エースの帰還 | GAME FIELD

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2019.02.22

この日記を、日本のラプターズファンに捧げる。

今夜はNBA生観戦、ずっと楽しみにしてきたイベントだ。
まずは対戦カードから入ろう。

トロント・ラプターズ
イースタン・2位　43勝16敗　勝率.729

VS

サンアントニオ・スパーズ
ウエスタン・7位　33勝26敗　勝率.559

この試合に注目が集まるのは、昨年のオフに端を発する。
両チームのエース同士がトレードに出された。
スパーズからは、カワイ・レナードとダニー・グリーン。
ラプターズからは、デマー・デローザンとヤコブ・ポートル（と今年のドラフト1巡目指名権）。

これで驚かなかったラプターズファンはいないと確信できる。

デローザンといえば、NBA入りから9年間ずっとラプターズに所属し
弱小だったチームを今の強豪に育て上げたエースである。
具体的に言えば、00年代までのチーム最高成績は47勝35敗だったが
これを超える戦績を5年連続で出し続けた。
間違いなく、ここ数年のチームはラプターズ史上最強と言える。

デローザンも、他のチームに移籍することなど全く考えてはおらず
"Mr. I am Toronto" と呼ばれていたほど、ラプターズ一筋を宣言していた。
3年前に1度FAとなったが、その時はラプターズ以外とは交渉すらしなかったという。
アメリカの外に拠点を置くこのチームにとって、こうした選手は本当に貴重である。
昔はプレー自体拒否した選手もいたそうだ。
実力面でも、オールスター4回、オールNBA（日本プロ野球でいうベストナイン）2回と申し分ない。

だが、プレーオフでは3年連続キャバリアーズに負ける。
2年連続で、特に昨季はレギュラーシーズンを1位で終えても4戦全敗した。
絶望とはまさにこれのことである。

そんな経緯で、前述のトレードは行われた。
スパーズから来た2人は、2014年の優勝メンバーである。
レナードはファイナルMVPに選ばれ、次世代のスターとして大いに期待されたという話だ。

しかしチーム内でトラブルがあったらしく、レナードがトレードを要求。
健康でさえあれば、スターター枠でオールスターに選ばれる名選手であり
彼がいればもっと上を目指せると、ラプターズのフロントは判断し・・・この話に乗った。
しかし・・・レナードは1年後、つまり今年のオフには選択次第でFAとなる。
ロサンゼルスに行きたいらしいが、どこまで本気かは本人以外誰も知らない。

・・・もうお分かりであろう。 フロントは大ギャンブルを仕掛けたのである。
勝てば今度こそファイナル進出、負ければチーム解体。
GMの首もかかっているかもね？

そう、今日はデローザンとポートルがトロントに帰ってくる。
スコシアバンク・アリーナ（去年までのエア・カナダ・センター）が最も盛り上がるであろうこの日に、
僕は現地観戦のチケットを買った。

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3階席ながら、価格は税込み$230。普段の3倍ほどに高騰した。
1階席なら、後ろの方でもその2倍以上にはなる。

2日前に改めてチケットの販売状況を確認したが、残っていたのはわずか2席。
再販チケットはある程度見つかったが、やはり高い。

3日前の2/19には、スコシアバンク・アリーナが開場20周年を迎えた。
その意味でも今日は特別な試合となるだろう。
ちなみに、ここでのラプターズの最初の相手はバンクーバー・グリズリーズだったらしい。

試合は19時開始で、その1時間前から入場できる。

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まずはグッズショップを見てみる。
レプリカユニフォームに応援用のフラッグ、帽子などのグッズが並ぶ。
この本拠地は、NHLのメープルリーフスと共用なので
そちらの関連商品も多く販売されている。

だが混雑がひどく、ゆっくり買い物していられる状況ではない。
トロントには他にも何か所かグッズショップはあることだし、買い物は後日に回す。

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ショップの目の前に飾られた、デローザンの10番。
中継を見ていると、今でも10番のレプリカユニフォームを着て応援するファンも少なくないが
今日に関しては普段よりさらに多い・・・どころか、 あっちもこっちも10番ばかり。
それどころか、他の全てを足してもまだ10番の方が多いくらいだった。
中には左右で赤と黒に分かれたユニや、ラプターズとスパーズを半々に組み合わせたユニを着た人も。
※デローザンはスパーズでも10番

そういえば、ずっと昔のユニフォームを着ているファンも結構いた。
紫をベースに、以前使われた「バスケをしている恐竜」のロゴというデザインの。
・・・けど、ぶっちゃけこのロゴはダｓ（ｒｙ
今の方がずっと好きである。恐竜の爪痕がついたバスケットボールだ。

他には額入りの写真がオークション形式で売られていたり、かつての名選手の写真が飾られたりしていた。

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壁やエレベーターにも、選手が描かれている。
6年にわたってデローザンの相棒をしてきた、そして今もラプターズでキャプテンを務める、カイル・ラウリーである。

カメラには収めなかったけど、一緒に写真撮影できる選手のパネルもあった。
ラウリー、レナード、サージ、ダニーの4人分用意されていた。
が・・・パッと見でわかるほどラウリーの小ささが明確だ。185cmはかなり低い方に入る。

もちろんフードスタンドもたくさん並んでいる。ポップコーンやピザ、ホットドッグなどがメインだ。
ポップコーンの缶にはラプターズのロゴが入っている。
だが、今日は試合に集中して写真や動画を多く手元に残したい。よって買い物は無し。

そろそろ試合に移ろう。
デローザンはもちろん今日もスターターである。予想通り、 ファンは大歓迎モード。
ちょっとだけ隣とも話してみた。10年来のファンだという。
彼本人も含め、これほど10番を着てきた人が多いのは当然のことらしい。

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サンアントニオでの試合は、1/03に行われた。
あの時はダニーには歓迎モードだったが、レナードには大ブーイングだった。
それもボールを持つごとに毎度毎度。 よくもまあ何十回も飽きないものだ。

ラウリーが3Pで先制、さらにシアカムが2点を追加する。
そしてスパーズの初得点はデローザンのレイアップ＆フリースロー。ここでも大歓声だった。
思えば前回やった時は、レナードがこの形で先制したな。大ブーイングでフリースローも外したけど。

前半はラプターズの3Pがよく、ハーフタイムまでに12本も決めた。
特にダニーはサンアントニオでの無得点の借りを返すように、1人で5本も入れる。

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これはスコシアバンク・アリーナ名物のひとつ、ラウリーフラッグである。
ラウリーが3Pを決めると現れる。今日は2回出てきた。

タイムアウトの際には、デローザンとポートルそれぞれに対し
ラプターズ時代の活躍をまとめたトリビュートビデオが用意された。
ハイライトは、まず2016年のカンファレンスファイナル進出。
そして昨年出した、チーム記録の1試合52点。

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デローザンの写真はさっき上げたので、ここではポートルを。

試合はディフェンシブな展開で始まり、1Qを終えて26-23。
2Qも開始から2分近くスコアレスが続くが、パウエルがこれを破る。
しかし、デローザンの 360度回転レイアップ をきっかけに
スパーズが流れに乗って逆転・・・と思ったらダニーの3P×2でまた並ぶ。
ラプターズから見れば、ゴール下が全然決まらないが逆に3Pは好調というところだ。
55-56、スパーズが1点リードで前半終了。

後半に入り、近～中距離主体に切り替えたラプターズがリードを作る。
一時74-67とするが、スパーズの粘りの前に決定的な差はつけられない。

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こちらはタイムアウト中の、両チームのベンチの様子。
僕がいた席は、TV中継のカメラからだと奥側にあたる。
反対側の方が、チームベンチが見やすくていい席なんだろうけど
$60の差があったので安さを取った。

3Qの途中、ベリネリを止めに行ったダニーにファウルの判定。あやしいジャッジだった。
ラプターズがタイムアウトを取るが、 この間にナースHCに退場が宣告される。
サンアントニオも目じゃない大ブーイング。「Ref, you suck!」コールである。
フリースロー3本、さらにポートルにイージーダンクを2本決められ再度逆転。
3Qは88-91で終えた。指揮官不在を考えるとよくない状況だ。

4Q前半、なんとか離されずについていく。
今日は活躍できずにファウルだけかさんでいく、新加入のマルク・ガソルだったが
同じく加わったばかりのジェレミー・リンが得点を稼ぎ、101-100でまた逆転した。

今までに無いくらい、両チームともにリードを奪えない試合だ。
最大リードはラプターズが7点、スパーズが6点。
最初から最後まで大接戦である。
アヌノビーの3Pで再び6点リードするも、デローザンとベリネリがまた追い上げる。

ここで今日の見どころ、ラウリーとデローザンの1on1。
前回はラウリーが出場しなかったので、この対戦はファンにとっても待ちかねたもの。
抜けないと判断したデローザンがパスするも、シアカムがカット。

そして残り44.9秒、ベリネリがまたも3Pを決めて 115-117 とする。
次のラプターズのターンは、サージがフリースロー2本。これを1本決める。
残り24.9秒で、スパーズが1点リード。これならボールをキープすれば・・・

・・・とデローザンが考えていたのを、ラウリーとレナードは読んだ。
レナードがスティールを決めてそのままダンク、 残り15.1秒で118-117。

スパーズのラストショットを担うは、この日好調のベルターンズ。
残り3秒でフェイドアウェイを放つ・・・外れる。
ラウリーがリバウンドを確保し、事実上ここで決まった。
残り0.2秒、レナードがフリースローで2点追加。

120-117、勝利！

レナードが25点、デローザンが23点、それぞれチームトップだ。
これも狙ったような偶然か？

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最後に、試合後の様子を2枚。
シーズン開幕前から注目を集めたこの試合は、ここに終わった。
複数の意味で、記憶に残る一戦となるだろう。

最後の最後に、もうひとつ加える。

黒っていい色だよね・ｗ・

ラプターズは赤と黒、スパーズは銀と黒がメインカラーだ。
なんだか気分が落ち着く。

First updated 2019.02.23 04:27:57

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