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過剰販売・過剰与信昭和17年生まれの女性A 平成15年死亡 遺族が債務不存在を求めて提訴平成12年8月から平成13年12月までの間、呉服販売会社を含む12の販売店から合計123回にわたり着物やアクセサリー5978万円に及ぶ売買契約を締結このうち被告Y2との取引は63回 2747万円被告Y1(クレジット会社)は、このうち20件 2051万円につき立替払契約を締結Aはウイルス性肝炎、原発性胆汁性肝硬変に罹患しており平成12年夏以降は日常生活において様々な奇矯な立ち居振る舞いが見られるようになり、Aの主治医は同年7月ころに肝性脳症による精神障害を発症している可能性があると指摘しており、肉眼でも黄疸の症状が認められるようになった平成13年7月以降Aの購買行動の異常性はますます拍車がかかっていた。高松高裁平成20年1月29日判決は、一般論として顧客の年齢や職業、収入や資産状況、これらから窺われる顧客の生活状況及び顧客とのこれまでの取引状況等にかんがみ、こうした高額な商品を販売する販売店においては顧客に対する不当な過剰販売その他適合性の原則から著しく逸脱した取引をしてはならず、これと提携するクレジット会社においても、これに応じて不当に過大な与信をしてはならない信義則上の義務を負っていると解すべきであり、その不当性が著しい場合には販売契約及びこれに関するクレジット契約が公序良俗に違反し無効になると判断した。割賦販売法38条は割賦購入あっせん業者に対し、購入者の支払能力を超える与信を防止するために、共同して設立された信用情報機関を利用することにより得た情報に基づき、購入者の支払能力を超える与信を行わないよう努めなければならないと規定しているけれども、割賦販売法38条は法文上明らかなように訓示規定であり、またわが国においては、過剰与信防止義務が認められる前提となる法制度が今だ整備されていないし、店舗内における過剰売買に関する規制も十分でない。こうしたことから本判決は、割賦販売法38条の趣旨を踏まえた上で、一般条項である民法90条を用いて売買や与信契約を無効としたものであり、同種事案の参考となると評されている。 判例時報2012号79頁ブログランキング参加してます。↓ クリック、よろしく!
2008.10.21

面談禁止等仮処分業務遂行権に基づき業務の妨害行為(債権者側の窓口である弁護士を介しての交渉によらずに、自ら又は第3者を通じて債権者の営業所に架電するなどの方法により債権者の従業員に対し電話の応対又は面談を強要すること)の差止めが認められた例交通事故 相手方が保険会社の対応を不満として 保険会社の担当部署以外の複数の部門に他数回及び長時間にわたり架電し、その都度弁護士宛の連絡を依頼されてもこれを拒否した。架電状は平成19年11月22日から平成20年2月22日までの間で40回程度、多い日で1日19回、長いときで1回90分原審は、仮処分申請を却下したが東京高裁平成20年7月1日決定はこれを認めた。保険会社は被保全権利を営業権として仮地位仮処分を申請したものであるが1審は、営業利益の侵害が不法行為を構成することがあるとしても、損害賠償請求以外の差止請求の根拠となるものとはいえず、最終的には財産的利益に過ぎない営業をなす権利は所有権又は人格権とは性質を異にし、また不正競争防止法3条1項独占禁止法24条1項のような差止めを許容する根拠もないから、営業権をもって差止請求権の法的根拠にすることはできないから本件申し立ては被保全権利の疎明を欠くとしてこれを却下した。抗告審は、被保全権利である営業権侵害の内容を業務用財産の利用妨害及び業務のための人的資源の円滑な業務遂行(労働権)の侵害であるとして上記のとおり差止めを認めた。 判例時報2012号70頁ブログランキング参加してます。↓ クリック、よろしく!
2008.10.17
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