デフレの正体 0
原発 0
体罰 0
糖質制限食 0
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私:脳の知的街道は、「コンピュータが連れてきた子供たち」、「バカはなおせる」、「脳のからくり」、「『海馬で記憶が保存される』と考えてはいけない」、「赤ちゃん・成長の不思議な道のり」とつながってきたね。 この本の著者は、行為と自己認識に関する脳内メカニズムの研究をする「認知神経科学」という新しい分野の第一人者だという。A氏:子育てのことが書いてあるのかね。私:サブタイトルがちょっと営業的だね。 子育てもふれているが、成人についてもふれている。 もとの題名が「The Learning Brain: Lessons for Education」だから、「学習する脳:教育への学習」とでもいうのかね。A氏:例の小学校で英語をやるか、やらないかという議論があるが、脳科学的には有効なのかね。私:幼児教育については、ある程度の効果はあるが、やりすぎは問題だと言っているね。 しかし、語学学習に関する脳の研究は新しい内容があったね。 それは文法と意味(言葉)は脳内の異なる神経系によって処理されているらしいんだね。 だから、子どもが英語を習い始めたのが4才でも7才でも12才でも意味のある単語(cat, house, car )を処理する脳の位置は同じだという。A氏:そうすると、別に小学生で英語を急がなくてもいいのかね。私:ところが文法が問題なんだね。 1才から3才で英語を学習すると文法処理( up, of, from などの語彙が関係する)は脳の左側が働く。 ところが英語に初めて触れた時期が遅いほど、両側の大脳半球が強く活動する。A氏:要するに、英語に触れるのが遅いと文法を処理する脳の活動が違ってくるというわけか。私:そのため文法の成績がよくないという。 これは文法の学習が身につけにくいということでなく、両側の脳を使うのでかえって難しい学習方法をとっていることが問題なのではないかという。A氏:文法は13才過ぎても学習できるが、効率は悪いということかね。私:この場合、週何時間くらいの学習が効果的かは実験していないようなので、小学校で英語をやるメリットまでは結論は出ないだろう。 しかし、この外国の研究をヒントに、日本では小学校の英語必修論は、「早いほど良い」という感覚的な論議でなく、こういう科学的な側面からの研究も必要ではないかね。 一方、英語をペラペラしゃべって、中味がない人間に育ってもしょうがないだろうというのも一理あるね。 理想は両者を並行することかね。 何ごともバランスがむずかしいがね。A氏:暗記はよくないのかね。私:この本では、暗記は脳科学が答えることができる問題だが、それを検証するような研究はまだ行なわれていないという。 俺たちの小学生時代は、神武天皇から全部の天皇の名前を暗記したね。 それを戦後使わなくなって、もう60年たつが、未だに10代目くらいまでは出てくるから、小さいときの暗記というのはすごいね。 ところで、この本は脳の学習一般論だから、成人の脳も扱っている。 老人の脳も老年になると多少能力は減退するが、脳は新しい情報を得ているという。 学ぶに遅すぎることはないという。 興味があったのは、ロンドンのタクシー運転手になるための学習だね。A氏:ロンドンではタクシーの運転手になるにはロンドンの地理の知識テストがあるそうだね。私:そうだね、ロンドンの全部の道路と主要な建物を全部暗記が必要だ。 運転手について脳の研究をしたら、海馬後部の大きさが常人より大きかったという。 それは運転手になってからだという。 それから、睡眠と学習も関係があるね。 睡眠中の脳も活動している、再活性化している。 それから30分から60分の昼寝も成績向上に貢献するという。A氏:昼寝は長すぎるとダメらしいね。私:脳と情動も関係するね。 マシュマロのテストというのがある。 4才児を部屋に入れ、机の上にマシュマロを置く。 実験者は子どもに物を取りに行くので5分間、部屋を出るが、その間、マシュマロを食べていけないという。 そして、帰ってくるまでマシュマロを食べずにいれば、2つのマシュマロを食べえられると子どもに伝えた。A氏:4才だとほとんど食べるのではないの?私:ほとんどの子が食べてしまったそうだ。 この年齢の脳は自制する前葉頭が成人ほどに完全に発達していない。 さらに興味があることは、もっとも自制心のあった4才児が10才児に成長したときに、衝動的だったクラスメートに比較して学校の成績がよかったという。 自制心ある子どもは忍耐力、集中力において高得点であるだけでなく、認知テストや論理テストでも高得点であったという。A氏:自制心のないすぐ切れる子は学習でも社会生活でも問題なんだね。私:しかし、そのメカニズムの要因はまだわかっていない。 それと食事と脳の学習能力も重要だとしているね。A氏:最近、朝食を取らない小学生児童が増加して、自治体で朝食を給食していたところがあったね。私:少子化で子どもが減っているのに、その子どもに金があっても給食費を払わない、朝食は作らないという親がいる。 がめつい経営者のようだね。 一方で、ワーキングプアのように本当に金がなく、朝食を作れない家庭があるかもしれないね。 教育再生は、そういう親の再生から始めないとお念仏で終わるかもね。
2007.02.26
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私:今日、車で5分くらいのところにいる娘の孫が2人遊びに来た。 上の孫は男で幼稚園の年少組で4才だ。 先週、幼稚園で先生との面談があり、娘が行った。 そしたら、先生が孫のことを仲間に対するしゃべり方がやさしいので、家庭では育ちがいいのではないかと言われたらしい。 ところが、孫はアニメのクレヨンシンちゃんフアンだ。 あのアニメは、大人の言葉使いが荒い。 だから、娘は先生のほめ言葉に面食らったらしい。 面談が終わり、娘が孫2人を連れて帰ろうとして、幼稚園のグランドを横断したとき、グランドに幼稚園バスの運転手がウロウロしていた。 その運転手に向って孫が大きな声で言ったね。A氏:何と言ったのかね?私:「仕事をしなさい」だよ。A氏:私:まぁ、もう先生は見ていなかったが、見ていたらビックリしただろうね。 運転手は人のいい中高年で、園児からは普段、あだ名で呼ばれていたらしい。 運転手はうれしそうにニコニコ笑っていたそうだよ。A氏:それはそうだよ。 可愛いいくらいの発言だね。私:運転手はちょうど、運転の仕事を終わり、グランドで一休みしていたんだろうね。 彼には次にグランド整備の仕事があるのでその準備していたんだろう。 その移動中のスキを突かれたね。 別な話だが、あるとき、先生が頭に来たらしい。 先生が園児の移動を指示しても、園児がバラバラで勝手な動きをしていたからだ。 そうしたら、いきなり、孫がその先生の顔色を見て「先生の頭に角が出ている」と大きな声で言った。 その声でバラバラだった二十数名の園児の動きが先生に集中し、それぞれ「角が二本出ている」「鬼だ」「ナマハゲだ」「やっつけろ」と連呼して、ついに先生に襲いかかったと言う。A氏:群集心理だね。 しかし、先生にとっては思いがけない可愛い展開だね。私:だから、先生の孫の評価は、発言の声が大きいので、クラスがその声につられて動くということらしい。 「ナマハゲ」事件はその一例らしい。 運転手に「仕事をしなさい」というのは、大人に対する発言だね。 同じように、俺が孫の前で女房とちょっと言い合いをすると、いつの間にか、俺のほうに飛んできて、俺に向って「ジジ、そういうことは言ってはダメです」というから面白いね。 「先生の頭に角が出ている」も大人に対する発言だね。 子供は大人をちゃんと見ているね。 だから、教育といっても、大人のほうがしっかりしないとね。 こないだのタウンミーティングの一連のゴタゴタは孫に見せられないなぁ。 孫に「お役人は仕事を真面目にしなさい」と言われそうだね。
2006.12.17
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A氏:君は12月2日の朝日新聞の「私の視点・ウイークエンド」で労働ビッグバン反対論をとりあげたが、この欄では別に、広報コンサルタントのフォスター敬子氏が小学英語について、ユニークな提言をしているね。 君の小学英語街道は、ピーターフランクルさんのはなし、朝青龍のはなし、英語はいらない、I am apple 、発音の問題と続いているね。私:俺もこのフォスター敬子氏の記事を読んだよ。 筆者は多国籍企業を顧客としてコミュニケーションのアドバイザーをしているおり、その関係で語学教育に関心があるという立場だね。A氏:そして英語よりまずは国語をしっかりすべきであると思っているというね。私:そうかといってもそれでは済まされないので、中間をとった案を提言しているね。 会話重視でなく、小学校5年、6年の2年間を系統だった英語の基礎学習にあてるべきだという。 まず 「英語は主語から始める」という特性を幾つかの基礎動詞を使って体得させることだというね。 体得とは九九を覚えるように繰返し自然に覚えることだという。A氏:君は以前、I am appleという間違いでもいいから、まず、アイを先に押し出していうことに、多少の意味があるのでは言っていたね。 こんな英語でも「主語を先に押し出す」という発想訓練として意味があるのかね。私:皮肉で言ったんだがね。 筆者の理屈にはそれなりの合理性はあるが、一方で日本語のように主語をあいまいにするという表現方法と混乱しないかなぁ。A氏:もう、小学高学年になっていて、国語がある程度できていれば、混乱しないで使い分けるのだろうかね。私:筆者は結論として英語を効率よく教えることで時間を浮かせ、その分、国語の勉強を充実させるのに使ってはどうかと言っているね。 うまくまとめたね。 それにしても、日本人に英語を教えているネイティブや日本人でも専門で英語をやっている人は、英語コンプレックスがあまりないせいか、まず、国語を重視する傾向にあるね。 英語よりも日本語で論理的な表現力の訓練をすることを重視しているせいかね。A氏:そういえば、君の言った週刊朝日でホリエモンのインタビュー記事を読んだが、林真理子のNHKの「クローズアップ現代」のキャスターの国谷裕子氏との対談があった。 国谷氏は英語はペラペラだが、いわゆる帰国子女の体験があるんだね。 俺が興味を持ったのは、国谷氏は海外にいると「日本人のあなたはどう思っているの?」といきなり日本代表にされていろいろ周囲から問いかけられるという。私:俺も読んだね。 意見を持たない人はそこに存在しないという扱いを受けたという。 そこで自分のアイデンティティーをきちんと持つためにアメリカで就職しないで日本に帰ったそうだね。A氏:彼女は自分の体験から、自分の国のことをしっかり知って、自分の国はこうだとはっきりいえるような知識や自信を持つ人が本当の意味で国際的な場で活躍できるというね。 英語ができる人はやはり、日本語できちんと自己表現ができることを重視するね。 まあ、それにしても日本語にない発音の自然な習得は9ヶ月の赤ちゃんの脳で終わりだというからね。 L音とR音の違い、TH音、F音、V音などはどうなるのかね。 これはついてまわりそうだね。私:塾の先生の体験談もあるね。
2006.12.06
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私:先月俺が風をひいたんだが、4才になる孫がその前に似た症状だった。 幼稚園でもはやっいたね。A氏:君は直ったの?私:どうにかね。 長かったね。 ところが先月末、ちょうど6ケ月になる孫が鼻水が出て咳が出るんだね。A氏:風邪かね?私:熱が出たので、娘が医者に行ったらRSウィルス感染症だという。 娘も聞いたことがない病名らしかった。 6ヶ月だし、あまり熱がないので様子をみるということになった。 2ヶ月未満で熱が出たらすぐ入院ということらしいね。 さいわい、その後、熱は出なかったし、1週間くらいで咳もおさまったがね。 一時は、ゼーゼーという呼吸音をしていたよ。 悪化すると喘息になりやすいそうだ。A氏:RSウイルス? 俺は聞いたことがないね。私:最近、よく言われるみたいだね。 10月から3月にかけてはやるらしいね。 よくきくワクチンがないらしく、幼児が母親から受け継いでいる抗体でもだめらしい。 特効薬もないらしい。 熱が出たら早期の手当てが必要だというしかないようだ。 2ヶ月以下だと熱を出して肺炎を起こし、死亡することもあるという。 娘のマンションでも入院した乳幼児が何人かいるというね。 今まで、乳幼児の風邪だといって軽く見ていたが、怖い病気だね。 2歳頃までに、ほとんどの子どもが感染するといわれている。A氏:そのウイルスはすぐにわかるの?私:鼻水を分析するとすぐにわかるらしい。 とにかく、2ヶ月以下の幼児は重症になりやすいから、周囲もウイルスをまかないように要注意だね。 簡単に感染するらしい。 風邪をひいたら、こまめに手を洗い、うがいをし、温度や湿度を適当に保ち、安静が第一とのこと。 入浴もよくない。A氏:2ヶ月以下の乳幼児の風邪は軽く考えてはいけないんだね。私:特に咳を伴うときはね。 それに、高齢者も関係あるらしいよ。 抵抗力、免疫力が落ちているとひどくなるらしい。 俺は鼻炎らしいが、ひょっとしたらRSウイルスかもね。 まさに風邪は万病のもとだね。
2006.12.02
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A氏:昨日、テレビの「大田総理---秘書田中」の番組でいじめ問題を扱っていたね。私:俺もみたよ。 最近、マスコミのいじめの扱いはすごいね。 朝日新聞は一面で毎日、交替でいろんな人がいじめで呼びかけているね。A氏:俺も読んでいるが、いじめられている者に対するものから、いじめている者に対する呼びかけなどいろいろあるね。 いじめられている者に対しては、いじめから逃げて避けるべきだという意見から、毅然とすべきというのもあるね。私:どれも自殺は絶対してはいけないというのは共通しているね。 しかし、自殺となると、次元が異なってくるように思うね。 思春期というのは自殺願望が強いからね。A氏:自殺というのはいじめに対して学校を変えると同じように、逃げじゃないの? 人生からの逃避だね。 死んだら楽になるか、別の世界に飛び込める幻想を見ているのではないの? やはり逃げる心理は危険だと思うね。私:テレビで自殺まで考えた生徒のことを先生が体験談で言っていたが、自殺するような子は視野が狭くなっていて、それしか考えなくなっているらしいね。 「ブタブタと言われていじめられている」子に対して「ブタで結構だ」と言い返せというと視野が広がって、自殺願望が消えたという。A氏:発想の転換、拡大だね。私:森鴎外に寒山拾得という有名な坊主の話がある。 頭痛で困っていた高級官僚がいた。 まぁ、一種のノイローゼだろうね。 僧が来て簡単な方法で直してやるという。 僧は椀になみなみと水を入れ、これをこぼさないように持つ。 官吏が水がこぼれないかと注意が椀に集中する。 その瞬間、僧は官吏にフット息を吐きつける。 官吏はハッとして途端に頭痛が治ったという話だよ。A氏:同じように自殺も自分を追い込んでいるんだね。 だから、大人が追い込むとますます、追い込まれるんじゃないかね。 ちょっと客観視できるといいんだがね。 自分とは別に広大な未知の世界があることを知ることとかね。 スポーツをするとか、世界旅行に連れて行くとか。感動できる芸術品を見るとか。 あるいは、家を「頭のいい子の家」に改造するとかね。私:俺もこの番組でいうように「いじめをなくそう」という仰々しいキャンペーンは意味がないと思うね。 老人の日みたいに、その日だけキャンペーンをするような感じだね。 いじめに限定せず、家庭や学校での日常の子どもとの接し方のほうに焦点を合わせるべきだよ。 「いじめをなくそう」では、具体的な活動は出てこないものね。
2006.11.25
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A氏:君の風邪はどうだい?私:峠を越したようだね。 咳と痰がひどかったが、頻度が減ってきたね。しかし、異常にしつこいね。 熱は出ないんだね。 ようやく軽いウオーキングを開始したよ。A氏:お孫さんが最初風邪をひいたのでは?私:こないだ遊びに来たときは、まれに軽く咳をすることがあるが、ほとんどなくなったね。 相変わらず元気はいいね。 ところが驚いたことに、孫の組は23名くらいだと思ったが、なんと最近、出席者が9名まで落ちたという。 保育園では風邪をひいた子は預かりを断わられたところもあるという。A氏:かなり風邪がはやっているんだね。 そういえば、俺の孫は地方にいるんだが、聞くところによるとそっちもはやっているらしいね。 症状も熱がないが咳が出るらしく似ているね。 全国的な傾向かね。私:皮肉だね。A氏:何が? 私:9名だと先生の面倒見がいいせいか、孫は幼稚園生活がますます楽しくなっているようだね。A氏:それにしても、早く終息してほしいね。私:気候の変化が異常になっているのかね。 今日は温度は上がるが、明日からまた、下がるらしい。 アップダウンだね。
2006.11.14
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私:10月22日にNHKスペシャルで「赤ちゃん」をやっていた。 俺は用事があったので録画だけしておいた。 今日、見たよ。 脳細胞は、生後、増加して、数ヶ月で減少するという。 周囲が使っていない発音を識別する細胞は9ヶ月くらいで急速に減少するという。A氏:要するに脳は赤ちゃんから次第に発達するのでなく、最初はいかなる状況にも対応できるように肥大になっていて、その後、周囲の環境に対応して必要なものだけを残し、他は削除していくんだね。私:一種の環境適応の効率化だね。 このスペシャルで俺が特に興味をもったのは、「密接な社会関係」が成長と深く関係していることだ。A氏:あぁ、昨日の動物園の話に出てくるやつだね。私:これはアメリカの大学での実験だが、赤ちゃんに中国語のビデオを何回も見せる。 そして中国語を学習していない赤ちゃんと比較する。 差がない。A氏:アメリカだから、赤ちゃんの日常は英語環境だね。 中国語は外国語になるが、ビデオでは外国語学習は効果なしか。私:ところが、実際にそのビデオに出演している中国人が全く同じことを目の前で、別の赤ちゃんグループにやるんだ。A氏:フェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションだね。私:そうすると格段の中国語の習得になるという。 その大学の教授は、これは言語だけでなく、あらゆる社会的な学習で重要な要因は赤ちゃんの社会的な関係だという。A氏:昨日の動物園の話のように核家族化は大変な失敗だったんだね。私:さらにテレビで興味があったのは、赤ちゃん同士の「密接な社会的関係」だ。 ときどき一緒に遊ばせると、大体、同じ年頃でまだ這えない子、這っている子、つかまり立ちしている子とばらつくね。 ところが、その赤ちゃん同士の出会いの後、這えない子が這うことをトライしだす。A氏:なるほど、赤ちゃん同士の「密接な社会的な関係」による成長だね。私:このスペシャルの説明では、脳的には英語を小学生でやってももう遅いということか。 9ヶ月までにネイティヴの英語発音の環境でないと英語音の識別能力はなくなるからね。 英語だとLとRの違い、TH音、F音、V音などだね。A氏:例の朝青龍のモンゴルでは、赤ちゃんはどういう言語環境にあるのかね。私:モンゴル語のことは専門でないが、おそらく、発音が多様な環境が継続するのだろうね。 その点、日本語は単純な音だけでできているのではないの?A氏:日本人は外国語が不得意なのは、もう、9ヶ月できまっているんか。 小学生から英語をやるなら、自然なL音とR音の違い、TH音、F音、V音などは諦めるべきかね。 それとも、赤ちゃんに聞こえるようにCNNのテレビでもつけ放しにするかね。私:いや、さっき言ったように、テレビ音ではだめみたいだ。 原始的なフェイス・ツー・フェイスの「密接な社会的な関係」でのコミュニケーションでないとね。 そういえば、昨日、「密接な社会的な関係」のない人工哺育のオスのチンパンジーは交尾ができないといったが、チンパンジーの交尾のビデオを見せると勃起はするというが、やはり交尾はできないという。 同じだね。 電子機器の制約かね。 英語ロボットでもだめだろうね。 やはりイーメールでなく、なんでもフェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションやトレーニングが基本であるし、効率的なんだね。 また、その考えが犯罪防止にもなるかもね。A氏:人間はやはり動物だね。 それも社会的なーーー。 「人工哺育」や「都市化」に弱い。
2006.10.26
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私:昨日の土曜日の午前は、幼稚園の孫のさつま芋ほりの手伝いだよ。A氏:天気もよかったから何よりだね。私:孫の幼稚園は園長が農家をやっているので、幼稚園のすぐ近くにこじんまりした畑があるんだよ。A氏:園児は全部で何名くらい?私:百名をちょっと超えるのかな。A氏:それが一度に芋掘りでは大変だろうね。私:いや、一度にやらないでまず、年少組の20人くらいが先に掘る。 それが終わる頃、年中組、そして次に年長組と順次やるんだよ。 場所がそれぞれ別にきまっているんだ。 もう、芋の葉を取り払ってあって、茎だけ土中から出ているだけだ。 そして、一人の園児に4株を均等に割り付け、白線を引いてあった。 そこを各自集中的に掘るわけだ。A氏:俺は都会育ちだから、さつま芋ほりの記憶はないね。 掘るのは簡単かね?私:芋ほりなんて子供時代にした記憶があるくらいだから、久しぶりだったよ。 しかし、芋をきずつけないように、周りから深く掘るので大人でも大変だよ。 ましてや、子供が一人ではムリだね。 幼稚園が家族の参加を要請したのも分かるね。A氏:4株で何個くらい、さつま芋が掘れた?私:案外、土が固くて、30分くらいかかったかね。 13個とれた。 一個だけ幼稚園に残す。 来週、それで幼稚園で焼き芋でもやるらしい。 後は、家にもって帰って、昼食に、早速、ふかして食べた。 掘りたては何故かおいしかったね。 面白かったのは、土を掘るとみみずだのダンゴ虫が出てくるのだが、子供たちがこわがらずに取って、幼稚園の先生が用意した虫かごに入れていたことだったね。A氏:都会の子は自然にいる虫を嫌うのではないのかね。私:他の幼稚園の対応は知らないが、この幼稚園は自然重視だから園児は虫をこわがらないようだね。
2006.10.22
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私:昨日(土曜)、孫の幼稚園の運動会があったんだ。 子供の運動会を見るのは久しぶりだね。A氏:金曜はすごい雨だったね。 風もすごかったから、運動会は大丈夫だったの?私:それが朝は晴天となって、なんとか実施できたよ。 グランドの多少の水溜りは砂を埋めたのかな。 日中は、だんだん、日差しが強くなり、空も青く、運動会日和となったね。 暑いくらいだったね。 今日だともっとよかったかもしれないが、準備の都合もあったようだ。A氏:よく子供のかけっこでは、順位をつけず、最後のゴールは手をつないでするという話を聞くが、君の幼稚園はどうだった。私:それはないね。 堂々と順位がついていたね。 うちの孫は、3人ぐらいで走るゲームですれすれで一位になったが、最後にクラスに帰って先生から、一人ひとり「運動会でよかったことは?」と聞かれて「かけっこ」と言っていた。 後で聞いたら、そのゲームのかけっこだった。 まだ、年少組みだから、あまり、はげしい個人競争はまだないが、競争心はあるようだね。A氏:通常、幼稚園は、年少、年中、年長とあるが、成長期だから大分違うだろうね。私:驚いたのは、最後にやった、年長組の組み対抗リレーだよ。 1組、5人くらいのリレーだから、選抜されたのだろうが、ものすごいスピード走っているね。 3年くらいの幼稚園生活であれだけ成長するのだね。 将来、頼もしいね。A氏:君のところの幼稚園は自然とのふれあいを重要視しているようだね。私:それと関係あるのかしらないが、対人関係もそうだね。 先生の毎月の手紙も手書きだね。 父母への連絡も手書きだね。 パソコンゼロだよ。 だから、運動会のプログラムのパンフレットも手書きだよ。 たしかに、肉筆は人間的な貴重価値があるね。 パソコン文書もきれいで効率的だが、なにか貴重なものを犠牲にしているのかもしれないね。A氏:そう言えば、ちょうど、俺のビデオデッキのHDDが一杯になってきたので、昨日、過去にとっていたのをチェックして不要なものは削除していたが、その中で日本人のモラル低下を特集していたNHKのクローズアップ現代があった。 評論家の江川女史が、モラル低下の原因の一つにフェース・ツー・フェースの会話が減ったことをあげていたね。私:こないだ、ある会社での打ち合わせに出たのだが、その1週間前にある課長と決めたことが進んでいないのでそれが話題になった。 進んでいないのは別の課長の遅れの責任だったんで、2人の課長が俺の目の前で議論になった。 遅れた責任の課長は「俺はそんなことは聞いていない」という。 別な課長は「連絡したはずだ」という。A氏:水掛け論かね。私:そこで俺は聞いたんだ。 どういう連絡方法で、かつ、二人の机はどのくらい離れているのかとね。A氏:なるほど、適切な質問だ。私:なんと、イー・メールでの連絡で、しかも、机は隣り同志なんだよ。 1週間も対話がなかったのだろうね。 フェース・ツー・フェースの対話に一種の恐怖感か軽視でもあるのかね。A氏:企業の体質もあるのかもね。私:いずれにせよ、孫にはそういう大人になってもらいたくないね。 そういう点で、泥だらけで遊ぶこの幼稚園のやり方は賛成だね。 今月末には、幼稚園の百坪くらいの畑でサツマイモ堀があるよ。 それも都会に住む孫として自然とのふれあいという面で重要なイベントだね。
2006.10.08
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私:近くに住んでいるうちの孫は4才になったばかりで今年、初の幼稚園の夏休みを迎えたんだ。 そこで、幼稚園から夏休み中やる自主的な宿題が課せられた。 考えたのは、家で飼っている金魚の餌を毎日、欠かさず与えるというもので、餌を与えるとカレンダーのようなチェックシートの紙をクレヨンで塗るというの。A氏:よくやる方法だね。私:夏休みが終わり、幼稚園の先生に母親の感想とともにその完成したカレンダーを提出した。 そのとき、娘は母親の感想として、わが子が金魚に愛情を感じたようだと追記した。A氏:それはよかったのではないの。私:そうではないのだ。 夏休みが終わると、急に餌をやらなくなったので、餌をやるように子供言ったら、「もう、カレンダーを塗らないでよいのだから、餌はママがやってよ。」と言ったという。 娘はがっかりしたと言っていたね。A氏:カレンダーを塗ることが重要になって、愛情をもって金魚を育てるという目的が消えてしまったんだね。 手段が目的化したわけだ。私:これは大人の世界にもあるね。 工場で機械の点検リストを作り、チェックする。 そのうちにマンネリになり、後からまとめてチェックマークを入れたりする。 記録の紙を形式的に書くだけで、目的を忘れる。 そして、大きな事故につながる原因になったりする。A氏:一昨日の日記の日本陸軍の「員数主義」にある形式化だね。 こういう場合、一般的にどうしたらよいだろうね。私:目的を理解するのに、手段が適切かを考えるべきだろうね。 いきなり、機械的に紙に書くということをしないで、それが目的を達成するのに効果的か、他にいいやり方がないかを考えるべきかもね。 俺は、金魚の場合、カレンダーチェックをやめ、例えば、親が口で毎日、子供に「金魚はそろそろお腹がすいているのでないの?」と語りかけたほうがいいじゃないかと思うね。A氏:親のほうがその語りかけを忘れないようにカレンダーをチェックすることになるね。私:工場だってその職場のチーフが「機械は問題ないかね」と機械のポイントを一緒にみて廻るのが、原始的なようで一番、効果的なようだね。 チェックシートがその会話のチャンスを殺すね。A氏:そういえば、例のプール事故がそうだね。 何か、現場チーフがアルバイトに日常、安全について現場を回って語りかけていないような気がする。 市の職員がプールの現場に来たときの会話もお茶のみ話だけではないの。私:マスコミの取材もアルバイトに「チーフとの仕事上の会話はどの程度あり、どういう内容だったの?」と質問したものがなかったようだね。A氏:すぐチェエックシートとマニュアルの取材だね。 新聞記者がマニュアルとチェックシート第一で育った世代なのかね。私:私の友人がある開業医から相談を受けたんだ。 地方の知名人の紹介で入ったある看護師が、要領が悪くミスが多いというんだ。 くびにできないので医者は愚痴を友人にするんだね。 友人もいろいろ知恵を出したらしいが効果がない。 そこで俺の嫌いなチェックシートを作って看護師に付けさせた。 でも、それでもミスはなくならない。A氏:それで結局どうなった?私:もう、その医者もガマンの限界にきて、あるとき、「これ以上ミスがあったなら、皆、一律ボーナスをカットする」と怒って言ったそうだ。 そうしたら、急にミスがなくなったというんだね。A氏:何故だろう?私:俺は、その医者の怒りでその看護師や周りの人が始めてことの重大性を覚ったのではないかと思ったね。 医者と看護師のフェース・ツー・フェースの口頭による基本的なコミュニケーションが十分でなかったのだね。 医者が愚痴を友人にして看護婦にできないというのは、看護師とのコミュニケーションが不十分だったのかもね。 医者は「ダメな看護師だ」と思っている一方で、看護師は「口うるさいオヤジだ」と腹の底で思っていたのかもしれないね。 そこまで、価値観が同じでなかったんだね。 だから、チェックシートは押付けになるだけだ。A氏:中小企業の会社経営でも、同じかね。私:ダスキンのフランチャイズ店などを展開する「武蔵野」が中小企業ながら日本経営品質賞を受賞しているが、小山昇社長は、社員教育は社長の直接の仕事だとして徹底的に訓練を繰り返しているという。 毎朝7時30分から8時30分まで早朝勉強会をやっていて、社員を5組分け、順番に受講させる。1989年に社長になってから3700回開催して、その3分の2は社長が直接話しているという。 そして、社長と同じ価値観をもつようにするまで行うという。A氏:中小企業の経営がバブル崩壊以来厳しいのに、この会社の業績は好調だというね。私:接待と称して取引先と飲んでばかりで社員と真面目に飲んでいないと批判的だ。 飲むとすぐ説教するから若手も嫌がる。 だから、社長が聞くべきだという。A氏:なるほど、IT時代とはいえ、原点はフェース・ツー・フェースのコミュニケーションが重要なんだね。 それも皆、忘れだして、便利な道具で逃げているのかもね。私:幼児が金魚に餌をやる訓練もね。
2006.09.27
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私:こないだ、娘が2人の孫を連れて遊びに来た。 両方とも男だ。A氏:俺のところは全部女だよ。世の中、バランスがとれているね。(笑い)。 皆、地方にいるので、あまり逢えないんだが。私:俺のほうは、車で10分くらいのところにいるんで、週1、2回は来るね。 いつも来ると、夕食を一緒にしてから、4才になる上の子は私が風呂に一緒に入れる。 今月で4ヶ月になる下の子は、俺の女房が入れる。 俺だとまだ、扱いがなれないといって不安がるからだ。A氏:だって、君が若い頃、自分の子供が乳幼児のときに風呂に入れていたんではないの?私:どうも記憶にないんだね。 団地住まいの核家族で、両方とも親は田舎だから、女房がやっていたのかね。 子供が3、4才になってからは、一緒に風呂に入れた記憶はあるがね。A氏:そういえば、俺もあまり記憶がないね。私:先日、来たとき、女房が風邪気味なので、俺が下の子を風呂に入れてやろうと言ったんだ。 女房は不安がったが、娘はたいしたことはないというんだね。 そこで、入れることにした。A氏:どうだったね。私:いや、先に俺が風呂に入り、女房が裸の子供を抱いてきたんだが、風呂の入口のドアに少し、頭をかすったら、泣き出したね。A氏:それは幸先がよくないな。私:めそめそした状態で、幼児用のボディシャンプーで洗った。 ところが、驚いたね。A氏:何が?私:一通り洗ったので、胸に洗面器のお湯をザァーと流したんだ。泣くのかと思ったら、ピタッと泣き止んだ。 そして、湯船に抱いて入れてやったら、気持ちよさそうなんだね。A氏:無事、入浴終了かね。私:娘の説明では、まだ、乳幼児の段階では、母親の胎内で羊水に安定してつかっていた記憶があるので、風呂につかるというのは、安心感を与えるのだろうと言っていたね。A氏:なるほど、ぐずったら、湯船に入れてやればいいんだね。私:後で、その子がオルゴールを聴いていたが、これが切り替えスイッチでいろいろな曲が流れるんだが、ボコボコと変な音がするのがあるんだ。A氏:曲ではないの?私:そうなんだ。心臓の鼓動音だというんだね。A氏:なるほど、君がいつか言っていたように、胎内にいる子供は、先に聴覚が発達するらしいね。 その記憶があるから、安心するのだろうね。 おもちゃメーカーも考えているね。私:昨日の朝日新聞の夕刊で、宮沢賢治の生誕110年でその研究の話が載っていたが、作家の高橋源一郎氏が子供がお腹にいた頃、ラッパのような器具をお腹にあて、童話や誌を聞かせたそうだが、反応しない。 ところが宮沢賢治の童謡「鹿踊りのはじまり」を朗読したら始めて動いたとあったね。 この童謡が見直されるかもしれないね。
2006.09.22
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私:よく家に遊びに来る孫が今月で4才になる。来ると、風呂に入れてやるんだが、もう、蒙古斑が目に付かなくなってきたね。A氏:蒙古斑というのは、日本人の乳児には、御尻から背中にかけてある青いあざだが、個人差はあるようだね。 遅くとも5歳くらいまでには消えるらしいね。 名前のように、蒙古人に圧倒的に多いというね。私:ところが俺はかなりおそくまで、尻に蒙古斑があったんだ。 そのためか、子供心に「俺の祖先は蒙古人の血が濃いのだ。ジンギスカンの末裔だ」と一人想像をたくましくしていたよ。 だから、俺は早く広大な祖先の地、中国大陸に行ってみたいという憧れが子供のときからあった。発想のスケールが大きくなったものだ。A氏:当時は、皆、子供心にアメリカに行ってみたいという夢を持つ者が多かったね。中国に行きたいとはは変わっていたね。私:そのためか、中国の大きな石仏が好きになった。 そこで、十数年前、わざわざ、多忙な仕事の中、内モンゴルと2大石窟(雲コウ、龍門)の中国観光ツアーに一人で参加したことがある。 その前に、仕事で北京と旧満州の長春に行ったが、そのときは万里の長城など北京周辺を見ただけだ。それで満足できなかったんだ。 中国の石窟は3大石窟として、もう1つ、敦煌の石窟があるが、これは、かなり離れた場所にあるのでシルクロードのツアーに含まれるんで諦めた。 その後、中国の経済繁栄が始まったがね。変わっただろうな。A氏:日本が奈良、平安時代に仏教を中国から熱心に学んだのに、巨大な仏は奈良の東大寺のように鋳造だね。日本に大石窟がないのは不思議だね。知的興味があるね。私:ところで、相撲もモンゴル勢で両横綱を独占するのは、もう、時間の問題だね。A氏:朝青竜の日本語がうまいのは、先に日本の高校で勉強したせいもあるが、モンゴル語の文法構成は日本語に似ているからだろうね。日本語は、ウラルアルタイ語系としてモンゴル語と同一系列らしいね。私:そのせいか、曙が横綱になったときは、外国人がなったという感じがしたが、朝青竜の場合は、何故かそういう気がしなかったよ。 モンゴルにはブブという伝統的な格闘技があるが、日本では相撲に似ているのでモンゴル相撲と言っているね。 ところで、蒙古斑のことだが、以前、テレビを見ていたら、ある日本人のタレントが、白人と結婚して、生まれた子供に蒙古斑があったと言っていた。しかし、このあざは、白人の乳児にもあるが、色素を作る力がないので、すぐ消えるのであるという。 黒人にもあるが、見えにくいので気がつかないのだという。
2006.07.31
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A氏:今月号(8月号)の「文藝春秋」を読んだけれど、昨日の日記でふれた白洲次郎の関係者の鼎談があったね。私:今月は靖国特集だが、知的興味をひかれたのは、例の小学校の英語必修問題、タイガーウッズの親父の話、ロングティールなどのビジネス法則、フィンランドの学校教育の話の4つだね。 タイガーウッズの話で知的興味をひいたのは、親父さんが4才のときからの教え方だ。 まず、ティショットでなく、グリーンから組立てたという。 日本ではジュニア育成は打席でのスイングからだという。 本来、ゴルフは遠くの小さな穴に白球を沈めることだ。 これが2006.07.10の日記でふれた甲野善紀氏が「ゴルフやるとすると、ティショットを打つとき、球を見ない。 打つほうを見る」というのを思い出したからだ。 発想が似ているね。 それから、この親父さんはタイガーをパー3コースへ連れて行った。 普通のコースに連れて行くと、八回から十回も打つので、子供はゴルフに嫌気がさすからだという。 これが小学校で英語必修がよいかの議論とつながる。A氏:ロングティールは?私:これは、インターネット特有の問題でないとして(2006.05.13)の日記と似たようなことが書かれていた。 日本の品質管理なども「『重要な少数』を超えるのは『役に立たない多数』プロジェクトである」という考えでサークル活動を重要視する。 ロングティール理論の先取りだ。A氏:世界一の教育大国フィランドの話は?私:フィンランドは、日本の「ゆとり教育」のモデルになっているらしいが、悪い行為をする生徒には厳しい。 ゼロトレランス(2006.06.21)を連想した。A氏:英語問題は?私:これは(2006.07.09)でふれだしたが、文芸春秋では鳥飼女史とマーク・ピーターセン氏との対談となっている。A氏:鳥飼女史は文春新書で「危うし!小学校英語」を出版しているね。 反対論者だ。私:この対談で、一応、この問題のポイントが分かったような気がする。 鳥飼女史は、反対の理由として、2つあり、一つは「語学学習は始めるのは早いほどいい」というのは、根拠がない幻想だという。 むしろ、英語嫌いが増える危険性があるという。 第2の理由は指導者が質的にも量的にも十分でないということだ。A氏:なるほど、そこでタイガーウッズの親父さんが最初はパー3のコースしかやらせなかったのとつながるのか。私:東京都内の小学5年生の授業での実際の例があげられている。 児童に果物の絵が描かれているカードが配られた。リンゴのカードを引いた男の子が、「アイ・アム・アップル」と元気よく言ったところ、先生が笑顔で「アイ・アム・アップル」と繰り返したという。A氏:正確には、リンゴは単数だからanが必要だ。 これだと「私は(人間でなく)リンゴです」という意味だね。 日本語はあいまいで推測で理解するから「私はリンゴです」でも「私が引いたカードはリンゴです」として通ずるがね。 英語は論理的だ。 しかし、小学生にbe動詞、不定冠詞、定冠詞、時制、単数、複数という日本にない英語の基礎的なものを習得させるとなると、どうするのかね。 俺たちは中学からだから、こういう抽象的な概念は理解できたからね。 幼いタイガーウッズをいきなり、普通コースに連れだすようなことになるかもね。私:やるならこういう文法的なことまで、理屈でなく、体で覚えこますために徹底的にやるかだよ。 昨日の朝日新聞の岐路のアジアというシリーズでインドの英語ビジネスの記事があった。 インドは、イギリスの植民地時代があったから、英語は慣れているのだろうが、今、英語はエリートになるための条件だ。だから、勉強は必死だ。 ある子供は、3才のときから英語を学び、自宅では両親と英語で話し、祖父母とだけヒンディー語で話してきたという。 そうなれば、学校で習った英語を家に帰っても使うので、日常的になり、文法的な抽象概念も自然に身につくだろうよ。A氏:ピーターセン氏は、「日本語が確立してから英語の勉強を始めればよい」というのには賛成しているね。 彼は日本の大学で英作文の授業をしているが、学生の書く英文を読むと日本語の文章力さえも確立していないように思えるという。 数学の問題も日本語を正確に読めないと、解けない。 国語の時間で、作文はどの程度、小学校でしているのかね。私:ひらがな、カタカナ、漢字、和歌、俳句、漢詩、漢文、候文、四字熟語、敬語など、日本語の文化は非常に高度のものであり、伝統文化と深い結びつきがあるから、学び足りないはずだがね。 この議論は、深いものがあるので、また、明日しよう。
2006.07.13
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A氏:昨日の日記で、作家井上ひさし氏が東京裁判の演劇を企画していて、主人公が責任をとらない偉い軍人から、次第に日本語の文法になってしまったというのは、知的興味を感ずるね。 それに関連して、英語を子供の頃から教えたほうがよいかという議論があるね。そして、ついに小学校で英語を教えるかということにまでなっている。 しかし、一方で、小学生の英語教育反対論も強く、国語教育の強化のほうが重要だというのもある。どう思う?私:賛成か反対か、一挙に結論を求める風潮は感心しないね。 小泉内閣を支持するかどうかという世論調査もどうかね。支持の内容がいろいろあるからね。 これらが全部消える質問の仕方だ。養老孟司氏がいう結論に至る途中の方法論がない。 大体、日本人は、英語を中学で義務教育として学んで、皆、経験豊富だよ。それをよく考えるべきだよ。A氏:今、四十才を超えた俺の息子は、小学生のとき、ネイティブの教師の英語をやったが、使うことはないね。何の教養の肥やしになったのか、ハッキリしないね。私:俺の子供そうだね。ただ、面白かったのは、俺の英語の発音を変な目で聞いていたことだ。 例えば、イヌのドッグは、俺の発音はどうしても日本的だ。子供の発音のほうがさすがに英語的だ。発音するときの筋肉の使い方が違うのだね。だから、聴覚も鍛えられる。A氏:運動と同じで、そういう筋肉を子供のうちから鍛えておくというのは意味があるかね。私:しかし、続けて使っていないと、筋肉は退化する。だから、小学生でなくても中学でもおいつくらしい。 問題は、井上ひさしがいうように、文化性との衝突だよ。A氏:主語があいまい、男言葉と女言葉の違い、敬語の使い方、情的な表現など、本当に英語をやろうとなると、文化の違いの問題にぶつかる。私:俺は、中学のとき、はじめて英語にぶつかったので、いろいろな知識にふれるのがうれしくて、英字新聞を辞書をひきひき毎日読んだり、当時、NHKでやっていたラジオ放送の英会話の「カムカム英語」に熱中した。 しかし、そのうちに背景に思考の極端な違いに気がついてきた。俺たちの世代は、戦中の小学校では英語はなく、日本語教育は徹底していたので、その文化的な背景に気がついたのだね。 確か、30年くらい前かな、日本人の英語は発音のときの筋肉の動かし方が全くなっていないというので、まず、発音の矯正からはじめた有名な人がいたけれど、その発音をするには、自己主張を強烈にするという姿勢が必要だと思ったね。A氏:「国家の品格」の藤原正彦氏が三十才前後の頃、アメリカの大学で三年間教えていたとき、まさに、強烈な文化の中にいたわけだ。 そこで日本に帰って、そのままのスタイルの行動で反発を招く。そして、四十才台でイギリスに行き、論理よりも伝統を重んずるやり方を知る。同じ英語圏でも、文化の違いに気がつくわけだ。私:藤原正彦氏は、父親が有名な作家で、徹底的に日本人としての教育を受けた素地があったので、英語の世界と文化的な違いはすぐに気がついたのだろう。A氏:その文化の違いが背景にあり、それまで学ぶというのが、小学生に可能だろうか。私:まあ、あのネイティブの大げさなしゃべり方、強烈な発音という「身体技法」に、日本の伝統と違う発想が根底あることを自覚しないだろうが、感覚的に矛盾した文化圏にとびこむことになることは予想されるね。A氏:そして、どちらも中途半端になるかもしれない。文化的行動でね。それに英語の技術面でも、君が誤訳の発見で言っているように、日本語をきちんと学んでおくと、英語の誤訳に気がつくと言うこともあるね。私:十数年前に、韓国に仕事で行ったとき、同じ年令の通訳の韓国人が、今、一生懸命、「徒然草」を読んでいるのだといったが、通訳は両方の文化を知らないと正確な仕事ができないんだね。A氏:では、君は小学生の英語教育は反対かね。私:そういうように軽々しく結論を出すのが、明治維新から、敗戦にかけて、日本文化のよいところを放棄した原因だよ。まあ、小学生の英語教育推進者の意図はよく分からないのでこれから情報を集めないとね。とにかく、4歳になる孫は塾には出していない。 井上ひさし氏がいうように、日本語のもっている主語があいまい、男言葉と女言葉の違い、敬語の使い方、情的な表現などとの文化的な調整はどうするのか、あらかじめよく議論すべきだね。「ゆとり教育」も実に軽い気持ちでやって失敗だ。すでに加藤十八氏は予告していたのにね。アメリカ自身が、左脳的なアメリカ文化に危機感を持っているのにね。
2006.07.09
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私:新刊だ。本の帯に「救国の育児論」とあるが、一言で言うと、「国家の品格」(2006.06.03の日記参照)の育児編だね。「国家の品格」の知的街道に位置するね。しかし、半分は育児の医学的なポイントを書いている。母親が必要な知識が中心だ。A氏:帯に「『他人に迷惑をかけない人になれ』は大間違い!」とあるがどういう意味なの?私:要するに、これを親が子供に言うと「私たちは物事の善悪の判断ができないので、お前たちが自分で勝手に決めろ」と、言っているのと同じだというわけさ。A氏:子供にそんな能力がないから、やりたい事を勝手にやってしまうようになる。私:生命には四つの意味があるとしている。「個の生命」「家系の生命」「民族の生命」「人類の種の生命」だ。そして、これを背景に、育児方針として子育ての次の3つの問に答えるべきとしている。1.子は誰のものか2.何のために子供を育てるのか3.どんな大人になって欲しいのかA氏:著者の答えは?私:1.の「誰」とは、「日本の社会」。2.は「日本の文化を継承する」。3.は「法を守る善良で賢い日本国民」だ。だから、「国家の品格」の藤原氏のように日本文化の継承を重視しているね。A氏:戦後、日本人は、戦前の文化をすべて悪としたからね。私:だから、氏はアメリカが戦後日本に持ち込んだジョン・デューイの教育論やスポック博士の育児書にも間違いが多いとして指摘している。A氏:アメリカでも1980年代、ジョン・デューイの教育論でアメリカの学校教育は崩壊し、結局、ゼロトレランス(2006.06.21の日記参照)が登場することになっているね。私:善悪を教えるのに理屈はいらない。子供のために徹底的に植え付けるのだから、信念をもって「黙ってお母さんの言うとうりにしなさい」と言うことが重要だとこの本は言っている。A氏:「国家の品格」の藤原氏が「人を殺すことは悪いことだ」は論理でないというのと同じだね。私:著者は、親子の信頼関係を重視し、母親がある年令までは、24時間、できるだけ抱いて、一緒にいることをすすめている。だから、保育所に預けるのはできるだけ避けるようにと言っている。抱き癖大いに結構だという。A氏:母親や父親の人権はどうなるの?私:それが、ジョン・デューイの教育論やスポック博士の育児書の間違いの1つだね。 それは子育てが大変だという逃げであって、先に楽をするか後で苦労するかの問題だとしているね。 日本ではこれだけ、子供の問題が出てくると育児は「民族の命」がなくなるかもしれない重要な仕事だよ。人権のスケールが違うね。A氏:奈良の高校生の放火・殺人事件の背景に、エリート一家の悲劇があったが、ここにも継母のためか母親の愛情問題と、さっきの育児の3つの方針の欠如があるね。 塾の勉強より、「日本の文化を継承する」「法を守る善良で賢い日本国民」の育成を優先すべきかもね。私:それで思い出すのは、オウム真理教のサリン事件の林郁夫だ。実に理想的な医者の道を40才台まで歩んでいた。 父は開業医であったので、子供のときの林郁夫は、毎月、保険の請求書にハンコを押すのが楽しみであったという。ハンコを押すたびに、父がこの人を救ったと思っていたという。 しかし、現代医療の限界に疑問を持ち、真面目に悩むに従い、宗教に向かう。そこにオウム真理教があった。真面目な医師にとって不幸な出会いと言うべきか。A氏:結局、エリートなのに、人を殺すのはいけないということが反射的にしみついていなかったのかね。私: 戦後教育の問題かもね。愛国心問題でも、テレビで「日本が愛するに足る国かが問題だ」などと言う人がいるが、日本語で言っているのもなんだか、おかしいね。日本語は誰に教わったのかね。そういう政府批判みたいなことを言っても、たちまち刑務所に送られることのない国に住んでいるのにね。A氏:阪神大震災のとき、略奪騒ぎがないのを諸外国は不思議がっていたくらい安全な国なのにね。それは言わない。私:この本には「国家の品格」同様、それが失われつつあるのではないかという危機感があるね。 それから、この本で子育ては親子だけでなく、おじいさん、おばあさんも孫の教育として参加すべきとしているのは、卓見だね。世代は協力して良き伝統を守るべきだね。
2006.06.28
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昨日の深夜(正確には今日の午前一時頃)、孫の弟が生まれる。新しい生命の誕生である。 一昨日夕方、私が1泊の旅行で帰ったとき、夜8時頃、孫が父親に連れられてきた。母親(娘)が急に産気づき、入院したという。入院したその夜に出産となったわけだ。予定日より2週間ほど早い。入院中は孫を預かることになった。孫は初めて母親の元を長期に離れて夜をすごすことになる。以前にも、外泊になれるために1回ほど泊まったことはあったが、どうも積極的ではない。 だから、出産予定日が近づいてきたので、母親がよく子供(孫)に言い聞かせ、外泊の練習をしようといっていた矢先であった。練習ゼロの状態で引き取ることになった。 案の定、深夜、目を覚まし、ママに抱かれたいと泣き出す。もう、3才と10ヶ月であるのにどうしようもない。そのうちに泣き疲れて寝た。朝、起きたらケロリと平気である。今日はとりあえず、幼稚園は休むことにする。孫と1日中遊ぶ。 昼に、孫を連れて妻と病院を訪ね、生まれたばかり孫の顔を見た。 私のほうに顔を向け、目を開いている。目は見えないだろうが、聴覚は働いているので、声のするほうに顔を向けているのであろう。母乳を飲んだ直後なのか、満足げな表情で静かである。顔は誰に似ているのであろうかと思って見る。 娘に「赤ん坊は母親の心臓のリズムを胎内で知っているので、左手で抱くと安心するのだ。」と言ったら、一笑に付された。どうも脳のことをかじり出したのを笑っているようだ。 しかし、私が買った「コンピュータが連れてきた子供たち」(日記の2006.04.27参照)は、私から持っていって読んでいて、孫の友達がすでにゲームをやっているのを見てどうしようかと考えていた。 孫は生まれた弟を見て、頬に手をそっと当てた。ニコニコして見ている。しかし、そのうちに母親を奪い合うのではないかと思う。 孫は母親に外泊の必要性を言われて納得したようである。今日は早く就寝した。明日から幼稚園に通常通り、通いだす。 孫も、新しく生まれた子も、その成長を、私が何時まで見れるかは、私の天命で分からないが、これからの激動の時代にどのように対応して生きていくのであろうか。それはある程度、DNAで決まっているが(日記の2006.04.27参照)、たくましく成長していって欲しいと思う。
2006.05.24
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この日記は、昨日に起きた孫のことを書く。 朝、車で数分のマンションにいる娘から電話が妻に入る。孫が幼稚園バスに乗るとき,「行きたくない」と泣いたとのこと。幸い、バスの添乗員がうまく泣いたまま乗せていったというのである。もう入園して3週間、無事に過ごしていたので、安心していた矢先のことである。 3歳の孫(男)は、幼稚園に4月10日から通い出した。人見知りするほうなので、バスに乗って母親と別れることに抵抗し、大泣きするのではないかと心配したが、案外、すっと幼稚園バスに乗って行ったという。娘から妻に「安心した」と電話がかかってきたくらいである。 翌々週の24日から給食が出るようになった。24日の夕方、孫から妻に電話が来て「ばば(妻のこと)、お弁当は全部残さないで食べたよ」「明日は好きなエビフライだよ」と言った。 これで、給食も含め、無事、幼稚園生活もスタートと安心していた矢先である。 そこで、昨日は心配で、車で10分くらいの幼稚園に娘と妻とともに行った。毎月、最後の週は、親は自由に子供を観察できるのだという。孫に見つかると「帰る」と騒ぐかもしれないと思い、垣根越しにそっと幼稚園の広場を見たら、多くの園児が遊んでいた。晴天で暖かい。 そのうちに孫が目に付いた。広場中、精力的に走り回って遊んでいる。問題ないようであった。面白いのは、同じマンションから通っているA君が、孫とピッタリくっついて遊んでいることであった。安心して帰った。 娘の話によると、昼食をとるようになり、幼稚園での生活が長くなったので、週末にストレスが出てきたのではないかという。来週はゴールデンウィークなので休めそうだ。幼稚園の計画はうまくできている。 孫のクラスは22人で、若い保母さん2人が面倒をみている。毎月、月報を手書きで保母さんが書いている。昨日、娘から、最初の号を見せてもらったが、10日の日は、「家に帰る」と泣き出す子が多く、一人が泣き出すと、伝染して大合唱だったとある。わが孫は、泣かないが、10時頃、さっさと自分で片づけをして、保母さんに「家に帰ります」と言ったそうである。 ところが、入園してすぐに、孫が幼稚園から、虫かごを持って帰ってきた。幼稚園で近くの公園に遊びに行ったら、蟻がいて、孫がこれをつかまえて、虫は友達だから家に持って帰ると言ってきかないのだという。保母さんはやむを得ず、虫かごを持たせて家に帰らせたらしい。娘はあまり気持ちよくないようだ。 翌日は、今度は、虫かごにダンゴ虫が2、3匹いたという。「ダンゴ虫はかわいい」というのだそうだ。その幼稚園の保母さんの月報には、孫とA君は幼稚園に来ると、すぐ虫かごを持って腐葉土のあるところに行き、虫をさがしていると書いてあった。最初、傍観者であったA君も最近、虫かごを持って家に帰るようになったという。 「バカの壁」の養老氏は子供の頃、虫とばかり遊んでいたというが、孫とA君は、どうやら虫を通じて友人となっているようだ。
2006.04.29
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孫が近くにいるので、週1、2回遊ぶ。そこでいろいろ考えさせられることが多い。 コンピュータ教育のパイオニアの戸塚滝登氏の「コンピュータが連れてきた子供たち」(2005年12月小学館刊)の最後で、「10才の誕生日を過ぎるまでは、1.インターネットは与えない、2.パソコンよりは五感と身体感覚を優先、3.人工より自然優先」という3か条の警告をしている。この本を書くきっかけとなったのは、長崎の小6女児の同級生殺害事件で、その「子供の脳の可塑性」という「科学的な説明」を、統計的な方法でなく学説の論理的な積み上げで試みている。岡田尊司教授の「脳内汚染」(2005年12月文芸春秋社刊)より説得性があった。 「人間の本性を考える」(英語の題名はThe Blank slate:2004年:NHKブックス刊)という翻訳書の20章中、「生まれか育ちか」(原書はChildren)について論じた1項目がある。著者であるハーバート大学心理学研究室教授スティーブン・ピンカー氏は、子供の性格や行動特性について、次の3法則を提示している。 第1法則:子供の行動特性はすべて遺伝である。 第2法則:同じ家庭環境で育った影響は、遺伝子の影響より少ない。 第3法則:複雑な人間の行動特性に見られるばらつきのかなりの部分は、遺伝子や家庭の影響では説明されない。 著者は、こどものときの行動特性の50パーセントは第1法則の遺伝できまり、第2法則の育ちの中心である家庭環境はほとんど関係ないという(せいぜい、ゆずって10パーセント)。後の40から50パーセントのばらつきは、人が意図的に押し付けられない、個人的な「運命(親や人が制御できない運という意味での運命)」に影響されるという。子供が非行に走るのは親の責任ではなく、親のせいにする児童教育論者には、批判的である。この書評では迷っている親はほっとするだろうと言っていた。 1950年代に、インドの僻地の村に住んでいたある女性に、子どもにどんな人間になってもらいたいと思っているかと聞いた。彼女は、肩をすくめて「それはこの子の運命で、私が望むことではありません」と答えたという。これが正解か。 「コンピュータが連れてきた子供たち」によると、最近、医学の測定技術の向上で分かったことは、胎児で5ヶ月くらいになると、脳細胞が急激に増加することであるという。その理由が分からないが、先に聴覚が発達するのではないかという。そうすると胎教でクラシック音楽を聞かせると良いというのは、科学的根拠があるようだ。そうなると、妊娠している母親がパチンコばかりやっていると、その音が影響するかもしれないし、テレビばかり見ているとテレビの映像でなく、コマーシャル音が影響するかもしれない。 宗教学者の山折哲雄氏の話によると、今から20年位前、ある大新聞に若い母親から投書があり、子どもに哀調のある古い子守唄を歌うと嫌悪感を示すという。ところが、その投書を読んだ若い母親から同じ体験の投書が殺到し、驚いた新聞社は調査したが、原因がわからない。これを気にしたある作家が、いろいろ調べたようで1年後にそれはテレビコマーシャルの音調が子守唄と合わないのではないかという記事を書いた。現代の子供は、いつの間にか、テレビコマーシャルの音調に慣れているからではないかという。それは、胎児の頃からか? 山折哲雄氏は、もう一つの原因は母親にあるのではと言っている。母親に「歌心」がないのではというのである。日本の子守唄は、西洋の子守唄と違い、哀切のある「演歌」調である。「歌心」が問われるのであろう。山折氏は、渥美清がCDに吹き込んだ子守唄を「歌心」があるとほめていたが、氏の恐れは最近の犯罪にこの影響があるとしているようだ。 「寅さん」の日本的な人間味が次第になくなっているのであろうか。
2006.04.27
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