?T.事前投稿
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。
せっかくFXで取引するなら、?@ 取引する指標や他の指標との関係性、?A その指標発表時の反応の特徴や傾向、?B その上で独自の解釈で取引、をした方が楽しめます。単に陽線・陰線に賭けるよりも、うんちくを仕入れて楽しみながら学ぶのが一番です。
本指標は他の主要国の生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
同じ実態指標でも消費関連指標なら、米国小売売上高指数指標も大きく反応するし、豪州小売売上高指数もそこそこ反応します。けれども、生産関連指標でこれほど反応が大きいのは英国だけです。
過去平均の直後1分足跳幅は20pipsを超えています。
その直後1分足の反応方向は、鉱工業生産指数>製造業生産指数、前月比>前年比、の影響を受けます。
直後1分足は、3?鉱工業前月比事後差異+2?鉱工業前年比事後差異+1?製造業前月比事後差異、という判別式を用いると、この判別式の解の符号と直後1分足の方向一致率が79%となります。
指標結果の市場予想に対する良し悪しに素直に反応します。
なお、本指標よりも先に発表される製造業PMIと本指標とは、同じ集計月同士の結果を見比べても関係ありません。例え一方を前後1か月ずらしてみても、この結論は変わりません。
また、今回は同時に「建設生産高」と「貿易収支」が発表されます。けれども、そんなことは気にしなくても構いません。
さて、今回の発表要点は下表の通りです。
そして、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が24%(不一致率76%)となっています。市場予想が前回結果より良ければ直前10-1分足は陰線、悪ければ陽線になりがちです。
逆ではありません。 - 直前1分足は、事前差異との方向一致率が65%、過去の陰線率が65%です。
- 指標発表時刻を跨いでポジションをオーダーする論拠となる傾向は見出せていません。
本指標は年間を通して追撃で稼ぎましょう。 - 指標発表後の追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率は74%で、驚くべきことにその74%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。この数字は、直後1分足と直後11分足が方向不一致だった場合を含めても、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが74%あるということです。一方向への反応が進む指標です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
ところが、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは50%です。最終的に反応を伸ばすことは2回に1回しかないのなら、先に早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺った方が良いということです。
なお、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は7pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率30%)です。直後11分足のそれは11pips(戻り比率34%)です。直後1分足や直後11分足のヒゲは跳幅の1/3の値幅を持つことを目安として覚えておきましょう。 - 但し、直後1分足には、追撃徹底の(確率的な)サインがあります。
過去、直後1分足値幅が平均(23pips)以上だったことは10回ありました。この10回のうち7回で直後11分足跳幅が40pips以上となっています。
つまり、直後1分足値幅が過去平均値の23pips以上なら、その方向に再追撃開始すべきです。がしかし、これは直後11分足が終値を付けるまでポジションを保持した方が良い、という話ではありません。指標発表から10分以内に20pips以上の利確の機会があるだろう、という話です。
しつこい追撃には向いていない指標なのです。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年2月9日20:00頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
結果は、市場予想通り鉱工業生産指数・製造業生産指数ともに前月比・前年比のいずれも前回より悪化しました。市場予想に対しては、製造業生産指数前年比のみ上回ったものの、鉱工業生産指数は前月比・前年比ともに下回りました。かなり悪い内容でした。
がしかし、反応は過去平均程度を下回る陰線でした。
前年比に関しては、前年同月(2016年12月)がかなり良かったので、鉱工業生産指数・製造業生産指数ともに悪化は自然です。2018年2〜3月集計分発表まで、前年比は前年同月結果が良いので、大きな改善が見込みにくくなっています。
問題は鉱工業生産指数前月比です。△1.3%という値は、2016年10月集計分以来の悪い数字です。その2016年10月集計分は翌月11月集計分で大きく改善(+2.1%)しているので、来月発表は(北海原油価格なんてお構いなしに単にグラフ推移だけから)反発が期待できます。
これほど悪い指標結果に対し、反応は意外に小さくなりました。指標発表直前は152.35でした。そして、直後1分足跳値は152.24、直後11分足跳値は152.17でした。
テクニカル的には、1時間足一目均衡表の雲下端が152.22にありました。このあたりで一旦反発して152.3付近まで値を戻したものの、18:34頃には再下降に転じました。日足一目均衡表では152付近に雲上端があり、18:48頃にそれを下抜けると、今度はそこがレジスタンスとなっています。20:00前には151.6付近まで値を下げています。
取引は18:40頃に終了ものの、そのままショートを持ち続けるには不安がありました。
というのも、ファンダメンタル的には、?@ 前日の米株価の大幅下落に対し本日のダウ先物が反発上昇していたことと、米連邦予算が本日未明に上院で今後2年間の歳出上限引き上げ法案として可決されたこと、からUSDJPY下値が限定される条件が整っていたこと、?A 前日発表されたMPC議事要旨で、次回利上げが従来の市場認識より前倒しの可能性が高まったことによって、GBPUSDの下値も限定される条件が整っていたこと、が挙げられます。
長々と書いても、この見立ては程度を外しています。前述の通り、20:00前には151.6まで値を下げた訳ですから。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が24%(不一致率76%)となっていました。市場予想が前回結果より良ければ直前10-1分足は陰線、悪ければ陽線になりがちでした。逆ではありません。
結果は、今回の事前差異マイナスに対し、直前10-1分足は陽線でした。 - 指標発表後の追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率は74%で、驚くべきことにその74%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%でした。
結果は、直後1分足と直後11分足の方向が一致し、直後11分足跳幅は直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばしました。 - 指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは50%しかありませんでした。
結果は、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしました。
取引結果は次の通りです。
過去の傾向通りにやっていれば負けることはなかったはずです。追撃徹底ができずに利幅が小さくなっただけです。
ともあれ、負けないのが一番です。
次回発表は3月9日に行われる予定です。
以上