仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2023.09.01
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カテゴリ: 仙台


利府街道の小畑酒店の角から細い道に分け入る。東北本線「小鶴踏切」をわたり、小鶴城跡を探訪する。
(関連記事  御立場町 (2023年09月02日)、 大須賀森(鶴ヶ谷カトリック墓地) (2023年09月04日)、 比丘尼坂 (2023年09月05日))





上の地図の細長い屋舗公園の入口に、スーッと高く新しい感じの標識があった。





振り仮名は「こづるじょう」だ。側面の文書を読む。(以下)
この城跡は仙台市の東部、宮城野区新田に所在し、標高10m程の低い丘陵地に位置する。『仙台領古城書上』には、小鶴村の「小鶴城」として「東西60間、南北36間」とあり、また、小鶴村『風土記』には「古館」として「竪38間、横27間」との記録がある。城の本丸は、屋舗と呼ばれる低地より少し西寄りにあたる伝上山というやや高い丘の上にあったと言われている。また、丘陵を取り巻く形に幅5mに及ぶ水濠があったと言われており、その名残が本丸跡の西側や北側にみられる。
平成13年に西端部で発掘調査が行われ、堀跡などが発見されている。
贈 仙台東ロータリークラブ


公園の南が小高い丘で、ここが本丸だったのだろう。


公園から北を望むと、東北新幹線と東北本線。


■岩切市民センター岩切歴史散歩の会「いわきりの息吹き」64ページ(御立場町から小鶴城跡へ)
(あとがきに、平成3年3月1日編集者伊藤敏、とある。仙台市岩切市民センター図書室にて)
 小鶴城跡と云うからさぞ木立があって遠くからでもわかる様な場所と思いながら歩いたが、それらしき物が見当たらず道端の小さな案内板を偶然見つけた。これがなかったら見過ごしてしまいそうだ。平地にポコンと盛り上がった饅頭のような小さな丘がそれであった。周囲はすっかり住宅に埋められて城らしき雰囲気はまるでなかったが頂上へ出ると平場があり作業小屋のような建物が一つあった。ここが本丸の跡とのこと。
 この平場の北西側は杉林となっており、その中に小さな祠があった。熊野神社と云う。往古は水濠をめぐらせた平城で、高さ20m、東西200m、南北100mの規模で室町時代末期ごろ構築されたものと云う。
 安永3年(1774)9月の風土記によれば、逸見丹波という人が館を構えたとある。昭和50年頃は水濠跡で蓮根の栽培が行われていたと云うから記憶されている方もあると思う。今その面影はない。
 この城の南東側に小鶴池があった。今は埋められて資材置場や倉庫となっている。小鶴池の伝説は日本中どこにでもある伝説といわれており、昔の農村の形態を物語るものと思われる。
 「小鶴池往古は當村沼新田の内桑木橋と申す所の東に在りしが明暦年中新田開発致し候」
 古歌「千とせをはひなにてのみや過しけん小鶴の池と云いて久しき」藤原敏行朝臣 安永風土記より
 小鶴城の北側を廻り帰路につく。ここは昔の水濠跡であろうか細長い公園になっている。名前は屋舗(やほ)公園だった。昔何があったのだろうと考えさせられる。

この小鶴城跡の地図を見ると古碑が二つあり、又、安永風土記を見ると経塚があることになっているが、どちらも見付けることができず残念だった。
 経塚は風土記に「げっそう壇廻り9間、右は何年頃に御座候哉三浦げっそうと申人法華経壹部八巻埋候塚之由、即此処をげっそう壇又は経塚とも申来候事」と書いてある。廻り9間というからかなり大きい塚であったものと思われる。

小高い丘の高い場所で、見上げた電柱の表示はこうだった。


■小鶴ケ池(同上資料から)
 朝日がよくさす丘の中腹に、大きな屋敷を構え、多くの田畑を持ち、大勢の人を使っている一人の長者がいた。たくさんの米を収穫し、その籾がらが小山のように積っているので、近所の人々はそれを糠塚と呼び、その屋敷を長者屋敷といっていた。この長者は欲が深く、人使いが荒く、世間からはおそれきらわれていた。此の家に、小鶴と云う女が働いていたが、或日主人に千刈の田を植えるようにと命じられ、自分の子供を背負いながら、夜明けと同時に田植えを始め、やっと千刈の田を植え終えたのは夕暮れであった。背中の子供に乳をやろうとおろしてみると、子供はすでに死んでいた。小鶴は悲しさの余り、ただ呆然として子供を抱いたまま、田圃道をあてもなく歩き廻り、一つの大きな池につきあたった。いつしか夜も更けて、空には明るく月が照り、池の水に小鶴のあわれな姿がうつり、その影を追うように小鶴は池の中に沈んで行った。
 翌朝、近所の人々が池の水面に浮かんでいる小鶴親子の姿を見つけ、手厚く葬ってやり、この池を小鶴ヶ池、ここの部落を小鶴と呼ぶようになった。
(岩切歴史ものがたり より)

下の地図は、上記資料「いわきりの息吹き」の散策案内だ。



■関連する過去の記事 --- 岩切・燕沢・東仙台を中心に
(なお、ほかにもありますので、フリーページの記事リストご覧ください。)
大須賀森(鶴ヶ谷カトリック墓地) (2023年09月04日)
御立場町 (2023年09月02日)
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最終更新日  2023.09.08 14:38:25
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