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2024.07.17
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『地形と地理でわかる大江戸の謎』という本を、手にしたのです。
目次に58項目の「大江戸」の謎が出ているのだが・・・歴史的な蘊蓄に溢れていて興味深いのです。




大石学(監修)、宝島社、2021年刊

<「BOOK」データベース>より
歴史は「舞台」でこそ具体的な姿を見せる!なぜ、徳川幕府は江戸で開かれたのか?なぜ、参勤交代は大名ごとに時期が決まっていたのか?なぜ、大坂は「天下の台所」となったのか?なぜ、長崎に出島がつくられたのか?なぜ、江戸の罪人は八丈島に流されたのか?なぜ、晒し首の刑場は街道の入り口にあったのか?江戸時代の謎が地形と地理に注目することで解ける!そこで歴史は動いた‼ 全58項目の「大江戸」の謎に歴史の舞台へといざなうツール

<読む前の大使寸評>
目次に58項目の「大江戸」の謎が出ているのだが・・・歴史的な蘊蓄に溢れていて興味深いのです。

rakuten 地形と地理でわかる大江戸の謎


まず「箱根の関所」について、見てみましょう。
p32~35
<Q04 なぜ、箱根に関所が設けられたのか>
■支配体制強化のために徳川幕府が関所を復活させる
 奈良時代、通行人や通信の検問を目的に、各街道の要所に関所が設けられた。中世に入ると関所は通行税(関銭)を徴収するための役所となり、幕府や朝廷、大寺社にとっての重要な収入源となった。16世紀前半頃、幕府や朝廷の権威は凋落したが、関所は存続した。しかし、幕府から独立した戦国大名が鎖国を支配する時代になると、関所はむしろ不要なものとなった。

 関所があると商人の通行が妨げられ、領国内の経済発展を阻害するとともに、物資の流通が円滑に進まなかったためだ。また、各国を移動していた当時の商人は、他国の情報をもたらす重要な情報源でもあり、戦国大名は積極的に関所を撤廃していった。

 しかし、江戸時代になると関所は復活する。徳川家康は全国支配のために、全国の大名の妻子や重臣の子弟を人質として江戸に集めた。また、幕府への反乱を防ぐためにも、武器の流通を制限しなければならない。「入鉄砲と出女」という言葉があるが、幕府は無許可で江戸に武器が流入することを防ぎ、大名の妻女が江戸から逃亡することを防止するために関所を復活させたのである。

 幕府が設けた関所は、全国で53ヵ所に及んだ。なかでも重要だったのが、五街道に設けられた関所である。中山道の碓氷関(群馬県)と木曽福島関(長野県)、甲州道中の小仏関(東京都)、日光・奥州道中の栗橋関(埼玉県)、東海道の新居関(静岡県)と箱根関(神奈川県)である。それぞれ、地方と江戸をつなぐ交通の要衝であり、とくに中山道と東海道は関所を二つ置くことで検閲の二重体制をとった。

■東海道一の難所・箱根に関所が置かれた理由
 箱根関は元和5年(1619)、相模(神奈川県)と伊豆(静岡県)の国境の箱根山の山頂にある芦ノ湖のほとりに設置された東海道の関所である。
 箱根は西国と関東地方をつなぐ交通の要衝である一方、東海道一の難所として知られていた。平安時代から鎌倉時代には、箱根越えがあまりに厳しかったため、迂回して碓氷峠や足柄峠を越えていたほどだ。

 それでは、なぜそんな難所に関所をつくったのだろうか。地図を見るとわかるが、相模と伊豆の国境付近にそびえ立つ標高700メートルの箱根山は海岸線近くまでせり出しており、小田原宿から三島宿までの陸路は山と海に挟まれた状態だった。海岸を往来するのは困難なため、人びとは山を越えざるをえなかった。したがって、ここに関門をつくれば確実に交通をチェックできたのである。なお、幕府は箱根に関所を設ける際、山の中腹から芦ノ湖の湖畔まで柵を立て、関所以外を通行できないようにしたという。

 現在、箱根を通る旧東海道沿いは杉並木がつらなっている。これは幕府が街道を整備する際、街道沿いに並木を植えるように指示したためという。一本道にすることで交通の便をよくするとともに、取り締まりをしやすくしたわけである。





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Last updated  2024.07.17 00:34:15
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