?T.事前投稿
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。下記詳述する今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
前回(2018年1月18日)の指標結果と取引結果は こちら です。
前回結果は、CPI前年比・コアCPI前年比が前回や予想を下回り、CPI前月比やRPI各項が前回や予想を上回りました。CPI前年比の低下に伴い、反応は陰線でした。但し、2017年11月に利上げ後のBOEは、今後数年で1・2度の利上げとアナウンスしていたため、反応は過去平均よりも小さく、直後1分足跳幅は18pipsしかありませんでした。
今回は、先週公表されたインフレ報告で、2018年のインフレ見通しが+2.9%に引き上げられていました。以前のインフレ見通しが2018年は+2.6%だったので、BOEはインフレ鎮静化にまだ時間を要することを認めたことになります。
そして何より、そのときのMPC議事要旨では、インフレ鎮静化のため見通しとの乖離が起きれば、早期の金融政策変更を辞さない旨、記していました。よって、今回もしCPI前年比が+3.0%以上なら、30pipsを超える反応に結び付く可能性があります。
さて、今回の発表要点は下表の通りです。
注目のCPI前年比市場予想は、ちょうど先のインフレ見通しと同じ+2.9%となっています。一方、CPI前月比の方は大きく前回発表結果より下方予想されています。そのため、指標発表前にはGBPが売られる可能性が高く、発表時刻が迫るにつれて、ショートが解消される動きが予想されます。もしCPI前年比が市場予想を上回ったときの反応が怖いのが自然です。
前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前10-1分足はロングで、利確・損切の目安を5〜8pipsぐらいにしておきます
。
今回の事前差異は、CPI前月比・前年比がともにマイナスとなっており、夕方からGBPは売られるのではないでしょうか。その結果、指標発表10分前には、いったんポジションをクローズする動きが強まり、その結果、事前差異と逆の陽線側に振れると予想しています。
よって、16時・17時頃からGBPJPYが陰線側に伸びていなければ、この取引は中止します。 - 直前1分足の過去平均跳幅は8pips、過去平均値幅は6pipsです。陽線側に3〜6pipsの逆ヒゲを形成することが多いようです。
直前1分足の方向は、陰線率が79%で、直前10-1分足との方向一致率が38%です。
陽線側に3pips跳ねたらショートをオーダーし、3〜6pipsを利確の目安にしておきます 。 - 指標発表時刻を跨いでポジションをオーダーする強い論拠となる傾向は見出せていません。
直前10-1分足が20pips以上跳ねたときに直後1分足が同方向に反応したことは71%、直前1分足が10pips以上跳ねたときにその逆方向に直後1分足は反応したことが62% です。但し、いずれもまだ事例数が少ないため、あまり推奨できません。 - 積極的に追撃するには、直後1分足と直後11分足との方向一致率は66%で、あまりアテに出来ない数字です(それでもほぼ3回に2回が同方向です)。その66%の方向一致時に直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を超えたことは75%です。指標発表直後の初期反応方向を見てから追撃するには少し微妙な数字ですが、 指標発表から1分程度なら追撃しても良いでしょう
。
但し、直後1分足跳幅の過去の反応分布を見ると、全体の半分近く48%が16〜31pips跳ねています。16pips以下しか反応しなかったことは8%しかありません。32pips以上跳ねたことは44%です。
初期反応が16pips以下のとき追撃を開始して、10〜15pips程度を利確の目安とし、5〜10pipsを損切を目安にしておくと良いでしょう - 指標発表から1分を過ぎると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは34%(3回に1回)しかありません。逆に言えば、 直後1分足跳幅のピーク付近(30pips付近)か、直後1分足終値が付いてから直後1分足終値を超えて反応を伸ばしているときに逆張りした方が勝率が稼げそうです
。
但し、逆張りは短時間取引が基本で、それだけに利確・損切の目安も小さく見込んでおきましょう。利確・損切ともに5pips程度と見込んでおきましょう。 - BOEは先のMPCで、インフレ見通しとの乖離が続くなら政策変更して対応する旨、の報道解説がありました。そのインフレ見通しとはCPI前年比+2.9%です。
よって、 今回のCPI前年比が+3.0%以上で、且つ、CPI前月比が市場予想を上回れば、逆張りなんか考えずに追撃徹底すれば良いでしょう 。
このシナリオの論拠は こちら に詳述した本指標詳細分析の結論です。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年2月13日22:05頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
結果は、注目していたCPI各項が市場予想を上回る一方、RPI・PPI各項は市場予想を下回りました。反応は陽線でしたが、発表から1分を過ぎると陰線側に大きく反転しました。
CPI前月比は、またまた1月集計分がドンと落ちました。例年通りだと、来月のCPI前月比はドンと上がります。がしかし、それは折込済なので対前月でなく対予想が重要です。市場予想に対しては0.1%上回り△0.5%でした。
CPI前年比は、既に前年同月が中立的な水準(+1.6%)だったこともあって、当月以降少しずつ高い数値が出にくい状況になっていました。今回結果は+3.0%で、市場予想を+0.1%上回りました。
詳細分析記事に記したように、本指標への反応は、CPI前年比>CPI前月比>その他、の順に影響を受けます。よって、今回の初期反応が陽線だったことは、過去の傾向通りです。
その他、2017年6月集計分からPPIが下降に転じ、RPIはそろそろ下降に転じそうな気配があります。古い話の通り、物価が下流に伝搬するのなら、来月と再来月のRPI前年比は下降基調が鮮明化するか注目に値します。
反応については、今回、特別な状況にありました。
この日、12:30の東証後場寄り付き以降、USDJPYが108.71から17:33に107.53まで値を下げていました。その影響で、同時間帯にGBPJPYも150.46から148.98まで値を下げていました。GBPUSDについても、同時間帯に1.3839から1.3864にややUSDが売られていました。
こうして、USD売の勢いが強い状況で本指標発表時刻が1時間後に迫りました。GBPJPYの指標発表直前1時間足は、149.29から149.42に僅かに値を戻しています。これは、同時間帯のUSDJPYが107.61から107.64と下げ止まった一方、GBPUSDが1.3863から1.3879へとUSD売からGBP買に転じていたためです。
USDJPYでこれほど動きがあった後だったので、正直、取引すべきか止めておくべきか迷いました。何が起きるか(USDJPYがさらにドンと下がる等)わからないときは、過去の傾向なんて役に立たないことが多いからです。
指標発表後の反応は、直後3秒ぐらい少し陽線に伸びて、5秒後ぐらいにドンと伸びて、その後激しく上下動しました。そして、発表から1分を過ぎる頃には陰線に転じ、そこから再び陽線側へと戻しました(直後11分足はまだ陰線)。
この動きは、前述のUSD売の流れによって、最初の陽線で利確した参加者が多かったためでしょう。ロングを長持ちするには、不安が大きい日でした。それが、直後11分足の陰線に現れています。最終的には、19時過ぎに149.7超までGBPJPYは上昇しました。GBPJPYでよりもGBPUSDやEURGBPでGBPが買われたようです。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前10-1分足はロングで、利確・損切の目安を5〜8pipsぐらいにしていました。
結果は、跳幅20pips強の陽線となりました。
がしかし、これは事前分析に挙げたように市場予想悪化によって事前に陰線側に伸びたことによる戻しではありません。でもまぁ同じことです。これだけ昼過ぎから陰線側に伸びていれば、指標発表前には戻しがあるものです。 - 直前1分足は、陽線側に3pips跳ねたらショートをオーダーし、3〜6pipsを利確の目安にしていました。
結果は陽線で、3pips陽線側に跳ねた時点で18:29:30を過ぎており、そこからのショートはオーダーできませんでした。 - 直後1分足は、直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、同方向に指標発表直前にポジションをオーダーすることを考えていました。
今回、直前10-1分足は陽線側に21pips跳ねており、直後1分足も陽線でしたが、このポジションをオーダーするか否かは迷いました。だって、日中はあまり動かないUSDJPYが午後だけで100pipsも下落していたのです。どんな反応になるかなんて予想がつきません。 - 追撃は、指標発表から1分を過ぎると分が悪いと考えていました。がしかし、指標結果はCPI前年比が+3.0と、先のインフレ報告の見通し+2.9%を上回っていました。
直後11分足は陰線を形成したものの、その後19:00過ぎに149.7にGBPJPYは到達しました。149.7は、一目均衡表1時間足の転換線があった場所です。
取引結果は次の通りです。
もっとしつこく追撃しても良かったかも知れませんが、それは結果論です。長い目で見れば、欲張りだけが負けるのです。
次回発表は3月20日に行われる予定です。
以上