偐万葉・お蔵百人一首篇(その3A)
~大和はまほろば氏の俳句に寄せて~
恒例の「偐万葉・お蔵百人一首篇」です。元歌と比較しながら、お楽しみ下さい。上の句575は「大和さん」作の俳句、下の句の77が「けん家持」の作です。文字数制限の関係でA、B、2回に分割して掲載します。

滝の音は たえてひさしく なりぬれど
名こそながれて なほきこえけれ (大納言公任)

白露に 風のふきしく 秋の野は
つらぬきとめぬ 玉ぞちりける(文屋朝康)

さびしさに 宿をたちいでて ながむれば
いづこもおなじ 秋の夕ぐれ (良暹法師)

うらみわび ほさぬ袖だに あるものを
恋にくちなむ 名こそをしけれ (相模)

選挙の日 ぐるぐる回る 捩り花
いつやるとてか 気にもなるらむ
(中堅議員 二股兼輔)
みかの原 わきてながるる いづみ川
いつみきとてか こひしかるらむ (中納言兼輔)
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに
みだれそめにし われならなくに (河原左大臣 源融)

やすらはで ねなましものを さ夜ふけて
かたぶくまでの 月をみしかな (赤染衛門)

ながからむ 心もしらず 黒髪の
みだれてけさは ものをこそおもへ (待賢門院堀川)

牽牛花 ぐんぐん伸びて 軒を越ゆ
あまたの民の 恨みなりけり
(能怨法師)
嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は
竜田の川の 錦なりけり (能因法師)

大雨の 予報を知らず 咲く桔梗
知るも知らぬも さっきから咳
(濡れて風邪ひいて咳丸)
これやこの ゆくもかへるも わかれては
しるもしらぬも 逢坂の関 (蝉丸)

真夏日や 遠足の列 ばらばらに
われても知らん 教師夏ばて
(ほっ徳院)
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われてもすゑに あはむとぞおもふ (崇徳院)

恋すてふ わが名はまだき たちにけり
人しれずこそ おもひそめしか (壬生忠見)

チョゴリ着て ムグンファの花 咲き初むる
向かひの山に 行きて見るかも
(今来の仲麻呂)
天の原 ふりさけみれば 春日なる
三笠の山に いでし月かも (阿倍仲麿)

ももしきや ふるき軒端の しのぶにも
なほあまりある むかしなりけり (順徳院)

雲の湧き 緑滴る 山に立つ
むそぢも夏の 盛りなりける
(自由二位藤原家隆)
風そよぐ ならの小川の 夕ぐれは
みそぎぞ夏の しるしなりける (従二位家隆)

いまはただ おもひたえなむ とばかりを
人づてならで いふよしもなき (左京大夫道雅)

梅雨晴間 えさを掻き込む 小鳥来る
喰ふよりほかに することもなし
(前大僧正 鳥尊)
もろともに あはれとおもへ 山桜
花よりほかに しる人もなし (前大僧正行尊)
<前頁3Bにつづく>
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