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枝葉の茂る木の下で雨やどりをしていると、外の世界と内の世界との境界がはっきりと感じられる。外は雨の音が間断なく聞こえているのに、内は不思議と静かな空気が漂っている。降る雨が激しいほど、内の静かさが強く感じられる。内というのは、その木が枝葉を伸ばしたテリトリーの内側ということで、この内側で雨やどりしていると、木に守られている気がしてくる。未明より新緑濡らす雨粒が空白の時間を不規則に打つ
2007/04/28
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僕が田舎の町で他所の家の庭に桜を見かけた記憶がないのは、町に住む人達が、桜の木につく毛虫を嫌がったからなのかもしれない。僕の家の庭にも桜はなかった。その代わりに、梅の木があって、実の生る頃に合わせたように毛虫が涌いた。夏近くになると、小学校の桜の木にも毛虫がたくさん這っていたのを覚えている。花散って葉叢鮮やか桜木の幹に小さき生命ら目覚む
2007/04/21
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学生の頃、ぼんやりと窓の外を眺めていたとき、空のある場所に来ると決まって雲が消えていくのを見つけた。それまでゆっくりと滑るように流れていた雲が、すっと消えていくのだ。そこは小さな山の頂の上で、消えていく雲は空の低いところを流れていたようだ。後から思い帰してみる光景では、消えてゆくとき雲は少しかき乱されているようだった。上昇気流かなにかで、そこの所だけ気流が変化していたのかもしれない。空に向け枝差し伸べる街路樹に意思あるごとく消えてゆく雲
2007/04/07
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