今日の政治への絶望と、
映画「人間の条件」の主人公の絶望は同じなのだ。
(映画「人間の条件」:仲代達矢)
8月 10 日、菅直人首相は、特例公債法案、再生可能エネルギー特別措置法案が成立後、辞任する意向を表明しました。
早速、民主党は次期代表選に向けて慌しい動きを見せています。現在の所、代表選に立候補を表明あるいは立候補を噂されているのは、次のような顔ぶれです。
野 田佳彦財務相、馬渕元・国交相、小沢悦仁元環境相、鹿野農水相、樽床国対委員長、前原前外相、海江田経産相、
現在のところ、野田佳彦氏が本命視されています。先週の NHK の「日曜討論」にも、まるで民主党の代表にでもなったかのように、番組の主役として生出演していました。
野田佳彦、年の割にでっぷり太った悪相、
一般市民は殆んど知らない男、
その野田佳彦氏が次期政権構想として言い出した事は二つ、一つは自民・公明との 「大連立構想」、 もう一つは 「復興財源確保に向けての増税」、
「大連立」と云えば、何やら聞こえはいいのですが、実質的には原発推進派の自民・公明との「馴れ合い連立政権」 完全に原発既得権益擁護の大政翼賛政権」ですね、リュウちゃんのような「無力な一般市民」が一番怖れていたことが現実になろうとしています 。
もうすぐ実現しようとしている新内閣は、
全面的に「原発マネー汚染内閣」である。
8月3日に 東京電力福島第1原子力発電所の事故による損害賠償を支援する制度を定めた 「原子力損害賠償支援機構法」 が成立してしました。
この法律は、 原子力事業者(原発を持つ電力会社など計11社)が出資して設立した支援機構が、被災者の賠償にあたる東電の資金繰りを支援する仕組み。政府は2兆円分の交付国債を発行し、機構の運営を支えるというもので、あれだけの大事故を起こし、それが「人災である」と表明した筈の東電の全面的な責任(無限責任、青天井の責任)をウヤムヤにするばかりか、本来東電が全て支払うべき原発事故の賠償金を、最終的に増税及び電力各社の電力料金値上げにより、被害者たる一般国民にツケを回すという、 とんでもない法律 ですね、
野田佳彦氏の「復興財源確保に向けての増税」政策も、正に「大連立内閣」と、 「原子力損害賠償支援機構法」と表裏一体をなす 、「東電救済、汚染された原発マネー温存政策」 ですね、
スタート時にこれほど明らさまに民意を無視した内閣は、
かって無かったように思われます。
世論は圧倒的に「脱・原発」なのに、政府・国会は圧倒的に原発推進」、この「ネジレ」こそが今の日本の絶望的状況を象徴していると思います。
日本は国民主権の国である筈です。
ここまで民意と政治が捩れてしまった 現在、
政府・国会のやるべき事は、直接、民意を問うことしかない筈です。
反(脱)原発の国会議員の皆様、民主・自民・公明の「原発推進政党」に対し、従来の政党の枠を超えて、「反(脱)原発党」を創って下さい。そして総選挙を行い、民意を問うて下さい。
このままでは確実に「日本沈没」です!
8月15日~20日の6夜連続で、NHK・BSプレミアムで、日本映画史上最大の超大作 「人間の条件」 が放映されています。この映画は、戦中の満州が舞台、満州の国策会社で石炭増産の為、現地労務者を管理する仕事に勤務した梶(仲代達矢)が、戦時中の植民地である満州の軍部及び国策会社の人権無視の風土の中で、如何に己のヒューマニズムを貫けるか?というテーマを持った作品です。
監督は、「切腹」、「怪談」、「上意討ち」、「東京裁判などの巨匠、 小林正樹 、主演の 仲代達矢 は、この映画の撮影に入った時、弱冠26歳でした。
原作の 五味川純平 は、1916年(大正5年)満州生まれ、一橋大学中退、東京外国語学校英文学科卒業後、満州鞍山の昭和製鋼所に入社、昭和18年召集、満州東部国境各地を点々、昭和20年8月のソ連参戦の際には、彼の所属部隊はソ選連の猛攻撃を受け、ほぼ全滅、昭和23年日本に引き揚げ、
以上の年譜を見ますと、小説「人間の条件」は、五味川氏の実体験に基いたものである事が窺われます。昭和製鋼所は当時、八幡製鉄所に次ぐ日本第2の鉄鋼メーカー、私企業ではありますが、、国策会社とし国・軍部の統制を受けていました。映画に出てくる石炭を掘る国策会社は、昭和製鋼所がモデルだった事は明白です。
約50年前に製作されたこの映画は、以下のように置き換えて見ますと、恐ろしい程、現代の日本の状況とオバーラップします。
石炭増産を命じる国(岸信介など)=人の命より経済を優先する自民・公明・民主党、
軍部(東城英樹など)=経済産業省(手先の海江田万里も含む)
三島雅夫演じる国策会社の所長=東電社長、
一般工人=東電社員、特殊工人=原発で線量計も持たされずに働かされる下請け労働者、新珠三千代演じる主人公(梶)の妻、その友人達などの日本人市民(彼らは国策会社が内部で何をやっているのか、全く知らされていません)=現在の日本市民、
仲代達矢演じる主人公=電力会社の中で、ごく一握りの良心的な社員、あるいは経産省官房付きの古賀茂明氏、あるいは、京大助教(助手)の小出裕章氏のような人物)
この映画、観始めたらもう止まらない!
大変面白くて、しかもズシンと心の奥に響く傑作だと思います。あたかも、最近の韓流ドラマの傑作の先駆けであり、お手本のような作品です。
NHKは、あまり人が観ない時間帯に、このような良心的な作品を放映するのですが、こと現代の本質的な問題につきましては、前述の「日曜討論」のように無批判に与党をヨイショする番組が眼に付きます。福島の子供達の内部被爆のような本質的な大問題も、殆んど取上げません。皆様の公共放送が何故、こういった本質的問題を取上げないのか?
一つ重大なことが判明しました。
NHKは営利企業ではないにも関らず、東電145億円、中電68億円、関電65億円、中国電51億円、東北電45億円、合計374億円もの電力債を保有している!
これじゃ、政府や電力会社の批判は出来ない訳だ!
NHKさん、
今すぐ「公共放送」の看板を下ろし、「国営放送」と看板を架け替えられたら如何ですか!!!
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二葉あき子 「夢よもう一度」
二葉あき子 「水色のワルツ」
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