向け状態で横たわるグラッチの体はビクとも動きません。スルスルッと、すばやく走って山を駆け上がり接近した隠しシュー、側頭部へとどめの一撃でケリをつけようと、太い右足に反動をつけ蹴り出します。周囲にいたグラッチの部下たちは、これでおしまいと、一斉に目を伏せました。とんでもない怪物に襲われ、それでもネズミ族の親玉は、プライドを賭けて闘いを挑んだのです。明らかに力の差があるのに、それを承知で命をかけたボスの亡骸を見ようと顔を挙げたとき、信じられない光景が目の前に現れました。グラッチの体が隠しチューの頭上に浮いているのです。 体がゆっくり半回転し目は閉じたままですが、隠しチューを見下ろしています。上を見上げた隠しチューは、憎々しげに声を出します。「外野席に浮かんでいる者が、助け舟をだしたな、こいつの命はあと、ひと蹴りで消え去ったのに、余計なことをするな」 隠しチューの脳に言葉が突き刺さります。「グラッチは私の大事な友人です。あなたのような者に殺されるなんて、私は許しません。この闘いには無理がありました。光線や高周波の武器を使わなくても、薄い鋼鉄、軽合金、ニッケルやアルミで作られた、あなたの体には、生き物の力は及ばないのです。その上、破壊力も段違いの強さで生き物のネズミに比べ10倍以上の力の差があるから、勝負にはなりません。対等な闘いなら私も静観していましたが、これはただの一方的な殺戮です。もう一度だけ言います。このまま静かに退場しなさい」「あんたの名前を教えてくれ」「私は、地底人、白肌族の女王、クリサーラです」「こんなネズミ野郎を、友達と言っていたな、友達ってなんだ、教えてくれ」「生き物、ロボット、機械に関わらず相手に対する思いやりと、片方が困っているときは手を指しのべる勇気、例え物事の価値観が異なっても、笑いや悲しみが共有できること。会話をしなくても互いの温かさを認め合うこと。隠しチュー、あなたに理解できますか?」「出来るわけないだろう。俺の心に友達なんかの感情は、絶対に芽生えないだろうからな」 いつの間にか隠しチューの周りを数千匹のネズミが取り囲んでいました。内野、外野、グランドの土を覆い隠すかのようにビッシリ、ネズミたちが、集まっています。少しでも隠しチューが攻撃態勢に移れば、一斉に襲い掛かる一触即発の気迫が伝わります。 つづく
2022/02/15
コメント(4)
センターグランドにいたネズミ軍団は、外野方向から突進してきた隠しチューの姿を見ると、蜘蛛の子を散らすように逃げ去って行きます。 それを追いかけようと三塁側に向かったとき、またも女性の声が脳の中へ響きました。「お止めなさい、あなたに考える能力があるのならば、ボントスの呪縛から自分を解放させる方向に持っていきなさい。彼の命令がないと生きていけない愚かなロボットに成り下がるなんて、悲しいとは思いませんか」 これまでの短いチュー生において、他から意見などされたことのない隠しチューは、かなり面食らいました。外野席のスタンドに浮かんだ小さな女性が口を開かず直接、脳に話しかけるのにも仰天します。「俺はボントス王に造られた人工ネズミかも知らんが、自分の意思で行動している。それよりもお前はなぜ宙に浮かぶのか、なぜ、俺の脳に直接話せるのだ」「あなたが全てを理解するのは、不可能です。これは超能力現象のひとつで、既存の物理学や科学で説明するのは、難しいのです。そろそろここから退場する時間ですよ。これ以上の殺戮は私が許しませんからね」「俺の特殊な武器が使えないのなら、やられるのは時間の問題だろうな。だがな、あんたが何を言っても俺を変えられない。戦闘用兵器として作られたので他への転換は不可能だ。そこの一塁側にいるでかいネズミが、グラッチ・マウスか。どうだ俺と一騎打ちをしないか、光線や電波を使えないから腕力だけの勝負になるな。それとも作り物のネズミと闘うのは、嫌か」 それを聞いたグラッチ・マウスは、全速力で走って隠しチューの2m近くまで接近します。「お前がインチキネズミだろうが、私の大切な社員を大勢殺したのは許さない。例えクリサーラさまがお許しになっても、私はネズミ族のトップとして、このままお前を帰すわけにはいかないのだ」 グラッチ・マウスは、周囲にいる部下に声を上げます。「社員の諸君は、絶対に手を出すな。もっと離れてくれ。もし万が一、私が負けて倒れても、襲わずに帰してやれ。ニューヨークだけでなく全米中のネズミ族がこれをリアルタイムのニュースとして注目している。いいな、私とこいつの闘いに手を出すな」 隠しチューが1mまで接近しました。「かっこいい演説・・虫唾が走るぜ。お前のような偽善ネズミは、ズタズタに引き裂いてやる」 2匹とも大きさは約20㎝ほどで、体つきもそれほど異なっていません。その2匹がグランド中央で睨み合いました。まず動いたのは隠しチューでグラッチのバックを取ろうと左横から半円を描きながら接近します。本物のネズミよりは、やや動作は鈍いが、それでも確実に近づきました。グラッチも無理に逃げようとせず体全体を隠しチューの方向にゆっくり回転させます。 これですと、いつまで経ってもグラッチの周りをグルグル回っている隠しチューの動きに変化は生じません。その均衡が破られたのは、隠しチューがグラッチ目掛け1mほどの高さをジャンプし、長い爪を出し襲いかかった、その時です。 鋼鉄状のカミソリ刃は、皮膚だけでなく頭蓋骨までも粉砕させる力を持っていました。 つづく
2022/02/11
コメント(4)
「お止めなさい、生き物を殺す権利など、あなたにはありません」 隠しチューは、その声を無視して目から光線を出そうと眼圧を上げました。しかし光は放射されず目の奥が痛くなるので、いったん中止します。 高周波や光線を出すのが外部からの圧力で止めるのは、今回が初めての経験です。隠しチュ―は声の主がどこにいるのか、ピッチャーグランドからセンター方向、その先にある外野スタンドを目で追いました。すると一番高い所で淡い光がゆらゆら揺れているのを見つけます。その1m上空に小柄な女性が浮いています。海底王国の王、ボントスが造ったAI内蔵の人工ネズミには、白肌族の女王、クリサーラの情報はインプットされていなかったのです。 それよりも、なぜニューヨーク・メッツの本拠地、シティー・フィールドにクリサーラがいるのかを説明しましょうか。隠しチューからグラッチ・マウスへの挑戦状がマンハッタン地区の責任者ヘンリー8世に届いたとき、ヘンリーは自分の判断でボスに知らせず処理しようとしました。たまに向こう見ずなアホがボスに闘いを挑むので、それをいちいち報告せず、自分で対応して解決していたのです。今回はとんでもない怪物に仲間たちが次々と、殺されるのを見ていた一匹のネズミが脱兎のごとく、グラッチ・マウスのいるビルに駆け込み、事の次第を報告しました。たまたま生田緑地仲間、クリサーラとなごやかに歓談していたニューヨーク全域の大ボス(会社組織にして自分を社長と名乗っている)は、各地の支社長に伝令を飛ばした後、大勢の社員と共に息せき切って球場へ駆け出します。 グラッチ・マウスを友人として扱うクリサーラは、当然のごとくネズミたちの後方から追いかけました。しかしかなりのスピードで宙を飛ぶので、途中で追い超し先に球場に到着します。 クリサーラは隠しチューがネズミたちを殺した虐殺現場を見て、すぐに行動を開始しました。まず人造ネズミの脳に直接入り込み話しかけたのです。 先ほどのトップに戻ります。隠しチュー、何度も目に力を入れますが、何も起こりません。ダッグアウトを出て外野フェンス近くまで走ります。光線の射程距離10m内よりも高周波は約15mの有効距離なので、宙に浮いている女性へ電波を出しました。「あなたの武器は、私には通用しません。このまま大人しくここから退場しなさい」乳白色の肌を持ち、身長1m足らずの女性が浮かんだまま、毅然とした態度で話しかけます。「俺のデータにお前のような人間はいない。そうか、地底人の種族だな。ここのボス、グラッチ・マウスを倒せなくても、その代わり子分を大勢、あの世に送ってやるぜ」「いいえ、あなたが出力する光と電波は、私が封印します。多勢に無勢、かなう訳がありません」「勝負は下駄をはくまでわからない」隠しチューは、外野フェンスに背を向けて走り出し、内野席に集まっていたネズミたちの群れの中へ突進します。 つづく
2022/02/07
コメント(4)
グランド内はコンクリートや石の破片で覆われます。これでは頑丈なロボット ネズミでもひとたまりもないでしょう。それではヘンリーが投げろと怒鳴った2秒前に時を戻します。薄笑いを浮かべた隠しチューは、自分の頭をグランドに突き刺すと、ドリルのように高速回転させ、そのままズブズブ体を土の中に潜り込ませました。わずか3秒足らずで全身はグランドの中に隠れます。 その後にコンクリートなどが投げられたので、奴は無傷のまま地中奥深く潜ったままでした。ヘンリーが14秒後に再度叫びます。「グランド内に大きなゴミを放置してはならない。全匹スタンドから降りて片付けてくれ。破片は手渡しリレーで場外に運び、交通の邪魔にならない場所へ置くこと」すでに先ほどのインチキネズ公は瓦礫のしたで昇天していると、決めつけていました。ダッグアウトにいたネズミたちもグランドに走り、総勢3000匹 近くが一斉に瓦礫の片付け作業に入ります。ピッチャープレートに積み重なった粗大ゴミが残り三分の一になったとき、山積みになった破片がゴソゴソガサガサ動き出します。 始めに黒い頭、次に金色に輝く2つの眼玉、鋼鉄製の細いヒゲとどう猛な口元、そして首から下の胴体が露出し、周りで作業していたネズミたちを驚かせました。 一塁ダッグアウトの前、グランド近くで指揮をとっていたヘンリー8世を睨みます。「こんな野蛮な方法で俺が倒せると思うとは、情けない奴だ」 隠しチューが周囲にいたネズミたちに目を向けて光線を放つと、円の中、2m以内にいた約30匹近いのが燃え上がりました。それを見ていたヘンリーは警戒注意報の声を上げます。「チーチッチ、チッチチッチ、チーーーーー」グランドから雪崩をうってネズミたちは、フェンスをよじ登りスタンドに逃げ出しました。「おい、ヘンリーだかヘンジーだか知らないが、こっちに来て俺と勝負する気はないか」 ヘンリーは隠しチューを睨みます。「高周波を出し、生き物を焼き殺す光線を出す化け物と喧嘩はできない」「それなら、俺の方から行ってやる」 一塁のダッグアウトに突進する隠しチュー、ヘンリー目掛けて襲い掛かりました。 ヘンリーはロッカーがある出口から一目散に逃げだしましたが、逃げ遅れた13匹は光線を全身に浴びて焼かれます。狭い部屋の中は阿鼻叫喚と化します。 半地下のダッグアウトからピッチャーグランド方向を見渡した隠しチュー、三塁ベースに固まっていた40匹ほどを焼き殺そうと視線を向けました。 突然、脳に直接、甲高い声が響きます。 つづく
2022/02/03
コメント(4)
全6件 (6件中 1-6件目)
1