偐万葉・ひろみ篇(その11)
この処、雨が降ったり止んだりと不安定なお天気。菜種梅雨と言うのでしょうか。それも風情があると言えば言えますが、銀輪散歩には不向き、「雨つつみ」の銀輪控えめの日々であります。こういう時に重宝なのが「偐万葉」。ということで、前回に続き、本日も、シリーズ第281弾、ひろみ篇(その11)のアップであります。
<参考>過去の偐万葉・ひろみ篇は コチラ
ひろみちゃん8021氏のブログは
コチラ
偐家持がひろみの郎女に贈りて詠める歌24首 並びに ひろみの郎女が詠める歌4首
きつねうどん あげかぶりつき 明日香雪
見つ一時過ぎ ひたすらに食ふ (餓鬼皇子)
(本歌)采女の 袖吹きかへす 明日香風
都を遠み いたづらに吹く (志貴皇子 万葉集巻 1-51
)
春花の 咲けるさかりに いざ行かな 明日香ふるさと ともしきろかも
(注)ともしきろかも=「ともし」は「羨ましい」であるが、ここでは「心惹かれることだ」とい
う意味で使用。
朝駆けの 銀輪も無理 如何にせむ
富良野の里に ふれる大雪 (輪上是乗)
(本歌)あさぼらけ ありあけの月と みるまでに
吉野の里に ふれる白雪
(坂上是則 古今集 332
小倉百人一首 31
)
ゆきゆきて ゆきに倒れむ ヤカモチは
紀の 面雪
に なりて死ぬかも (奇貫之)
追ひて和せる歌 1
首
願はくは 青葉さやげる 初夏行かん 富良野に花の 咲き満つる頃
(本歌)願はくは 花の下にて 春死なん
そのきさらぎの 望月の頃 (西行 山家集 77
)
都会っ子も あるものならし 白花に 咲きて梅田に センダングサは
都会っ子の 花にしあれば われ呼ばむ ウメダノシロバナ センダングサと
あれやこれ 何ともその名 知らぬ花
花の小万知に 聞きつつぞ来し (花家持)
金色
の 豆にしあれど 棘ありて
邪鬼は禁ずと 金豆
は 生
れる (金豆家持)
(キンズ)
鳩は居て 烏は無くも 大寺の 烏有
に帰し跡 滝川の園 (旅烏家持)
(注)初案「ふる寺」を「大寺」に修正した。
烏有=「烏(いずくんぞ)有らんや」で、何もかもが無いこと。火災などで家財などが
灰燼に帰すことに使う。
脇句なすは ひとによるなり 時による
むやみになすは ひがごとなれり (僻事家持)
(注)ひがごと=事実に合わないこと、間違い、過ち。道理に合わないこと、悪事。
ごんぼ汁 知るよしなけれ くらはんか 鮨もくらはじ 鍵屋はしるも
(注)鍵屋はしるも=「鍵屋は知るも」と「鍵屋走るも」とを掛けた。


(くらわんか鮨) (ごんぼ汁)
見 違
ふも 三度
までなり ホトケノザ
さほど似ぬ葉の ヒメオドリコソウ (似ずの踊子)
( 注 )
偐万葉掲載に当たり、初案「見間違ふも」を「見違ふも」に修正した。
(ホトケノザ:けん家持提供) (ヒメオドリコソウ:けん家持提供)
母とふの 花は咲かねど 春されば 花は野に咲く 母の笑むごと
春まけて ぐづれる鼻の いぶせきと
花見にそなへ われアレジオン (花粉症の郎女)
(本歌)春まけて もの悲しきに さ夜ふけて
羽ぶき鳴く鴫 誰
が田にか住む (大伴家持 万葉集巻 4-4141
)
(注)春まけて=春が来て
いぶせき=気がふさいで、うっとうしい。
ひろみの郎女が返せる歌2首
うらうらに 今を盛りの さくら花 鼻には告げよ 花粉症びと
ヒメジョオン 咲く頃までに 治ります お世話になりたい アレジオンさん
(花粉症の薬アレジオン20)
かささぎの 歌は誰詠む やかもちの
歌となす見て 余は困りける (偐家持 珍古今集)
(本歌)かささぎの わたせる橋に おく霜の
しろきを見れば 夜ぞふけにける
(大伴家持 新古今集 620
小倉百人一首 6
)
(かささぎ橋)
待てとあれば 待つのほかなし 待たぬとは
言へぬ患者は 待ちて待つなり (病院家持)
(本歌)来むといふも 来ぬ時あるを 来じといふを
来むとは待たじ 来じといふものを
(大伴坂上郎女 万葉集巻 4-527
)
待ち待ちて 人は満つなり 病院の 待合出でて 煙草一服 (喫煙家持)
ひろみの郎女が返せる歌1首
イライラと 言うに言えない 不満でも
待って待ちわび 五時間経って (イライラひろみ)
行きて待ち 帰りの道の 渋滞に またもや待ちて 身も疲れつつ (偐定家)
(本歌)こぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに
やくやもしほの 身もこがれつつ
(藤原定家 新勅撰集 851
小倉百人一首 97
)
待てと言ふに 待たぬ人あり 待てぬと言ふ
待てとは言はじ 待てぬと言ふものを (坂上郎子)


(兵庫医大病院) (阪神高速の渋滞)
手土産の
甘藍
ごろりと 脇に置き 谷麻呂ひろみと 同窓談義
(注)甘藍=キャベツの別名
(花園中央公園・若草読書会花見)
耳なれぬ 名にしあるかも みみなぐさ
耳にしすれど その名のこらじ (耳無家持)
(注)みみなぐさ=ハコベに似た草、ミミナグサのこと。外来種でオランダミミナグサとい
うのもある。萼が長く蕾だと花弁が萼に隠れてしまうのがミミナグサ。
萼が花弁より短いのがオランダミミナグサ。また、花柄が長く蕾が垂
れるのがミミナグサ。オランダミミナグサは花柄が短く茎にくっつくよう
に花が付くので蕾が垂れることはない。
枚方の 浜を出で立ち こぎ来れば 桜の宮に 花咲きにけり
(本歌)珠洲の海に 朝びらきして こぎ来れば
長浜の浦に 月照りにけり (大伴家持 万葉集巻 17-4029
)
(大川端の桜)
枚方の 大橋過ぎて 鳥飼や 豊里大橋 今かこぐらむ (淀家持)
(本歌)高島の あどのみなとを 漕ぎ過ぎて
塩津菅浦 今かこぐらむ (小辨 万葉集巻 9-1734
)
ひろみの郎女が追和して詠める歌1首 <追記:4月11日>
八軒屋 着けば息つく 暇もなく 元の木阿弥 枚方帰り
(熊野詣に憧れるひろみ)
(豊里大橋)
<注>掲載の写真は「けん家持提供」とあるものを除き、ひろみちゃん8021氏の
ブログからの転載です。
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