『福島の歴史物語」

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2008.03.22
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   この年、【中川五郎治はシベリア抑留中に種痘術を学び、ロシ
    ア語の種痘書『ヲスペンネクニガ』を日本に持ち帰った】
   この年、【幕命で箱館に来ていた馬場佐十郎が、箱館奉行所に
    提出させられていた中川五郎治の『ヲスペンネクニガ』を筆
    写して江戸に戻り、翻訳をはじめた】
   文政五(一八二二)年、【馬場佐十郎死去。『遁花秘訣』と題さ
    れたわが国最初の種痘書は、刊行されるには至らなかった】
   文政六(一八二三)年、シーボルト来日、長崎で牛種痘を実験
    したが、失敗した。
   文政七(一八二四)年、【中川五郎治は箱館などで牛種痘を試
    みて成功した。後に医師になる箱館の白鳥雄蔵も彼から種痘
    を受けた。なお確証はないが、五郎治は自分の出身地である
    川内村で牛種痘を実施したという口伝がある】
   この年、【下守屋村疫毒騁□人多斃】(文儀墓碑銘より)
   文政八(一八二五)年、【下守屋村で再び疱瘡が流行】
   この年、【麻疹果行竟施薬者数万民頼只安】(文儀墓碑銘より)

 薬を要する者が大変な数に達した。疱瘡で死んだ遺体を乗せた大八車がひっきりなしに集落を駆け巡り、おびえた領民たちは祈祷を行い、疫病よけの赤いたすきを掛けて集落を捨てて山に逃げこんだ。そこでは牛糞を焼き煎じて飲んだが効くはずもなく、せいぜい祈祷所を設けたり神仏に祈ることくらいのことしかできなかった。(HP・三かく運動の小話)妙見山の飯豊和気神社は、このような病気から逃げ登るのには格好の山であったかも知れないし、逆に健常者を隔離する事になったとも考えられる
この折熊田文儀は二本松藩より月俸を受けることになったが、下守屋村の伝承による文儀の顕彰碑(実際は霊符つまりお守り)は、このとき建立されたものかも知れない。

   天保元(一八三〇)年、中国から種痘書が渡来した。大村藩で
    は古田山を種痘山とし、そこに隔離して人痘種痘を行った。
   天保四(一八三三)年、【『三葉目』の年代から押すと、熊田文
    儀らはこの年に牛種痘を実施したことになる】

 ただこの実施に際して、ちょっと気になることがある。それは明治の初年、牛肉食に驚いた庶民が、『牛肉を食べるとモーと鳴く、とか角が生える』と忌み嫌ったにもかかわらず、それから三十年も前の牛痘苗接種に、特に抵抗した様子が見られないことである。これにはよほど前もって、その有効性が話され受け入れられていたとしか、考えようがない。

   天保十一(一八四〇)年、【中川五郎治に技術を示唆された白
    鳥雄蔵が秋田藩医・斎藤養達に入門、牛痘苗の開発に成功し、
    秋田藩各地で接種を行った】

 白鳥雄蔵自身は、仙北地方(いまの秋田県横手市地方)で実施した。日野鼎哉と白鳥雄蔵により、京都で種痘に関しての中川五郎治の噂が拡がった。しかしそれにもかかわらず、何故かこの種痘法が全国に普及しなかった。この点に関して吉村昭氏は、中川五郎治が金儲けに走って人に教えず、自分だけの収入源にしようとしたためと推定している。

   天保十二(一八四一)年、シーボルトの門人・伊東圭介が『英
    吉利国種痘奇書』として漢訳書に訓点をほどこして発刊した。
   弘化四(一八四七)年、【初代・熊田文儀死去】
   嘉永元(一八四八)年、会津藩の佐藤元萇と中村二州寛敬が牛
    種痘を実施。
 嘉永元年あるいは三年とある種痘実施は、(中略)まだモーニケ来朝前であるため牛痘接種法を彼から学んでおらず(中略)これらの事実から見て、 会津での嘉永元年または三年実施説は少し早いように思われる 。    (福島県医師会史) (注)大文字は筆者
   嘉永二(一八四九)年、オランダ軍医で蘭館医のオットー・モ
    ーニケが、牛種痘に成功した。
   嘉永三(一八五〇)年、【馬場佐十郎が訳したが死去したため、
    草稿のままであった『遁花秘訣』は利光仙庵の手で翻訳し直
    され、『魯西亜牛痘全書』と改題してはじめて出版された】
   嘉永五(一八五二)年、【七月二十九日、相馬中村藩で、藩医
    半井宗玄が種痘を行った】

 この種痘の結果、『効果見るべきものあり』という記録が残されたが、宗玄が行った種痘法が長崎で学んだ草野方昌によって得たモーニケ苗が長崎から入ったものなのか、またはさきにロシアから 中川五郎治が持参して仙台まで広まった という牛痘苗が函館から入ったものなのかは、今後の研究課題である。      (福島県医師会史)
     (注)なおこれについて仙台図書館で調べたが、『種痘法
        が函館から入った』という資料は、見つけることが
        できなかった。       大文字は筆者。

   安政二(一八五五)年、奥州東白川(福島県)の菊池淳信は自
    分の友人に接種した。
   安政三(一八五六)年、吉村二州寛敬、馬島瑞園、宇南山宙斉
    らが、会津若松城下および南会津郡で実施した。
   安政四(一八五七)年、【二代目熊田文儀が牛種痘を実施した】
   明治二(一八六九)年正月、磐城植田(福島県)の小宮山岱玄
    が、種痘の免許を受けた。
    二月、 須賀川(福島県)の薄井杏庵が、種痘の免許を受け
        た。
     秋  三春(福島県)の伴野貞順が、種痘の免許を受けた。
   明治三(一八七〇)年四月、政府は大学東校に種痘館を設置し、
    太政官達をもって全国府県藩に布達して種痘を受けることを
    奨励した。
   明治四(一八七一)年、福島県の命令により、県内全域で種痘
    を実施した。種痘を受けた者は、千余人を超えた。
    六月、 常葉(福島県)の白岩玄泰が、種痘の免許を受けた。
    十二月、北会津郡大戸村字雨屋(福島県)の秋元秀斎が、種
    痘の免許を受けた。
   明治九(一八七六)年五月、政府は天然痘予防規則を定め、強
    制接種制度を発足させた。
   昭和五五(一九八〇)年、WHOは総会で『世界天然痘根絶』
    を宣言した。







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最終更新日  2008.03.22 12:46:12
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