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事件とはいうものの、日本軍の死傷者は17000人にものぼり
実際はノモンハン戦争とでも呼ぶべきものです。
以前は機械化された近代的な軍隊に日本が惨敗したと
言われていましたが、ソ連崩壊後に公開された資料によると
ソ連軍の死傷者は日本を上回る26000人。
日本の参戦者は30000人に対し
ソ連の参戦者は77000人
ランチェスターの法則によれば、この二つの軍が戦った時
実力が同程度ならば、日本軍が全滅したとき、ソ連軍は
約71000人残るはずですが、実際には日本軍のほうが
損害が少ない。
火砲については
日本 82門投入して63門喪失
ソ連370門投入して61門喪失
戦車は
日本 30輌に喪失に対しソ連397輌喪失
航空機は
日本 180機に喪失に対しソ連350機喪失
結果からみれば、日本側は機械化部隊に苦戦して
傷だらけながらも、何とか勝ち、
ソ連は近代軍を投入しながらボロ負け。
国境紛争では日本の言い分が通りそうな結果なのですが
しかし、実際は日本は争った国境を押し込められて停戦
という屈辱の敗北。
その背景がどう語られるか期待したのですが、
不快感が残ったままで終わりました。
未だに「機械化された近代的な軍隊に日本が惨敗した」という
観点から描くのはいかがなものか?
確かにカラー映像で見る、ソ連軍の高速戦車には驚きました。
しかも、トラック部隊を投入して、日本よりも不利な補給を
成功させています。
ソ連が日本よりも近代的な機械化が進んでいた軍隊というのは
事実だったのでしょう。
しかし、その近代的な機械化部隊がなぜ負けたのか?
については全く描かれていません。
一方で、日本側の分析について見るべきものがありました。
1 情報の軽視
ソ連の駐在武官からの情報で、極東に大量の戦車などを
送り込んでいることが関東軍にも参謀本部にも知らされ
対策を立てるよう提言したにもかかわらず全く無視されています。
2 軍部の暴走
参謀本部も政府も戦線不拡大方針にも関わらず、関東軍が
独断で開戦してしまい、それを黙認しています。
3 指揮官・捕虜の自決
「生キテ虜囚ノ辱シメヲ受ケズ」この馬鹿げた戦陣訓がなければ
日本は大東亜戦争で勝てたのではないか?
また、現場指揮官に責任を押し付け自決させることも全く意味がない。
4 指導部の無責任体制
誰が何のために戦争を行い、誰が責任を取るのか不明確な
状態で終結しています。
ノモンハンで行われたこの四つが、その後の大東亜戦争でも繰り返され
日本の敗因となりました。
そういう意味では、今回の番組も悪くはないのかもしれませんが、
最も不満なのは、現在も「情報の軽視」「官僚の暴走」
「現場責任者に責任を押し付ける」「指導部の無責任体制」
が現代日本でも解決していないことを語っていないことです。
この番組の制作者は、ノモンハンの失敗を完全に過去の出来事と
して描いていますがそうではありません。
現代日本につながっている失敗なのです。
何度も申し上げますが、戦前の日本は独裁国家ではありません。
戦時中であっても、選挙を行い、政権が交代しています。
それなのに、なぜ戦争を止められなかったのか?
戦争を回避するにはどうしたらよかったのか?
仮に開戦したとしても、早期終結させるにはどうしたらよかったのか?
この問いに対する検証は全くなされていないといっても
過言ではありません。
この三つの問いに明確に答えられない人には
「戦争をしなければよかった」
「戦争はしてはいけない」
などと軽々しく発言はしてほしくありませんし、
実際に戦争を止めることはできないでしょう。
大東亜戦争は何だったのか?
イデオロギーを抜きにして、あらゆる観点から、もっと日本人には
深く掘り下げて欲しいと思います。
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