論拠はリンク先に詳述し、ここでは結論だけを抜粋・紹介しています。 リンク先の詳細分析記事は、現在のチャート状況や政治・経済情勢なんて全く関係なく、その指標とその発表前後の反応の過去パターンを調べていることがポイント です。
現在の情勢に応じてポジションを考慮するにせよ、過去のパターンは踏まえておきましょう。
こういう方法論が有効か否かは、 こちら に検証結果を纏めています。2017年は、取引を行った全ての指標の事前分析投稿と結果検証投稿を繰り返しました。
せめて、指標発表前後に反応が伸びやすい指標とそうでない指標の区別しておけば、その分だけ負けにくくなるでしょう。
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前週の成績を纏めておきます。
成績を気にするのは、過去の分析が現在も通用するのかに注意を払い続ける必要があるためです。
前週の分析成績は12勝5敗、前提を満たさなかったことが7回、判定不可が5回でした。オカルトは含めていません。判定は、リンク先の詳細分析記事の結論が、今回の発表でも通用したかを判定しています。
前週の取引成績は10勝1敗、それとは別に事前方針にない取引で1敗、取引中止が2回でした。取引時間は35分52秒で、損益は+57.33pipsでした。
取引した1分足1本当たり1pips強というペースは、2017年並みです。2018年になってからは、やや反応が小さい指標が多かったので、これは良い兆候です。
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さて、今週の主要指標の過去反応要点は以下の通りです。
9月10日(月)
- 17:30 7月集計分 英国鉱工業生産指数・製造業生産指数
先に発表されている製造業PMIとの相関はありません。
指標発表後の早期追撃開始と、直後11分足跳幅が30pips以上に伸びたら再追撃に分があります。
9月11日(火)
- 17:30 7・8月集計分 英国雇用統計
事後差異がプラスだったときは素直に陽線での反応が期待できるものの、マイナスだった場合は陰線で反応するかどうかちょっと怪しいところがあります。追撃は陽線のとき行いましょう。
直近のEU離脱を巡る情勢を踏まえると、この過去パターンが逆に「事後差異がプラスのときに陽線になるか否かが怪しく、マイナスなら素直に陰線」にならないかを注視しています。ここ数か月では、まだそうした変化は起きていないようです。 - 18:00 9月集計分 独国ZEW景況感調査
多くの指標解説で期待指数に注目が集まるように誘導されています。けれども、指標発表直後の反応方向との一致率が高いのは現況指数の方です。また、単月毎の指標結果の良し悪しは、Ifo業況指数と相関がありません。
直前10-1分足と事後差異の方向一致率は67%です。そして、直前1分足と直後1分足の方向一致率は18%(不一致率82%)です。これら数字から、本指標の取引参加者は、指標発表後の反応方向がほぼ掴めている可能性があります(自分だけがそのことを知らない、というのは癪ですよね)。
9月12日(水)
- 21:30 8月集計分 米国PPI
輸入物価指数やISM製造業価格指数との相関は高くないので、それらは参考になりません。
つまらないけれど、指標発表直後の早期追撃開始・早期利確が基本です。あまり大きな反応が起きない指標なので、指標発表後の追撃は反応が10pips付近に達してからは、諦めた方が良いでしょう。
9月13日(木)
- 10:30 8月集計分 豪州雇用統計
指標発表前は、市場予想がどうあれ、どっちに反応するかがわかりません。指標発表直後は逆ヒゲを形成したことがときどきあるので注意が必要です。逆ヒゲは10秒以内に解消されたことが多いようです。
直後1分足終値と直後11分足終値は、過去全てを平均するとほぼ同じです。指標発表から1分を過ぎてピークやボトムの見極めが大事です。 - 20:00 英国(BOE)金融政策(市場予想通り現状維持の場合)
前回MPCでの利上げにより、今回の焦点は今後の利上げ時期・回数についての見解が注目されています。
直前10-1分足は、直後1分足との方向一致率が67%で、3回に2回の割合で政策発表後の反応方向を示唆しています。また、直前10-1分足が大きく跳ねたときには、直後1分足の反応方向を示唆している可能性が高いと言えます。
初期反応方向への早期追撃が基本です。但し、直後1分足が陽線なら20pips以上のとき、陰線なら40pips以上のとき、直後11分足は直後1分足よりも反応を伸ばしています。それら以外のときは、少し早めに利確した方が良いでしょう。 - 20:45 欧州(ECB)金融政策(市場予想通り現状維持の場合)
今回の注目内容は、年内QE終了が確定するか否かです。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は79%で、方向一致時に直後1分足跳幅を超えて直後11分足跳幅が反応を伸ばしたことは100%です。でも、終値同士を比べると、直後1分足を超えて直後11分足が反応を伸ばしていたことは50%未満です。
追撃は早めに行って早めに終えるようにしましょう。
さて、とても勧められませんが、なかには一獲千金を狙って発表時刻を跨いでポジションを持つ人もいるでしょう。
BOEもECBも今回は「市場予想通り現状維持(政策金利とQE規模について)」になると見込まれています。そうであるにせよ、万が一の「市場予想に反した」ときや声明等で今後の方針が予想外だったときの反応は、予め頭に入れておくべきです。
金融政策発表時の「市場予想に反したとき」は50pips以上の瞬間的な跳ねが起きます。もし反対ポジションを持っていたならすぐに損切・ドテンです。ドテン(反対ポジションを取り直すこと)は損切の後です。こうしたサプライズが起きた場合、直後1分足は最終的に100pips以上に反応を伸ばしがちです。分速100pipsもの反応が起きているときは、慌てて新規ポジションを取ろうとしても、なかなかオーダーが成立しません。含損をキャンセルする反対ポジションを新規に取ろうとしているうちにも、含損がどんどん増えてしまいます。
だから、必ず「損切・ドテンの順」です。
そもそも、金融政策発表時の取引は追撃が基本です。 - 21:30 ECB総裁会見
- 21:30 8月集計分 米国CPI
ECB総裁会見が定刻に始まっても、CPI発表直後はCPIの結果に基づき反応し、すぐに伸びが止まるか戻すかしがちです。指標発表前と指標発表数分後からはECB総裁会見内容に応じた動きとなります。反応方向への影響力が(ECB総裁会見>米国CPI)の順なのです。
よって、今回の米国CPI発表前後のUSDJPYの動きは、指標発表直後の方向を除いて過去の分析と関係ありません。
9月14日(金)
- 21:30 8月集計分 米国小売売上高
- 21:30 8月集計分 米国輸入物価指数
過去、両指標が同時発表されたときの反応方向への影響力は、圧倒的に(小売売上高>輸入物価指数)です。小売売上高だけに注目しておけば良いでしょう。 - 22:15 8月集計分 米国設備稼働率・鉱工業生産指数・製造業生産指数
直後1分足は、直前1分足との方向一致率が33%(不一致率67%)なので、指標発表直前に直前1分足値幅方向と逆にポジションをオーダーすれば良いでしょう。
追撃は、指標発表直後に反応方向を確認したら早期開始し、指標発表から1分が過ぎたら利確の機会を窺います。 - 23:00 8月集計分 米国UM消費者信頼感指数速報値
オカルトになりますが、本指標は市場予想後追い型のため、現在のように上昇基調のときは毎回ロングをオーダーし続ければ複数回での成績はプラスになります。一方、なぜか本指標は前月集計分のISM非製造業景況指数との不一致率が高い点も不思議です。今回については、このふたつのオカルト手法が矛盾しています(上昇基調で、ISMは改善)。
今回は取引しません。
以上
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
注記以上