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2018年03月19日
2018年3月20日18:30発表ー英国2018年2月集計分物価指標(事後検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は、こちらの「 英国物価指標発表前後のGBPJPY反応分析(2018年改訂版) 」に詳述しています。以下に記す今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標には
- CPI前年比は、同月のEURGBPの前年同月との差異と相関がある(GBP安でCPI前年比上昇の期待的中率67%)
- 指標発表直後の反応程度は、過去3年間の直後1分足跳幅の平均値が31PIPSと、かなり大きい
- 指標発表直後の反応方向は、CPI前年比の事後差異>CPI前月比の事後差異>その他の項の事後差異、の順に影響を受ける
という特徴があります。
2018年発表分の指標結果・取引結果は、 12月集計分(1月発表) 、 1月集計分(2月発表) 、をクリック頂くと参照できます。
幸いなことに、これまでのところ今年は調子が良いようです。
ーーー$€¥ーーー
今回発表の要点は下表の通りです。
市場予想は3月18日21時頃の値を用いています。指標発表前に予想が修正されていないかは確認しておきましょう。
市場予想は、最も反応方向に影響するCPI前年比の事前差異がマイナスとなっています。がしかし、次に反応方向に影響するCPI前月比の事前差異が、それを上回るプラスとなっています。その結果、今回発表の全体の事前差異はプラスです。
一方、2月のEURGBPはGBP安でした。GBP安はCPI前年比の上昇との方向一致率が過去67%です。ならば、上述のCPI前年比事前差異のマイナスは、今回の市場予想が低いということに帰結します。
同時刻に住宅価格指数も発表されますが、そんなものは無視して構いません。
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さて、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前1分足の過去平均跳幅は8pips、過去平均値幅は6pipsです。陽線側に3〜6pipsの逆ヒゲを形成することが多いようです。また、過去の直前1分足の方向は、陰線率が79%となっています。
よって、 直前1分足が陽線側に3pips跳ねたらショートをオーダーし、3〜6pipsを利確の目安 に短時間取引を行います。 - 前述の理由によって、 指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切
します。
但し、 直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、指標発表直前のポジションはその跳ねた方向と同じ方向にオーダーすることを優先 します。 - 指標発表後の追撃は、反応方向を確認したらなるべき早期に開始し、数pips稼いだら欲張らずに利確
します。
予め頭に入れておくことは、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことが34%しかありません。だから、 このポジションはできれば1分以内に決済した方が良い でしょう。利確・損切の目安は必然的に小さくすべき(3pipsでも良いぐらい)で、 発表後16pips以上跳ねていたら、早期追撃は諦めた方が良い でしょう。 - 上述の通り、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは34%(3回に1回)しかありません。逆に言えば、直後1分足跳幅のピーク付近(30pips付近)か、 直後1分足終値が付いてから直後1分足終値を超えて反応を伸ばしているときに逆張り
した方が勝率が稼げそうです。
但し、逆張りは短時間取引が基本で、それだけに利確・損切の目安も小さく見込んでおきましょう。利確・損切ともに5pips程度と見込んでおきましょう。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年3月20日20:30頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
注目のCPIは、前年比・前月比・コア前年比のいずれも市場予想を下回りました。前年比は、CPIもコアCPIも前回結果を下回り、グラフ推移は下降に転じかけているように見えます。物価上昇に一段落ついたなら、BOEは利上げを急ぐ必要がありません。
反応は、今回も事後差異に対して素直で陰線となりました。直後1分足跳幅が30pipsを超えたのは4か月ぶりです。そして今回も、直後11分足終値は直後1分足値幅を削りました。
なお、直後1分足跳幅を決めた安値149.01円は、一目均衡表上の特徴点でなく、単にキリ数(149円ちょうど)以外の意味は見当たりません。
さて、CPI前年比は2017年11月集計分でピーク+3.1%以来、少しずつ下げています。今回2月集計結果+2.7%は、2017年8月集計分+2.9%を下回り、7か月ぶりの水準まで戻しました。
昨日、英国とEUが離脱猶予期間について合意したとの報道がありました。2019年3月末に英国がEUを離脱しても、2020年まで英国企業はEU加盟国と同等の扱いを受ける離脱移行期間を設けるという合意です。この報道によりGBPは、主要通貨(EUR・USD・JPY・AUD)に対して買われました。
今回の反応が陰線となることは、指標結果から過去の傾向通りだったものの、この合意がなければもっと大きな陰線になっても良かったのかも知れません。
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さて、事前分析結果を検証しておきます。
- 直前1分足が陽線側に3pips跳ねたらショートをオーダーし、3〜6pipsを利確の目安に短時間取引を行うつもりでした。
結果は、陽線側への3pipsの跳ねが生じず、直前1分足自体陽線で終わりました。取引は行わずに正解でした。 - 指標発表直前にロングをオーダーし、発表直後の跳ねで利確・損切することにしていました。
結果は陰線だったものの、瞬間的に30pips以上跳ねると、すぐに10〜15pipsを戻しました。損切となったものの、陰線側への振れが瞬間的だったのが幸いし、損切は10pips強で済みました。
指標発表直後の瞬間的な跳ねは、指標結果に素直に従ったものです。問題は10秒と経たないうちに半値戻したことです。これは、もし陰線で反応したなら、予めロングが指値で仕込まれていたのではないでしょうか。 - 指標発表後の追撃は、反応方向を確認したらなるべき早期に開始し、数pips稼いだら欲張らずに利確するつもりでした。
結果は前述の半値戻し付近(149.2弱付近)で上下動が暫く続き、指標発表直後の33pipsの陰線側への跳ねに到達することはありませんでした。
追撃ポジションを早めに取ると、損切となった事例も多かったと推察します。この点は分析を外してしまいました。 - 直後1分足跳幅のピーク付近(30pips付近)か、直後1分足終値が付いてから直後1分足終値を超えて反応を伸ばしているときに逆張りした方が勝率が稼げそう、と記していました。
結果は、今回の動きで30pipsでの戻しでロングをオーダーすることは、予め指値で仕込んでいない限り、無理だったと思います。
取引結果を下表に示します。
次回発表は4月18日に予定されています。
本指標での取引の過去成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
タグ: 英国,物価指標,CPI
2018年03月08日
2018年3月9日18:30発表ー英国実態指標「2018年1月集計分鉱工業生産・製造業生産」(結果検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。以下に記す今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標には
- 主要国の生産関連指標で最も大きく反応し、同月集計の製造業PMIの良し悪しとは無関係
- 指標発表直後の反応程度は、直後1分足跳幅の過去平均が23pips
- 指標発表直後の反応方向は、数分間一方向に伸びやすい(直後1分足と直後11分足の方向一致時は100%、全体でも74%)ものの、10分後には直後1分足終値を超えて反応を伸ばしたことは50%まで低下
という特徴があります。
同時に1月集計分貿易収支と1月集計分建設支出が発表されます。が、そんなことは気にする必要ありません。過去の傾向を見る限り、それら指標は本指標よりも反応への影響が小さいのです。
今回発表の要点は下表の通りです。
上表ではわかりませんが、鉱工業生産前年比は前回発表結果が0となっていたのに、それが+2.6%に修正されていたようです。あまりに大きな修正であり、前回発表結果の0とは同時発表がなかったということかも知れません。
鉱工業生産・製造業生産ともに、前年1月集計結果はかなり高い水準となっています。そのためか、前回発表ではいずれも前年比が低下しました。3月集計分(5月発表分)までは、前年比が良い数字となりにくい状況です。
それにも関わらず、今回の前年比市場予想は、鉱工業生産が+1.8%、製造業生産が+2.8%と、かなり高く予想されています。
1月集計分の製造業PMIは前月より低下しており、1月のEURGBPはGBP高に推移していました。FTSE100は中旬以降下がっています。少し市場予想は高すぎる気がします。
さて、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が24%(不一致率76%)です。今回の事前差異はマイナスとなっています。よって、 直前10-1分足は陽線と見込みます
。
- 指標発表後は早期追撃開始し、指標発表から1分経過後に直後1分足跳幅を超えたら利確です。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年3月10日に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
指標結果は。製造業生産前月比を除き前回を上回ったものの、全ての項目で市場予想を下回りました。反応は、指標発表直後に陰線に振れたものの、発表から30秒ぐらい経過した頃には反転に向けて陽線側に向かって反応を伸ばしました。
市場予想が少し高すぎるのではないか、という点はその通りでした。がしかし、指標結果を当てても取引で負けては話になりません。
取引結果は下表の通りです。
上表で背景を黄色に塗った取引(発表時刻を跨いだポジション)はシナリオ外なので、上表では集計したものの、下表の指標取引成績には含めていません。
結果的に、外れた分析だけをシナリオとして紹介して、他人に薦めるには危ういと考えていた取引だけ勝ってしまいました。申し訳ございません。
次回発表は4月6日に予定されています。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2018年03月04日
2018年3月5日18:30発表ー英国景気指標「2018年2月集計分サービス業PMI」(結果検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。以下に記す今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標には
- 本指標実態差異は、直近直前1〜3か月前のEURGBPとの一致率が80%前後(GBP安が物価上昇による消費低迷に繋がり指標結果悪化)
- 指標発表直後の反応程度は過去平均で23pipsあるものの、3回に2回は平均以下しか反応しない
- 指標発表直後の反応方向は、事後差異との方向一致率が82%と素直で、直後1分足が30pips以下の陰線だった場合と20pips以上の陽線だった場合には直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応を伸ばしがち
という特徴があります。
今回発表の要点は下表の通りです。
現時点(3月4日11時頃)における市場予想は前回結果を上回っており、事前差異はプラスとなっています。週明け月曜の市場予想は修正されることも多いので、市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
最新のEURGBPとの一致率は、2月がGBP安(指標悪化の期待的中率69%)、1月がGBP高(同26%)、12月がGBP安(同82%)、11月がGBP安(同75%)、と今回の指標悪化を示唆する情報が優勢です。
さらに、2月前半は株価下落も起きており、今回の市場予想が前回結果を上回るというのは、指標発表前に修正される可能性が高い、と見ています。
さて、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前1分足は過去の陰線率が77%と、異常な偏りがあります。よって、この期間に ポジションを取るならショート
でなければいけません。
話が複雑になるのは、直前1分足が10pips以上跳ねたことが過去26%あることです。
もし、直前1分足が陰線側に大きく跳ねたなら、先のショートポジションと一致します。けれども、問題は陽線側に大きく跳ねた場合です。このときは、直後1分足は直前1分足と逆方向(78%)に小さく(平均14pips)跳ねがちです。よって、先述のショートポジションはそのままで構わない、ということになります。
あくまで、確率上の問題ですが。 - 本指標実態差異は、直近直前1〜3か月前のEURGBPとの一致率が80%前後(GBP安が物価上昇による消費低迷に繋がり指標結果悪化)に達します。前述の通り、この間のGBPはEURに対し、当月発表結果の前回結果よりも悪化を示唆する状況が優勢です。
ところが、今回は市場予想が前回結果を現時点で上回っています。よって、今回の発表結果は市場予想・前回結果を上回り、反応は陰線と見込みます。
指標発表直前にショートを取り、発表直後の跳ねで利確/損切 します。 - 指標発表後は、直後1分足値幅が30pips以下の陰線だった場合と20pips以上の陽線だった場合、直後11分足はそのまま反応を伸ばしがちです。それらの場合、 直後1分足終値が付く頃に追撃ポジションを取り、利確/損切の目安は5〜10pips
とします。
但し、今回は直後1分足が陰線だった場合には複数回の追撃も是としますが、陽線だった場合には逆張り目線でショートをオーダーする機会を窺います。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年3月5日20:30頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
指標結果は前回・予想を上回り、反応は陽線でした。
今回の結果が前回を下回れば指標推移を下降基調と見なすところでしたが、結果は改善でPMIは2016年8月集計分以降19か月に亘って高い水準で留まっています。
自然に考えれば、賃金が上昇しているものの、物価はそれ以上に上昇し、小売は伸びていません。貿易収支もトレンドとしては赤字拡大が続いているように見えます。にも関わらず、企業景気指数が下がっていないことは不思議です。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前1分足は過去の陰線率が77%と、異常な偏りがありました。
結果は陰線でした。 - 本指標実態差異は、直近直前1〜3か月前のEURGBPとの一致率が80%前後(GBP安が物価上昇による消費低迷に繋がり指標結果悪化)に達します。前述の通り、この間のGBPはEURに対し、当月発表結果の前回結果よりも悪化を示唆する状況が優勢でした。
がしかし、結果は前回結果を上回りました。分析は外しました。 - 指標発表後は、直後1分足が陽線だった場合、逆張り目線でショートをオーダーする機会を窺っていました。
結果は、直後1分足終値を上回って直後11分足が反応を伸ばしており、これも分析を外しました。
今回の取引結果を下表に纏めておきます。
負けました。まぁこういうこともあります。
次回本指標の発表は4月5日17:30の予定です。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2018年02月28日
2018年3月1日18:30発表ー英国景気指標「製造業PMI」(結果検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。以下に記す今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標には
- 当月の製造業PMIの予想解説記事において、直近のGBP安・GBP高を論拠に挙げているものが散見されるものの、過去の傾向を見る限りそんなことは指標結果の良し悪しに関係ない
- 指標発表直後の反応程度は直後1分足跳幅の過去平均が22pips、但し直近ではこれを下回ることが多い
- 指標発表直後の反応方向は、直後1分足終値よりもその後に反応を伸ばす確率が高く、特に直後1分足が陰線だった場合にその傾向が顕著になる
という特徴があります。
今回発表の要点は下表の通りです。
さて、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前1分足は事前差異と逆方向に見込みます。現時点(2月28日21:30)における事前差異はマイナスとなっています。
よって、 直前1分足は陽線と見込み、利確/損切の目安は3・4pips としておきます。
論拠は、指標一致性分析の結果、事前差異と直前1分足の方向一致率は24%(不一致率76%)です。
但し、前述の通り、直前1分足は過去25%の頻度で10pips以上跳ねています。跳ねても、その方向が直後1分足の方向を示唆している訳ではないので、ポジションと逆方向に跳ねてしまったら損切せざるを得ません。ご注意ください。 - 指標発表後の追撃は、早期開始して短期利確を繰り返しながら複数回行います。
初期の反応は、事後差異との方向一致率が97%に達しており素直です。がしかし、指標発表から1分を過ぎると、数分以内に直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばす一方、10分後には直後1分足終値を超えて反応を伸ばしていたことが55%しかありません。さっさと追撃・利確して、欲張らないことです。
但し、直後1分足が陰線だった場合は別です。追撃はショートで徹底します。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年3月1日20:30頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
指標発表結果は前回を下回り予想を上回りました。反応は陽線で、指標発表後2-3分後まで反応を伸ばし、その後は陰線側に転じました。
指標は3か月連続で前回を下回りました。2016年7月集計分をボトムとする上昇基調が、これで下降に転じたとはまだ言えません。
発表内容を見てみると、かなり受注が増えたものの生産が減っています。現状を鑑みれば、生産の減少は先行きの不透明感から在庫を減らそうとしている、というのが自然な解釈です。けれども、受注が増えた以上、来月発表以降暫くは仕掛在庫(作りかけ部材の増加)が起きるので、来月も受注が好調ならば来月以降に再上昇の可能性があります。
反応は素直と言えるものでした。
事前差異判別式の解がマイナスに対し直前1分足が陽線、事後差異判別式の解がプラスで直後1分足が陽線、実態差異判別式の解がマイナスで直後11分足が陰線、となりました。
これは過去の本指標への反応傾向と完全に合致しています。まぁ、調子の良いときもあります。
18:32〜18:33頃にピーク147円弱に達し、これを機に反転しました。
147円はキリが良い数字であることの他、特別に意味を持つ値ではありません。1分足や5分足のチャートでは、これ以前の2回のピークを結んだ線で反転したことになりますが、その線に過剰に意味づけするぐらいなら、キリの良い数字という方がしっくりきます。
前夜のダウ下落を受けて、指標発表直前のFTSE100(英株価)も下がっていたので、この日の陽線は反転のタイミングを待っていたのかも知れません。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前1分足は事前差異と逆方向に見込んでいました。今回の事前差異はマイナスだったので、ロングをオーダーで利確の目安は3・4pipsでした。
結果は陽線で、跳幅7pips・値幅3pipsでした。 - 指標発表後の追撃は、早期開始して短期利確を繰り返しながら複数回行うつもりでした。
結果は、指標発表後2-3分で高値に達し、その後は反転しました。
今回の取引結果を下表に纏めておきます。
最後の逆張りは147円での反転を期待してで、これはあたりました。がしかし、シナリオ外なので上表には記録していますが、指標取引成績を示した下表には反映していません。
1月の取引結果を検証していなかったようです。これは後日記録を見て検証したら上表に反映します。
次回本指標の発表は4月3日17:30の予定です。
以上
2018年02月21日
2018年2月22日18:30発表ー英国経済指標「2017年10-12月期GDP改定値」(結果検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。下記詳述する今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標発表時の反応方向は、指標発表後ですらわかりません。多くの場合、市場予想は前回速報値と同値で、発表結果も市場予想と同値となることが多いのです。
今回発表の要点は下表の通りです。
前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前1分足は、過去の陰線率が67%、直前10-1分足との方向一致率は29%(不一致率71%)となっています。この期間は ショートで、利確/損切の目安を3〜5pipsぐらい
にしておけば良いでしょう。
- 直前1分足が10pips以上跳ねたとき(跳ねそうなとき)は、 指標発表直前にその方向にポジションを取得し、指標発表直後の跳ねで利確/損切
します。
特に、ロングをオーダーしていた場合にはポジション長持ちは禁物です。 - 指標発表後の追撃は短時間
だけです。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は72%です。その72%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは77%です。指標発表後の反応が伸びているのだから、発表後に反応方向を確認したら追撃開始です。
けれども、指標発表から1分を経過したら、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが33%しかありません。発表から1分を過ぎたら、それまで順張りで追撃していたポジションは早々に利確すべきです。 - 直後1分足終値が付いたら、逆張りの機会を窺います
。
これも逆張りなので、利幅は小さくても短期取引です。もし、直後11分足が直後1分足と反転したら更に追いかけても良いかも知れません。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年2月22日21:30頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
指標発表結果は、GDP前期比・前年比ともに速報値・市場予想を下回りました。反応は陰線でした。
指標全体に良くありません。前年比+1.4%という数字は、2013年1-3月期(+0.6%)以来の低い成長率です。
知らぬ間に市場では5月の利上げを見込んでいるそうですが、利上げで更に景気に水を差すのが適切か、今後は議論が起きるでしょう。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前1分足での取引はショートで、利確/損切の目安を3〜5pipsぐらいにしていました。
結果は陽線で、3〜5pipsの損切となってしまったでしょう。分析を外しました。 - 指標発表時刻を跨いだポジションは、直前1分足が10pips以上跳ねたとき(跳ねそうなとき)にオーダーするつもりでした。
直前1分足跳幅は10pipsに届かず、この取引は中止でした。 - 指標発表後の追撃は短時間で、発表から1分を過ぎたら、それまで順張りで追撃していたポジションは早々に利確すべき、と考えていました。
結果は、指標発表から1〜2分後にボトムを形成しました。その後、もう一度下値にトライしたようですが、結局は反転して19:30頃まで上昇を続けました。 - 直後1分足終値が付いたら、逆張りの機会を窺うことにしていました。
結果は、指標発表から1-2分後が逆張りにベストのタイミングで、次点は指標発表から17-18分後だったようです。後者は既に直後1分足始値を抜けて反転した後なので、これは順張り追撃となります。
もし、直後11分足が直後1分足と反転したら更に追いかけても良いかも知れない、と考えていました。がしかし、反転が起きたのは分析対象期間外のため、ここでは関係ない話です。
取引結果を下表に纏めます。
背景が薄黄色の列は、シナリオ外取引です。よって、上表では集計されていますが、下表の指標成績表では除いて計算しています。
今回の分析対象取引の成績は+2.89pipsでした。
以上
2018年02月20日
2018年2月21日18:30発表ー英国1月集計分雇用統計(結果検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。下記詳述する今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
この夜、翌22日04:00にFOMC議事録が公表されます。そのため、USDJPYやGBPUSDは指標結果がどうあれあまり動けず、動いても戻す展開と予想しています。その結果、GBPJPYの反応も一時的なものに留まると思われ、ポジション長持ちを避けたいと思います。
本指標自体のトレンドは、失業保険申請件数が直近5か月に亘って弱い増加傾向となっています(失業保険受給者が少しずつ増えている状況)。平均所得は直近2か月は+2.5%でした。以前ほどではないにせよ、高い水準が続いたことになります。失業率は、直近5か月連続して4.3%に留まっています。
対して、今回の市場予想は全体的にほぼ前回同様となっています。
今回発表の要点は下表の通りです。
事前差異(市場予想ー前回結果)判別式は、−1?申請件数増減の事前差異[万人]+10?平均所得の事前差異[%]−5?失業率の事前差異[%]、です。この判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と直前10-1分足の方向一致率は69%となっています。
今回発表分は、失業保険申請件数は1月集計分、失業率と平均所得は12月集計分です。失業保険申請件数が1か月先に発表され、前述の通り、失業保険申請が5か月連続で増加しているものの、平均所得が増加し、失業率増加がまだ起きていません。
11月のCPI前年比は+3.1%、12月のそれは+3.0%だったので、今回の平均所得が+2.5%以上なら、物価上昇と平均所得の伸び率の差が縮小したことになります。
前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前10-1分足は、事前差異がプラスのときだけロングをオーダーし、利確/損切の目安を5pipsとします。
- 直前1分足は、陽線側に2pips跳ねたら逆張りでショートをオーダーし、利確/損切の目安は2・3pipsとします。
- 指標発表を跨ぐポジションは、直前10-1分足が陽線で、直前1分足が陰線(で終わりそうな場合)のとき、指標発表直前にロングをオーダーし、指標発表直後の跳ねで利確/損切することにします。
- 指標発表後の追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率は80%で、その80%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは64%であることを参考にすると良いでしょう。
これでは、安易に追撃ポジションを取ることはできません。そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが46%しかありません。
指標発表後の反応が伸びるか伸びないかはほぼ半々ですから、それでも 追撃ポジションを取るなら、長持ちを避けて、様子を見ながら短期取引の繰り返し で行うべきでしょう。 - もし 直後1分足跳幅が40pips以上に達したら、なるべく早く追撃に参加しても、直後11分足の終値がつく頃まで更に反応を伸ばしがちです
。
pips平均でなく回数を見てみると、直後1分足跳幅が40pips以上だったときに、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは、11回のうち8回(73%)です。
この場合、追撃は徹底です。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年2月21日20:30頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
指標発表結果は、失業保険申請件数が前回結果・市場予想を下回り、失業率は4.4%に悪化しました。平均所得は前回同値で市場予想通りでした。申請件数は昨日から本日にかけて、市場予想が修正されていたようです。
反応は陰線となり、事後差異判別式の解の符号がマイナス(△2.1)のため、これは過去の傾向に照らして素直な反応だと言えます。
申請件数が減少した点では良い結果だったものの、失業率の悪化が影響しました。
事後差異判別式は、ー1?申請件数鵜事後差異[万人]+30?平均所得事後差異[%]ー30?失業率事後差異[%]、なので、失業率の0.1%下ブレは申請件数の3万人上ブレでないとキャンセルできません。今回の申請件数は市場予想に対して0.95万人しか改善していないので、陰線となった訳です。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前10-1分足は、事前差異がプラスのときだけロングをオーダーするつもりでした。
今回の事前差異は、申請件数が指標発表前に修正されていたものの、それでもマイナスのままだったので、取引は見送りました。事前差異がマイナスのときショートをオーダーする予定がなかった点は、まぁ評価できます。 - 直前1分足は、陽線側に2pips跳ねたら逆張りでショートをオーダーし、利確/損切の目安は2・3pipsとしていました。
結果は11pipsの陽線側への跳ねで、完全に分析を外しました。損切目安が小さかったことが幸いでした。 - 指標発表を跨ぐポジションは、直前10-1分足が陽線で、直前1分足が陰線(で終わりそうな場合)のとき、指標発表直前にロングをオーダーし、指標発表直後の跳ねで利確/損切するつもりでした。
今回は、直前10-1分足こそ陽線だったものの、直前1分足は陰線となりませんでした。よって、取引を見送りました。 - 指標発表後に追撃ポジションを取るなら、長持ちを避けて、様子を見ながら短期取引の繰り返しで行うべき、としていました。
これは評価が難しいところです。指標発表から1〜2分こそ陰線側に振れたものの、2分後からは一旦ほぼ半値戻しとなりました。その後は上下動しながら少しずつ陰線側に反応を伸ばしました。
どのタイミングでポジションを取るかで明暗を分けたでしょう。
取引結果を下表に纏めます。
最後の追撃で戻しを待てずに失敗しました。損切せずに、あと3・4分待てば良かったようですが、それは結果論です。
次回本指標の発表は3月21日18:30に行われます。
以上
4-4-2.(a2) 英国経済指標「四半期GDP改定値」発表前後のGBPJPY反応分析(2018年版)
英国経済指標「四半期GDP改定値」の指標発表前後の反応分析には、前年比を用います。
この分析の調査範囲は、2013年1-3月期集計分〜2017年7-9月期集計分(同年11月発表値)の19回分です。
本指標の意義は、当該期の総合的な経済実態を表し、政府や中銀の政策に影響を与える点です。
主要国では、翌期に速報値・改定値・確定値が順次発表され、平均的な反応が最も大きいのは速報値です。改定値では、過去ほとんどの場合、市場予想が速報結果と同値となっています。そして、発表結果も市場予想と一致することが多く、そのため反応が伸びないことが多いのです。
改定値の市場予想が速報値と異なったことは、前期比がたった2回(頻度11%)、前年比もたった1回(頻度5%)で、一方もしくは両方が異なっていたことは2回(頻度11%)しかありません。そして、その市場予想と発表結果が異なったことは、前期比が4回(頻度21%)、前年比が7回’(頻度37%)で、一方もしくは両方が異なっていたことは7回(頻度37%)です。
つまり、本指標で取引することは、この37%の市場予想と発表結果がズレる機会を待つことと同じです。けれども残念なことに、後記詳述するように、本指標は指標結果が良かろうが悪かろうが、それが指標発表直後の反応方向を決めているとは言えないのです。
これこそ、本指標の大きな特徴です。
興味があれば、 速報値の詳細分析記事 と、以下の本指標特徴を見比べてみて下さい。
過去の 4本足チャート の各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足跳幅は過去平均で17pipsです。速報値のそれは26pipsなので、先述の理由で改定値での反応は小さくなっています。
分布は、8pips以下しか跳ねなかったことが21%、9〜17pips跳ねたことが32%、18〜24pips跳ねたことが26%、25pips以上跳ねたことが21%です。万遍なく分布しており、反応程度を事前に読んで予め利確や損切の目安を決めるのは難しそうです。
2013年〜2015年発表時と2016年発表時、2017年発表時の反応平均値の推移を下図に示します。
2016年発表分の反応が小さいのは、この期間に市場予想と発表結果がズレたことが1回しかなかったからです。一方、2017年発表分ではそれが2回ありました。
2017年発表分の反応が大きかったことは、同年11月にBOEが利上げしたことも関係あるでしょう。利上げが議論されるようになっても、成長率がボロボロでは利上げできる環境とは言えないからです。2017年は成長率が前期や速報値よりも改善したか否かも、反応程度に影響したと考えられます。
では次に、過去の成長率と反応との関係を大きく掴みましょう。
分析には、事前差異(=市場予想ー速報値結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー速報値結果)を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
本指標発表値は前期分の集計データです。グラフ横軸は集計期基準となっています。データは集計期基準で整理しておかないと、他の同時期集計の指標と対比するのが不便になるからです。
グラフ前年比(黒)は、2014年4-6月期をピーク(+3.2%)に下降基調に転じています。そして、とうとう2017年7-9月期には+1.5%まで低下してしまいました。
BOEが利上げを行う環境要因には、きっとそこそこの成長率が必要です。途上国ならいざ知らず、景気が良くないときに利上げなんて、普通なら出来ません。2017年11月にはそれでも利上げを行ったものの、いま以上に成長率が低下して、例えば+1.0%以下となったら、それでもBOEは利上げできるでしょうか? 難しそうですよね。
2017年11月の利上げは、前期比(青)が2四半期続けて改善したことが、MPCの判断に影響した可能性があります。前年比が下降基調にあるなか、早く利上げしないと、前期比もまた悪化して、利上げの機会が失われることが懸念された可能性です。
現在の物価上昇はGBP安が原因とされており、GBP安はBOEのせいではないにせよ、BOEは物価安定を法的ミッションとして課されています。よって、2017年11月のMPC議事録やその後のBOE幹部の発言をなぞると、金融政策変更の理由をインフレ対策として記しており、今後も同様の対策を講じていく旨、記されています。
がしかし、成長率については、ブリグジット決定直後に懸念されていたほど、英国経済は悪化していない旨、認識が示されています。
これはどうでしょう。
先行きが見えないとき、企業は新規投資を控えるのが普通です。四半期GDP発表時には、四半期企業投資もGDP内訳として発表されています。そのグラフを見てみましょう。このグラフも改定値でのプロットです。
前期比(緑)は横這い、前年比(黒)はむしろブリグジット決定後に微増を続けています。これも、BOEが2017年11月に利上げを決めた根拠に挙げられます(BOE総裁は、それ以前に企業投資に着目する旨、発言していました)。
でも微増です。
GDP前年比の伸び率が高くブリグジット決定前の投資は、景気が良かったので投資が大きくて当然です。でも、ブリグジット決定後のGDP前年比は下降傾向なのに、企業投資前年比は上昇傾向です。これは、先行きが見えないときや景気後退が予想されるとき、新規投資を控えるという企業の自然な動向に反しています。
不自然な動きには必ず反動が起きます。
為替は現状と先行きの両面に反応しますが、過去の前年比事後差異に対する直後1分足の分布を見ておきましょう。
前述の通り、前年比発表結果が市場予想とズレたことは7回しかありません。市場予想を上回った2回は陽線で反応し、下回った5回のうち3回も陽線で反応しています。
でも、事例が少なすぎて、指標結果が良くても悪くても、陽線・陰線のどちらに反応するか、一貫した傾向は見出せません。
横軸が0でない事例を増やすために、この事後差異を、(前期比の事後差異)+(前年比の事後差異)としてみましょう。分布は下図のようになります。
前年比だけでなく前期比も含めても、指標結果の良し悪しに対する反応方向に一貫した傾向を見出すことは困難です。
つまり、本指標ではそれが結論です。
けれども、FX参加者向けの解説記事を見る限り、指標結果の良し悪しを事前に予想して論じるものが多いようです。ところが、本指標に関する限り、指標結果の良し悪しが反応方向に一貫した傾向を示していません。ならば、我々にとって大切な情報は、今回の指標発表結果がどうなるかではなく、今回の指標発表結果がどうであれ、どっちに反応するかがわからない、という情報です。
でも救いはあります。下図をご覧ください。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが0.59しかありません。回帰式で把握できることは、平均値で全体を把握する方法論です。
がしかし、対角線(黒斜線)を挟んで上下のドット分布は、直後1分足が陽線であれ陰線であれ、直後11分足は大きく反応を伸ばしたり大きく反転したりしています。
この分布を見る限りでは、直後1分足が陰線だったときは順張り目線で追撃の機会を窺い、陽線だったときは逆張り目線で追撃の機会を窺う方が良さそうです。 指標結果がどうであれ、ショート目線でいる方が有利な取引きができそうなのです 。
今後もこれまでと同様の反応分布が続くなら、それ(ショート目線)で個々の取引に負けることがあっても、長期的には利益が残せそうです。
但し、この指針は直後1分足終値が付いてから、直後11分足終値が付くまでポジションを持たないといけません。ポジション保有時間が長くなるため、全く薦められません。
指標一致性分析 は、各差異と反応方向の一致率を調べています。
事前差異はプラス率が100%、直前10-1分足との方向一致率が100%となっていますが、これは気にしなくて構いません。最初の方で述べたように、前年比事前差異が0以外となったことは、過去19回の発表で1回しかないのです。その1回がどちら向きだったかを表しているだけです。
反応一致性分析 は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。
直前1分足の陰線率が67%、直後1分足の陽線率が67%と、反応方向にやや偏りがあるようです。そして、直前10-1分足と直前1分足との方向一致率が29%(不一致率71%)、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率も29%(不一致率71%)となっている点です。
直前10-1分足が陽線ならば、直前1分足は陰線と見込んでも良さそうです。また、直前10-1分足が陰線ならば、直後1分足は陽線と見込んでも良さそうです。
反応性分析 では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は72%です。その72%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは77%です。
指標発表後の反応が伸びているのだから、発表後に反応方向を確認したら追撃は早期開始です。
けれども、指標発表から1分を経過したら、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが33%しかありません。発表から1分を過ぎたら、それまで順張りで追撃していたポジションは早々に利確すべきです。
以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。
直前10-1分足は、過去平均跳幅が16pips、同値幅が11pipsです。但し、異常値とも言える2013年1-3月期を除くと、過去平均跳幅が12pips、同値幅が8pipsとなります。利確/損切の目安は、その半分の4〜6pipsぐらいが適切でしょう。
この反応程度は、平均的な指標発表後と同程度です。指標発表前であっても、安易にポジションを取るべきではありません。
幸い、過去のローソク足を見る限り、大きな逆ヒゲを形成したことは少ないようです。それだけに、方向を誤ってポジションをオーダーしてしまったら、損切を着実に行った方が良いでしょう。
反応方向は、過去の陰線率が53%、事前差異との方向一致率が100%です。
事前差異との方向一致率は100%というものの、これはGDP前年比事前差異が0でなかったことが過去に1回しかなかったからです。一方、事前差異に前期比を含めると(GDP前期比事前差異+GDP前年比事前差異)、この一致率は50%に下がってしまいます。といっても、この場合も事前差異が0でなかったことは、たった2回しか過去にありません。ついでに、企業投資も含めて事前差異を(GDP前期比事前差異+GDP前年比事前差異+企業投資前期比事前差異+企業投資前年比事前差異)とすると、この数値は35%に下がります。
細かく見ても、分析本文に述べたように、本指標はどっちに動くかわからないのです。
という訳で、直前10-1分足は、陰線率・陽線率・事前差異のいずれもアテになりません。 この期間の取引に依るべき根拠は見出せません 。
なお、直前10-1分足跳幅が20pips以上だったことは過去5回(頻度17%)あります。
この5回の直後1分足跳幅は平均20pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均17pipsとほぼ同じです。よって、直前10-1分足が大きく跳ねても、それが直後1分足跳幅が大きくなる訳ではありません。
そして、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は3回一致しています(一致率60%)。5回のうち3回という数字はまだアテにできません。つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、それが直後1分足の反応方向を示唆している訳ではありません。
次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。
この期間の反応程度は過去平均跳幅が10pips、同値幅が7pipsです。異常値と言える2013年1-3月期を除いても、値幅5pips程度は安定して期待できそうです。
反応方向は、過去の陰線率が67%、直前10-1分足との方向一致率は29%(不一致率71%)となっています。 この期間はショートで、利確/損切の目安を3〜5pipsぐらいにしておけば良いでしょう 。
直前1分足跳幅が10pips以上だったことは過去7回(頻度37%)あります。
この7回の直後1分足跳幅の平均は13pipsで、これは過去全平均17pipsと比較して小さいことがわかります。直前1分足が大きく跳ねても、直後1分足はむしろ反応が小さいことが多いようです。
そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は6回(86%)一致しています。つまり、 直前1分足が大きく跳ねたときは、直後1分足はその方向に反応しがちです 。まだ事例数が少ないものの、7回のうち6回の方向一致は無視できません。
そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。
直後1分足は過去平均跳幅が17pips、同値幅が11pipsです。平均的なヒゲの長さは35%ということになります。図からわかるように、この期間の反応は大小まちまちで、利確/損切の目安を示せません。値幅よりも長いヒゲを残したことが5回(頻度26%)あり、これには注意が必要です。
前述の通り、直前1分足が10pips以上跳ねたときは、直後1分足はその方向に反応しがちです(期待的中率86%)。よって、 直前1分足が10pips以上跳ねたら、指標発表直前に同方向にポジションをオーダーし、指標発表直後の跳ねで利確/損切 です。特にロングをオーダーしていた場合、ポジション長持ちは損切リスクを高めます。
追撃は気を付けましょう。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は72%です。その72%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは77%です。 指標発表後の反応が伸びているのだから、発表後に反応方向を確認したら追撃開始 です。
けれども、 指標発表から1分を経過したら、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが33%しかありません 。発表から1分を過ぎたら、それまで順張りで追撃していたポジションは早々に利確すべきです。
特にロングをオーダーしていた場合、ポジション長持ちは損切リスクを高めます。
最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
直後11分足の過去平均跳幅は24pips、同値幅は13pipsです。平均的なヒゲの長さは46%にも達しており、高値掴み・安値掴みをしないように気を付ける必要があります。
本指標のこの期間に関しては、反応が伸びそうな気がしても追いかけない方が良いのです。前述の通り、指標発表から1分を経過したら、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが33%しかありません。発表から1分を過ぎたら、逆張り目線でいた方が良いでしょう。
特に、 直後1分足が陽線だったときは逆張り目線で追撃の機会を窺う方が良いでしょう 。
本ブログを始めてからの本指標での取引成績を下表に纏めておきます。
2017年は本指標で4回取引を行い、指標単位で3勝1敗(勝率75%)、シナリオ単位で7勝3敗(勝率70%)でした。悪くありません。
1回の発表毎の平均取引時間は4分4秒で、年間820pipsの利確でした。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
この分析の調査範囲は、2013年1-3月期集計分〜2017年7-9月期集計分(同年11月発表値)の19回分です。
?T.定性的傾向
【1. 指標概要】
本指標の意義は、当該期の総合的な経済実態を表し、政府や中銀の政策に影響を与える点です。
主要国では、翌期に速報値・改定値・確定値が順次発表され、平均的な反応が最も大きいのは速報値です。改定値では、過去ほとんどの場合、市場予想が速報結果と同値となっています。そして、発表結果も市場予想と一致することが多く、そのため反応が伸びないことが多いのです。
改定値の市場予想が速報値と異なったことは、前期比がたった2回(頻度11%)、前年比もたった1回(頻度5%)で、一方もしくは両方が異なっていたことは2回(頻度11%)しかありません。そして、その市場予想と発表結果が異なったことは、前期比が4回(頻度21%)、前年比が7回’(頻度37%)で、一方もしくは両方が異なっていたことは7回(頻度37%)です。
つまり、本指標で取引することは、この37%の市場予想と発表結果がズレる機会を待つことと同じです。けれども残念なことに、後記詳述するように、本指標は指標結果が良かろうが悪かろうが、それが指標発表直後の反応方向を決めているとは言えないのです。
これこそ、本指標の大きな特徴です。
興味があれば、 速報値の詳細分析記事 と、以下の本指標特徴を見比べてみて下さい。
【2. 反応概要】
過去の 4本足チャート の各ローソク足平均値と、最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅の分布を下表に纏めておきます。
指標結果に最も素直に反応しがちな直後1分足跳幅は過去平均で17pipsです。速報値のそれは26pipsなので、先述の理由で改定値での反応は小さくなっています。
分布は、8pips以下しか跳ねなかったことが21%、9〜17pips跳ねたことが32%、18〜24pips跳ねたことが26%、25pips以上跳ねたことが21%です。万遍なく分布しており、反応程度を事前に読んで予め利確や損切の目安を決めるのは難しそうです。
2013年〜2015年発表時と2016年発表時、2017年発表時の反応平均値の推移を下図に示します。
2016年発表分の反応が小さいのは、この期間に市場予想と発表結果がズレたことが1回しかなかったからです。一方、2017年発表分ではそれが2回ありました。
2017年発表分の反応が大きかったことは、同年11月にBOEが利上げしたことも関係あるでしょう。利上げが議論されるようになっても、成長率がボロボロでは利上げできる環境とは言えないからです。2017年は成長率が前期や速報値よりも改善したか否かも、反応程度に影響したと考えられます。
では次に、過去の成長率と反応との関係を大きく掴みましょう。
?U.定量的傾向
分析には、事前差異(=市場予想ー速報値結果)と事後差異(=発表結果ー市場予想)と実態差異(発表結果ー速報値結果)を多用します。差異がプラスのとき陽線・マイナスのとき陰線と対応していれば、反応が素直だと言うことにします。
【3. 回数分析】
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
本指標発表値は前期分の集計データです。グラフ横軸は集計期基準となっています。データは集計期基準で整理しておかないと、他の同時期集計の指標と対比するのが不便になるからです。
グラフ前年比(黒)は、2014年4-6月期をピーク(+3.2%)に下降基調に転じています。そして、とうとう2017年7-9月期には+1.5%まで低下してしまいました。
BOEが利上げを行う環境要因には、きっとそこそこの成長率が必要です。途上国ならいざ知らず、景気が良くないときに利上げなんて、普通なら出来ません。2017年11月にはそれでも利上げを行ったものの、いま以上に成長率が低下して、例えば+1.0%以下となったら、それでもBOEは利上げできるでしょうか? 難しそうですよね。
2017年11月の利上げは、前期比(青)が2四半期続けて改善したことが、MPCの判断に影響した可能性があります。前年比が下降基調にあるなか、早く利上げしないと、前期比もまた悪化して、利上げの機会が失われることが懸念された可能性です。
現在の物価上昇はGBP安が原因とされており、GBP安はBOEのせいではないにせよ、BOEは物価安定を法的ミッションとして課されています。よって、2017年11月のMPC議事録やその後のBOE幹部の発言をなぞると、金融政策変更の理由をインフレ対策として記しており、今後も同様の対策を講じていく旨、記されています。
がしかし、成長率については、ブリグジット決定直後に懸念されていたほど、英国経済は悪化していない旨、認識が示されています。
これはどうでしょう。
先行きが見えないとき、企業は新規投資を控えるのが普通です。四半期GDP発表時には、四半期企業投資もGDP内訳として発表されています。そのグラフを見てみましょう。このグラフも改定値でのプロットです。
前期比(緑)は横這い、前年比(黒)はむしろブリグジット決定後に微増を続けています。これも、BOEが2017年11月に利上げを決めた根拠に挙げられます(BOE総裁は、それ以前に企業投資に着目する旨、発言していました)。
でも微増です。
GDP前年比の伸び率が高くブリグジット決定前の投資は、景気が良かったので投資が大きくて当然です。でも、ブリグジット決定後のGDP前年比は下降傾向なのに、企業投資前年比は上昇傾向です。これは、先行きが見えないときや景気後退が予想されるとき、新規投資を控えるという企業の自然な動向に反しています。
不自然な動きには必ず反動が起きます。
為替は現状と先行きの両面に反応しますが、過去の前年比事後差異に対する直後1分足の分布を見ておきましょう。
前述の通り、前年比発表結果が市場予想とズレたことは7回しかありません。市場予想を上回った2回は陽線で反応し、下回った5回のうち3回も陽線で反応しています。
でも、事例が少なすぎて、指標結果が良くても悪くても、陽線・陰線のどちらに反応するか、一貫した傾向は見出せません。
横軸が0でない事例を増やすために、この事後差異を、(前期比の事後差異)+(前年比の事後差異)としてみましょう。分布は下図のようになります。
前年比だけでなく前期比も含めても、指標結果の良し悪しに対する反応方向に一貫した傾向を見出すことは困難です。
つまり、本指標ではそれが結論です。
けれども、FX参加者向けの解説記事を見る限り、指標結果の良し悪しを事前に予想して論じるものが多いようです。ところが、本指標に関する限り、指標結果の良し悪しが反応方向に一貫した傾向を示していません。ならば、我々にとって大切な情報は、今回の指標発表結果がどうなるかではなく、今回の指標発表結果がどうであれ、どっちに反応するかがわからない、という情報です。
でも救いはあります。下図をご覧ください。
直後1分足値幅(x)に対する直後11分足値幅(y)は、回帰式(赤線)の傾きが0.59しかありません。回帰式で把握できることは、平均値で全体を把握する方法論です。
がしかし、対角線(黒斜線)を挟んで上下のドット分布は、直後1分足が陽線であれ陰線であれ、直後11分足は大きく反応を伸ばしたり大きく反転したりしています。
この分布を見る限りでは、直後1分足が陰線だったときは順張り目線で追撃の機会を窺い、陽線だったときは逆張り目線で追撃の機会を窺う方が良さそうです。 指標結果がどうであれ、ショート目線でいる方が有利な取引きができそうなのです 。
今後もこれまでと同様の反応分布が続くなら、それ(ショート目線)で個々の取引に負けることがあっても、長期的には利益が残せそうです。
但し、この指針は直後1分足終値が付いてから、直後11分足終値が付くまでポジションを持たないといけません。ポジション保有時間が長くなるため、全く薦められません。
(3.1 指標一致性分析)
指標一致性分析 は、各差異と反応方向の一致率を調べています。
事前差異はプラス率が100%、直前10-1分足との方向一致率が100%となっていますが、これは気にしなくて構いません。最初の方で述べたように、前年比事前差異が0以外となったことは、過去19回の発表で1回しかないのです。その1回がどちら向きだったかを表しているだけです。
(3.2 反応一致性分析)
反応一致性分析 は、先に形成されたローソク足と後で形成されるローソク足の方向一致率を調べています。
直前1分足の陰線率が67%、直後1分足の陽線率が67%と、反応方向にやや偏りがあるようです。そして、直前10-1分足と直前1分足との方向一致率が29%(不一致率71%)、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率も29%(不一致率71%)となっている点です。
直前10-1分足が陽線ならば、直前1分足は陰線と見込んでも良さそうです。また、直前10-1分足が陰線ならば、直後1分足は陽線と見込んでも良さそうです。
(3.3 反応性分析)
反応性分析 では、過去発表後に反応を伸ばしたか否かを調べています。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は72%です。その72%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは77%です。
指標発表後の反応が伸びているのだから、発表後に反応方向を確認したら追撃は早期開始です。
けれども、指標発表から1分を経過したら、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが33%しかありません。発表から1分を過ぎたら、それまで順張りで追撃していたポジションは早々に利確すべきです。
?V.分析結論
以下に過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
下図は直前10-1分足の始値基準ローソク足です。
直前10-1分足は、過去平均跳幅が16pips、同値幅が11pipsです。但し、異常値とも言える2013年1-3月期を除くと、過去平均跳幅が12pips、同値幅が8pipsとなります。利確/損切の目安は、その半分の4〜6pipsぐらいが適切でしょう。
この反応程度は、平均的な指標発表後と同程度です。指標発表前であっても、安易にポジションを取るべきではありません。
幸い、過去のローソク足を見る限り、大きな逆ヒゲを形成したことは少ないようです。それだけに、方向を誤ってポジションをオーダーしてしまったら、損切を着実に行った方が良いでしょう。
反応方向は、過去の陰線率が53%、事前差異との方向一致率が100%です。
事前差異との方向一致率は100%というものの、これはGDP前年比事前差異が0でなかったことが過去に1回しかなかったからです。一方、事前差異に前期比を含めると(GDP前期比事前差異+GDP前年比事前差異)、この一致率は50%に下がってしまいます。といっても、この場合も事前差異が0でなかったことは、たった2回しか過去にありません。ついでに、企業投資も含めて事前差異を(GDP前期比事前差異+GDP前年比事前差異+企業投資前期比事前差異+企業投資前年比事前差異)とすると、この数値は35%に下がります。
細かく見ても、分析本文に述べたように、本指標はどっちに動くかわからないのです。
という訳で、直前10-1分足は、陰線率・陽線率・事前差異のいずれもアテになりません。 この期間の取引に依るべき根拠は見出せません 。
なお、直前10-1分足跳幅が20pips以上だったことは過去5回(頻度17%)あります。
この5回の直後1分足跳幅は平均20pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均17pipsとほぼ同じです。よって、直前10-1分足が大きく跳ねても、それが直後1分足跳幅が大きくなる訳ではありません。
そして、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は3回一致しています(一致率60%)。5回のうち3回という数字はまだアテにできません。つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、それが直後1分足の反応方向を示唆している訳ではありません。
次に、下図は直前1分足の始値基準ローソク足です。
この期間の反応程度は過去平均跳幅が10pips、同値幅が7pipsです。異常値と言える2013年1-3月期を除いても、値幅5pips程度は安定して期待できそうです。
反応方向は、過去の陰線率が67%、直前10-1分足との方向一致率は29%(不一致率71%)となっています。 この期間はショートで、利確/損切の目安を3〜5pipsぐらいにしておけば良いでしょう 。
直前1分足跳幅が10pips以上だったことは過去7回(頻度37%)あります。
この7回の直後1分足跳幅の平均は13pipsで、これは過去全平均17pipsと比較して小さいことがわかります。直前1分足が大きく跳ねても、直後1分足はむしろ反応が小さいことが多いようです。
そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は6回(86%)一致しています。つまり、 直前1分足が大きく跳ねたときは、直後1分足はその方向に反応しがちです 。まだ事例数が少ないものの、7回のうち6回の方向一致は無視できません。
そして、下図は直後1分足の始値基準ローソク足です。
直後1分足は過去平均跳幅が17pips、同値幅が11pipsです。平均的なヒゲの長さは35%ということになります。図からわかるように、この期間の反応は大小まちまちで、利確/損切の目安を示せません。値幅よりも長いヒゲを残したことが5回(頻度26%)あり、これには注意が必要です。
前述の通り、直前1分足が10pips以上跳ねたときは、直後1分足はその方向に反応しがちです(期待的中率86%)。よって、 直前1分足が10pips以上跳ねたら、指標発表直前に同方向にポジションをオーダーし、指標発表直後の跳ねで利確/損切 です。特にロングをオーダーしていた場合、ポジション長持ちは損切リスクを高めます。
追撃は気を付けましょう。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は72%です。その72%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは77%です。 指標発表後の反応が伸びているのだから、発表後に反応方向を確認したら追撃開始 です。
けれども、 指標発表から1分を経過したら、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが33%しかありません 。発表から1分を過ぎたら、それまで順張りで追撃していたポジションは早々に利確すべきです。
特にロングをオーダーしていた場合、ポジション長持ちは損切リスクを高めます。
最後に、直後11分足の始値基準ローソク足を下図に示します。
直後11分足の過去平均跳幅は24pips、同値幅は13pipsです。平均的なヒゲの長さは46%にも達しており、高値掴み・安値掴みをしないように気を付ける必要があります。
本指標のこの期間に関しては、反応が伸びそうな気がしても追いかけない方が良いのです。前述の通り、指標発表から1分を経過したら、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが33%しかありません。発表から1分を過ぎたら、逆張り目線でいた方が良いでしょう。
特に、 直後1分足が陽線だったときは逆張り目線で追撃の機会を窺う方が良いでしょう 。
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本ブログを始めてからの本指標での取引成績を下表に纏めておきます。
2017年は本指標で4回取引を行い、指標単位で3勝1敗(勝率75%)、シナリオ単位で7勝3敗(勝率70%)でした。悪くありません。
1回の発表毎の平均取引時間は4分4秒で、年間820pipsの利確でした。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
2018年02月13日
2018年2月13日18:30発表ー英国2018年1月集計分物価指標(事後検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。下記詳述する今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
前回(2018年1月18日)の指標結果と取引結果は こちら です。
前回結果は、CPI前年比・コアCPI前年比が前回や予想を下回り、CPI前月比やRPI各項が前回や予想を上回りました。CPI前年比の低下に伴い、反応は陰線でした。但し、2017年11月に利上げ後のBOEは、今後数年で1・2度の利上げとアナウンスしていたため、反応は過去平均よりも小さく、直後1分足跳幅は18pipsしかありませんでした。
今回は、先週公表されたインフレ報告で、2018年のインフレ見通しが+2.9%に引き上げられていました。以前のインフレ見通しが2018年は+2.6%だったので、BOEはインフレ鎮静化にまだ時間を要することを認めたことになります。
そして何より、そのときのMPC議事要旨では、インフレ鎮静化のため見通しとの乖離が起きれば、早期の金融政策変更を辞さない旨、記していました。よって、今回もしCPI前年比が+3.0%以上なら、30pipsを超える反応に結び付く可能性があります。
さて、今回の発表要点は下表の通りです。
注目のCPI前年比市場予想は、ちょうど先のインフレ見通しと同じ+2.9%となっています。一方、CPI前月比の方は大きく前回発表結果より下方予想されています。そのため、指標発表前にはGBPが売られる可能性が高く、発表時刻が迫るにつれて、ショートが解消される動きが予想されます。もしCPI前年比が市場予想を上回ったときの反応が怖いのが自然です。
前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前10-1分足はロングで、利確・損切の目安を5〜8pipsぐらいにしておきます
。
今回の事前差異は、CPI前月比・前年比がともにマイナスとなっており、夕方からGBPは売られるのではないでしょうか。その結果、指標発表10分前には、いったんポジションをクローズする動きが強まり、その結果、事前差異と逆の陽線側に振れると予想しています。
よって、16時・17時頃からGBPJPYが陰線側に伸びていなければ、この取引は中止します。 - 直前1分足の過去平均跳幅は8pips、過去平均値幅は6pipsです。陽線側に3〜6pipsの逆ヒゲを形成することが多いようです。
直前1分足の方向は、陰線率が79%で、直前10-1分足との方向一致率が38%です。
陽線側に3pips跳ねたらショートをオーダーし、3〜6pipsを利確の目安にしておきます 。 - 指標発表時刻を跨いでポジションをオーダーする強い論拠となる傾向は見出せていません。
直前10-1分足が20pips以上跳ねたときに直後1分足が同方向に反応したことは71%、直前1分足が10pips以上跳ねたときにその逆方向に直後1分足は反応したことが62% です。但し、いずれもまだ事例数が少ないため、あまり推奨できません。 - 積極的に追撃するには、直後1分足と直後11分足との方向一致率は66%で、あまりアテに出来ない数字です(それでもほぼ3回に2回が同方向です)。その66%の方向一致時に直後11分足跳幅が直後1分足跳幅を超えたことは75%です。指標発表直後の初期反応方向を見てから追撃するには少し微妙な数字ですが、 指標発表から1分程度なら追撃しても良いでしょう
。
但し、直後1分足跳幅の過去の反応分布を見ると、全体の半分近く48%が16〜31pips跳ねています。16pips以下しか反応しなかったことは8%しかありません。32pips以上跳ねたことは44%です。
初期反応が16pips以下のとき追撃を開始して、10〜15pips程度を利確の目安とし、5〜10pipsを損切を目安にしておくと良いでしょう 。但し、このポジションは指標発表から1分を過ぎて長く持ちたくありません。 - 指標発表から1分を過ぎると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしていたことは34%(3回に1回)しかありません。逆に言えば、 直後1分足跳幅のピーク付近(30pips付近)か、直後1分足終値が付いてから直後1分足終値を超えて反応を伸ばしているときに逆張りした方が勝率が稼げそうです
。
但し、逆張りは短時間取引が基本で、それだけに利確・損切の目安も小さく見込んでおきましょう。利確・損切ともに5pips程度と見込んでおきましょう。 - BOEは先のMPCで、インフレ見通しとの乖離が続くなら政策変更して対応する旨、の報道解説がありました。そのインフレ見通しとはCPI前年比+2.9%です。
よって、 今回のCPI前年比が+3.0%以上で、且つ、CPI前月比が市場予想を上回れば、逆張りなんか考えずに追撃徹底すれば良いでしょう 。
このシナリオの論拠は こちら に詳述した本指標詳細分析の結論です。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年2月13日22:05頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
結果は、注目していたCPI各項が市場予想を上回る一方、RPI・PPI各項は市場予想を下回りました。反応は陽線でしたが、発表から1分を過ぎると陰線側に大きく反転しました。
CPI前月比は、またまた1月集計分がドンと落ちました。例年通りだと、来月のCPI前月比はドンと上がります。がしかし、それは折込済なので対前月でなく対予想が重要です。市場予想に対しては0.1%上回り△0.5%でした。
CPI前年比は、既に前年同月が中立的な水準(+1.6%)だったこともあって、当月以降少しずつ高い数値が出にくい状況になっていました。今回結果は+3.0%で、市場予想を+0.1%上回りました。
詳細分析記事に記したように、本指標への反応は、CPI前年比>CPI前月比>その他、の順に影響を受けます。よって、今回の初期反応が陽線だったことは、過去の傾向通りです。
その他、2017年6月集計分からPPIが下降に転じ、RPIはそろそろ下降に転じそうな気配があります。古い話の通り、物価が下流に伝搬するのなら、来月と再来月のRPI前年比は下降基調が鮮明化するか注目に値します。
反応については、今回、特別な状況にありました。
この日、12:30の東証後場寄り付き以降、USDJPYが108.71から17:33に107.53まで値を下げていました。その影響で、同時間帯にGBPJPYも150.46から148.98まで値を下げていました。GBPUSDについても、同時間帯に1.3839から1.3864にややUSDが売られていました。
こうして、USD売の勢いが強い状況で本指標発表時刻が1時間後に迫りました。GBPJPYの指標発表直前1時間足は、149.29から149.42に僅かに値を戻しています。これは、同時間帯のUSDJPYが107.61から107.64と下げ止まった一方、GBPUSDが1.3863から1.3879へとUSD売からGBP買に転じていたためです。
USDJPYでこれほど動きがあった後だったので、正直、取引すべきか止めておくべきか迷いました。何が起きるか(USDJPYがさらにドンと下がる等)わからないときは、過去の傾向なんて役に立たないことが多いからです。
指標発表後の反応は、直後3秒ぐらい少し陽線に伸びて、5秒後ぐらいにドンと伸びて、その後激しく上下動しました。そして、発表から1分を過ぎる頃には陰線に転じ、そこから再び陽線側へと戻しました(直後11分足はまだ陰線)。
この動きは、前述のUSD売の流れによって、最初の陽線で利確した参加者が多かったためでしょう。ロングを長持ちするには、不安が大きい日でした。それが、直後11分足の陰線に現れています。最終的には、19時過ぎに149.7超までGBPJPYは上昇しました。GBPJPYでよりもGBPUSDやEURGBPでGBPが買われたようです。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前10-1分足はロングで、利確・損切の目安を5〜8pipsぐらいにしていました。
結果は、跳幅20pips強の陽線となりました。
がしかし、これは事前分析に挙げたように市場予想悪化によって事前に陰線側に伸びたことによる戻しではありません。でもまぁ同じことです。これだけ昼過ぎから陰線側に伸びていれば、指標発表前には戻しがあるものです。 - 直前1分足は、陽線側に3pips跳ねたらショートをオーダーし、3〜6pipsを利確の目安にしていました。
結果は陽線で、3pips陽線側に跳ねた時点で18:29:30を過ぎており、そこからのショートはオーダーできませんでした。 - 直後1分足は、直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、同方向に指標発表直前にポジションをオーダーすることを考えていました。
今回、直前10-1分足は陽線側に21pips跳ねており、直後1分足も陽線でしたが、このポジションをオーダーするか否かは迷いました。だって、日中はあまり動かないUSDJPYが午後だけで100pipsも下落していたのです。どんな反応になるかなんて予想がつきません。 - 追撃は、指標発表から1分を過ぎると分が悪いと考えていました。がしかし、指標結果はCPI前年比が+3.0と、先のインフレ報告の見通し+2.9%を上回っていました。
直後11分足は陰線を形成したものの、その後19:00過ぎに149.7にGBPJPYは到達しました。149.7は、一目均衡表1時間足の転換線があった場所です。
取引結果は次の通りです。
もっとしつこく追撃しても良かったかも知れませんが、それは結果論です。長い目で見れば、欲張りだけが負けるのです。
次回発表は3月20日に行われる予定です。
以上
2018年02月08日
2018年2月9日18:30発表ー英国実態指標「2017年12月集計分鉱工業生産指数・製造業生産指数」(事後検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。
せっかくFXで取引するなら、?@ 取引する指標や他の指標との関係性、?A その指標発表時の反応の特徴や傾向、?B その上で独自の解釈で取引、をした方が楽しめます。単に陽線・陰線に賭けるよりも、うんちくを仕入れて楽しみながら学ぶのが一番です。
本指標は他の主要国の生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
同じ実態指標でも消費関連指標なら、米国小売売上高指数指標も大きく反応するし、豪州小売売上高指数もそこそこ反応します。けれども、生産関連指標でこれほど反応が大きいのは英国だけです。
過去平均の直後1分足跳幅は20pipsを超えています。
その直後1分足の反応方向は、鉱工業生産指数>製造業生産指数、前月比>前年比、の影響を受けます。
直後1分足は、3?鉱工業前月比事後差異+2?鉱工業前年比事後差異+1?製造業前月比事後差異、という判別式を用いると、この判別式の解の符号と直後1分足の方向一致率が79%となります。
指標結果の市場予想に対する良し悪しに素直に反応します。
なお、本指標よりも先に発表される製造業PMIと本指標とは、同じ集計月同士の結果を見比べても関係ありません。例え一方を前後1か月ずらしてみても、この結論は変わりません。
また、今回は同時に「建設生産高」と「貿易収支」が発表されます。けれども、そんなことは気にしなくても構いません。
さて、今回の発表要点は下表の通りです。
そして、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が24%(不一致率76%)となっています。市場予想が前回結果より良ければ直前10-1分足は陰線、悪ければ陽線になりがちです。
逆ではありません。 - 直前1分足は、事前差異との方向一致率が65%、過去の陰線率が65%です。
- 指標発表時刻を跨いでポジションをオーダーする論拠となる傾向は見出せていません。
本指標は年間を通して追撃で稼ぎましょう。 - 指標発表後の追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率は74%で、驚くべきことにその74%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。この数字は、直後1分足と直後11分足が方向不一致だった場合を含めても、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが74%あるということです。一方向への反応が進む指標です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
ところが、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは50%です。最終的に反応を伸ばすことは2回に1回しかないのなら、先に早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を窺った方が良いということです。
なお、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は7pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率30%)です。直後11分足のそれは11pips(戻り比率34%)です。直後1分足や直後11分足のヒゲは跳幅の1/3の値幅を持つことを目安として覚えておきましょう。 - 但し、直後1分足には、追撃徹底の(確率的な)サインがあります。
過去、直後1分足値幅が平均(23pips)以上だったことは10回ありました。この10回のうち7回で直後11分足跳幅が40pips以上となっています。
つまり、直後1分足値幅が過去平均値の23pips以上なら、その方向に再追撃開始すべきです。がしかし、これは直後11分足が終値を付けるまでポジションを保持した方が良い、という話ではありません。指標発表から10分以内に20pips以上の利確の機会があるだろう、という話です。
しつこい追撃には向いていない指標なのです。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年2月9日20:00頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
結果は、市場予想通り鉱工業生産指数・製造業生産指数ともに前月比・前年比のいずれも前回より悪化しました。市場予想に対しては、製造業生産指数前年比のみ上回ったものの、鉱工業生産指数は前月比・前年比ともに下回りました。かなり悪い内容でした。
がしかし、反応は過去平均程度を下回る陰線でした。
前年比に関しては、前年同月(2016年12月)がかなり良かったので、鉱工業生産指数・製造業生産指数ともに悪化は自然です。2018年2〜3月集計分発表まで、前年比は前年同月結果が良いので、大きな改善が見込みにくくなっています。
問題は鉱工業生産指数前月比です。△1.3%という値は、2016年10月集計分以来の悪い数字です。その2016年10月集計分は翌月11月集計分で大きく改善(+2.1%)しているので、来月発表は(北海原油価格なんてお構いなしに単にグラフ推移だけから)反発が期待できます。
これほど悪い指標結果に対し、反応は意外に小さくなりました。指標発表直前は152.35でした。そして、直後1分足跳値は152.24、直後11分足跳値は152.17でした。
テクニカル的には、1時間足一目均衡表の雲下端が152.22にありました。このあたりで一旦反発して152.3付近まで値を戻したものの、18:34頃には再下降に転じました。日足一目均衡表では152付近に雲上端があり、18:48頃にそれを下抜けると、今度はそこがレジスタンスとなっています。20:00前には151.6付近まで値を下げています。
取引は18:40頃に終了ものの、そのままショートを持ち続けるには不安がありました。
というのも、ファンダメンタル的には、?@ 前日の米株価の大幅下落に対し本日のダウ先物が反発上昇していたことと、米連邦予算が本日未明に上院で今後2年間の歳出上限引き上げ法案として可決されたこと、からUSDJPY下値が限定される条件が整っていたこと、?A 前日発表されたMPC議事要旨で、次回利上げが従来の市場認識より前倒しの可能性が高まったことによって、GBPUSDの下値も限定される条件が整っていたこと、が挙げられます。
長々と書いても、この見立ては程度を外しています。前述の通り、20:00前には151.6まで値を下げた訳ですから。
事前分析結果を検証しておきます。
- 直前10-1分足は、事前差異との方向一致率が24%(不一致率76%)となっていました。市場予想が前回結果より良ければ直前10-1分足は陰線、悪ければ陽線になりがちでした。逆ではありません。
結果は、今回の事前差異マイナスに対し、直前10-1分足は陽線でした。 - 指標発表後の追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率は74%で、驚くべきことにその74%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%でした。
結果は、直後1分足と直後11分足の方向が一致し、直後11分足跳幅は直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばしました。 - 指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは50%しかありませんでした。
結果は、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしました。
取引結果は次の通りです。
過去の傾向通りにやっていれば負けることはなかったはずです。追撃徹底ができずに利幅が小さくなっただけです。
ともあれ、負けないのが一番です。
次回発表は3月9日に行われる予定です。
以上
2018年02月07日
2018年2月8日21:00発表ー英国金融政策(事後検証済)
?T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析は こちら に詳述しています。
せっかくFXで取引するなら、?@ 取引する指標や他の指標との関係性、?A その指標発表時の反応の特徴や傾向、?B その上で独自の解釈で取引、をした方が楽しめます。単に陽線・陰線に賭けるよりも、うんちくを仕入れて楽しみながら学ぶのが一番です。
是非、 こちら もご一読頂ければ幸いです。
さて、今回はインフレ報告が発表されます。
BOEは四半期毎(2月・5月・8月・11月)に成長率見通しと物価見通しを纏めた報告書を公表しています。よって、インフレ報告が発表されるときの反応は、その見通しが以前よりも良くなったか悪くなったかの影響を受けます。
また、今回2月に新たな見通しを公表する際にEU離脱(交渉・企業動向・英経済への影響)の進展をより詳細に反映させる、と発表していました。BOEの現状認識は窺い知れません。
ともあれ、今回の市場予想は現状維持です。
前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 政策発表前の直前10-1分足の方向は注視しておきましょう。
過去に「市場予想通り現状維持」だった場合、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率は67%となっています。特に、直前10-1分足が20pips以上跳ねたら(過去6回発生)、直後1分足は直前10-1分足と同じ方向に6回とも反応しています。 - 直前1分足の過去陰線率は85%と、かなり偏りが見られます。よって、この期間はショートか取引きしないが選択肢です。そして、直前1分足が20pips以上跳ねたときには、次の発表直後1分足も同じ方向に反応しています(過去2回発生)。
- 直後1分足の過去平均跳幅は38pips、過去平均値幅は28pipsです。平均的なヒゲの長さは全幅の26%ということになります。これは、一般的な経済指標よりヒゲが小さいと言えます(平均的には30%強であることが多い)。
発表時刻直前にポジションを取るなら、前述の通り、直前10-1分足と同じ方向に取った方が良いでしょう(期待的中率67%)。
特に、直前10-1分足か直前1分足が20pips以上跳ねたときは、それら値幅方向にポジションをオーダーします。
利確/損切は、発表直後の跳ねで実施します。 - 発表後の追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率が78%あり、その78%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが86%あることに注目します。発表直後には反応が伸びると信じるしかありません。そう信じた方が成績が良くなるのです。
政策発表後の反応が暫く伸び続けているのだから、初期反応方向を確認したら早期追撃開始です。
指標発表から1分を経過しても、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは57%です。特に、直後1分足と直後11分足の方向が一致しているときには、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが81%にも達します。
いわゆる「抜けたら追う」べき閾値は、直後1分足が陽線なら値幅20pips以上のとき、陰線なら値幅40pips以上のとき、直後11分足は直後1分足よりも反応を伸ばしています。こうした場合、追撃は徹底です。
以上
?U.事後検証
以下は、2018年2月8日23:00頃に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
結果は「市場予想通り現状維持」でした。インフレ見通しは2018年が上方改定され、成長率見通しは2018年・2019年が上方改定されました。そして、議事要旨ではインフレが見通しと乖離すれば政策変更があり得ることに言及されていました。
その結果、反応は100pipsにも達する大陽線でした。
事前分析結果を検証しておきます。
- 過去に「市場予想通り現状維持」だった場合、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率は67%となっていました。
今回は、直前10-1分足が陰線、直後1分足が陽線でした。分析を外しました。
発表時刻の数秒後に一気に陽線側に跳ね、急いで損切したものの約定したのは21:00:10でした。その結果、損切は直前1分足終値152.25に対し、152.50で約定しています。25pipsの損切となっていました。 - 直前1分足の過去陰線率は85%と、かなり偏りが見られました。
結果は陰線でした。 - 直後1分足の過去平均跳幅は38pips、過去平均値幅は28pipsでした。平均的なヒゲの長さは全幅の26%ということになっていました。
結果は、跳幅111pips、値幅96pipsの大陽線でした。ヒゲの長さは全幅の14%しかありませんでした。 - 発表後の追撃は、直後1分足と直後11分足との方向一致率が78%あり、その78%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが86%でした。よって、初期反応方向を確認したら早期追撃開始としていました。
前述の損切後に2・3度、スリップによってポジションオーダーが約定せず、21:00:16にやっと追撃ポジションをオーダーできました。このとき既に直前1分足終値152.25に対し、152.88に達していました。直後1分足は既に53pips跳ねていました。最終的には、直後1分足跳幅が111pips・終値が96pips、直後11分足跳幅が140pips・終値が113pipsに達しており、この追撃は成功しました。
指標発表から1分を経過しても、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは57%です。特に、直後1分足と直後11分足の方向が一致しているときには、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは81%にも達しました。
結果は、直後1分足と直後11分足の方向が一致し、直後11分足跳幅は直後1分足跳幅を超えて反応を伸ばしていました。
いわゆる「抜けたら追う」べき閾値は、直後1分足が陽線なら値幅20pips以上のとき、陰線なら値幅40pips以上のとき、直後11分足は直後1分足よりも反応を伸ばしていました。こうした場合、追撃は徹底するつもりでした。
結果は、直後1分足終値が153.21、直後11分足終値が153.38でした。直後1分足は陽線で20pipsを超えており、直後11分足終値は直後1分足終値を超えて反応を伸ばしました。
取引結果は次の通りです。
朱記部分は、シナリオ外と時間外取引です。いずれも利確できましたが、下表の指標成績には含めません(月次・年次成績には含めます)。
事前分析の追撃徹底に対し、21:06に逆張りに転じたのは、153.4付近にあった日足チャート一目均衡表の基準線を少し上抜けて伸びが停滞したためです。ここで153.1付近まで一旦下げると、その後は再び基準線の上にあった転換線153.8付近に反応を伸ばしました(22:40頃)。
ただ、再び基準線付近に達した時点でポジションをクローズし、転換線到達までは付き合えませんでした。
ともあれ、発表時刻を跨いだ取引で損切となったものが、その後の追撃で取り返せて良かった良かった。今回は反応が伸びて追撃で挽回できましたが、そのうち発表時刻を跨いだ取引でも勝って、大きく利益を伸ばせるでしょう。
次回発表は3月22日21:00に行われる予定です。
以上