今回はシナリオを用意していなかったので、週次成績には加えるものの、指標成績には加えません。
23:15現在、陰線側に引く力も中途半端に強いようです。発表直前と発表後10分を過ぎての今回の動きについては「一旦清算局面」という解説がいくつか速報記事で流れています。この後、株価の動きが落ち着くまでは「?」ですが、現時点の先物株は100ドル弱の株高となっています。
上は、115.5が本日高値で、その上には暫く目安がありません。
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2017年3月10日22:30に米国雇用指標「平均時給・NFP」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
本表には、平均時給に関する情報が用意できていません(いつも通り失業率を記載)。がしかし、今回発表では平均時給がテーマと言って良いでしょう。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 今回は、直近の失業保険申請件数がほぼ40年ぶりの少なさであり、一昨日発表された1月集計ADP雇用統計も大幅増となっています。前月雇用統計への反応を考えれば、好調なNFPの足を平均時給の伸び率低下がどれだけ足を引っ張るか、が今回発表のテーマと言えるでしょう。
前回発表では「平均時給の伸び率鈍化が債券高(金利安)・ドル安を招いた」という解説記事が事後に散見されました。がしかし、最近のFRB幹部による次週FOMCでの利上げに備えることを助言するような発言が続いていることや、それに伴って金利が上昇局面にあることを踏まえると、平均時給が前回よりも更にかなり強く失望させるない限り、NFPの上振れの足を引っ張るだけの力を持ちません。
よって、陽線での反応と考えられます。 - いつもの話ですが、プロフェッショナルは我々アマチュアが想像できないことを行う場合があります。特に、今回のような大きな相場ではそういうことが起こることが稀にあります。ご注意ください。
- 基本は、細かなシナリオを気にする局面ではありません。買いのスタンスで臨むつもりです。
但し、こうした予想が一方向一色の大きな相場では、発表直前や、発表直後の反応方向に対して3〜5分後や15分後前後に一旦大きく陰線側に引っ張られる場合があります(反対側に、というよりUSDJPYは陰線側に、が多い)。念のため。
またもし、指標発表結果ないしは不明な思惑で陰線側に反応する場合、次週の利上げを考慮すると、その下降はいずれ止まります。だから、理由がわからないことや、今回指標結果に従って陰線側に追いかけるよりも、そうした転換点を待って買いポジションを取る方が良いと考えています。極端な話、今回発表の反応が陰線だったなら、次週月曜に買える場面まで休んだ方がマシです。転換点そのものを狙うのは止めて、2〜3割戻したときに戻しを追いかけた方が安全です。ボリンジャーバンドを使っている人は、3シグマラインが拡散から収束に戻り始めた頃です。
でもまぁ、ポジションはなるべく短期間に清算してください。そのつもりで勝てそうな場面だけを狙って、ぱっぱとポジションを取得・解消するのが我々アマチュアの基本です。もともと雇用統計をあまりこのブログで扱っていないのは、反応が大きすぎる上、動きが他の指標と違うことが多いからです。
では、お気をつけて。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
?T.調査
【1. 指標概要】
前回2月雇用統計では、NFP22.7万人増、失業率4.8%、平均時給26ドル(前月比0.1%増・前年比2.5%増)という結果でした。この指標結果に対し、市場は債券高(金利低下)・株高・ドル安、で反応しています。後の解説記事では「平均時給増加率減速が早期利上げの可能性の後退と見なされて、長期金利低下という反応」という解釈をいくつか見掛けました。
今回は、直近の失業保険申請件数がほぼ40年ぶりの少なさであり、一昨日発表された1月集計ADP雇用統計も大幅増となっています。前月雇用統計への反応を考えれば、好調なNFPの足を平均時給の伸び率低下がどれだけ足を引っ張るか、が今回発表のテーマと言えるでしょう。
さて、来週のFOMCを控えて先の3月4日、イエレンFRB議長の発言要点は、
- 経済が予想通り展開すれば3月利上げは適切
- 国外からのリスクはいくらか後退したもよう
- 2017年の利上げペースは過去2年間に比べ早まる
というものです。また、既に雇用(失業率?)が十分との認識は、2月15日・16日の議会証言で発言しています。この発言を受けて3月利上げが債券・株価・為替への折込みが進んだ状態が現在です。
平均時給の伸び率が前回同様に鈍化しても、債券高(金利安)となる心配はあまりなさそうです。つまり、平均時給がマイナスにさえならなければ良いのです。
本指標発表で過去に最も反応したのはNFPです。前述の通り先行指標が全て改善を示唆している以上、陽線への反応が自然です。そして、もし市場予想を下回ったとしても、よっぽど悪い数字が出てこない限り、陽線でしょう。陰線に振れても、次週FOMCで利上げが確定すると見込まれる限り、発表直前の値までいずれ戻すのではないでしょうか。
平均時給がマイナスにさえならなければ、NFPの足を引っ張る力はないと考えています。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
定型のため、以下に過去のデータを載せますが、今回はこうした過去のデータにあまり捉われない方が良いと思います。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
失業率のグラフは、とりあえず今回、無視しましょう。
NFPは、先日のADP雇用統計で大きく市場予想を超え、また1月分データも上方改定されました。よって、現在の市場予想は低すぎます(発表前までに市場予想が上方改定される可能性があります)。よって、これも今回は無視しましょう。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
がしかし、今回は個別の細かな分析はなし、です。
?U. 分析
今回は、過去の傾向に基づく分析が役立つと思えません。もし過去の傾向と一致点があっても、あまり意味がないと考えています。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
特にシナリオは用意しませんが、基本は買いスタンスで臨み、直前1分足のみ陰線で少し稼げるかもしれません。
もし、指標発表結果ないしは不明な思惑で陰線側に反応する場合、次週の利上げを考慮すると、いつか下降が止まります。陰線側に追いかけるよりも、そうした転換点が来るのを待って買いポジションを取る方が良いと思います。
以上
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