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2019年10月22日
家族の木 THE FOURTH STORY 真と梨央 <62 フライング>
フライング
梨央は俺が一向に動かないことにいら立っていた。ある朝突然、「真君、例のミッションはどうなっとるんだね。」とお叱りを受けた。俺は悶々としていた。そして、その日の夕方には度肝を抜かれた。
普通に夕食を食べていると、「真君、君には悪いがね、例のミッションは他の人を抜擢したよ。悪く思わんでくれ。」といわれた。「誰に頼んだんだ?」と聞くと「お母様」「うん?お義母さんか?」「いえ、浜野のお母様。」「何勝手なことしてるんだ?浜野の母にそんなことできるわけないだろうが!」と思わず叱りつけてしまった。
「真君、君、そんなに気色ばんでいいのかね。」と梨央は自信満々だ。「君、今度は服も香水も指輪も全然断らないよ。全部買ってもらうから。あの時も、買ってもらえばよかった。」と最後は妙な後悔をしていた。
梨央は恵美に内緒で浜野の母を呼び出していた。浜野の母は恵美に度々縁談を持ち込んでは断られていたそうだ。ほとほと困り果てているところへ梨央から連絡が入ったというわけだ。
風羽田が恵美の相手だということは知っている。ただ、会ったこともない、どうせろくでもない男だと思っていたら、意外にもT・コーポレーションで働いている、ひょっとしたらT・コーポレーションがらみで出世するかもしれないと踏んだはずだ。
梨央はそんな下品ことは考えない。「やっぱり親よねえ。郁美さんが説得してくれたんだけど、内覧に行ってそこで世間話的に話してくださるらしいの。母親だもの、娘が好きになった人がどんな人か確認しときたいわよねえ。反対は反対なの、だって黙って娘を連れだした人だもの簡単には許せないわよ。でもね、もしいい人だったら考え直すっておっしゃってるの。」
梨央は自分がお人よしなので他人もいい人だと思っている。最近は俺もいい人になってきている。ひょっとしたら母が娘のために動く気になったのかもしれないと思った。
それから10日後の夜、郁美から電話がかかってきた。風羽田から恵美に電話があって「居所は言えない。こちらで好きな人ができたので結婚する。もう自分のことは忘れてほしい。」といわれたそうだ。恵美は寝込んでいるらしい。母がペアブロッサムの内覧に行った結果がこれだった。
もちろん、風羽田が榊島で恋に落ちることもその相手と結婚することもあり得る。ただ、一度もそういう雰囲気を感じたことは無かった。風羽田は年に1,2回俺に電話をよこしていた。俺は風羽田が恵美とのつながりを切りたくないためだと思っていた。
恵美のためにも風羽田の真意を確認しておきたかった。梨央はショックを受けていた。なんとなく風羽田が恵美を思っていて、これを機会に二人の仲が縮まると勝手に思い込んでいたようだ。
「私余計なことしちゃったのかな?風羽田さんが恵美さんに気がないとしても、わざわざ連絡しないと思ったの。自然に消滅する感じで恵美さんに新しいご縁を紹介すればいいと思ってたの。こんなにショックな方法で切ってくるなんて思ってもみなかった。」と落ち込んだ。
「梨央、梨央は悪くない。明日榊島へ行く。日帰りできないから田原の家に泊めてもらってくれ。」というとしょんぼりして、「わかりました。ごめんなさい。私軽率で。」と半泣きになった。「真也も由梨もいるんだよ。ママが半べそでどうすんだよ。梨央は軽率なんかじゃないよ。軽率は風羽田だ。何のためにそんな連絡してきたんだ。」俺はちょっと嫌な感じがしていた。
その夜、梨央はベッドでまた「ごめんなさい。私のせいで恵美さん泣かせちゃって。」と謝った。「梨央が悪いんじゃない。梨央、俺、結婚する時、ホントはどうでもよかったんだ。ただ、T・コーポレーションの娘と結婚したら何か得するんじゃないかと思ってたんだ。」というと、また、半べそになった。梨央は俺の胸を何度もたたいた。
「それなのにハワイで完全に惚れちゃった。たった一週間だぜ。梨央もそうだろ?よく知らない男と勇気を振り絞って結婚したんだ。それでハワイの最後の朝に離れたら死ぬって言ったんだぜ。覚えてる?」「覚えてるわよ。今でも離れたら死んじゃう。」といった。
「運命ってそんなもんさ。どういう状況でも結ばれるときには結ばれる。もし、恵美と風羽田が別れたとしても、それは誰のせいでもないさ。そういう運命なんだよ。」といった。本心だった。ただ、何もしないまま別れてしまったのでは尾を引くだろうと思った。動くだけは動こう、それでダメなら諦めも早いだろう。
続く
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梨央は俺が一向に動かないことにいら立っていた。ある朝突然、「真君、例のミッションはどうなっとるんだね。」とお叱りを受けた。俺は悶々としていた。そして、その日の夕方には度肝を抜かれた。
普通に夕食を食べていると、「真君、君には悪いがね、例のミッションは他の人を抜擢したよ。悪く思わんでくれ。」といわれた。「誰に頼んだんだ?」と聞くと「お母様」「うん?お義母さんか?」「いえ、浜野のお母様。」「何勝手なことしてるんだ?浜野の母にそんなことできるわけないだろうが!」と思わず叱りつけてしまった。
「真君、君、そんなに気色ばんでいいのかね。」と梨央は自信満々だ。「君、今度は服も香水も指輪も全然断らないよ。全部買ってもらうから。あの時も、買ってもらえばよかった。」と最後は妙な後悔をしていた。
梨央は恵美に内緒で浜野の母を呼び出していた。浜野の母は恵美に度々縁談を持ち込んでは断られていたそうだ。ほとほと困り果てているところへ梨央から連絡が入ったというわけだ。
風羽田が恵美の相手だということは知っている。ただ、会ったこともない、どうせろくでもない男だと思っていたら、意外にもT・コーポレーションで働いている、ひょっとしたらT・コーポレーションがらみで出世するかもしれないと踏んだはずだ。
梨央はそんな下品ことは考えない。「やっぱり親よねえ。郁美さんが説得してくれたんだけど、内覧に行ってそこで世間話的に話してくださるらしいの。母親だもの、娘が好きになった人がどんな人か確認しときたいわよねえ。反対は反対なの、だって黙って娘を連れだした人だもの簡単には許せないわよ。でもね、もしいい人だったら考え直すっておっしゃってるの。」
梨央は自分がお人よしなので他人もいい人だと思っている。最近は俺もいい人になってきている。ひょっとしたら母が娘のために動く気になったのかもしれないと思った。
それから10日後の夜、郁美から電話がかかってきた。風羽田から恵美に電話があって「居所は言えない。こちらで好きな人ができたので結婚する。もう自分のことは忘れてほしい。」といわれたそうだ。恵美は寝込んでいるらしい。母がペアブロッサムの内覧に行った結果がこれだった。
もちろん、風羽田が榊島で恋に落ちることもその相手と結婚することもあり得る。ただ、一度もそういう雰囲気を感じたことは無かった。風羽田は年に1,2回俺に電話をよこしていた。俺は風羽田が恵美とのつながりを切りたくないためだと思っていた。
恵美のためにも風羽田の真意を確認しておきたかった。梨央はショックを受けていた。なんとなく風羽田が恵美を思っていて、これを機会に二人の仲が縮まると勝手に思い込んでいたようだ。
「私余計なことしちゃったのかな?風羽田さんが恵美さんに気がないとしても、わざわざ連絡しないと思ったの。自然に消滅する感じで恵美さんに新しいご縁を紹介すればいいと思ってたの。こんなにショックな方法で切ってくるなんて思ってもみなかった。」と落ち込んだ。
「梨央、梨央は悪くない。明日榊島へ行く。日帰りできないから田原の家に泊めてもらってくれ。」というとしょんぼりして、「わかりました。ごめんなさい。私軽率で。」と半泣きになった。「真也も由梨もいるんだよ。ママが半べそでどうすんだよ。梨央は軽率なんかじゃないよ。軽率は風羽田だ。何のためにそんな連絡してきたんだ。」俺はちょっと嫌な感じがしていた。
その夜、梨央はベッドでまた「ごめんなさい。私のせいで恵美さん泣かせちゃって。」と謝った。「梨央が悪いんじゃない。梨央、俺、結婚する時、ホントはどうでもよかったんだ。ただ、T・コーポレーションの娘と結婚したら何か得するんじゃないかと思ってたんだ。」というと、また、半べそになった。梨央は俺の胸を何度もたたいた。
「それなのにハワイで完全に惚れちゃった。たった一週間だぜ。梨央もそうだろ?よく知らない男と勇気を振り絞って結婚したんだ。それでハワイの最後の朝に離れたら死ぬって言ったんだぜ。覚えてる?」「覚えてるわよ。今でも離れたら死んじゃう。」といった。
「運命ってそんなもんさ。どういう状況でも結ばれるときには結ばれる。もし、恵美と風羽田が別れたとしても、それは誰のせいでもないさ。そういう運命なんだよ。」といった。本心だった。ただ、何もしないまま別れてしまったのでは尾を引くだろうと思った。動くだけは動こう、それでダメなら諦めも早いだろう。
続く
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