ここでは、いずれも現在の経済状況なんて関係なく、そのパターンを論じています。論拠はリンク先に詳述しているので、そちらもご参照ください。
8月13日(月)
注目指標無し
8月14日(火)
- 15:00 4-6月期 独国GDP速報値
・7月集計分独国CPI改定値
CPIは改定値のため、事前の注目はGDPに偏ると思われます。
GDPは、発表結果が市場予想とズレたときの直後1分足の反応方向への影響が(前期比>前年比)の関係となります。その影響力は前期比が前年比の1.5倍です。但し、指標結果の良し悪しと直後1分足の反応は、方向一致率が65%とあまり高くありません。反応は小さいものの、いくつかの傾向に従えば取引しやすい指標です。 - 17:30 6月・7月集計分 英国雇用統計
市場予想と発表結果の関係は、平均所得と申請件数が市場予想後追い型、失業率が市場予想先行型。英国雇用状況に詳しくなくても結果を予想しやすい点で、おもしろい指標だと言えます。指標発表直後の反応方向への影響力は、平均所得の事後差異>失業率の事後差異>申請件数の事後差異、です。指標発表前から他の平均的な指標の発表直後並みに反応するので、注意が必要です。 - 18:00 4-6月期欧州GDP改定値・8月集計分独国ZEW景況感調査
ともに、あまり影響力が大きい指標ではないため、わかりません。
GDP改定値は速報値から改定されることがあまりないことを踏まえると、指標発表前はZEW予想中心、指標発表後にGDPが改定されたらそちら中心(改定されなければZEW中心)と捉えておけば良いでしょう。 - 21:30 7月集計分 米国輸入物価指数
米国輸入物価指数は、今回のように単独で発表されることが年に4・5回しかありません。過去に、小売売上高指数・Phil連銀製造業景気指数・住宅着工件数・週次失業保険新鮮件数のいずれかと同時発表されたときは、それら指標結果に反応しました。本指標は結果がどうあれチャートに影響しない指標だと言えます。
8月15日(水)
- 17:30 7月集計分 英国物価統計
大きく反応しがちなので注意が必要です。
指標発表後の反応方向は、CPI前月比>CPI前年比、の順に、市場予想との差異の大きさと方向の影響を受けます。RPIやPPIは、CPIが市場予想通りだったときしか反応方向に影響しません。指標発表前から大きく反応しがちで、指標発表直後は以前から安定して反応が大きい指標です。指標発表直後に16pips以下しか跳ねなかったことは7%しかありません。また、全体の半分近く48%が31pips以上跳ねています。 - 21:30 7月集計分 米国小売売上高
本指標は「反動」が起きる指標です。がしかし、取引方針はそのことを別の面から捉えておく必要があります。前月比が+1以上か△0.5以下だった翌月は、市場予想ほどの反動が起きなかったことが80%あります。そして、コア前月比が+0.7以上か△0.7以下だった翌月は、市場予想を超えて反動が起きたことが80%あります。これらのことが矛盾している月の発表では、コア前月比>前月比、の順に反応方向が影響を受けることを参考にすれば良いでしょう。
直後1分足跳幅の過去平均は22pipsと、一見、大きく反応する指標です。また、過去にCPIと同時発表されたことも多く、資料に依っては過去の反応程度が大きめなっているものが散見されます。けれども、平均値を超えて反応したことは、ざっくり3回に1回しかありません。大きく反応することがある指標で、それほどでもなければ利確の機会を逸しかねません。そこに注意が必要です。 - 22:15 7月集計分 米国設備稼働率・鉱工業生産・製造業生産
WTI原油先物価格と設備稼働率の上下動は、単月毎に見る限り相関がありません。
鉱工業生産は前月が+0.7%以上だったか△0.7%以下だったとき、製造業生産は前月が+0.6%以上だったか△0.4%以下だったとき、前月の反動を起こして市場予想をオーバーシュート/アンダーシュートしがちです。
直前1分足と直後1分足の方向一致率が33%しかない点を拠りどころに、指標発表発表直後の跳ねで3pips程度狙うしかありません。指標発表前後に大きく動いているときは、本指標とは無関係の原因です。
8月16日(木)
- 10:30 7月集計分 豪州雇用統計
失業率と労働参加率は市場予想後追い型です。
そして新規雇用者数は、市場予想を発表結果が上回ったときの方が、回数も差異も大きくなりがちです。つまり、市場予想と発表結果の差異の程度に応じて素直に反応すると仮定すれば、ロングで勝負し続ければ利益を残せることになります(仮定は検証されていません)。
注意すべき点は、指標発表直後に10pips以上の逆ヒゲを形成することがときどきあります(騙しが発生します)。また、反応方向は、事後差異がプラスだったときこそ陽線での反応を期待できるものの、マイナスだった場合は大きくマイナスとならない限り、どちらに反応するかわかりません。
指標発表時刻を跨いだ取引が難しい指標です。 - 17:30 7月集計分 英国小売売上高指数
大きく反応しがちな指標で、指標発表前からかなり動きます。
小売売上高にせよコア小売売上高にせよ、市場予想の上下動が発表結果の上下動に比べて小さい、という特徴があります。こうした特徴のある指標では、前月の反動が市場予想をオーバーシュート(アンダーシュート)しやすくなります。
市場予想が前回結果よりも改善もしくは同値なのに、直前10-1分足が陰線ならば、発表結果は市場予想を上回る可能性が高く、逆に、市場予想が前回結果よりも悪化もしくは同値なのに、直前10-1分足が陽線ならば、発表結果は市場予想を下回る可能性が高くなっています。 - 21:30 8月集計分 米国Phil連銀製造業景気指数
本指標に先立って発表されることが多いNY連銀指数の結果が前月より改善/悪化していても、そんなことは本指標での取引の参考にはなりません。本指標自体が市場予想後追い型のため、そのことをアテにした方が良いでしょう。指標推移が上昇基調/下降基調のときは、発表結果が市場予想を上回り/下回りがちです。指標推移が上昇基調とも下降基調とも言えない停滞気味のときは、前々回結果に比べて前回結果が上昇/下降しているとき、今回の市場予想が前回結果を上回っている/下回っているなら、今回の発表結果は市場予想を下回り/上回りがちです。この期待的中率は78%です。
8月17日(金)
- 23:00 8月集計分 米国UM消費者信頼感指数速報値
本指標の特徴は、市場予想後追い型であることと、なぜか前月集計分のISM非製造業景況指数との方向不一致となることが異常に多いことです。また、本指標自体のチャートへの影響は小さく、週足が200pipsを超えていたら、指標発表後に週足を削るように動き始めることも多いようです。
以上
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
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注記以上