カツラの葉っぱ 大好き!

カツラの葉っぱ 大好き!

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

Mドングリ

Mドングリ

Calendar

Favorite Blog

このところ、自転車… New! alex99さん

「錯視の表情」 New! lavien10さん

最後の13日の金曜… New! 歩世亜さん

騙す、騙される まろ0301さん

カールのフランス体… karlneuillyさん
うるとびーずの ♪MY … うるとびーずさん
森の暮らし~山童日記 山童タタターさん
ひまじんさろん msk222さん
幻泉館日録@楽天 幻泉館 主人さん

Comments

シュワちゃんはマヌケw@ Re:『小川さゆり、宗教2世』2(06/29) 政府与党はバックにバビロン世界権力の国…
Mドングリ @ Re[1]:「ガダルカナル島の近現代史」3(04/11) maki5417さんへ 著者が中国嫌いと言うよ…
maki5417 @ Re:「ガダルカナル島の近現代史」3(04/11) 著者はかなり中国嫌いのようで 最近はな…
aki@ Re:バイオマスって有効?7(03/21) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
Mドングリ @ Re[1]:能登半島地震対策-R1(01/16) akiさんへ >いらっしゃい akiさん <こ…

Free Space

1【旧ブックマーク】
カールのフランス体験記
再出発日記
第7官界彷徨
ひまじんさろん
マックス爺さん
alex99さん
chappi-chappiのとんぴん日記
より良い明日をめざして
七詩さんのHP
昼顔のつぶやき :バードウォッチング
幻泉館日録
heliotrope8543さん
LAVIEN
韓国大好き♪
ナナメに歩こー♪
水彩画人
No-Match

太腕繁盛記 生
内田樹の研究室
アイラブサイエンス
YOKOO'S VISION 横尾忠則の日記
お隣さんの国:韓国からの手紙


2【官公庁】
キキクル神戸
神戸市立図書館トップページ
図書館カレンダー
国立国会図書館ギャラリー展示
阪神・淡路大震災の概要 :内閣府

3【気になる本】
好書好日トップ
吉岡桂子さんの書評
岩波書店
新書マップ

4【メディア】
NHKプラス
デジタル朝日 スクラップブック
NHKスペシャル放送予定
デジタル朝日新聞トップ
WEDGE infinity
週間金曜日公式サイト
JPpress
wikipedia青空文庫


5【関西、旅行】
ハイパーダイヤ
パルシネマ・上映スケジュール
パルシネマのKAWARA版
OSシネマズミント神戸
横尾忠則現代美術館
兵庫県立美術館
YMCAウエルネスセンター

6【資源・エネルギー】
Tech-On!エネルギー
素材・エネルギー

7【中国】
大紀元トップ


8【韓国】
朝鮮日報
東亜日報/国際


9【フランス】
Le Blog Gallica
Le Monde.fr
グーグルニュース(フランス)
在日フランス大使館

10【世界】
ハイパー世界史用語集

11【エコ・環境】
海洋プラスチック問題について
神戸市の花粉飛散情報 2024

12【仕事・シルバー】
ひょうごボランタリープラザ
健康長寿ネット

13【リンク集】
all about
法情報リンク集
ariadnet

14【その他】
西暦・和暦変換表・簡易電卓
こうして日本は格差社会になった
国字の一覧
wikipedia 修辞技法
日本地図

Freepage List

好きな樹


カツラ


低木(お奨め)


ケヤキ


ハルニレ


フウ


ユリノキ


ブナ(お奨め)


ダケカンバ


ウメ


サクラ


アジサイ(お奨め)


沙羅双樹


マロニエ


コブシ


馬酔木


菩提樹


ヤマボウシ(お奨め)


コニファーガーデン


カラマツ


イヌマキ


クスノキ


ハナミズキ


シラカバ


ヤブデマリ


街路樹ベストテン


ハリモミ


クロバナエンジュ(イタチハギ)


庭木の手入れについて


日本の樹木


『カラーリーフ』


『手入れがわかる雑木図鑑』


個人的歴史学


歴史関係リンク


個人的歴史学9


満州あれこれR14


網野善彦の世界R2


中沢新一の世界R1


台湾あれこれR11


明治期の日本大好きアーティストR2


縄文人の世界R13


東インド会社あれこれR3


「香辛料貿易」をめぐる戦い


お楽しみ箱


野草(お奨め)


フータロー日記 R1


遠くへ行きたい2


車が好きだったかも2


サウジアラビアあれこれR7


シルクロードあれこれR4


愛すべきイギリス人 1


気分はオーストラリアR6


宇宙への関心R6


砂漠への憧れ R4


キャット・ギャラリーあれこれR3


YOU TUBEで好きな歌を


腹立ち日記


なめきった お役人6


(ニッポンの宿題)シリーズR3


バンクシーあれこれR3


情報整理


総合インデックスR3


アマゾンvs楽天R3


朝日のインタビュー記事スクラップR16


NHKスペシャル・アーカイブ(改12)


新聞連載コラムのスクラップ


トップの壁紙


蔵書録(全項目)改5


14雑誌類R2


ドングリの独り言


合宿免許@倉吉


腑抜けの闘病記


日米中の宇宙開発対決R2


飛行機シリーズ3-R3


フランスあれこれ2


団塊世代R5


アヒル(レベル6)との闘い(最新版)


老人力あれこれR3


中華に対する辺境


『中国化する日本』11


日米中EV対決R6


対中最新情報


NHKスペシャル「中国文明の謎」


吉岡桂子記者の渾身記事36


中国関連のオピニオンR2


『イネが語る日本と中国』4


『世界史のなかの中国』3


『中国が世界を攪乱する』2


『中国古代史研究の最前線』4


嫌中本あれこれR8


アメリカ アメリカ


アメリカ アメリカ7


鬼門は自動運転車R5


『ヒルビリー・エレジー』3


個人的エネルギー政策


石炭ガス化複合発電(IGCC)って


シェールガスに期待できるか?4


バイオマスって有効?7


メタンハイドレートあれこれ


水素社会に向けて加速3


個人的エネルギー政策11


温暖化あれこれR1


映画あれこれ


映画あれこれ1


2本立て館で観た映画R20


お奨め映画1


見たいDVD-R2


リドリー・スコットの世界3


渡辺あやの世界


クリント・イーストウッド監督作品集R1


リドリー・スコット監督作品あれこれR1


第二次世界大戦の戦争映画集1


映画美術3-R2


映画の基本はシナリオ


台湾映画アンソロジー


テリー・ギリアム監督アンソロジーR1


スター・ウォーズあれこれR4


映画パンフレットR3


宮崎駿の世界R3


高畑勲の世界


是枝監督アンソロジーR4


宮崎駿アンソロジー


「戦争映画」を観てきた2


ドイツ映画あれこれ


飛行機映画あれこれ


砂漠の映画あれこれ3


移民を扱った映画R1


山田洋次の世界R3


黒澤明アンソロジーR2


ハードSF映画あれこれ(R2)


原作が先か、映画が先かR7


ニール・ブロンカンプ監督作品集


好きな映画監督のインデックスR1


矢口史靖の世界R1


戸田奈津子の世界


周防正行の世界R3


ブレードランナーあれこれR4


何をおいても音楽を


何をおいても音楽を3


好きな歌リンク1


好きな歌リンク2


テレサテン


うたの旅人


(もういちど流行歌)シリーズ


個人的言語学


日本語が亡びるとき


通訳、翻訳,についてR25


漢字文化圏あれこれR12


漢字の世界R4


言語学的SFあれこれR5


関西人の話法 R1


言語・方言のインデックスR5


方言あれこれR5


仏文書籍あれこれR3


原発関連


中国、韓国の原発事情3


福島原発関連13


卒原発についてR1


韓国あれこれ


韓国ほろ酔い旅行記


キムさんとのこと


歴史にみる日本と韓国・朝鮮


釜山ヨタヨタ旅行


韓国あれこれ15


韓国料理あれこれR3


韓国通の人たちR3


呉善花さんという人R1


朝鮮紀行あれこれ


日韓の住まいあれこれR1


森林あれこれ


森をゆく旅


ブナ大好きスペシャル


樹木のアート


森林あれこれ6


新素材CLTの報道より


『林業がつくる日本の森林』4


気になるアート


鼠つながり


『中国行きのスロウ・ボート』がつなぐ輪R7


藤田嗣治アンソロジーR5


草間彌生の世界


横尾忠則を観に行こう♪シリーズ


関川夏央アンソロジー


伊坂幸太郎の世界R6


和田誠アンソロジーR7


クールジャパンあれこれ3-R1


気になるアート6


スタジオジブリあれこれR2


川上未映子アンソロジーR3


暇になったら、絵を描くのだったR6


高橋源一郎アンソロジーR4


三浦しをんの世界R10


西加奈子の世界R4


村上龍アンソロジーR3


版画あれこれR5


村上春樹アンソロジーR14


先住民や移民にからむ文学R9


無頼派女性作家の系譜R3


絲山秋子ミニブームR11


シュルレアリスムあれこれR2


気になるイラストレーターR3


『ジャポニスム』あれこれR3


『アンドリュー・ワイエス水彩・素描展』


佐野洋子の世界R4


浅田次郎の世界R22


小川洋子ミニブームR12


池澤夏樹の世界R5


陳舜臣アンソロジーR13


シーナの写真付き旅行記R7


サン=テグジュペリの世界R6


多和田葉子アンソロジーR13


『中島京子の世界R10』


漫画・絵本関連


『ガロ』がつなぐ輪R4


現代マンガの索引


バンド・デシネあれこれ


いしいひさいちの世界R4


松本大洋の世界


もう赤瀬川原平さんはいないのかR5


鳥頭ワールドR3


杉浦日向子アンソロジーR4


佐々木マキの世界(その6)


SF風イラスト R1


絵本あれこれR9


漫画のインデックス


つげ義春ワールドR7


Le Blog Gallica


空間アートの世界


非定常空間あれこれR2


安藤忠雄の作品


安藤忠雄 建築を語る


空き家問題あれこれR8


主体的な住居とはR4


個人的民俗学


柳田國男あれこれ


異境、辺境を描く著作R6


藍布の源流


人類学あれこれR3


木地師について


「食の歴史と日本人」


探検本あれこれ(その15)


「紙」あれこれR2


『栽培植物と農耕の起源』6


『食の人類史』5


文学賞を狙って


作家デビューを目指す貴方へ3


最強のエッセイストR7


すっきり書ける文章のコツ80


売れる作家の全技術


文学賞あれこれR2


『職業としての小説家』6


文章修業のインデックスR10


読書術・書評のインデックスR8


13 小説家になるための本


『書いて稼ぐ技術』4


大仏次郎論壇賞の受賞作R1


『みみずくは黄昏に飛びたつ』7


小野正嗣のあれこれR2


装丁と挿絵


『不思議の国のアリス』がつなぐ輪R3


挿絵本あれこれR5


線描画の達人たちR4


小村雪岱の版画がええでぇ


本に携わる職人たち5


図書館予約とか


図書館あれこれR1


図書館活用あれこれR3


紙の本への拘りR6


予約分受取目録R32


科学的著作


137億年の物語


137億年の物語(続き)


福岡ハカセの世界R1


『動物たちの生きる知恵』2


鳥の本あれこれR13


『驚異のバクテリア』


次元へのこだわりR1


ブラックホールを見たいR4


ラララ・・・科学の子5


『古今東西エンジン図鑑』


ナショジオの鳥シリーズR3


個人的経済学


個人的経済学21


ピケティさんの世界R1


シェアリングエコノミー


テクノナショナリズムに目覚めた12-R4


2024.08.10
XML
カテゴリ: メディア
古代の東アジアでは、漢字・漢文との距離感の違いによって各種の擬似中国的な国家を形成したようです。
この言語的な歴史は私にとっていつも気になるテーマなんで・・・、「漢字がつくった東アジア」という本を復刻して読み直そうと思い立ったのです。
*********************************************************
「漢字がつくった東アジア」を読み進めています。
日本が最初に中華圏から独立したとする切り口が、ええでぇ♪

今はない渤海という国が大使にはエキゾティックなんですね。歴史上、日本とは友好的であったし、抗争も無かったようです。

<渤海の辿った道>p173~176
 それでは、独自の年号までもった渤海国とは、どのような歴史を辿ったのか。それは、あまり明らかではありません。なぜなら、渤海国自身によって書かれた歴史書が残っておらず、同時代の日本の『続日本紀』や、中国の『旧唐書』などから再現するしかないからです。
 926年、第15代の大イセンという国王が契丹の耶律阿保機に亡ぼされ、渤海国の歴史はここで終わります。したがって698年から926年までの230年ぐらいが渤海国の歴史ということになります。それは、日本でいえばおおよそ奈良時代から平安前期。政治的に独立した後、中国的文化を意識的に学び、擬似中国的な国家を形成しつつ、平仮名(女手)の誕生によって、文化的独立に至る時代に相当します。
 靺鞨人の国家・渤海が、なぜ、日本や朝鮮のように安定した形態をとることがなかったかといえば、王を中心とするごく少数の官僚達は、漢詩・漢文に通じ、東アジアの政治的関係を理解していたとしても、圧倒的な数の民衆は、これとは無縁の無文字的空間にあったからであると考えられます。西にモンゴル、さらには突厥という遊牧の空間に接する靺鞨人は、東アジア漢字文明に半分だけ足を突っこんだにすぎなかったからです。 新羅が立ったのは676年で、その20年後には渤海国が立ち、ある意味でここに朝鮮半島での南北時代、北と南という二つの国が立つという構造が生じました。
 さて、ここで見ていただきたいのは、698年から926年ということは、律令日本時代と重なるという事実です。日本は710年に奈良朝に入ります。794年には奈良から平安に遷都して、894年には遣唐使を廃止しています。
  (1日文字数の制約で省略)

wikipediaに靺鞨、渤海の位置づけが載っているが・・・ま~民族勃興史を見るようで感慨を覚えます。

wikipedia 靺鞨 より
靺鞨靺鞨(7世紀後半)

渤海渤海(8世紀、9世紀頃)

 靺鞨(まつかつ)は、中国の隋唐時代に中国東北部(現在のロシア連邦・沿海地方)に存在した農耕漁労民族。南北朝時代における「勿吉(もつきつ)」の表記が変化したものであり、粛慎,挹婁の末裔である。16部あったが、後に高句麗遺民と共に渤海国を建国した南の粟末部と、後に女真族となって金朝,清朝を建国した北の黒水部の2つが主要な部族であった。


「中国からの独立」という白川さんの独特な切り口を拝聴してみましょう。


<唐の滅亡と東アジアの文化的独立>p188~190
 こうしたことを総合的に考えると、900年から1000年代のところで、東アジアの各地方は文化的に独立することがわかります。この900年から1000年代に越南でも独立の気運が起ってきます。
 一方、朝鮮半島は、北では926年に渤海が亡び、南では919年に新羅から高麗に代わっています。ここでも文化的な独立めいた動きが生じます。
 日本は、国が亡ぶような大きな政治的な変革は見られないものの、それに匹敵するような文化的な革命と断絶がこの時期に起きます。それは女手の成立です。再三繰り返すように、女手が誕生したことにより日本は文化的な独立を遂げますが、それがちょうど越南が中国から離れて独立する時期と重なるのです。
 ここで非常に興味深い原理がひとつ抽出できます。それは、「東アジア漢字文明圏における独立は、自主的に中国風の体制を整え、漢字文明・文化を推進する」ということです。
 一般的に、独立するという場合には、支配者の束縛から離れて自分たちのものを打ち立てることを意味しますが、東アジアで自分たちのものを打ち立てようとする場合には、かならずいちど政治的にも文化的にも中国化する必用があります。まず中国の政治制度を学び、中国の文化を積極的に取り入れ、あたかも中国と同じような政治的・文化的形態になる。その経験を経たあとに、はじめて文化的な独立が成立します。これが東アジア漢字文明圏における独立の条件です。
 非常に矛盾に満ちていますが、わかりやすくいえば、京都と奈良の違いです。あるいは、京都の町でいえば、御所と禅院の違いです。奈良とはいったい何かというと、あれは中国です。中国のものをどんどん取り入れて、中国と瓜二つの姿になることを目指したのです。この逆説的な動きが、日本が白村江の戦いで敗れ、中国から独立したあとに起きます。つまり自主的に中国文化を吸収することによって独立するしかないのです。
 それほど中華の文明というもの、知識学問というもの、政治制度というものが圧倒的に大きく、水圧が高いのです。それを自分のものとして取り入れなければ中国からの相対的な独立はありえないのです。
 たとえば奈良時代の写経。写経によって中国の文字を知る、中国の文を知る、中国の知識を知ることを徹底することによって独立が果たされたのです。
(中略)
 越南でも、脱中国化を達成して独立しようと思えば中国化しなければいけない。つまり中国化することによって脱中国化するのです。日本の場合もそうですし、朝鮮の場合もそうです。これが漢字文明圏における独特な独立の形態だと思います。

 拙著『日本書史』で詳しく述べていますが、私は900年を日本史におけるひとつの分水嶺と考えてもよい大きな区分と考えています。900年までを、奈良時代あるいは空海などが活躍する平安初期を含めて「擬似中国時代」と考えます。この時代の文化は、中国から独立していちばん最初にやってくる姿をしています。東アジアの国が政治的に独立したあとには、中国のごとき姿をする時代がかならずやってくるのです。それを経た後にやがて「違いのわかる大人」になることがあります。日本でいえば、女手をつくることによって、和歌と和文の表現力を手に入れ、擬似中国段階を脱して日本化することになります。
 同様の試みが、東アジアではやはり文字をめぐって起ります。日本では女手でした。朝鮮ではハングルをめぐって起ります。そして越南ではチェーノム(字喃)という、いわゆる越南文字をつくることを通じて起ってきます。この「喃」の字がまさにチェーノムです。「口」扁が表音のための借用字であることを表し、「越南」の「ノム(南)」という音を合わせてつくられた越南文字です。


中国に組み込まれながら、一貫して反抗的だったヴェトナムの文化、王制を見てみましょう。辺境としての悲哀は朝鮮半島より大きかったようですね。
チェノム

<朝鮮、越南、日本の支配体制>p199~201
 江戸時代までは一貫して、朝鮮半島は日本に大陸のいろいろな文化を伝えるというかたちで、ある意味での師匠役をしてきたわけです。けれども、半島側には豊臣秀吉の朝鮮侵攻に象徴されるような、とんでもないことをする、わけのわからない要素をもっている島だという認識もある。そういうなかで、朝鮮半島の、大陸と孤島のあいだにあるという中間の意識は、単に半島意識ということだけではなく、孤島との関わりを絶えず意識させられてきたと考えられます。
 元の侵攻に対して、越南が選んだ対応は反抗でした。文化的民族主義としてチェーノムはつくられました。しかし先ほどいったように、大陸を北といい自分たちを南というように、基本的に自分たちを大陸と同格に見ようという意識が支配層にあります。
 なぜか。それは越南が中国だからです。とはいえ、体制に組み込まれて、生活しているだけの被支配層は別です。支配する層は、要するに中国です。だから大陸の南朝なのっです。まさに南朝を建てるというような意識から越南は生まれてきたのです。チェーノムが基本的には漢字と同じ構造の亜漢字であり、また(それゆえ)越南語が中国語と同じ単音節孤立語でありつづけていることにも触れておきましょう。

 さらに興味深いのは、朝鮮、日本、越南の三つの国で支配体制が異なることです。朝鮮は基本的に「王」、つまり王制です。この王制というのは、再三述べているとおり、皇帝のもとにある王制です。要するに冊封された王制です。あくまで「自分たちのところには王しかいない」という考え方です。皇帝がいるとは考えないし、また考えられもしないのです。
 それに対して、日本の場合は「皇帝」です。皇帝とは名乗らないけれども、王とも名乗らずに、その中間的な概念、もしくは模擬皇帝概念として天皇をつくる。天皇制が強化されるのは近代以降です。しかも日本史の過半を実際的に支配したのは、古代には摂政や関白、あるいは院、そして中世、近世は征夷大将軍、つまり将軍でした。わかりやすくいえば、日本の場合、皇帝でも王でもない天皇という制度になります。

 ところが越南の場合は異なります。対中国的には王でありながら国内的には皇帝と称するのです。実際問題としては中国の皇帝と冊封関係にあり、したがって王、あるいはもっと貶められて郡王ぐらいのこともあるのですけども、王でありながら国内的には皇帝と称するのです。したがって越南がいちばん中国的なのです。中国でありながら中国とは違うという、むろん朝鮮あるいは日本とはまた違った姿をとるのです。
 話は少し脱線しますが、これは絶妙かなと思うのは、越南を含む半島をインドシナ半島と呼ぶことです。すなわちインドの文明と中国の文明がちょうどそこで交差し、共存している半島です。中国大陸に発する漢字文明は東海岸の方から越南へと南下してきますが、西の方からはインドの文明が押し寄せてくる。それは文字が、越南以外のところでは、アルファベットでもなく漢字でもない、いわゆるサンスクリット系の文字が基本的に使われていることと関連しています。
 越南が独立するときに、「漢唐はわが帝国にして、孔孟はわが祖師なり」という考え方が払拭すべき意識として語られました。この考え方を払拭しなければ越南の独立はありえないというのが越南の独立のときの考え方です。それほど越南の知識人のあいだには、中国大陸の文化・文明が自分たちの礎であるという考え方が根強くあったのです。


wikipedia チュノム によれば、一般のパソコンでも大多数のチュノムを表示、印字することが可能となっているそうです。
ベトナム語のローマ字表記化についてはwikipedia クオック・グー に詳しいが・・・1945年独立を期に、中華のしがらみを絶ったのでしょうか?(クオック・グーとは、もちろん国語ですね)


漢字がつくった東アジア1 :現代の中国語
漢字がつくった東アジア2 :立ち上がる朝鮮半島
漢字がつくった東アジア3 :大陸の視点が脱落した古代史観
漢字がつくった東アジア4 :唐の滅亡





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.08.10 21:59:32
コメント(0) | コメントを書く
[メディア] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: