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2024年06月01日

イージスにMT30使うの大丈夫?部品供給できる?

『ロールスロイスのエンジンには不安しかない』
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イージス・システム搭載艦に、ロールスロイス製MT30エンジンが採用されるという報道がありました。

もがみ型護衛艦にも使用しているエンジンであり、海自のニュースタンダードになりつつあります。

図1 MT30エンジン
図1 MT30.jpg
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Images/R/Rolls-Royce/Defence/2200_banner.jpg

ただ古い護衛艦に乗っていた身としては、ロールスロイスか・・・となるくらい不安があります。

悪評を克服してLM2500を超えるGTエンジンに大化けするか?!
(前回記事):『 イスカンデルMに戦術核を搭載できるのか?
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(1)MT30は悪いエンジンじゃないんだけど!

海上自衛隊のエンジン屋さんは、今この状態かもしれません。

図2 頭を抱える
図2 頭を抱える.png
引用URL:https://irasutofree.com/illustrations/9971

またロールスロイスか!悪夢はもういやあああ!!!

1.1 MT30は夢のエンジンだぜ!

私はロールスロイス否定派ではないですよ!ホントだってば!

図3 F-1支援戦闘機
図3 F-1支援戦闘機.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/asdf/airpark/GUIDE/equipment/aircraft/img/f1.jpg

F-1支援戦闘機のエンジン(ロールスロイス製)で、さんざんこき下ろしたけどさ!
(関連記事):『 GTエンジン沼にはまってみないか? 』 
MT30GTエンジンの発表当初(2000年)は、ホントに海軍に変革をもたらす!と言われました。

図4 LM2500
図4 LM2500.jpg
引用wiki

LM2500エンジンしかなかった高速高出力エンジンに、さっそうと登場したMT30!

1.2 統合電気推進などににピッタリ!

MT30エンジンが歓迎されたのは、IEP(統合電気推進)に非常に向いているからです。

海上自衛隊でも、砕氷艦「しらせ」などでIEPとなりました。

図5 あさひ型護衛艦
図5 あさひ型護衛艦.jpg
引用wiki
さらに「あさひ型」護衛艦以降では、巡航時電気推進と機械式推進のCOGLAGに進化しました。

LM2500では運転効率が悪いため、MT30は代替手段として非常に注目されました。

図6 構造
図6 構造.png
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Files/R/Rolls-Royce/documents/country/japan/mt30-brochure-japanese.pdf

GT1本で40MWという、夢のような高出力はレーザー砲やレールガン搭載も可能にする出力です。

LM2500エンジン2本分の出力を、MT30は1基で出せます。

1.3 信頼性のある航空機用エンジンから派生!

?T30は、ボーイング777用エンジンのトレント800をコアエンジンにした派生型です。

図7 トレント800
図7 トレント800.jpg
引用wiki
信頼性についてはお墨付きと言えるだけの、非常に優れたエンジンです。

だからこそ、各国海軍の新型艦艇にMT30が採用されているといえます。

図8 各国採用艦艇
図8 各国海軍.png
引用URL:https://www.rolls-royce.com/~/media/Files/R/Rolls-Royce/documents/country/japan/mt30-brochure-japanese.pdf

順調に進めば、日本がMT30エンジンの最大のユーザーになるでしょう。

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(2)SM1A/Cの二の舞いにならなきゃよいけど!

かつてMT30の前に、夢のエンジンWR-21が英45型駆逐艦に搭載されました。

図9 WR-21
図9 WR-21.png
引用URL:https://www.researchgate.net/profile/Ji-Jeong-3/publication/267500656/figure/fig2/AS:392068531802118@1470487830978/WR-21-intercooled-and-recuperated-gas-turbine.png

結果は散々なものになっています。

2.1 大丈夫?SM-1A/Cみたいにならない?

古い海自の人間にしてみれば、あさぎり型護衛艦以降に搭載したSM1Aエンジンを思い出すでしょう。

図10 あさぎり型
図10 あさぎり型.jpg
引用wiki

最近だと、あきづき型護衛艦(19DD)がSM1Cを搭載してるほどです。

他に「ましゅう型」補給艦にも搭載するなど、海自ではロールスロイスエンジンを多く使っています。

しかし修理や部品製造に、どれだけ苦労したことか!

2.2 部品が来ねえんだよう!

海自エンジン屋さんにしてみれば、SM1A/Cほど手を焼かされるエンジンはなかったでしょう。
図11 部品
図11 部品.jpg
引用URL:https://media.licdn.com/dms/image/C5612AQGUQ857zGUnLg/article-cover_image-shrink_600_2000/0/1520208890211?e=2147483647&v=beta&t=VBxqopH4qbXHp1cYCc1ncrJQXrJj2bwjAtwbQAd79Qo

特に部品は高いわ!修理回答が遅いわ!と非常に川崎重工業も苦労しました。

あげくに本機の販売成績が英国の他にはオランダにしか売れず、日本が最大のユーザーになってしまいました。

さすがに切れたのか川崎重工業が、2012年にSM1A/Cの権利を全て買取国産化してしまいます。

図12 事業譲渡
図12 国産化.png
引用URL:https://www.khi.co.jp/corporate/timeline/pdf/125history_19.pdf

ロールスロイスエンジンをめぐっては、海自は強い恨みを持っています。

2.3 MT30も押し付けられるかも?

MT30については、海外販売成績がいまいち伸び悩んでいます。

図12 コンステレーション級
図12 コンステレーション級.png
引用wiki

米国の次期フリゲート「コンステレーション級」でのエンジン受注に失敗しており、MT30のさらなる受注が見込めない状況です。

日本はFFMにて22隻+ASEV2隻と、順調にMT30搭載を増やしています。

またまたSM1A/Cのように、日本が最大ユーザーとなってしまうかもしれません。

エンジンの形態管理も、とてつもなく大変なんですよ!
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(3)MT30採用を素直に喜べない

MT30もカタログスペック上は、ホントに良いエンジンなんですよ!

ただロールスロイス製と言うだけが、不安の種です。

3.1 GCAPも大丈夫か?

航空自衛隊の次期戦闘機(GCAP)の共同開発も、いよいよ本格化しました。

図13 GCAP
図13 GCAP.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/defense/nextfighter/images/nextfighter_06.jpg

機体やレーダーはともかく、エンジンはロールスロイスが主開発企業となるでしょう。
(やはり戦闘機用エンジン開発ノウハウのあるロールスロイスは強みがある。)

かつてのT-2/F-1で、非力なアドーアエンジンに散々悩まされた悪夢がよみがえります。

MT30も気が付いたら日本がメインユーザーになっているかもしれません。

今後も情報に注意していきましょう。
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2024年05月18日

追悼ジェームズ・アワー元米海軍中佐

『海上自衛隊の兄は天国へ出港した』
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2024年5月16日に、ジェームズ・アワー元米海軍中佐が逝去されました。

謹んで哀悼の意を表します。
図1 ジェームズ・アワー氏
図1 ジェームズアワー.jpg
引用URL:https://www.japanpolicyforum.jp/lib/2015/06/DJweb_27_dip_02_auer.jpg

知らない人も多いかもしれませんが、海上自衛隊にとっては大恩人と言える人です。

彼がいなかったら、海自・米海軍はここまで親密になれなかったでしょう。
(前回記事):『 あゝ江田島はもう撮影できないのか・・・
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(1)ジェームズ・アワー氏はどんな人だったの?

防大・一般大卒にて海上自衛隊幹部自衛官になった人は、全員がジェームズ・アワー氏の名を知っています。

図2 幹部候補生学校卒業式
図2 卒業式.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_MOCS/status/1771008904899735798/photo/1

海上自衛隊の歴史をひも解くとき、必ずジェームズ・アワー氏の名前が出ます。

1.1 海上自衛隊創設の歴史をひも解いた知日派

ジェームズ・アワー氏は、極東の安全保障を語る上で欠かせない人物です。

特に海上自衛隊創設期から1971年までを研究した、「よみがえる日本海軍」は貴重な資料です。

図3 よみがえる日本海軍
図3 よみがえるに日本海軍.jpg
引用URL:https://www.kosho.or.jp/upload/save_image/5000020/20200423210605831795_2b7f893d8a065f50b282546bc5f1be26.jpg

彼は1963年に米海軍少尉として、佐世保掃海艇乗組となり軍歴をスタートさせました。

さらに現代日本では、当たり前になった出来事にも関与します。
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1.2 米空母横須賀前方展開の窓口として

ジェームズ・アワー氏は、米空母が横須賀に常時展開するようになった1970年代に大きな働きをしています。

図4 空母出港
図4 空母出港.jpg
引用URL:https://twitter.com/CNFJ/status/1790930759915868651/photo/1

2024年5月16日に、米空母「ジョージ・ワシントン」が9年間母港としていた横須賀を離れました。

実を言うと、米海軍が空母の前方展開で横須賀に常駐させるようになったのは1973年です。

図5 ミッドウェイ
図5 ミッドウェイ.jpg
引用wiki
1970年ごろには、米海軍は横須賀基地縮小を検討していたものの一転して米空母配備を決定します。

事実上の母港化に向けて空母「ミッドウェイ」受け入れのため、米海軍の担当責任者としてジェームズ・アワー少佐が奮闘します。

1.3 国防総省日本部長として

その後国防総省に異動したジェームズ・アワー氏は、アーミテージ氏の元で対日政策を担当するようになります。

図6 アーミテージ氏
図6 アーミテージ.jpeg
引用wiki

リムパック参加など海上自衛隊と米海軍の連携を、より緊密かつ共同作戦が可能になるまで高めた大恩人と言えます。

この辺の歴史は、阿川尚之著「海の友情」により分かりやすく書かれています。

アーレイ・バーク提督が海上自衛隊の父というのならば、ジェームズ・アワー氏は海上自衛隊の兄と言える人物でした。
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(2)ジャパン・ハンドラーという誤解

日米同盟関係に茶々を入れたい人は、よくジャパン・ハンドラーなんて言葉を使います。

図7 アーミテージ・ナイレポート
図7 レポート.jpg
引用URL:https://iwj.co.jp/wj/open/wp-content/uploads/2013/06/2bed05bc1e931712fecfab2b8e788f2e-480x360.jpg

はっきり言って、誤解と無知が生んだ言葉といえます。

2.1 イージス艦導入

現在日本の護国の盾となったイージス艦は、ジャパン・ハンドラーの主導で日本への提供が決まりました。

図8 こんごう型
図8 こんごう型.jpg
引用wiki

当時イージスシステムは米国の最新鋭システムでしたが、日本への技術提供により日本の洋上防空能力の強化を図る狙いがありました。

図9 イージス艦
図9 イージス艦.gif
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/1988/w1988_03046.gif

高価な買い物でしたが結果として、2024年現在でもBMDの主力として活躍しています。

ジャパン・ハンドラーたちの活躍が無かったら、日本の洋上防空能力は非常にお寒いものになっていたでしょう。

いいじゃないですか!日本を強化することが、米国の国益にかなうと米国政府が認識できているんです。
(もっと利用してもいいでしょう)

2.2 彼らは冷静中立な視点を持っている

私が実習幹部で遠洋練習航海を行っているとき、米国寄港時にジェームズ・アワー氏の講話がありました。

当時は、国防総省を退官してヴァンダ—ビルト大学教授となっていました。

図10 教育
図10 教育.jpg
引用URL:https://jinf.jp/wp-content/uploads/2017/03/17.03.10.jpg

実習幹部の一人が、アワー教授に「今の日本や海上自衛隊に足りないものは何か?」と質問したときの答えは今も覚えています。
『感情論や民族主義を排除した冷静な視点』

米国の対日感情悪化や、日本の核武装論・経済摩擦などの各種要素は国防に不要です。

冷静かつ中立的視点を持って、物事の本質を見極めることが必要です。

2.3 日本スゴイ系の人には伝わらないだろうなあ

日本スゴイ系のYoutuberや、言論人にとってはジェームズ・アワー氏のことは知ろうともしないでしょう。

図11 バーク提督
図11 バーク提督.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/zU6gr_xoJbw/mqdefault.jpg

アーレイ・バーク提督の逸話は、Youtubeなどでもてはやされています。

しかしジェームズ・アワー氏のことを取り上げるチャンネルは、まずいないでしょう。

ジャパン・ハンドラーという言葉に踊らされ、本質が伝わらないでしょうね〜。
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(3)中村悌二ラインと米海軍戦略

海自幹部だった人なら、中村悌次ラインと言うものをどこかで聞いたでしょう。

図12 対潜概念図
図12 中村悌次ライン.jpg

第11代海上幕僚長だった、中村悌次海将がまとめた海自戦略の根本です。

3.1 米海軍の戦略にも影響を与えた

中村悌次ラインは、1960年代後半から1970年代にまとめられたものです。

1000海里防衛構想や、シーレーン防衛・米海軍との連携などを網羅しています。

図13 AS−4
図13 AS-4.jpg
引用wiki

ソ連空軍が大量の空対艦ミサイルを抱えて、シーレンに襲い掛かったら日本の生命線が断たれます。

海上自衛隊と関わり知った中村悌次ライン構想が、ジェームズ・アワー氏を通じて米海軍に伝わりイージスシステム供給につながったといえます。

ホントにジェームズ・アワー氏がいたから。今の海上自衛隊が出来たといえます。

ご冥福をお祈りいたします。
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2024年05月15日

あゝ江田島はもう撮影できないのか・・・

『伝統の旧生徒館は改築されたんだなあ〜』
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久々に、海上自衛隊幹部候補生学校(江田島)の話をしてみましょう。

候補生学校の質問が来たので、久々にSNSで現在の江田島を見てみました。
(関連記事):『 【海上自衛隊】海自幹部候補生になったお話その7(卒業編)
図1 中庭での運動
図1 裏側.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_MOCS/status/1738037517872693369/photo/1

幹部候補生学校を裏側から撮影した写真ですが、おっさん世代がは仰天するでしょう!

あゝ江田島の生徒館が改築されてるだとぉ〜?!
(前回記事):『 人工衛星もステルスの時代か〜!
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(1)あゝ江田島という映画を知っていますか?

海上自衛隊幹部候補生学校は、かつての海軍兵学校の施設をそのまま利用しています。
図2 赤レンガ庁舎
図2 赤レンガ庁舎.png
引用wiki

赤レンガ庁舎は、海軍兵学校の代名詞のように言われていました。

1.1 生徒館と呼ばれる庁舎もあったぜ!

海軍兵学校時代には、兵学校生徒が生活する生徒館というのも存在していました。

図3 兵学校生徒館
図3 生徒館.jpg
引用URL:https://arch-hiroshima.info/arch/hiroshima/jmsdf_school04.jpg

現在第一術科学校庁舎となっているとこが、西生徒館と呼ばれる場所でした。
(2007年に4階建ての新庁舎に改築)

昭和13年には兵学校生徒増加のため、東学生館が赤レンガの裏に建設されます。

図4 東生徒館
図4 東生徒館.jpg
引用URL:https://www2b.biglobe.ne.jp/~yorozu/71ki.jpg

この東生徒館は、戦後の幹部候補生学校でも候補生居住区として使われました。

昭和〜平成初めまでに入隊した候補生にとっては、懐かしの庁舎です。

1.2 あゝ江田島(1959年)の撮影にも使われた!

戦後は米軍が使用した後に、海上自衛隊幹部候補生学校と第一術学校として復活しました。

かつての海軍兵学校を懐かしむ声に押され、1959年(昭和34年)に大映が 「あゝ江田島」という映画を撮影しています。

図5 あゝ江田島
図5 あゝ江田島.jpg
引用URL:https://m.media-amazon.com/images/I/51OtLFPXpcL._AC_UF1000,1000_QL80_.jpg

戦後すぐの撮影だったため、本物の海軍兵学校の空気を良く再現したものでした。

図6 訓練風景
図6 訓練風景.png
引用URL:https://2lanewhitetop.web.fc2.com/img/edajimaphoto.png

生徒館は本物を使用したため、ペンギンの世代でも「訓練風景の動きはこの映画を見て参考にすること!」なんて言われました。

昭和の無機質なコンクリート建築が、より兵学校の空気を醸し出したものです。
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1.3 さすがに古くなったから新学生館が出来たよ!

ただ昭和のコンクリ建築のため劣化が激しくなり、1998年(平成9年)に新しい学生館が建築されました。

図7 学生館
図7 学生館.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_MOCS/status/1768109805003063775/photo/4

『(海軍OB)無駄にハイカラな建物にしやがって・・・』

旧海軍OBや昭和世代の幹部からは、結構やっっかみの声が出ていたそうです。

さらに2001年3月の芸予地震にて、東生徒館庁舎に屋上の亀裂や破損が相次いだため使用制限がかかりました。

それでも、海軍精神の聖地として建物の使用はしばらく続きます。

図8 2018年
図8 2018年.jpg
引用URL:https://twitter.com/yamazogaikuzo/status/1074895796355526656/photo/1

2018年でも、現役で使用されていました。

『あゝ江田島のリメイクのために残すんだ!』
そんなウワサも結構あったそうです。
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(2)改築したの〜?!!

そんな中で、2023年8月に幹部候補生学校のツイッターが衝撃の写真を掲載します。

図9 改築した新庁舎
図9 新庁舎.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_MOCS/status/1698893726582517959/photo/1

旧東生徒館を改築して、新教育館として竣工したそうです。

2.1 めっちゃ綺麗やん!

かつての東生徒館は、30人部屋であり現代では考えられない生活でした。

図10 30人部屋
図10 30人部屋.jpg
引用URL:https://k.sinaimg.cn/n/sinacn15/682/w405h277/20180420/1117-fznefkf6500231.jpg/w700d1q75cms.jpg

まあ、1998年に新学生館を建築したのは先見の明があったといえます。

正面吹き抜けも、広くなっており綺麗な状況です。

図11 吹き抜け
図11 吹き抜け.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_MOCS/status/1698893726582517959/photo/3

2.2 古鷹山からの眺めも良くなったね!

江田島にある古鷹山(標高394m)から、幹部候補生学校を眺めるのが幹部候補生の息抜きです。

そんな古鷹山からも、綺麗になった教育館の絶景が見えます。

図12 古鷹山から
図12 古鷹山から.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FraFEvZagAAqMyC?format=jpg&name=4096x4096

以前の無機質なコンクリート製庁舎と違って、非常に見栄えのする光景となりました。
(どうやって財務省を説得したんだろう?)

2.3 時代の変化が来てるんだね!

海軍兵学校時代から、時が止まった場所と言われる江田島ですが変化も起きています。

手狭で耐震性が悪くなった庁舎を改築し、新庁舎が作られます。

図13 89式訓練
図13 89式小銃.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_MOCS/status/1580030495085117440/photo/4

かつて平成ひと桁世代までM1小銃で行っていた幹部候補生の小銃取扱訓練が、89式小銃を扱うようになって驚いたものです。
(海賊対処派遣で89式小銃を使うようになったため)

色々と変化の波が、江田島にも来ているのですね。
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(3)江田島出身者にとって恐怖の写真!

最後に、幹部候補生学校出身者にとって恐怖写真を1枚!

図14 学生隊本部
図14 学生隊本部.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_MOCS/status/1788116630267953613/photo/4

いやあああ(狂乱)!!!入室要領無限ループはもう嫌あああ!!

いつの時代も、江田島の風景は心に残ります(白目)!
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2024年02月21日

靖国参拝って毎年やってるやつやんけ!【海上自衛隊】

『帝国海軍からの伝統であ〜る!』
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いくつかの新聞で、海自練習艦隊の靖国神社参拝を問題視する声が出ているようです。

かつて参加した身としては、何をいまさら昔からやってたじゃん!と言ったところです。

図1 靖国参拝
図1 靖国参拝.jpg
引用IURL:http://j.people.com.cn/NMediaFile/2014/0813/FOREIGN201408131307000066889238139.jpg
というか東郷さんの所とか、金毘羅さんの所が問題にならないのは何故?

経験者として実際の所を語ります。
(前回記事):『 13DDはダイヤモンドのレーダーになるか?【海上自衛隊】

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(1)参拝は自由意志だったね〜

以前に私の経験を書いたもので、近海練習航海を書いたことがあります。
(関連記事):『 【海上自衛隊】国内巡航(その2)から遠洋練習航海出発へ!

この時東京研修の最中に、靖国神社参拝がありました。

1.1 自由意志やで〜!つーか防大出身者は来なくていいぞ!

研修の時は、靖国神社参拝が目的ではなく遊就館(ゆうしゅうかん)の方がメインの研修先でした。

図2 遊就館
図2 遊就館.jpg
引用URL:https://www.yasukuni.or.jp/assets/carousel/sp/8.jpg

江田島にはない展示物が数多くあるため、研修の目玉と言えました。

この時、練習艦隊司令官は本殿に参拝に行くけど実習幹部はいきたい奴だけついてこい!という事前通達がありました。

政教分離の観点や、宗教が絡むので参加は実習幹部個人の意思にゆだねられていました。
『防大出身者は以前参拝してるから特に来る必要はない!』

防大では、靖国神社参拝が学生隊の行事で行われているそうなのでそんな指示がありました。

もっと切実な問題もありました。

1.2 一杯参拝したら俺のポケットマネーが吹っ飛ぶわ!(by司令官)

参拝の玉串料は、全員分を練習艦隊司令官や艦長のポケットマネーで出ることになっていました。

理由は1997年愛媛県靖国神社玉串料訴訟での公金支出が違憲とされてたためです。
愛媛県靖国神社玉串料訴訟
愛媛県知事が、戦没者の遺族の援護行政のために靖国神社などに対し玉串料を支出したことにつき争われた訴訟。最終的に最高裁が違憲判決を出した。

そのため公金支出ではなく、私的費用で玉串料を出す必要があります。

図3 玉串料
図3 玉串料.jpg
引用URL:http://awa-jinjacho.jp/images/rules/img_noshi.jpg

実習幹部が数多く参拝したら、司令官や艦長のポケットマネーが大ダメージです。

そのため、あんまり来るな!と言われていました。
(参拝しない実習幹部も多くいました:遊就館の見学時間が多くとれるため)

自由意志が徹底されていた記憶があります。

1.3 参拝しない実習幹部の意見が振るっている!

靖国神社に参拝しないとはケシカラン!なんていう意見を持つ人もいるかもしれません。

一般大出身幹部の中には、防大出身よりいろいろな意見で参加しない人もいました。
・薩長の人間に頭を下げるなんてできるか!(会津人)
・実家の家業的にちょっと問題が・・・(お東さんの宗家出身)
・西郷さんが祭られていないのはオカシイ!(鹿児島県人)


こちらの方がアブねー思想だった気がします(汗)
(不参拝者が人事上不利になることはなく、順調に出世しています)

まあ帝国海軍の後継者としては、追悼に関してもっと議論があった方がいいと思います。

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(2)東郷さんと金毘羅さん

帝国海軍・・・じゃなかった海上自衛隊としては、東郷神社と金毘羅神社があれば文句はありません。

図4 東郷神社
図4 東郷神社.jpg
引用:東郷神社Facebook

東郷神社も否定されたら、海自はキレるでしょう。

2.1 金毘羅神社の流し樽参拝は抵触する?

参拝が事務次官通達に抵触するとなったら、香川県の金刀比羅宮における流し樽参拝も該当するのでしょうか?

図5 流し樽
図5 流し樽.jpg
引用URL:https://www.jmets.ac.jp/news/qc5bl20000000d96-img/mpvk9g0000008ofn.jpg

江戸時代からの船乗りの風習で、金刀比羅宮近くを航行したとき「流し樽」にて航海安全を祈る風習があります。

海上自衛隊練習艦隊は、毎年海の風習として流し樽を行っていますがこれもOUTでしょうか?

図6 海自流し樽
図6 海自流し樽.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Am-bGaACMAATB9Z?format=jpg&name=small

経費節減のため発泡スチロールで流さざるを得なかった、海自の慟哭の涙を見よ!

これもダメになったら、海自はキレるでホンマに!

2.2 やはり誘導された誤爆が必要か・・・

やはりここは、米海軍を見習い「良く誘導された誤爆」が必要かもしれません。 (怒られるからヤメナサイ!)
図7 P-3C投下
図7 P-3C投下.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2006/2006/image/i32p0810.png

けっこう重要な問題が、先送りになっていると思われます。
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(3)参拝と自衛隊の問題は続く

自衛隊と宗教の問題は、有事後を見据えて本格的論議をした方がいいかもしれません。

問題が起きてからでは遅すぎるでしょう。

図8 防衛省殉職者慰霊碑
図8 防衛省殉職者慰霊碑.jpeg
引用URL:https://kiharaminoru.jp/wp-content/uploads/2021/11/7B6D376F-1BBB-4F19-96A3-00B76F1891A1-768x512.jpeg

防衛省市ヶ谷地区には、殉職者慰霊碑がありますがこれだけでいいのか?と考えています。

今こそ論議の時でしょう。
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2024年02月05日

13DDはダイヤモンドのレーダーになるか?【海上自衛隊】

『イージスの1000億よりは安いよね?!(白目)』
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令和13年度に予定される新たな護衛艦用としてのレーダー国内開発が決定いたしました。

高速高機動目標対応レーダーとして、量産単価約481億円となる見込みです。

図1 高速高機動目標対処レーダー
図1 レーダー.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/press/news/2024/01/25a.pdf

量産単価が約481億円と驚く声があるようですが、イージスの1000億円越えよりは安い(白目)!

ダイヤモンド半導体を使ったレーダー素子なら、安いくらいだ!
(前回記事):『 謎水騒ぎを仕様書と契約の観点から解説【自衛隊】
\こちらもご参考に!PR/

(1)FCS-3性能陳腐化の教訓を生かすべき

FCS-3レーダーに比べると非常に高価になっており、驚くのは良く分かります。

図2 OPY-1
図2 OPY-1.jpg
引用wiki

FCS-3が研究開発終了時に、すぐに性能向上型開発を迫られた苦い教訓を生かすべきでしょう。

1.1 ガリウムヒ素(GaAs)から窒化ガリウム(GaN)へ!

FCS-3については、試験艦「あすか」に搭載されていたGaAsのレーダー素子を基本にしていました。

図3 試験艦あすか
図3 試験艦あすか.jpg
引用wiki

1990年代から2000年代には、ガリウムヒ素半導体がパワー半導体の主力であり選択は間違っていませんでした。

しかし1993年に実用化された青色ダイオードに使用するGaNについては、急速な技術進歩により一気に発展していきます。

図4 GaN素材
図4 GaN素材.jpg
引用URL:https://www.ganpro.imass.nagoya-u.ac.jp/img/gan_img_01.jpg

商業ベースに乗って2001年頃から、多量のGaNパワー半導体が登場することになります。

運悪くFCS-3の開発完了(2000年)と同時期になってしまったため、たかなみ型護衛艦4番艦「すずなみ」への搭載が見送られます。
(1年FCS-3開発完了が速ければ、「すずなみ」からFCS--3搭載はあったそうです)

海自も急速にGaN対応型のFCS-3を準備することになります。

1.2 19DD「あきづき」からGaN搭載へ!

軍用レーダーについては、「枯れた技術」により信頼性の高いものが好まれます。

しかしながら19DDは、SPY-1F売り込みもあり焦ってGaN搭載レーダーとなりました。

図5 あきづき
図5 あきづき.jpg
引用wiki

しかし運用者からGaNレーダー素子の不評は、かなり激しいものがありました。
(MTBFが予想を上回るペースになってしまった)

パワー半導体としてのGaN素子は、技術的熟成がまだまだだったといえます。

最近ようやく故障が落ち着いてきているでしょう。

1.3 FCS-4(仮称)はどの素子で開発すべきか?

FCS-3の研究開始は1983年までにさかのぼるため、基本技術は1990年代を元にしています。
(関連記事):『 ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】


今回開発される新型レーダーは、2010年代の技術が基本となります。

しかし将来性を考えると、レーダー素子については可能な限り最新鋭のものにすべきでしょう。

図6 モジュール
図6 モジュール.jpg
引用URL:https://www.eis-japan.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/nxp_20230317-600x338.jpg

令和13年度(2031年)に予算計上となると、2036年(令和18年)以降に就役となります。

2030年代〜2050年代において、十分に活躍できるパワー半導体素子導入を検討すべきです。

SiC(炭化ケイ素)半導体が、当面の次世代半導体ですがその先を見る必要があります。
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(2)ダイヤモンド半導体という夢の素材

SiCはすでに商業品が出回り始めましたが、限界もあります。

図7 SiC半導体
図7 SiC半導体.jpg
引用URL:https://xtech.nikkei.com/dm/atcl/feature/15/032200080/032200001/100zu01.jpg?__scale=w:800,h:320&_sh=0810b0cd0c

省電力の装置としては優れていても、大電力高周波数に対応できません。

2.1 SiCは高周波数レーダー素子には向かない

次世代半導体であるSiCについては、早くから有効性が注目されてきました。

図8 半導体分布
図8 半導体分布.png
URL:https://www.nedo.go.jp/content/100939129.pdf

比較的低周波については、SiCの効果があるでしょうが高周波数帯(GHz)ではGaNの方がまだ向いています。

米国のSPY-6/7がGaN素子を使用する理由も、大電力高周数数での使用を考えたものです。

一応SiC後継となる酸化ガリウム半導体(Ga?O?)の実用化が、2023年に発表されました。

図9 酸化ガリウム
図9 酸化ガリウム.png

引用URL:https://www.nict.go.jp/press/2013/06/4otfsk00000fobbo-img/20130619-3.png

しかし究極となる半導体開発が、実用化に向けて開発されています。

2.2 ダイヤモンド半導体?!のブレークスルー!

防衛装備庁が実施している安全保障技術研究推進制度で、ダイヤモンド半導体の技術的ブレークスルーが発生しています。

図10 安全保障技術研究推進制度
図10 安全保障技術研究推進制度.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/atla/funding/seidogaiyo_20230810.pdf

この制度を利用して、2017年に発表されたのがGaN素子にダイヤモンド結晶被膜を接合する技術です。

図11 ダイヤモンド素子
図11 ダイヤモンド素子.jpg
引用URL:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/12/7b.jpg

G aN素子が作動するとき熱放出が激しいため、熱損失による性能低下が起きやすい現象がありました。

対策としてダイヤモンド半導体が理想とされましたが、実現はかなり困難でした。

そんな中で量産技術実用化も視野に入った、革命的研究成果が平成29年(2017年)に発表されています。
(プレスリリース:h ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/12/7.html
13DDのレーダーについて、このダイヤモンド素子を利用したレーダー開発が行われているかもしれません。

それであれば、量産単価約481億円も不思議ではありません。

2.3 枯れた技術と新技術の融合を!

軍用製品には、どうしても枯れた技術で信頼性の高いものが選ばれる傾向があります。

図12 UYK-44
図12 UYK-44.jpg
引用URL:https://cdn.vox-cdn.com/uploads/chorus_asset/file/20744791/ows_137737721361019.jpg

UYK-44みたいな古いコンピューターが、軍用では現役であることからもうかがえます。

しかしながら新技術を適時に導入していかないと、FCS-3のように開発完了時に性能陳腐化ということも起きえます。

今後の技術進歩を適切にみていくべきでしょう。
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(3)ASBM/HGVは新たな脅威!


新世代の護衛艦は、HGVやASBMの脅威に晒されるようになりました。

図13 ASBM
図13 ASBM.jpg
引用URL:https://s.japanese.joins.com/upload/images/2022/04/20220421142724-1.jpg

第二のASMDとして備える必要があります。

3.1 イージスの1000億越えよりはいいよね!

護衛艦レーダーとしては、量産単価約481億円というのは高く感じるかもしれません。

しかし1967年のエイラート号事件以降、対艦ミサイル防御(ASMD)が現代海軍の基本となりました。

図14 ミサイル艇
図14 ミサイル艇.jpg
引用wiki

近いうちにASBM/HGVによる艦船撃沈記録が出るのも、時間の問題でしょう。

そこから慌てて対策検討をするより、最初から大気圏外監視能力を持ったレーダーを開発すべきでしょう。

イージスシステムが約1000億円越えとなる中で、500億円弱で完成するなら儲けものです。

3.2 ダイヤモンドレーダー登場なるか?

将来的には、ダイヤモンドレーダー搭載護衛艦の登場もあり得るでしょう。

ステルス機やHGV/低RCSミサイル探知には、どうしても強力なレーダーが必要です。

今後の開発状況が楽しみですね。

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2023年12月06日

ASBMを撃墜しろだなんてむーりいー無理!!【海上自衛隊】

『ASBMだなんて聞いてないよ〜!』
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2023年11月26日に海賊対処派遣中の護衛艦「あけぼの」の近くにASBMが撃ち込まれました。

何とか無事に離脱できたのが幸いです。

図1 ノノ
図1 ノノ.jpg
引用URL:https://i.pximg.net/img-master/img/2013/03/01/19/19/06/33918180_p0_master1200.jpg

海自の中の人にしてみたら、ASBMなんてむーりぃー!と叫びたくなる状況です。

SSN-22ならともかくASBMを撃墜しろってのは、イージス艦以外では現状無理です!
(前回記事):『 潜水艦と機雷は存在するだけで脅威となる!【海上自衛隊】
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(1)海賊対処中にASBMが飛んでくるなんて想定できるか!

海自ならASBM(対艦弾道ミサイル)ぐらい落とせ!なんて言われるかもしれません。

図2 イージス艦
図2 イージス艦.jpg
引用wiki

イージス艦とSM-3のイメージが鮮烈すぎるのも考えものです。

1.1 むらさめ型護衛艦だとほとんど対処不能!

現場にいた護衛艦「あけぼの」(DD108)は、むらさめ型護衛艦の8番艦です。

図3 護衛艦あけぼの
図3 護衛艦あけぼの.jpg
引用wiki

イージス艦とは違い対空レーダーは回転式のOPS-24B、FCS-2で誘導するESSMという状況です。

図4 OPS-24B
図4 OPS-24B.jpg
引用wiki

はっきり言って、弾道ミサイル探知能力なんて持っていません。

1.2 LINK11とCENTRIXSで情報が来たんだろうね

ASBM探知の情報は、米軍からLINK11とCENTRIXSで通報されたのでしょう。
(むらさめ型にはLINK16がない)
図5 LINK11
図5 LINK11.jpg
引用URL:https://electronicstechnician.tpub.com/14088/img/14088_91_1.jpg

情報共有でCENTRIXSは非常に参考になります。

図6 CENTRIXS
図6 CENTRIXS.jpg
引用wiki

情報が来たならば迎撃できそうじゃないか?と言われそうですが、個艦で捕捉できないと射撃は困難です。

イージス艦搭載のCECとEORが無いとかなり厳しいでしょう。

1.3 ESSMもそんなに高く飛べない

搭載してるESSMも射程最大約50kmと言われていますが、確実に命中させるにはもっと射程は短くなります。

図7 ESSM
図7 ESSM.jpg
引用wiki

ASBMに対しての現状における最善手としては、全速力で逃げるしかありません。

マッハ5以上で宇宙から降ってくるミサイルなんて、想定していなかった戦場としか言いようがありません。
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(2)飛んできたイラン製ASBMについては?

イエメン反政府勢力フーシ派は、イランからASBMを供給された模様です。

図8 ASBM
図8 ASBM.png

引用URL:https://i.postimg.cc/Hxct2h4Z/48.png(ORYXJAPAN)

ハリジ・ファルスと呼ばれる、イランオリジナルの対艦弾道ミサイルのようです。

2.1 めちゃくちゃ厄介だぞこれは!

ASBMなんてしばらくは無理だろうと、中国DF-21Dを見ていましたが意外なところから出てきました。

図9 機動
図9 機動.jpg
引用URL:https://tommytoy.typepad.com/.a/6a0133f3a4072c970b0162ff1110c7970d-800wi

DF-21Dのような機動を取るのであれば、探知は非常に難しいといえます。
(OPS-24やFCS-3の探知範囲外を滑空してくる)

ハリジ・ファルスのCEPが1m程度と主張されていますが、迎撃にはSM-2級の長射程SAMが必要です。

短SAMのESSMでの迎撃は、最後の手段としか言いようがありません。

2.2 イージス艦を海賊対処に派遣するのは本末転倒になる

海幕はイージス艦を海賊対処に派遣することを検討し始めたようですが、圧倒的に数が足りないといえます。

ASBM迎撃を行った場合、海賊対処法の武器使用根拠を超えてしまうためです。

海上警備行動や弾道ミサイル破壊措置命令という方法もありますが、法的整理が必要です。

2.3 しばらくは米軍に任せるしかない。

悔しいですけど、むらさめ・たかなみ・あきづき型の護衛艦ではASBM対処は厳しいでしょう。

戦闘システムを無理に作り変えるより、次期護衛艦に任せた方が無難です。

(関連記事):『 ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】
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(3)対艦弾道ミサイル対策が今後の目標かな?

将来の海戦においては、対艦弾道ミサイルからの防御が目標になるかもしれません。

図10 イメージ
図10 イメージ.jpg

引用URL:https://www.usni.org/sites/default/files/styles/hero_image_2400/public/Turnwall-PRO-11-19%201.jpg?itok=1HE9bqj7


ESSMの後継がNSAMになるか?それともSM-6になるか注目です。

3.1 探知さえできれば撃墜は可能!

海自はKh-31やSS-N-22を一つの目安として、CDSなどの戦闘システムを構築してきました。

図11 Kh−31
図11 kh−31.jpg
引用wiki

何とか探知さえできれば、ワンチャンスで撃墜は可能です。
(マッハ4で飛行して、探知から着弾まで十数秒の中でやるしかないけど)

とりあえずASBMは、発射されたら逃げるしかないですね!
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2023年11月04日

潜水艦と機雷は存在するだけで脅威となる!【海上自衛隊】

『いやあ〜沈黙の艦隊っていいですねえ!』
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沈黙の艦隊が映画化されて、潜水艦に脚光が浴びるのはいいですねえ!

潜水艦の雷撃で、一撃轟沈する水上艦ほど見てて気持ちいものはありません。

図1 轟沈する艦船
図1 轟沈.png
引用URL:https://twitter.com/Jatosint/status/1461159443081482241/photo/3

しかしながら、潜水艦と機雷は存在することこそ最強の兵器となります。

まさに沈黙の艦隊となります。
(前回記事):『 拘束発射というミサイル屋さんが見たくない現象【軍事技術】
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(1)潜水艦は戦闘だけじゃない!

潜水艦は、次々と魚雷攻撃をして敵艦撃沈が主な任務と思われがちです。

図2 ハープーン
図2 ハープーン.jpg
引用wiki

しかし実際は、ハープーンを発射すると100%位置がバレます。

1.1 魚雷攻撃は一撃必殺!

敵艦隊も潜水艦に対する警戒は、しっかりと行っているため魚雷攻撃は命がけです。

図3 魚雷攻撃
図3 対潜戦闘.jpg
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2003/2003/image/15z31221.jpg

だからこそ、潜水艦の攻撃は慎重に行う必要があります。

しかし潜水艦が存在するだけで、敵艦隊を拘束することもできます。

1.2 たった1隻に翻弄されたフォークランド紛争

1982年のフォークランド紛争は、イギリス側の勝利で終わりました。

図4 イギリス海軍
図4 イギリス機動部隊.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FPWRA1kX0AEpdL_?format=jpg&name=medium

しかしながら海戦の分野では、アルゼンチン海軍潜水艦1隻にてんてこ舞いの状況だったのは知られていません。

図5 潜水艦サンタフェ
図5 潜水艦サンタ・フェ.jpg
引用URL:https://wikimapia.org/8187368/Wreck-of-ARA-Santa-Fe-S-21#/photo/341297

イギリス空母機動部隊は、アルゼンチン潜水艦1隻が撃破されるまでフォークランド諸島に接近できませんでした。

さらに、アルゼンチン海軍の209型潜水艦については全く捕捉できない状況だったのです。

図6 潜水艦サンルイス
図6 潜水艦サンルイス.jpg
引用URL:https://www.flickr.com/photos/elsnorkel/4584983971

魚雷攻撃が失敗しなければ、イギリス海軍の損害はさらにフリゲート艦が2隻撃沈されていたと言われています。

それほど潜水艦の存在は、水上艦にとって恐ろしいものです。

1.3 偵察や機雷敷設にも使える

潜水艦は平時から、偵察行動や敵地での機雷敷設にも使用できます。

図7 偵察行動
図7 偵察行動.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Fc4XKj9XkAAKxGT?format=jpg&name=large

情報収集においても、敵に気付かれることなく接近できます。

以前お話した、任務艦も似たようなものです。
(関連記事):『 【海自】いわゆる任務艦の話に関するエトセトラ!

潜水艦には、もっと多様な使い方があります。
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(2)潜水艦×機雷=最強の沈黙の艦隊!

潜水艦から、機雷を敷設できることはあまり知られていません。

図8 米海軍機雷
図8 米海軍機雷.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/E5KZWVTXEAU6JBL?format=jpg&name=medium

米海軍のMk67SLMM自走式機雷は、凶悪なものです。

2.1 東京湾に機雷を敷設されると日本経済が破滅する

東京湾に機雷敷設だなんて、突飛な話かもしれませんが可能性としては十分あります。

戦略兵器としての潜水艦と、潜水艦敷設機雷を使えば日本経済に打撃を与えることも可能です。

図9 東京湾
図9 東京湾.png
引用URL:https://www.pa.ktr.mlit.go.jp/wankou/knowledg/img/p01-1.png

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だからこそ、海自は掃海部隊に力を入れているのです。

2.2 新型機雷(小型機雷)は注目すべきもの!

令和5年度より研究が始まった、新型機雷(小型機雷)は今後台湾有事などにおいて注目すべきものでしょう。

図10 91式機雷
図10 91式機雷.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/EyIILqCVcAIM7Th?format=jpg&name=900x900


水上艦などから投下できる機雷として、91式機雷を思い浮かべるかと思います。

しかしながら91式機雷は、サイズがデカすぎるため運用がかなり難しいモノになっています。
(K-RX2が潜水艦用に量産されなかったのは、サイズがデカすぎたため)

そのため、新型機雷(小型機雷)についてはMk52機雷(1000ポンド)ぐらいまで小型化すべきでしょう。

図11 Mk52機雷
図10 Mk52機雷.jpg
引用URL:https://d1ldvf68ux039x.cloudfront.net/thumbs/photos/2208/7384853/1000w_q95.jpg

出来れば、潜水艦発射型まで発展して欲しい代物といえます。
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(3)機雷を使う沈黙の艦隊もいいぜ!

潜水艦は魚雷・ミサイルの他にも機雷を運用できるのが強みといえます。

機雷を使用する潜水艦の活躍も、なかなかいいのではないでしょうか?

しかし映像的には地味になるかも?

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2023年09月09日

ついにFCS-4開発開始となるか?!【海上自衛隊】

『令和13年度護衛艦に間に合えばいいけど』
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令和5年度の政策評価にてついに、次世代護衛艦建造の射撃戦闘指揮システムなどの開発が始まるようです。

FCS-3も開発開始から40年を超えるため、2030年代以降の戦闘システムとして適切な開発時期でしょう。

図1 FCS-3
図1 FCS-3.jpg
引用wiki

ただ、FCS-2・FCS-3の開発遅延の教訓をどれだけ生かせるか見ものとなります。

FCS-3もボロクソ言われたけど、FCS-2の開発遅延はもっとひどかったんだからね!
(前回記事):『 せ戦争じゃあ・・令和6年度概算要求を見た感想【防衛省】
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(1)ついに新護衛艦3点セットが登場だ!

令和5年度の政策評価にて、令和13年度護衛艦(13DD?FFG?)に搭載される開発品が発表されました。

図2 高速高機動目標対処レーダー
図2 レーダー.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/seisaku/2023/pdf/jizen_12_honbun.pdf

ついに新時代の護衛艦開発が始動したと言ってもいいでしょう。

1.1 FCS-3などの3点セットを思い出すなあ

今回の令和6年度からの研究開発は、
・高速高機動目標対応レーダの開発(FCS-4になるのかな?)
・護衛艦用新戦闘指揮システムの研究(ACDS(OYQ-10シリーズ)後継)
・新艦対空誘導弾(能力向上型)(ESSM後継国産弾)

というように、令和13年度(2031年)護衛艦に搭載する装備の開発を進めるものです。

図3 新戦闘指揮システム
図3 新戦闘指揮システム.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/seisaku/2023/pdf/jizen_02_honbun.pdf

かつての、FCS-3を含む3点セットATECS(FCS-3・ACDS・RIM-4)を彷彿とさせるものです。

もう新時代の開発を行う時代になったのだなあ、という感慨深いものがあります。

1.2 HGV対処研究はかつてのASMDを思い出す。

研究の主眼に置かれたのは、現用のFCS-3では難しいHGV(極超音速滑空兵器)への対処を行うものです。

図4 HGV
図4 HGV.png
引用wiki

最近の流行であるHGV対処を急ぐのは、かつて1970年代以降にASMD(対艦ミサイル防御)対処を急いだ時代に重なるものがあります。

かつてのゲームチェンジャーだった対艦ミサイルも、HGVにはかなわない状況です。

今後の流行として、HGV対処を主眼としてレールガン搭載も視野に入るでしょう。

1.3 予定通りに開発完了できるかなあ?

ただFCS-3に関わったものとしては、どれだけ開発遅延を縮小して予定通りに開発できるかが心配です。

図5 GFCS-1
図5 GFCS-1.jpg
引用wiki

すでに全機が退役したGFCS-1(72式射撃式装置)ですが、開発開始は1960年で制式化に12年かかりました。
(途中でFCS-0(68式射撃式装置)はできたが、さらに実用化に6年かかった)

射撃式装置や艦載レーダーの開発は、開発遅延との闘いです。

今回は、どれだけ早期に開発完了できるかが見ものでしょう。
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(2)FCS-3・FCS-2の遅延は艦艇建造にも影響した

搭載装備品の開発遅延は、護衛艦建造に重大な影響を与えることになります。

図6 謎護衛艦
図6 謎護衛艦.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/CrlLV3GVYAA82ce.jpg:medium

たまに出てくる謎護衛艦のポンチ絵は、FCS-3を搭載する予定だった「たかなみ型(10DD)」の残影です。

2.1 FCS-3はACDSの遅延が響いた

開発についてボロクソに言われるFCS-3について、最大の開発遅延の要因だったのはACDSです。

図7 ACDSの概要
図7 ACDSの概要.png
引用URL:https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_1283286_po_TRDI50_05.pdf?contentNo=5&alternativeNo=

平成4年に試作を開始して、平成10年に実用試験を終了する予定でしたが2年の開発遅延となりました。

対潜情報処理装置(ASWCS)との連接や、FCS-3・RIM-4との連接に手間取ったのが原因です。

10DD(たかなみ型)の1番艦から搭載する予定が、4番艦(12DD:すずなみ)に延期されさらに16DDH(ひゅうが)まで搭載が延期される結果となります。

FCS-3のレーダ素子も1990年代には最新鋭だったガリウムヒ素(GaAs)半導体が、2000年代には陳腐化してしまいました。

図8 ガリウムヒ素半導体
図8 GaAs.jpg
引用URL:https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/img/rf-device/rf-column_01-04.jpg

あきづき型護衛艦(19DD)からは、窒化ガリウム(GaN)に変更してようやく何とかなった状態です。

たかなみ型護衛艦からFCS-3を搭載できていれば、今とは違った艦隊になっていたかもしれません。

2.2 FCS-2は4年の遅延で危うく国産化断念の瀬戸際だった

現在の護衛艦にて、いまだに主力として活躍しているのがFCS-2(81式射撃式装置)です。

図9 FCS-2
図9 FCS-2.jpg
引用wiki

護衛艦の多くに見かける名品ともいえる射撃指揮装置ですが、開発当初4年の開発遅延があったことは知られていません。

図10 護衛艦しらね
図10 護衛艦しらね.jpg
引用wiki

FCS-2は1970年(昭和45年)に開発を開始して、1975年(昭和50年)に開発完了をする予定でした。

まあそれが洋上での技術・実用試験で不具合連発により、50DDH(しらね型)への搭載を断念することになります。

急遽暫定の短SAM管制用FCSとして、シグナ—ル社(現タレス社)のWM-25を搭載することになります。

実用試験では、7回の大規模改修を行い4年の遅延をすることになります。
(開発当時に、プロジェクト管理(LCC)があったとっくに中止だったでしょう)

図11 改修後のくらま
図11 くらま.jpg
引用wiki
(「しらね」・「くらま」は2000年代にWM-25をFCS-2に換装)
当時すでに1977年(昭和52年)には、FCS-2搭載を前提した「はつゆき型」「いしかり型」護衛艦の発注が行われておりました。

1978年には 「これがダメならFCS-2計画は放棄して、海外製WM-25を搭載する」という最終リミットが示されます。

官民一体となって猛然と海上試験を行い、ようやく1979年に制式化して国産FCSは生きながらえます。

もしかすると、国産FCSが途絶えた世界があったかもしれません。

2.3 FCS-3改はまだよい方だった

FCS-3改(今のひゅうが搭載用)の改修試験が難航したとき、「FCS-2の時よりはまだましだから!」とナゾの励ましの上でX帯イルミネーターの試験は予定通りに完了しました。

SPY-1Fを19DDに搭載しろ〜!というナゾの圧力に負けず、FCS-3AやOPY-1/2の系譜につながったのはよかったといえます。
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(3)2030年代にどれだけ間に合うかな?

令和13年度護衛艦(13DD?FFG?)は、計画通り新型FCS−4が完成しないかもしれません。

しかしながら、開発遅延を可能な限り圧縮することで成功の可能性はあります。

3.1 たかなみ型代替艦という認識で良いのかな?

もがみ型護衛艦は、掃海艇・あさぎり型・あぶくま型護衛艦の代替として12隻建造となりました。

図11 もがみ型
図12 もがみ型.jpg
引用wiki

今回登場したのは、2035年以降に退役が始まる「たかなみ型」護衛艦の代替艦と考えるのが適切でしょう。

多少開発が遅延しても、装備換装で対応できるように設計も考慮されるかもしれません。

FCS-4の研究開発は、多少開発遅延を覚悟しても実施していくべきことでしょう。

FFM22隻の整備が終了後に登場する、13DD?を楽しみに待ちましょう!
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2023年06月14日

艦これついに艦船呼んじゃったよすげえなあ!【海上自衛隊】

『艦これの影響力はやっぱすげえなあ?!』
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2023年6月10日に、いつも見ていただいているROKETTOさまから艦これコラボの情報をいただきました。

海自にて艦船を派出する調整活動をした身としては、ホントにすごいことだと思います。

艦艇1隻を外部のイベント協力で派出することは、よほどの説得力がないとできません。

主催団体の尽力と地域の理解のすごさに、素直に脱帽です。
(前回記事):『 【海上自衛隊】いなづま修理が数年がかりになる理由について!
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(1)艦これやっぱすげえなあ!

2023年6月9日と10日に実施された艦これ佐世保コラボイベントが実施されました。

図1 ミサイル艇しらたか
図1 ミサイル艇しらたか.jpg
引用URL:https://twitter.com/sasebokanko/status/1667696893739307008/photo/2

佐世保地方隊のミサイル艇「しらたか」が、イベント会場に横付けされました。

1.1 すげえなあ!ついに艦艇派出まで来たか!

艦これについては、リリース当初からいろいろ話題になりました。

海上自衛隊にも深く静かに浸透していき、ついにはイベントでコラボするほどです。

図2 コラボイベント
図2 コラボポスター.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_mrh/status/1292596520001449990/photo/1

佐世保でのイベントは10周年ということで、音楽隊と共にミサイル艇まで登場しました。

ひとえにファンの支持と共に、地域との共存をしてきたからこそ可能になったといえます。

1.2 艦艇航空機派出は簡単にはできない!

ここで、イベントへの艦艇や航空機装備の広報派出なんて簡単にできそう?と思っている方もいるかと思います。

図3 ニコニコ超会議10式戦車
図3 10式戦車超会議.jpg
引用URL:https://twitter.com/JGSDF_pr/status/327924227304992768/photo/1

ニコニコ超会議に、陸海空自衛隊の装備品を持っていき展示するなど広報展示はよく行われます。

しかしながら、簡単に広報派遣が出来ないということを知って欲しいところです。

以前に、艦艇一般公開にこぎつけるまでの裏側を記事にしたことがあります。

(関連記事):『【 海上自衛隊】大乱闘!艦艇一般公開イベント開催の裏側では・・・?

このとき、艦艇を派出しての広報には2年前から準備が必要と書きました。

今回の艦これイベントの場合は、民間団体の主催イベントに艦艇を派遣しました。

どれだけ主催者団体が苦労して、海幕を説得したのか気になります。

1.3 提出された企画書を見てみてえ!

防衛省自衛隊が自分で企画した、広報活動でさえ運用調整で一苦労するものです。

ましてや、認知度の高い艦これイベントを主催する団体が説得するのは非常に苦労したでしょう。

図4 舞鶴地方隊Twitterアイコン
図4 舞鶴地方隊.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_mrh/status/1659121656080773121/photo/1

舞鶴地方隊のTwitterアイコンは、密かに侵食されています。

ドンだけ艦これの影響力が浸透しているのか、よくわかる構図です。

今回の佐世保コラボイベントの企画書は、ホントに説得力のある物だったのでしょう。

出来れば海幕に提出された、企画書を読んでみたいものです。
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(2)厳格なルールのなかで広報は実施される!

自衛隊の広報企画は、何でもかんでも行われるという物ではありません。

図5 亡国のイージス
図5 亡国のイージス.jpg
引用URL:https://mihocinema.com/wp-content/uploads/2015/03/boukokuno-aegis.jpg

かつて映画「亡国のイージス」も、一度は防衛省が協力拒否する寸前でした。

2.1 広報活動は関連法規で規定がある!

あまり知られていませんが、防衛省自衛隊が広報活動やTV映画などでの協力については関連法規があります。

『防衛省の広報活動に関する訓令』(防衛庁訓令第36号)
という物があります。
防衛に対する日本国民及び外国人の認識と理解を深め防衛施策に対する信頼と協力を得るため、
防衛の実態を正しく部内及び部外に伝え、防衛省設置法(昭和29年法律第164号)第4条
第1項第17号に規定する防衛に関する知識の普及及び宣伝に関する任務を遂行する活動

この目的に沿うように、防衛に対する認識と理解を深めることができるなら協力をしてきました。

さらに、海上自衛隊に関していえば自主的広報活動と協力的広報活動に分かれます。

図6 護衛艦「いずも」公開
図6 護衛艦いずも公開.jpg
引用URL:https://twitter.com/JMSDF_PAO/status/1180704721603944450/photo/1

艦艇一般公開については、自主的広報活動に分類されるものです。
(自衛艦隊から割り振りされるけど自主的とはこれ如何に?)

対してTV映画等の制作や部外イベントへの協力は、「協力的広報活動」になります。

2.2 協力的広報活動はKENZENなものだけ!

協力的広報活動の時は、4項目に照らし合わせて該当する場合のみ協力できます。
・広報上効果がある場合
内容が健全妥当である場合(ココ重要!)
・海上自衛隊の協力を得なければ製作が不可能又は困難である場合
・教育訓練をかねて実施できる場合


え〜、艦これの場合は 「内容が健全妥当である場合」
について疑問符が付きますが(汗)?

特に大破のイラストが問題になります。

艦これがリリースされた時、海自があんまり協力じゃなかった理由は「内容が健全妥当」か揉めてました。

このままだったら海自はイベント協力をしなかったでしょう。
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(3)地域に受け入れられたことが大きい!

海上自衛隊が、艦これイベントに協力的になったのは地域社会と共存したイベントになったことです。

図7 地域イベント
図7 地域イベント.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FyJT-hUaYAEKLC5.jpg:medium

これだけ地域に貢献するイベントなら、広報の機会だと考えるでしょう。

3.1 36万円の係留料を払う価値はある。

佐世保のイベントには、民間岸壁にミサイル艇が係留されました。

ミサイル艇(200トン)が民間岸壁に係留すると、長崎港だと約36万円を海自から長崎市に支払うことになります。
(海自艦艇が民間港に入港すると、係留料が必要です。在日米軍艦艇は免除になってます。)

海自にとっては、約36万円の係留料を支払ってでも広報価値があると判断できるイベントになったといえます。
(関連記事):『 【面白話】海上自衛隊とカレーにまつわるお話

まあいつも海自広報が乱心しており、通常営業かもしれません。

3.2 説得したイベント実行委員会すげえ!

海幕と共に佐世保地方総監部にも、イベント協力について説明と説得をしなくてはいけません。

図8 ミサイル艇
図8 ミサイル艇.jpg
引用URL:https://twitter.com/jmsdf_srh/status/1377455180883451907/photo/2

佐世保総監にしてみれば、貴重な実働兵力なのに海峡監視任務で忙しい状況です。

ミサイル艇も、普段の運用は自衛艦隊が行っており簡単に出せるものではありません。

それでも地域活性化のために必要として、佐世保音楽隊も共に派出してくれました。

ホントに説得した熱意がスゴイと思います!
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2023年05月16日

海上自衛隊いなづま修理が数年がかりになる理由について!

『しらねの200億円よりはマシかな(白目)』
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2023年1月に発生した、護衛艦いなづまの座礁事故について最初の修理概算額が出てきました。

修理費40億円で、修理に数年かかることになりそうです。

図1 護衛艦いなづま
画像1 いなづま.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/dd/murasame/#105-13

何でそんなにかかるんだ?!なんて思うかもしれません。

しかしこれは、海上自衛隊の苦しい後方支援基盤も関係してきます。
(関係記事):『【 海上自衛隊】修理費があ!修理費がああ!「いなづま」の件に思うこと! 』 
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(1)修理費と造船所ドック不足が絡んでくる!

すぐにドックに入れて修理できないのか!なんて意見もあるかと思います。

図2 駆逐艦コール
図2 駆逐艦コール.jpg
引用wiki

米海軍のように、すぐに大修理ができるほど海自の後方支援体制は整備できていません。

1.1 2023年度予算でひねり出すのは厳しい!

2023年度予算をやりくりすれば、約40億円くらいすぐに出せると思われがちです。

しかしながら、他の艦艇の定期検査・年次検査を中止するわけにはいきません。

図3 修理のドック入渠
図3 修理入渠.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/oominato/butai/orsf/images/hamagiri003.jpg

ここに予定外の、緊急修理の費用が出てくると予算のやりくりが大変になってきます。

海幕を中心に、必死に予算をかき集めて捻出することになります。

定期検査等の造船所工事分を、乗員修理に変更したり部品交換の先送りなどで費用捻出になります。
(その分艦船乗員に負担がかかってしまう。)

当然、艦艇の稼働率にも影響してくるのでギリギリのところで妥協する形になります。

艦船修理費は、ポンポン出てくるものじゃないんですよ。

1.2 潜水艦そうりゅう修理でかなりの額が圧迫している。

護衛艦いなづまは、呉を母港としていますがおなじ呉の船で潜水艦そうりゅうの修理がまだ終わったわけではありません。

図4 そうりゅう状態
図4 そうりゅう事故.jpg
引用wiki

2021年2月8日に事故を起こして、まだ修理が続いています。

修理を担当する呉造修補給所としては、ただでさえ修理費用が掛かっているところにいなづまの事故が来たことになります。

護衛艦ががの特別改造も行っているので、相当な修理費用の圧迫になります。

1.3 造船所の修理ドックは開いていない!

破損したプロペラや舵の修理は、造船所のドックに入渠して行うことが必要です。

図5 破損したプロペラ舵
図5 破損したプロペラ舵.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/FGlXtLZWQAgaJaw?format=jpg&name=medium

おそらくこのくらいの破損状況と推定されるため、プロペラの組みなおしと舵可動部の大修理が必要になります。

しかしながら、造船所としても修理スケジュールが詰まっているところに「早急に修理して!」とと凹まれても困ります。

呉地方隊の警備区内では、

・JMU因島工場(今回の定期検査担当事業所)
・JMU呉工場(護衛艦かが特別改造実施中)
・三菱マリタイム玉野事業所(FFM建造中)


の3つの事業所でしか、護衛艦検査修理ができません。

航行不能の状況を考えると、この3事業所で修理の隙間を縫って修理を行う形になります。

そのため、修理に数年かかると報道されたのです。
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(2)まずは自力航行可能に回復させることが優先!

座礁事故により自力航行不能となった、護衛艦いなづまについては自力航行可能にするのが優先です。

図6 ドック中の米艦艇
図6 ドック中の米艦艇.jpg
引用wiki

まず2023年度中には、自力航行可能にするのが目標になるでしょう。

2.1 自力航行できなければ始まらない。

1回の修理で完全に修理完了となるのが理想ですが、他の艦の修理もあるのでまずはプロペラと舵の修理です。

図7 プロペラと舵
図7 プロペラと舵.jpg
引用wiki

画像は、揚陸艦「ボノム・リシャール(LHD-6)」のプロペラと舵の写真です。

2010年に米国での修理の際に撮影されたもので、かなり大きなものになります。

とにか優先すべきは、自力航行可能になるようプロペラ交換と舵修理でしょう。

予備品などを活用しても、10億円以上の修理費がかかるといえます。

ドックに入渠と、重量物交換のクレーン費用は結構シャレにならない高額な費用になります。

2.2 自隊保有ドックが少ない弱さが露呈している。

本当ならば、海上自衛隊が自前の修理用乾ドックを持つのが良いのですがそんなにうまくいきません。

図8 大湊1万トンドック
図8 大湊1万トンドック.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/oominato/butai/orsf/images/dock01.jpg

自前で管理しているのは大湊造修補給所の1万トンドックのみです。

横須賀には、米軍基地にある1〜6号ドックがありますが米海軍の修理が優先されることになっています。
(日米地位協定第2条第4項(a)の規定が適用される。)

佐世保・舞鶴・呉造修補給所については、基本的に民間造船所ドックに修理を注文することになります。

海自艦艇修理の後方基盤は、非常に不安定な状態なのですが海自が自前で乾ドックを持てなくなったのは歴史絵的な理由もあります。

2.3 軍転法という制約

これには軍転法(旧軍港市転換法)という法律で、横須賀・呉・佐世保・舞鶴の旧海軍用地が民間に解放された結果があります。

図9 JMU呉工場
図9 JMU呉.jpg
引用URL:https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/image/33295.JPG

かつて戦艦「大和」が建造された、呉海軍工廠も戦後すぐに民間に払い下げられました。

現在は、JMU呉工場が使用しています。

大湊だけが軍転法の対象外となったので、何とか海自が旧海軍ドックを持てたのです。
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(3)問題はソーナードーム交換かな?

問題は、損傷したという艦首のソーナードーム交換でしょう。

図10 バウソナードーム
図10 ソナードーム.jpg
引用URL:https://i.ytimg.com/vi/a8hS5xN_BdI/maxresdefault.jpg

ラバードーム交換は、かなり手間のかかる作業です。

3.1 ラバードーム交換だけで済むかな?

ニュース情報だと、艦首のソナードームにも損傷があるとの情報があります。

図11 ソナードーム
図11 ラバーウィンド.png
引用URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11502835/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/kouritsuka/rev_gaibu/pdf/2017_01_shiryo.pdf

米軍とは違う形状の硬質ゴムであり、ソナー機器を保護するソナードームを使用しています。

内部はスチールワイヤーで補強がされており、破けにくくなっています。

これが厄介なもので、もしかするとラバードーム交換直後の事故かもしれません。

予備品のラバードームと交換するだけで済めばいいですが、もしかするとソナー素子に異常があるかもしれません。

3.2 ソナー素子交換だと厄介だぞ〜!

ソナーについては、多数の素子が使用されています。

図12 ソナー素子
図12 ソナー素子.jpg
引用wiki

だいたいこんなようなものが、中にあると思っていただければ幸いです。

下手をすると、ソナー素子にもダメージが来ており損傷があるかもしれません。

一度全部のハイドロフォンアレイを、陸揚げして分解点検する必要が出てきます。

それならば、先にプロペラと舵だけを交換して自力航行可能にするのが優先となるでしょう。

なかなか厄介な状況です。

3.3 自前の浮きドックが欲しいねえ!

海自で艦船修理をしてた時は、自前の浮きドックが欲しいと思ったことが多々ありました。

アレがあれば、乾ドックを占有せずに修理が行えるのでうらやましかったところがあります。

弾薬備蓄増加もいいですが、できれば海自後方支援に浮きドック1隻が欲しいものです。

今後の修理状況に注意が必要ですよ〜!
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