偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2012.01.06
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カテゴリ: 近隣散歩

 風邪で蟄居のお正月でありましたが、久し振りに少し外を散歩してみました。初詣と言うのではありませぬが、枚岡神社付近を散策です。

枚岡神社本殿.JPG
(枚岡神社本殿)

 枚岡神社は河内国一之宮であり、小生の自宅にも近いので度々当ブログにも登場して居りますので、詳しくは省略しますが、春日大社と同じく天児屋根命、比売大神、武甕槌命、経津主命の4神を祀っている。元々は天児屋根命と比売大神を祀っていて、春日大社が出来た時に当神社からこの2神が春日大社に勧請されたもので、そのことから枚岡神社は「元春日」とも呼ばれる。武甕槌と経津主の2神が当神社に祀られるようになったのはその後のことで、この2神は春日大社から勧請されている。

 普通、神社には鳥居の脇に狛犬が鎮座しているものであるが、当神社は鹿が鎮座しているのが特長である。

なで鹿 (2).JPG (なで鹿<右>牡鹿)

なで鹿 (3).JPG
(なで鹿<左>牝鹿と仔鹿)



​※追記:
本日(2020年8月29日)上掲の写真が横に倒れた形になっていることを発見し、正しい向きの写真に修整しました。先月にも過去記事の写真でこのようなことがありました。時間経過によってこのようなことが勝手に起こるなら困ったことですが、原因不明です。

 上の謂れに記載の通り、鹿は鹿島神宮の祭神・武甕槌命に由来するものである。タケミカヅチとフツヌシは出雲に出向き強談判の末、オオクニヌシに国譲りを承諾させることに成功するという役回りで登場する神であるが、春日大社の社伝では、鹿島神宮から春日大社へ勧請した際、タケミカヅチは白鹿に乗ってやって来られたそうな。それで、奈良では鹿を神の使いとして大事にしているのであるが、「なで鹿」もそれと同様のものでありますな。

 なで鹿の居る前は広場になっていて、鞠場になっている。蹴鞠をする場所でありますな。秋の祭では近郷の集落から繰り出した太鼓台がここに立ち並ぶのでもあります。

鞠場.JPG (鞠場の石碑)

鞠場 (2).JPG (鞠場)

 元々の枚岡の神は天児屋根命である。現在の社殿の裏に聳える山、神津嶽の頂上に、アメノコヤネノミコトを祀ったのが枚岡神社の始まりである。その神津嶽を望むようにして、社殿の南側に遥拝所があり、若宮社がある。春日大社と同じ構造である。
 このアメノコヤネノミコトは、天照大神が天岩戸に隠れた際に、岩戸の前でフトタマノミコトと共に祝詞を唱えたこと、アマテラスが岩戸を少し開いたのをとらえてタヂカラヲノミコトがアマテラスを岩戸から引き出した時に、素早く注連縄(端出之縄・シリクメナハ)を張って引き返せないようにしたこと、天孫降臨のニニギノミコトにつき従って地上に下り、中臣氏の祖となったこと、などが日本書紀に見える神である。

遥拝所 (2).JPG (遥拝所)

枚岡神社・若宮社.JPG (若宮社)

 若宮社から更に南に進むと、枚岡梅林へと続く巽橋の手前に末社の天神地祇社がある。
 これは、近郷の多くの神社を当神社に合祀したもので、神社は一町村につき一社に限るとした、1906年明治政府発布の神社合祀令に基づくものでしょうな。明治期に合祀された神社として次の神社が列記されている。
額田村・・・・額田明神社・若宮八幡社・恵比寿社・山神社・高城社
豊浦村・・・・春日神社・東山神社
出雲井村・・・八坂神社
五条村・・・・八幡社
客坊村・・・・市杵島姫神社
四条村・・・・春日神社
松原村・・・・春日神社・八幡社
 また、境内地各所に鎮座していた次の19末社も合祀したとある。
椿本社、一言主社、青賢木社、坂本社、太刀辛雄社、須箋鳴命社、勝手社、八王子社、地主社、戸隠社、笠社、大山彦宮、住吉社、門守社、飛来天神、角振社、岩本社、官社殿社、佐気奈邊社

枚岡神社末社・天神地祇社.JPG (天神地祇社)

 <参考>枚岡神社関連記事
枚岡神社秋郷祭2009 2009.10.16.
枚岡神社秋郷祭 2008.10.14.
枚岡神社 2008.7.12.
墓参と桜散歩 2011.4.2.
初詣2011 2011.1.3.
贈呈図書
2009.8.16.(枚岡神社・一の鳥居)






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最終更新日  2020.08.19 19:17:25
コメント(14) | コメントを書く


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Re:枚岡神社と鹿(01/06)  
ビビアン5  さん
足跡からご訪問させていただきました。
プロフィールは登録済みなので、失礼させていただきます。ご訪問ありがとうございました。、 (2012.01.06 21:09:06)

ビビアン5さんへ  
けん家持  さん
楽天プロフィールの「新着ブログ」欄にプロフィール云々の貴姉のブログ記事が掲載されていましたので、其処から覗かせていただきました。ご挨拶もせぬままに退出し失礼申し上げました。早速にご訪問下さり、コメントを頂戴し恐縮に存じます。
(2012.01.06 21:54:22)

新年早々  
オガクニマン さん
風邪ひきでしたかぁ。

強靭な身体でも風邪はダメでしたか(笑)

完治して体力が戻るまでは銀輪散歩は中断ですね。 (2012.01.07 00:04:45)

Re:枚岡神社と鹿(01/06)  
童子森の母  さん
新年明けましておめでとうございます。
今年も楽しいお付き合い宜しくお願い致します。

風邪ですか~大変なお正月でしたね
もう、大丈夫ですか・・・無理なさらないで下さいね

(2012.01.07 07:48:55)

Re:新年早々(01/06)  
けん家持  さん
オガクニマンさんへ
はい、新年早々に風邪であります。
 間もなく1294歳となりますので、さすがにヤカモチも「弱りもぞする」でありますな。
 風邪は、体力よりも気力の方を萎えさせるようにて、銀輪散歩に出掛けようと頭の何処かでは考えているみたいなのですが、足腰の方にまで指令が届かず、行動に結び付きません(笑)。かくて、銀輪散歩は、天気晴朗なれど未だ始動せず、であります。

(2012.01.07 09:13:15)

童子森の母さんへ  
けん家持  さん
新年明けましておめでとうございます。
こちらこそ、今年も宜しくお願い申し上げます。
 古来、正月には「餅正月」と「芋正月」があるようですが、ヤカモチには「風邪正月」もあったようであります。
 まだ、「風邪正月気分」が抜けないようにて、ウダウダ致して居りますな(笑)。
(2012.01.07 09:19:46)

Re:枚岡神社と鹿(01/06)  
pado7934  さん
今年もよろしくお願いします。
最近の興味ある事の中に、寺巡りがあります。
京都の法然院なんかが好きですし、歴史、言われをひもとくのが楽しみになりました。
観光地ではなく感光地(自分が感ずる場所)巡りをしてみたい。

(2012.01.07 11:09:20)

pado7934さんへ  
けん家持  さん
ご訪問・コメント有難うございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願い申し上げます。
寺巡りですか。いいですね。貴兄は建築家でいらっしゃるから、建物や庭園を見ても小生などとは違った角度での深い観察や感興がおありのことでしょうな。
 法然院もいい佇まいですね。哲学の道を辿りつつ東山のあの辺りを散策すると、自ずと心が和みます。もっとも自転車では少し走り難い道ではありますが(笑)。
 感光地巡り、ですか。そうですね。小生の銀輪散歩もそのようなものであると思って居ります。

光降る 弥陀の本願 身に浴びつ 行かばやわれも 南無阿弥陀仏 (他力家持)
(2012.01.07 12:50:29)

Re:枚岡神社と鹿(01/06)  
小万知 さん
お正月早々のお風邪ひきのご様子、空は青空なれど吹く風冷たく身にしみます。どうぞ十分にご養生なさってくださいませ。
枚岡神社のなで鹿、左右の親鹿に守られ、幸せそうに丸々、皆になでられ更に丸々ですね。
作は名工日下の・・とありますが、東大阪の日下でしょうか?懐かしい地名です。
枚岡神社は最近テレビで取り上げられることが多く、昔の神事も復活してきているようですね。
鞠場での蹴鞠は未だだったでしょうか?
今月の読書会では又お世話になりますがよろしくお願いいたします。
(2012.01.07 14:56:07)

小万知さんへ  
けん家持  さん
 「いや咳、夜ごと」の喘息家持かと思われる日々にて、いつの間にやら松の内も明けましてございまする。
 という次第、かくかく鹿々にて、仕方なく鹿の親子なんぞを写真に撮ってのブログ記事と相成ってございます(笑)。
 かの「なでしこジャパン」は全国に勇気を与えましたが、コチラ「なで鹿・ジャパン」は地味に子育てに励んで居りまして、参拝者の心を和ませて居ります。その作者は、お懐かしき、あの日下のお方のようでありますな。
 いつの頃よりか枚岡神社でも蹴鞠の奉納が復活挙行されるようになったようにて、今年もこの15日に行われるのではないかと存じます。
 今月の読書会の取材、滋賀の里の崇福寺跡銀輪散歩を早くに済ませなくてはならないのでありますが、目下の体調ではそれも叶いませぬ。鹿と治してからの話となりますな(笑)。
(2012.01.07 16:53:33)

Re:枚岡神社と鹿(01/06)  
英坊2  さん
狛犬が鹿とは初めてみました。牛や狐はありますね。茨城の鹿島神社には狛犬は無いと聞いています。貴方の住んでいる
地域には旧蹟や社寺が多くあり銀旅にはこと欠きませんね。

ビビアンさんのブログ記載記事によると・・
楽天ブログも改訂でメッセージ機能も他の機能も削除のようですが、新しいコミニュケーション機能は設定されるのでしょうかね。
それらが無いとすれば単なる記載の場で魅力が薄れますよ。
良策があれば教えて下さいね。


(2012.01.07 21:02:01)

英坊2さんへ  
けん家持  さん
 天神さんの牛、お稲荷さんの狐、弁天さんの蛇と神社も色々ですが、鹿は鹿島の神、武甕槌に由来する春日系統の神社だけのものでしょうな。
 狛犬も元はインド、エジプト、メソポタミアの神殿を守護する神獣としてライオンの像が置かれたことを起源とするもののようです。神獣と言えば東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武なども思い浮かびますね。
 京都・奈良を始め近畿は旧蹟・社寺にはこと欠きませぬが、多過ぎて銀輪も迷走です。
 ビビアンさんのブログ記事はよくは存じませぬが、小生の理解では、掲示板(BBS)、メール、足跡記録、ブックマークが無くなることと、写真掲載機能が変更になるということに過ぎず、ブログ記事へのコメントは今まで通りですから、それ程の不都合もないのかな、と思っています。まあ、レスサービスの改悪であるとは思いますが・・。
楽天ブロガー間のメールでの直接のやり取りは出来なくなりますがこれは無いなら無いでも良いかなと思って居ります。
(2012.01.07 23:38:04)

Re:枚岡神社と鹿(01/06) 懐かしい!  
りち女 さん
風邪を引いていらっしゃったそうですが、その後いかがですか?
枚岡神社境内は、子育て時代のお散歩コース。三が日も過ぎ落ち着きを取り戻した境内で子供たちと遊んだことなど久しぶりに思い出しました。
鹿をバックにした写真も何枚かあるはず。
昔のアルバムは、開くこともなく戸棚に置かれたままの”思い出”となっています。
年頭にあたり、身辺整理は、先ずアルバムから。ということで。おじゃましました。また! (2012.01.08 10:09:22)

りち女さんへ  
けん家持  さん
 風邪は未だ尾を引いて「いや咳、夜ごと」ですな。喘息様気管支炎という奴かも知れませぬ。
 枚岡神社境内の懐かしい風景をお楽しみ戴けたのであれば何よりであります(笑)。
 そうですね、昔のアルバムは、在るバムに過ぎず、まず開くことありませんね。片隅にアルバムですな。
 今年の若草新年会はご出席は無理ですかね。歌だけでもEメールで送って下さり、ご参加下されば幸甚に存じます。

撫で鹿の 招きぞ妹は 足柄の み坂越え来て 言しるしけむ (偐家持)

 今年もお元気に。
 貴姉、ご家族皆さまのご健勝お祈り申し上げます。
(2012.01.08 10:51:13)

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