本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 平均的な反応は、指標発表前の10分と発表後の10分でほぼ同じです。反応分布を見ると、たまに10pipsを超えることもあったようですが(約20%)、それだけに10pipsも含損が先行すると挽回できません。
本指標への反応を見ればわかるように、EURは指標結果よりもそのときどきのトレンドに従う傾向が強い通貨です。指標一致性分析の結果もそれを裏付けており、前回結果・市場予想・発表結果の大小関係がどうあれ、反応方向との一致率は45〜65%の範囲に収まっています。 - シナリオです。
反応一致性分析の結果、直後1分足は直前1分足との方向一致率が71%となっています。
反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が60%で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びることは80%です。もし追いかけてポジションを持つなら、指標発表前のトレンド方向に従うときが良いでしょう。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「?T.調査」「?U.分析」を事前投稿し、「?V.結果」「?W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
?T.調査
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため、それだけの先行性があると考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業の仕入れも機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この「製造業景況感はサービス業景況感よりも先行性がある」という言い伝えは、日本や独国には当てはまりません。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、今では輸出大国の日本や独国の製造業は国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想は、製造業が前回より0.3ポイント悪化、サービス業が0.1ポイント改善、となっています。
欧州経済全体は、ECBが金融緩和出口論議が始まるほど持ち直しています。がしかし、本指標への反応を見ればわかるように、EURは指標の影響よりそのときどきのトレンドに従う傾向が強い通貨です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が60%となっています。方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びることは80%です。もし追いかけてポジションを持つなら、指標発表前のトレンド方向に従うときが良いでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足は直前1分足との方向一致率が71%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
指標発表結果が反応方向に強い影響を与えていません。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年3月24日17:30発表
以下は2017年3月24日21:00頃に追記しています。
?V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- 平均的な反応は、指標発表前の10分と発表後の10分でほぼ同じです。反応分布を見ると、たまに10pipsを超えることもあったようですが(約20%)、それだけに10pipsも含損が先行すると挽回できません。
本指標への反応を見ればわかるように、EURは指標結果よりもそのときどきのトレンドに従う傾向が強い通貨です。指標一致性分析の結果もそれを裏付けており、前回結果・市場予想・発表結果の大小関係がどうあれ、反応方向との一致率は45〜65%の範囲に収まっています。
特に見直すべき点はありません。
【9. シナリオ検証】
事前準備したシナリオを以下に示します。
- シナリオです。
反応一致性分析の結果、直後1分足は直前1分足との方向一致率が71%となっています。
反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が60%で、方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びることは80%です。もし追いかけてポジションを持つなら、指標発表前のトレンド方向に従うときが良いでしょう。
特に見直すべき点はありません。
本ブログ開始以降、本指標での取引結果を下表に纏めておきます。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上