人の命と経済と、どちらが大切なのですか!
(7月6日、玄海原発説明会での質問より)
(坂田静子さん)
7月 10 日、三陸沖でマグニチュード 7,3 の比較的大きい余震がありました。
7月第1週には、政界では様々な動きがありました。
★ 玄海原発再開に関し、九州電力の 「やらせメール事件」 が発覚、既に海江田通産相は古川康大分県知事、岸本英夫玄海町町長に対し、根拠の無い安全宣言を出した直後でしたが、この「やらせメール」発覚で、原発再開は白紙に戻りました。
★ 菅首相は、原発再開の条件として、欧州で既に実施されている 「ストレステスト」 導入を発表、 11 日に枝野官房長官より正式な統一見解がでました。
それによれば、(1) 停止中の原発は、1次評価によって再稼働の可否を決める。(2)2次評価では現在運転中の国内すべての原発を対象に運転の継続・中止を判断する。というものです。
しかし、「ストレステスト」の評価項目を決めるのは。いまや玄海原発の二度目の公聴会で「何が何でも原発推進の原子力安全・保安院」、これじゃ、また結果オーライの杜撰な評価項目を持ち出してくるのは目に見えていますね。
どこまで一般庶民を騙すのか!
★ 東電や原子力委員会などが検討している、福島第1原発の安定冷却から「廃炉」に至るまでの、「長期行程表」の概要が明らかになり、菅首相もこれに言及しました。
朝日新聞の記事よれば、
(1)3年後( 2014 年初頭)、燃料プールから燃料取り出し開始。
(2)5年後( 2016 年末)、最初の一基から燃料取り出し完了。
(3)6~ 10 年後( 2010 年代後半)、原子炉の水漏れをふさぎ、水張り完了、
(4) 10 年後( 2021 年)、炉心の燃料取り出し開始、
という事だそうです。菅首相も記者会見で表明したように 、
「廃炉までは数十年かかる」
皆様、上記の行程表について少し考えて見てください。
燃料プールから最初の核燃料取り出しに着手するまで3年もかかるのです!
5年たっても、やっと一基のみの取り出しが完了するだけなのです!
10 年たって、やっと炉心から燃料の取り出しを開始すると云っているのです!
現在進行中とされている行程表も、今回検討中の長期行程表も、殆んど願望だけで、「絵に書いた餅」に過ぎないことが判明してきました。しかし、確実に判ったことが一つあります。
福島第1原発の事故は、数十年は収束しない。
避難されている住民の皆様は、残念ながら数十年は帰郷出来ない!
ここで改めまして、 坂田静子さんの「聞いてください」 が 警告した原発の基本的な危険性、非人道性につきまして、福島の大事故が起こったあとで対策や情報開示が行われたのか否かを検証したいと思います。
(1) 原発は例え事故がなく、正常に運転されていたとしても、絶えず周囲に放射能を撒き散らす。周囲の人々は、政府の助成金と引き替えに、自らの、特に子供の命を磨り減らす。
唐津市市儀、浦田関夫氏のブログ(下記URL)によれば、玄海原発周辺では白血病の発症率が全国平均の11倍、原発との因果関係が濃厚に疑われますが、日本政府はこれを認めていません。尚、ドイツでは、このような因果関係を認めているようです。
http://blog.goo.ne.jp/kmjcp/e/93b088957884693635f5faf568a9d0ed
恐らく、玄海原発以外の他の原発周辺でも、同様の事態が起こっている筈です。そうなると、これは 水俣病 などと同じケースですね。
(2)原発は、その仕事に従事する人々に計り知れない放射能汚染をもたらす。典型的な放射能被害による病気が発症しても、医療機関は放射能被害を認定しない。 「原発は労働者の人柱の上になりたっている」
福島第1原発の事故が起きた時、作業員が1年間に浴びる放射線の許容量を従来の100ミリシーベルトから一挙に250ミリシーベルトに引き上げました(ちなみに、一般人の許容量は1ミリシーベルトなのです!)、しかも事故当初は線量計を持たされず作業に当たった人達も相当いた模様です。また、改めて作業者全員の被曝線量を計ろうとなった時、下請け作業員の多数が行方不明、これは東電側が意図して隠したと勘繰られても仕方のない杜撰な話ですね。
これまでに原発内で作業に従事した人はどれ位いるのか? 9日のTBS系「報道特集によれば、その数39万人!彼らの多くが被爆の後遺症に苦しんでいる筈ですが、国側は、「許容量を超えた被爆者はいない」という建前ですので、その実態は厚いベールに包まれています。
この番組の最後に、衝撃的なナレーションが流されました。
原発労働者39万人の内、放射線被爆を原因とする労災が認められたのは、たったの10人である!
(3) 原発運転の結果、大量に発生するゴミ(核燃料廃棄物)の処理が確立していない。処理方法は現在のところ 、★ドラム缶に詰めて海洋投棄、★再処理工場での処理 の二通りであるが、二つとも本来の意味での「処理」とは到底云えない。
平井憲夫さんの告発文では、以下のように述べられています。
★ 日本が原発を始めてから一九六九年までは、どこの原発でも核のゴミはドラム缶に詰めて、近くの海に捨てていました。その頃はそれが当たり前だったのです。私が茨城県の東海原発にいた時、業者はドラム缶をトラックで運んでから、船に乗せて、千葉の沖に捨てに行っていました。
★ 現在は原発のゴミは、青森の六ケ所村へ持って行っています。全部で三百万本のドラム缶をこれから三百年間管理すると言っていますが、一体、三百年ももつドラム缶があるのか、廃棄物業者が三百年間も続くのかどうか。どうなりますか。
核廃棄物の海洋投棄は日本に限らず各国で行われていましたが、1993年第16回ロンドン会議において全面的に禁止となりました。現在、日本には200リットルドラム缶換算で約160万本位のようですが、青森県六ヶ所村の施設には300万本が収納出来るのだそうです。
また、100万kw級の原子炉を廃炉にする過程で、約3万トンものクリアランスの必要な廃棄物が出ることになるそうです。福島第1原発6基では、何と、20万トンもの核廃棄物が出ることになる!
福島第1原発だけで、10トントラック2万台の核廃棄物が出る!
しかも最終処理は不可能!
政府殿、経産省殿。原子力安全・保安院殿、電力会社殿
人の命と経済と、どちらが大切なのですか?
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シューマン 「流浪の民」
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