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- 17:30 9月集計分 英国製造業PMI
まず、本指標への現状認識です。
本指標推移は、2017年11月集計分以降、新規受注低迷の影響で下降基調となっています。合意無きEU離脱が現実味を帯びつつあり、前月は輸出受注の落ち込みは2016年3月集計分以来の水準まで下がりました。前月の新規受注がそれだけ低迷したからには、これから少しぐらい改善しても、それが継続的な改善に繋がりにくい状況が続くと思われます。
次に、本指標の過去の傾向です。
他の指標との相関について、本指標結果の良し悪しとEURGBPのGBP高GBP安は、単月毎に見る限り相関がありません。また、本指標発表結果が前月発表結果より良くても悪くても、後日発表されるサービス業PMIや製造業生産指数が良くなるか悪くなるかも、相関があるとは言えません。
そして、本指標への過去反応パターンです。
過去反応方向は、指標結果の良し悪しに素直な方向に、大きく一方向に伸びがちです。
また反応程度は、発表結果と市場予想との差0.1につき、直後1分足値幅が約1.1pipsずつ大きくなりがちです。そして、事後差異(発表結果と市場予想の差)が3以上だったとき(頻度22%)の直後1分足跳幅の平均値は、37pipsにも達しています。
直後11分足値幅は、直後1分足値幅よりも約18%長くなりがちです。
さて、前回結果は52.8[ips]で市場予想は52.5[ips]、事前差異判別式の解は△0.3です。市場予想は指標発表直前に確認しておきましょう。
2015年1月以降前月までの44回の反応平均値は、
・直前10-1分足跳幅13pips、同値幅9pips
・直後1分足跳幅21pips、同値幅16pips
・直後11分足跳幅29pips、同値幅21pips
です。
詳細分析記事の事前取引方針は次の通りです。
- 直前1分足は、事前差異と直前10-1分足の方向が一致したら、その逆方向にオーダーです。
直前1分足の過去平均跳幅は7pips、同値幅は5pipsで、最近は反応が小さくなっています。よって、利確/損切の目安は4pips程度を狙い、発表10秒前には決済しておきましょう。
指標発表前は、たまに直前10-1分足が20pips以上跳ねたり、直前1分足が10pips以上跳ねることがあります。けれども、慌てて追いかけてはいけません。そうした動きが指標発表直後の反応方向を示唆している訳ではありません。 - 指標発表直後は、反応方向を確認したら早期に追撃を開始し、発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺います。
早期追撃開始で高値掴み/安値掴みをするリスクが生じる点への備えは、ポジションをいつもの半分程度にしておき、指標発表から1分以内の戻しがあれば1回だけならナンピンしても良いでしょう。
データの裏付けは、次の通りです。直後1分足と直後11分足との方向一致率は86%です。そして、その86%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは72%となっています。けれども、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことは55%です。
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多くの指標解説で本指標の重要度・注目度は高く位置づけられています。けれども、本指標結果が他の指標結果を先行示唆している事実は見当たりません。そして、本指標の反応程度は大きくなく、本指標結果の影響持続時間は短い傾向があります。取引上の魅力で言えば、それほど重視する指標ではありません。
なお、最近の本指標推移は、高い水準で停滞気味となっています。
過去、NY連銀製造業景気指数とPhil連銀製造業景気指数がともに前月より改善/悪化したとき、本指標結果も前月より改善/悪化しがちです。残念ながら、同じ9月集計分のNY連銀製造業景気指数は悪化、Phil連銀製造業景気指数は改善、と矛盾しています。本指標とNY連銀製造業景気指数との実態差異方向一致率は56%、Phil連銀製造業景気指数との実態差異方向一致率は63%です。
次に本指標への過去反応パターンです。
指標発表前は過去に一貫した傾向が見受けられず、取引は勧められません。
指標発表直前から発表後11分後までは、以前から一貫した複数の傾向が見受けられます。発表結果のチャートへの影響持続時間は短く、発表時刻がくる前に欧州時間以降のトレンドを確認しておいた方が良さそうです。直前10-1分足の方向が、この日の欧州時間以降のトレンドと一致していた場合、直後11分足は直前10-1分足と同じ方向に伸びる可能性が高まります。
さて、今回の市場予想(前回結果)は、
・景況指数60.3[ips](61.3[ips])
・受注指数なし(65.1[ips])
・雇用指数未発表(58.5[ips])
・価格指数71.3[ips](72.1[ips])
で、事前差異判別式の解は△2.8です。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
2015年1月以降前月までの44回の反応平均値は、
・直前10-1分足跳幅6pips、同値幅4pips
・直後1分足跳幅12pips、同値幅8pips
・直後11分足跳幅17pips、同値幅13pips
です。2018年発表分の平均値は、それぞれこの半分ぐらいです。
詳細分析記事の事前取引方針は次の通りです。
- 発表直前には、直前10-1分足が10pips以上跳ねたら逆方向にオーダーし、直前1分足が10pips以上跳ねたら同じ方向にオーダーします。どちらも起きたら直前10-1分足のサインを重視します。利確/損切は指標発表直後の跳ねで行います。
- それとは別に指標発表直前には、直前10-1分足が陽線なら、いつもの半分の規模でロングをオーダーし、10分以内に目安20pipsの利確/損切を目指します。
但し、この方針は方向だけを判定対象とし、目安到達有無は判定対象に含めません。直後1分足が終値△6pips以上の陰線となった場合は、その時点で損切です。 - 追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら早期開始し、発表から1分を経過したら利確の機会を早めに探った方が良さそうです。1分経過以前であっても、3pipsも取れたらその時点で利確で構いません。
もともと反応が小さい指標です。 - 再追撃を行うなら、ポジションを長持ちするより、短期利確を繰り返す方が良さそうです。ポジションをオーダーするのは、3pips以上の利幅が狙えるときです。
以上
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以下は10月2日に追記しています。
【事後検証】
英国製造業PMIは3か月ぶりに改善しました。前月は2年超ぶりに悪化した輸出受注がやや回復し、生産が4か月ぶりの高い数値です。こうした変化は、合意無きEU離脱に備えた英欧企業の動きとして理解できます。
事前差異はマイナスだったものの、事後差異・実態差異はプラスでした。
反応は直後1分足でGBP買、直後11分足はJPY買>GBP買で陰線に転じました。
詳細分析記事における事前取引方針を判定は、直前10-1分足が「前提不成立」で、追撃・再追撃は「?」でした。
追撃の「初期反応方向への早期追撃開始・1分過ぎたら利確機会を窺う」「ナンピンOK」は、指標発表後数秒間を過ぎると利確にその後20分強を要したことがわかっています。明らかに過去の分析結論とは違う展開だったので「?」です。
再追撃の「4pipsずつ狙った追撃繰り返し」は、過去の分析結論が一方向に反応を伸ばしやすい特徴の再現を意識してなので、発表5分後に方向が転じた今回は「?」です(1分後から5分後まででも4pipsを狙っていたら、利確できなかったと思われます)。
取引結果を纏めておきます。
追撃及びナンピンは、損を取り返すために17:50過ぎまでポジションを持っていたため、方針外取引です。今回は、事前方針通りに取引して勝てる展開ではありませんでした。
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ISM製造業景況指数は、事前差異・事後差異・実態差異がいずれもマイナスでした。がしかし、前月は景況指数が約14年ぶりの高い数値(61.3[ips])だったので、気にするような悪化ではありません。
個別には、新規受注がかなり大きく悪化して全体に悪影響がありました。雇用指数は改善していました。
直後反応は指標結果に素直だったものの、直後11分足は反転しました。
詳細分析記事における事前方針を判定しておきます。
発表直後の追撃以外は「?」です。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上