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政府は入院は重症患者のみに絞り込み、中等症や軽症患者は原則自宅療養とするとの方針を発表しました。これは相当大変な方針転換といえます。そもそもの方針転換の最大の要因は、急増する首都圏での感染者数をとてもカバーできないということなのだと思います。
私が
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月11日に感染が判明した時の東京都の感染者数は502人でした。今から見ればずいぶん少なく見えますが、それでもその頃は感染者数が増えたとメディアでは騒いでいました。それがもう4000人台になり、おそらく今週中には5000人突破も十分あり得るという状況です。
事態はかなり深刻ですが、菅首相は全くのノー天気で「人流が減った」とか「高齢者へのワクチン効果が出ている」など、4000人とは全く関係ないコメントを出すだけです。
報道によれば、菅首相は「オリンピックで日本人選手が活躍すれば、内閣支持率も上がるだろう」と期待しているとのことですが、今回のコロナ対策で打ち出したのは、最悪の対策です。
私はこの報道を見たとき、直感的に「これは最悪だな」と思いましたが、各報道を見てもほとんどの感染症の専門家は「これは最悪」「菅首相に政治をやる資格なし」などの手厳しい声も上がっています。また今です
ら「 レムデシビルや抗体カクテル療法の薬も、数が足りないので入院でしか使うなと厚労相から通達が出ている。外来にたくさん患者さんが来ていて、早く使ってあげたいがそれができないので非常に困っている」という声があるのに、非入院患者はますますつらい立場に追い込まれるのは間違いありません。
私が入院した経緯を振り返ってみると、やはりホテル隔離が大きな要因であり、このスタート時の扱いが、結果としてこうして無事に生還できたことに最も深く関わっていたと断言できます。
私が発熱をしたのが7月10日、
PCR
検査を受け陽性が判明したのは11日でした。そもそも今の医療体制は、コロナ発症患者には全く優しくなく、どうしたらいいのかわからないのが一般的です。
私は自分自身が1週間前にコロナワクチンの1回目の接種をした入院設備もある病院に電話して相談しましたが、けんもほろろの対応でした。その病院の
HP
には「
PCR
検査やります」と明確に書いてあるにも拘わらず、疑いのある人は来院も拒否するといわれました。
近所で、縁もゆかりもある病院でもこんな対応したしてくれないのが、現場の現実です。
ネットで調べてみると、保健所に電話してもつながらない、数日間様子を見て発熱が続いたらやっとまともに相手にされる、たらいまわしにされる、などひどい対応ぶりしかありません。仕方なく、自分で検索をし、秋葉原のクリニックで
PCR
検査を受け、当日中に陽性が判明しました。
その時の医者は「熱以外の症状(咳がひどいとか頭痛がするとか)がなければ、軽症扱いで恐らく自宅療養でしょう。」と言ってましたし、私もいきなり隔離よりも自宅にいるほうが仕事も続けられるし、良いと思っていました。
ですが、保健所からの電話では「いいえ、全員ホテル隔離していただきます!」と強い口調で言われましたが、結果としてこれが現在の健康回復につながったと思います。逆に、あのまま自宅にいたらその後どうなっていたかは想像もつきません。
ホテル隔離は確かに隔離のみで、一切の医療行為はありません。高熱だからと言って薬が出ることもなく、苦しいなら自身で用意したバファリンを飲むことで対処するのみです。ですが、毎日数回看護士が部屋に電話し状況を確認する、パルスオキシメーターで血中酸素濃度を計測、報告する、というようなことで私の状態を把握していました。治療も何もしないのですから、自然に良くなるか悪くなるかのどちらかしかありません。
隔離後3日経過しても、数値は悪くなるばかりで、医師が入院の必要アリと判断し入院することになりました。その時点での私はまだ軽症から中等症1に移ったレベルだった思います。今回の新方針では、この程度では私は入院できないのです。
というか、自宅にいたままではパルスオキシメーターもなく、報告することもままなりません。もし、高熱を嫌ってバファリンを何回も飲み、熱が比較的安定して「しまったら」、私は安定的な軽症患者とみなされるでしょう。
というか、そもそも自宅療養者に毎日何回もの定期的連絡は不可能でしょう。報道によれば、ある母親がコロナで自宅療養中の子供の熱が一向に下がらないため何度も指定された保健所の電話番号に電話したがほとんどつながらなかった、「もう少し様子見ましょう」しかアドバイスがなかったと言ってます。
私もそうだと思います。限られた人数のホテル内患者に対してさえ、なかなか定期的に全員と連絡を取り合うのは困難でした。特に、こちらから電話をしても何かの事務連絡か?くらいの扱いで、なかなか看護士と話すことはできませんでした。
私は入院しても初日は様子見で治療はありませんでした。その後悪化する経過を見て、翌日から酸素吸入器、点滴、パルスオキシメーター24時間装着などが決まりました。今回の新方針では、私は入院はおろか、この時点でも何の処置も受けずに「自宅にいろ!」となります。なぜなら、重症患者ではないからです。
私は結局レムデシベルやステロイドの複数回の投入、血液を固めないための薬の24時間点滴などの処置により、重症化する前に回復しました。重症化してしまったら、その後一体どうなっていったのか、恐らくまだ病院のベッドにいることだけは間違いないと思います。
この経緯から明確なように、「ホテルでなく自宅、中等症までは自宅」という現在の方針であれば、入院することも薬を投与することもされずに、ひたすら重症化を待つしかないということを言ってるのです。そして私は中等症の時に施した治療のおかげで助かりましたが、新方針ではそれはありえず、「入院したいなら、早く自宅で重症化しろ」的扱いを受けるしかないということです。
コロナ感染からもう1年半以上が過ぎ、オリンピックのために数千億円か1兆円かわからないほどお金を使っているこの国が、オリンピックの最中に出した新方針が「入院したいなら、重症化しろ」ではあまりにも理不尽です。もし私自身の発症が1か月遅かったら、恐らくとんでもなく違う人生になっていたような気がします。
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