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中国に通っているとハッと気づかされることがあります。最近は、上海のタクシー代が高いこともあって、なるべく地下鉄で移動するようにしています。かつて2004年頃は、混雑しているけど「元気、活気」を感じて、そのパワーに惹きつけられました。個人的には、2000年~2010年の中国(北京、上海)は私の10代の学生時代の東京と似ています。(おおよそ70年代)(私より年上の方々は60年代の東京だと言います)*年代によって捕らえ方が違いますね。その後、オリンピックに万博と躍進を続けました。しかし、最近は地下鉄の乗ると「皆、疲れてるなー」と。昔の東京の地下鉄のようで、あの活気はどこに行ってしまったのか?もう「能面」のような顔の人ばかりです。イケイケバブル経済は一段落したものの、まだ成長ラインにある中国経済。経済が成長する時は人々に活気があって「幸せそうに見える」と言われます。しかし、ある領域に達すると幸せそうに見えなくなってきます。それが急速に広まりつつあります。こういうのを見ると、GDPがどうのなど経済構造の視点で幸福度は計れないし、それだけでは幸せになれないんだな、と再認識できます。経済活動はそもそも人々の生活活動の結果。その上海の生活活動を見ていくと経済が豊かになっても「幸せそうでない」領域に入ったなということがわかってきます。その典型は、生活スタイルの変化です。それはマーケティングうんぬんの視点ではなくて、例えば、かつての中国人は、両親を大事にして同居して少々収入が低くても家族全員で合計すれば意外に不自由ない生活ができたし、年老いた両親も子供夫婦が面倒を見てくれるので、老人ホーム問題もありませんでした。また、子供は両親が面倒みてくれるので、夫婦でガンガン共働きしてお金を貯めることができ、それを元手にマンションを買ったり、商売を始めたり、、、。私が上海に借りていた大家さんがまさにこうした生活者だったので、「なるほどなー、幸せのサイクルだ」と思いました。しかし、近年は両親とは別居が増え、子供はベビーシッターを雇わなければならない。老人となった両親を預ける老人ホームが不足している。マンションは高くなってきたから、遠距離通勤が始まる。それで専業主婦も生まれてくる、、、。すると家計はますます苦しくなってくる。また企業でも、社員はノウハウを覚えたら他社へ転職してしまうか、会社のノウハウを使ってそのまま自分で起業してしまう。それを10年以上繰り返すと、もう社員は少なくていい、新卒はいらないとかどんどん慎重になってきて、経済は好調なのに大卒の就職先が減ってくる、、、というヘンな現象が起きてきます。さらにどうせ3年くらいで他社に移るなら、ノウハウを教えるだけなんだから、初任給をアップする必要はない、と考える人事部や経営者が出てきます。こういう流れが加速してくると、明らかに社会全体が「負のスパイラル」に突入していることになります。そういうのを見ていると、どっかの国に似てるな、と(笑)。それでハッとするわけです。===日本経済も消費税問題やTPP問題が目立ってますが、そういう経済構造だけをこねくり回しても問題は解決しないな、と思います。日本もバブル時代の手前くらいから、両親と別居が当たり前になり、短大や大学を卒業した女性たちが専業主婦化が始まりました。子供の面倒をみてくれる人がいないからです。マンションを買おうが一軒家を建てようが、収入はお父さんだけ(汗)。両親は年老いて、老人介護問題が浮上してきます。上海も東京に似てきてるなと。高度成長期の「インフレ」でイケイケ時代はそれでもなんとかなりました。(所得が年々上昇した)しかし、デフレ時代になった時に「構造改革」をしたのは政府で、生活者は生活構造改革をしてこなったのです。インフレ時代の生活をそのまま続けてしまいました。デフレそのものは政府の経済政策のミスの連発だったことは事実です。その一方で、その時代に適合した生活に改革できなかった国民にも問題があります。本来であれば、両親と同居して、共働きをして、「両親の年金+夫婦の収入」で生活すればよかった。大人4人に育てられた子供たちは、良い子に育ちます。専業主婦の母親に育てられた子どもは親の「ペット化」する傾向があり、学校の先生も「ゲンコツ」「往復ビンタ」すら禁止されてしまう。家では個人教育は出来てもチームワークを教えることはできないから、学校の先生に「もっとガンガンやってください」と言わなければならなかったはず。しかし、モンスターペアレンツ化した親が監視の目を光らせて、やがて先生も「文句言われなければそれで良い」的教育方針になってしまう。すると社会に出ても「弱い」。それが企業に入社しても、やっぱり「弱い」。特に大人との付き合いが少ないから、上下関係、人間関係に弱い。だからかつては問題が少なかったはずの社内が「問題だらけ」になってきます。新入社員研修で「30代の夢は何ですか?」と質問すると、「専業主婦です」と答える社員が増えて来た(汗)。ということで、経済不況の原因の半分くらいは「おっぺけな政府」にあるとしても残りの半分は生活者にもあるのではないか?と考えます。政府も「政府はこのように構造改革をします。国民はこういう生活をしてください」と言わなければならなかった。それをして来なかったこの20年間の集大成が現在と言えます。そこで、消費税やTTP以外にすぐにやらなければならないことは何か?これは私の考えですが、「子供手当て」は止めて、共働き夫婦への「24時間無料保育園」を作って、何しろ「皆さん働いてください」と言う。日本には世界一高学歴の専業主婦たちがいます。一人の子供を大学卒業させるには、家庭と政府で数千万円かかります。その子が社会に出て数年で専業主婦化してしまえば、税金を納める期間があまりにも少ない。こういうことは言いづらいから、政治家はなかなか口にしないが、事実は伝えなければ気がつかないわけです。働けば収入があるから、その分「消費」が増えます。税金は消費活動から生まれる、、、の原則。次に両親との「同居手当て」。(だいたい両親の面倒を見なくなったこと自体が問題のはず)ただ、いきなり同居しなさいと言っても、もう少し広い家やマンションに引っ越したりリフォームも必要でしょう。介護が必要になると、思うように働けなくなります。それを手当てしましょう、ということです。そういう本当の支援を最優先するべき。そもそも、自分の両親の面倒見なさい、という人間として当たり前のことを学校でも堂々と教えるべきです。(道徳教育の欠落)だけど、現在は生活が苦しいから、同居する家族には手当てを支給する。介護ばかり手厚くしていく前に、同居を奨励するべきで、それをしないで介護問題だけをクローズアップしても解決策は苦戦します。(もちろん諸事情で同居できない人は例外とする)それでも核家族化を希望する人たちもいます。そのためには「こういう生活改革をすれば、いずれインフレになります。インフレが安定したら、また核家族化しても結構です」と言えばよい。企業もグローバル化しなきゃ、と社内公募で集めた社員を留学させて、それで一気にグローバル化しようと思っていたら、MBAとか取得して帰国した社員が次々と辞めてベンチャー起業していく。(そして企業側が大きなダメージを負う)その何人かは成功してテレビとかで「日本の企業は世界から遅れている!」とか平気な顔してコメントしています(笑)。そして、こういうベンチャー企業から「社員を定着させるにはどうしたらいいですか?」という質問が来ます(笑)。自分は好きにやって来たけど、社員にはついてきて欲しいということです。企業側も、それはバカらしいからやめようとなり、ならば外国人を雇おう!どうせ3年で辞めるなら契約社員でOK、とか、そういう人事制度に変化していきます。または、3年目あるいは5年目から給与が上がるようにしよう、、、となり、なんだ結局は年功序列も悪くなかったんだ!ということになったり、、、。(結局、元に戻っていくパターン)こうしてみていくと、課題の多くはシンプルに「恩返しの文化(あるいは感謝の心)の欠落」が問題だなと思います。(日本でも中国でも、、、)この循環が回っているうちは、皆それなりに幸せな生活できたし仕事もできた。しかし、そのサイクルが「自分主義」が強くなり過ぎて「ブツっ」と切れてしまうと、世の中全体がなんだか幸せ度が薄く感じてきます。人間は、裏切られると臆病になります。(企業も同じ)そうして、結局は巡り巡ってそのサイクルが切れた部分を政府が負担することになっている、という見方もできるわけでで、それから目をそらせない状況にあるのも事実です。もっとドライな言い方をすれば、「借りたもの(あるいは恩)は返す」が基本で、それが止まると、経済活動にもどんどん弊害が出てきて、その結果が1000兆円(政府の負債)になっちゃった。だから、政府がアホばかり言ってないで、周りの人たちへの恩返しをしっかりやりましょう。挨拶でよく言う、「皆さんのおかげです」というのは台詞化してませんか?ということです。アクションで返しましょう。===以上は、とある企業の新入社員フォロー研修での講演内容です。もちろん、会場は賛否両論の嵐になりました(笑)。
2012/06/30
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6月28日(木)18:30~20:30id10ジャパン社が主催するセミナーで講演します!<間近にせまった夏休み・国慶節のインバウンド対策!中国個人旅行者の集客および購買力アップのご提案。>中国人富裕層の誘致の方法と、販売促進の事例を紹介します。とは言っても、マスコミに報道されているような「爆買いツアー」のようなものではなく、富裕層が個人ビザを取得した後に、リピートしてもうための提案の具体的な事例などを紹介します。また、活動を通してわかった、これから取り組まなければならない「課題」とその解決策の例も紹介します。(広告媒体、ブログ、SNSの実態、お土産と消費など)ブログやFacebook、週刊トラベルジャーナルなどに書きたいけど書けなかったことを中心にお話ししたいと思います(笑)。↓申込・お問合せはこちらまで!場所:7Seven(セブン)JRの場合:恵比寿駅東口より徒歩4分東京メトロ日比谷線の場合:恵比寿駅1番出口より徒歩7分〒150-0013東京都渋谷区恵比寿1-22-20恵比寿幸和ビル7F代表電話 : 03-5798-7727地図:http://seven-ebisu.jp/access/access.pdf
2012/06/27
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約一年前に手に入れたASUS TF101の画面が真っ暗になりました。インターネットであれこれ調べて修復を試みたが、わからない。それでついにサポートセンターに連絡してみました。すると、3コールで担当者が出て、症状を詳しく聞いてくれました。それでアドバイスをもらい、2回コールしてはアドバイスを受けた後(とても技術に詳しい方)「お手数をおかけしました。これはお預かりするべき故障です」ということで、手続きの確認をしました。領収書が見つからなかったけど、ネットで購入したので、その発送メールがフォルダに残ってました。すると、「それでは、その発送確認メールをプリントしてご用意ください」とのこと。その後、「商品を送って頂くか、受け取りに伺うか?どちらを希望されますか?」「受け取りでお願いします」「承知しました」続いて「購入された時の箱はありますか?」との質問が来ました。捨ててしまったことを伝えると、「では、こちらで用意します」さらに「受け取りはいつが良いですか?」「日曜日ならいるけど、、、」「では、日曜日に伺います。受け取り業者は、、、」なんともテキパキして気持ちよい応対でした。それで実際に日曜日の時間通りに受け取りに業者さんの対応もテキパキでした。今までの経験(日系メーカーの商品)を言えば、たいてい、サポートセンターにかけると「○○の方は1番へ、○○の方は2番へ、、、、」と続きます。それでやっと番号をプッシュすると、「△△の方は1番へ、△△の方は2番へ、、、」とこれまた音声ガイドが続きます。そうしてやっとつながったと思うと、あきらかに遠距離な電話で、ヘタすると中国の大連やベトナムあたりにつながってたりします。その後の対応も、今回のASUSほどテキパキしたことはありませんでした。そして、良く考えてみれば、直販ショップでなく、ネットショップで購入した商品でも同様の対応をしてくれてます。「どちらでお買い上げですか?」とは聞かれませんでした。聞かれたのは「シリアルナンバー」だけ。近年、パソコン業界は台湾勢の猛攻が続いています。それは商品のコストパフォーマンスが高いことが理由でしょうが、こうしたサポートもその要因だなと確信しました。家電製品が壊れるのはある意味で仕方ないと思っています。(まぁできるだけ長持ちして欲しいですが)ただ、壊れた時にどう対応してくれるのか?とても重要です。とかくメーカー側や販売店側は、売ったら「終わり」と思いがちです。(建前は別として)しかし、客側は、受け取ってから「メーカーとの付き合いが始まる」のです。使い始めてからの毎日が「お客」なのです。ここで手を抜くと、次の買い替えで他社に奪われてしまいます。ともすると、メーカー側の人は、こうしたサポートセンターのコストを削減したがります。反対に販売促進にはお金をかけます。でも、見方を変えればサポートセンターこそリピーターへの販売促進でしょう。現に、私自身、こうしたブログにも書いているし、当然、友人知人に「ASUSのサポート体制はいいよ!」と言ってます。すでに「口コミ」が始まるわけです。そして、次もASUSにしようかな?と考えるわけです。だから、サポートセンターは、販売店と同レベルで大事です。海外に移したり、コストをカットして「利益が確保できた」なぁーんてやってると、翌年から売上が下がる、、、そういうことを日系メーカーはやって来てしまいました。相変わらず台湾、韓国勢の押されている日系各社は、負けの原因が掴めているのか?心配になります。テレビの報道では「マーケティング戦略が、、、」「デザインが、、、」というコメントが目立ちます。それって本当でしょうか?マーケティング?技術で?デザイン?広告宣伝?販売促進?はたまた「アフターサービス」で負けたのか?ASUS社の広告宣伝や販促はどのレベル(予算と質)なのか?よく知りませんが、少なくとも、かつての日本のお家芸「サービス」で負けているのは事実でしょう。そこから目をそらさないで、リベンジして欲しいと思います。サービス業の現場には、「売る前のお世辞より、売ったあとの奉仕」と言う言葉があります。これはどんな業界でも同じですね。この原理原則の手抜きは、、、高くついたってことでしょう。===実は、この1-2年、自宅やオフィスの家電(全て日系)の故障が相次いで、その度にサポートセンターに連絡した経験があった分、そのあまりの違いに驚いてしまったわけです。
2012/06/24
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先日、とある団体のセミナーであった質問です。講演後の質疑応答の時間になると、真っ先に手を上げた経営者がいました。(テレビCM、雑誌やネットの広告でも有名な企業です)以下のコメントの概略です。===この3年間、国内の売上減少をカバーするために、外国人観光客を集客して売上をあげようと、積極的に投資してきた。英語、中国語、韓国語のHPを制作し毎月更新する。中国のブログやSNS(ウェイボー)を毎週発信する。その他、外国人観光客用のWebサイトにも毎月広告を出してきた。上海や北京、広州、ソウル、台北などで行われる観光関連のイベントへの出展。また、その現地旅行社の視察出張。メニューやパンフレットなどの翻訳(3ヵ月ごと)。従業員の語学研修(毎週)。合計すれば1億円を超える投資になる。しかし、実際に外国人観光客による売上は1/10にも満たない。このままこんなことを続けたらますますジリ貧になってしまう。改めて考えてみると、各社が「うちこそがインバウンドのプロです」みたいなことを言うが、どこも「ぶつ切りのサービス」ばかりだ。そして、そのほとんどが結局は「広告屋」で、さらに会社も日本にあって、インターネットで商売しているだけ。現地でのイベントも、結局は広告代理店が仕切っていて、良く見れば「サクラ」がたくさんいる。それに、各社が成功事例とか実績と称して見せるもののほとんどは、結局のところ、東京、大阪、京都、沖縄、北海道、、、百貨店に大型ショッピングモール、世界的有名ブランド店、、、さらに良く見れば、銀座に秋葉原に原宿に富士山、、、という誰でも集客できる場所の実績ばかり。こんなのは別にプロじゃないでしょう。予算を渡せば、大学生でもできる。インバウンドに関して言えば、各企業の出費は毎年増加している。しかし、収益にはなってない。逆に、それらを扱う広告代理店や旅行代理店は儲かったり、その周辺サービスの企業はどんどんできている。なんかおかしくないか?少なくとも「ウィン&ウィン」になってないのが現状だ。例えば、島根、鳥取、愛媛、佐賀とか、普段から観光産業で困っている地域の役に立てるだけノウハウを持っている本当の実力者はいないのか?そういう会社はないのか?あればぜひ教えて欲しい。===というような、とても厳しいご指摘がありました。まさに本音だと思います。まぁ補足すれば、別に私に怒りをぶつけたわけでもなく、本当に困っているから、プロがいるなら教えて欲しい、ということでした。こういうリアルな声は、なかなかネット上にも出てこないので(出したくない人、出されたくない企業がいるから)あえて紹介しました。そこでの私の答えも一部紹介します。===確かに、おっしゃるようなインバウンドビジネスの全てを知るプロはいません。特に中国市場に関して言えば、どこも似たり寄ったりです。元々、中国市場がオープンになってきたのはこの数年なので、そういう意味では、どの企業もまだまだ経験不足です。「ぶつ切り」の件もその通りです。全体の専門家は、私も探しています。ただ、やはりいないのが実態です。例えばHPを英語や中国語に翻訳できる会社はあります。しかし、HP全体として全て任せられるか?というと、これまた難しいのです。文章は訳せても、掲載する「写真」がうまいかどうか?が問題になります。写真もただ景色を撮影するのがうまくてもダメで、外国人に興味をもたれるように撮影できるかどうか?なんです。すると、外国人と付き合いのある人や、彼らをガイドしたことがある人がうまい人となります。そういう人は、外国人の興味を誘う写真がうまいのです。ブログやSNSも開設して情報を発信するのは簡単です。それを翻訳して、アクセス数を集めるのも実は難しくありません。しかし、それで実際に日本に集客できるか?というノウハウはまだありません。けれど良く探せば、外国人の興味を惹く文章のうまい人がいます。そういう人を探して協力してもらうしかありません。その他、飲食店のメニューの翻訳も、実力は各社マチマチです。フリーペーパーも「「地図」をどう記載するか?を見れば、プロか広告屋か?わかります。このように、どの分野の専門家でもそれぞれが長所と短所があることを認識しておくべきです。そこで今求められるのは全体をコーディネートできる人です。各分野の専門家の実力を熟知していて、クライアントの要望に合わせてコーディネートしてくれる人や企業。ただし、これは条件があります。それは「ヒモがついてない」ことです。単に「長い付き合いだから」とか、、、(笑)。そうでないと、自分の付き合いのある企業を推薦してしまうからです。それで、結局、裏でキックバックをもらう、、、というビジネスになってしまうのです。なのでまずは「ヒモつきでないコーディネーター」を探して、各専門業者に部分発注をして、それぞれの成果を一緒に評価していく、、、そういう積み重ねが必要だと思います。発注して評価する、、、と繰りかえれば、それぞれの本当に得意な分野がハッキリしてくるので、効果もあがってきます。反対に注意点は、いち業者に「丸投げ」してしまうことです。皆、口では「インバウンドの専門家」を名乗るので(笑)。それとコメントにあった「島根、鳥取、愛媛、佐賀」のような観光で苦戦している地域の取り組みに関してですが、私の考えは、まずは「同郷の人」にお願いする、ということです。例えば、北京に島根県出身の方がいれば、中国のブログやSNSの情報発信はその人に依頼していくのが望ましいです。現地にいる人に中国語で発信してもらうのです。実際にこれを実践して効果を上げている人たちがいます。外国人の立場に立てば、書いている人が日本人でしかも故郷の記事を書いているというのは自然だし、「広告の臭いがしない」ということで好評です。また、現地にいるからこそ、島根県の良さを再確認できるわけです。同時に、「この部分は中国人にとっては珍しいはず、興味を持つはず」というように、相手が興味を惹く情報を抽出することもできます。これは、日本の業者ではなかなかできません。何より本人に直接お願いするので、コストも安くなります。私自身、今年初めてメキシコに行く際には、日本に住むメキシコ人の方のブログを見て、メールで質問して情報収集しました。外国にいると、故郷の素晴らしさを伝えたいと思う人は多いのもです。そうした「故郷を想う人」に協力してもらうという大事なことが抜けている地域は多いです。現地には「○○県人会」もあります。そこに参加すると、様々な分野の人々が働いていることがわかります。メーカーの人もいれば、小売業、飲食業の人もいます。現地の人を相手に商売をしているので、こんなに強い見方はいません。効果的な広告の出し方だって知ってます。そこに集う人にとの知恵を借りることも考慮しなければなりません。全体として「専門家がいない」のは事実ですが、このように見方を変えれば、地域ごとの専門家になりえる人々はたくさんいます。これは中国だけでなく、それ以外の外国でも同じことが言えるかと思います。ということで、再度言いたいのは「丸投げ禁止」です(笑)。
2012/06/23
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先日、ある都心のチェーンストアのOJTに立ち会いました。大連から来た中国人スタッフ3人に対して、接客を指導中でした。来る夏休みの観光シーズンに向けて、「中国人観光客対応」を早々に準備しようというものです。たいていはシーズンイン一週間前くらいに外国人スタッフを慌てて採用して現場に入れてしまう、というシーンをよく目にします。それに比べればとても計画的です。ここで気になったことは、日本人トレーナーは、中国人スタッフに指導する度に「わかった?」と聞ことです。「わかりましたか?」が正解。「わかった?」の「?」は見えませんね。書き言葉の場合はOKですが、話し言葉では「わかった」となり、日本人トレーナー自身が「わかった、了解した」と言ってるようなものです。「あなたたちの気持は、なんとなくわからなくもないけどぉー」なーんて、本当に理解不能でしょうね、外国人には。「…って言うかぁ、、、こっちの思いとしては、、、」という口癖も困ったものです(汗)。「こっち、あっち、どっち、そっち」で覚えている外国人には「こっち=私」とは理解できない。それで、話の内容がどんどんわからなくなってしまうのです。この大連から来た3人の中国人女性たちは、現地の大学で、超正しい日本語を学習してきました。それは、日本人トレーナーよりも、正しく美しい日本語でした。そんなせっかく正しく勉強してきた彼女たちはショックを受けてました。「日本語が全然理解できない!」と。そんなことで、「教え方」以前に、「正しい日本語に直しましょう」というのが結論でした。なので、来週はまずは日本人トレーナーに対して、正しい日本語を教えてくれる先生を呼ぶことにしました(笑)。基本的には、外国人に教える時には、こちらが「です、ます調」で話すことです。すると、案外正しい日本語を話せるものです。===ただでさえ、外国語学習が苦手な日本人が、肝心の日本語を崩してしまえば、もう外国人とのコミュニケーションはますます遠くなるばかりです。
2012/06/14
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帰国の時、空港に欲しいなと思うのは「マッサージ器」です。最新の機種はフルフラットになる上に、首から足先まで、好みのモードでほぐしてくれます。いつも成田空港でみかけますが、出国の時は、時間に余裕がないのと、まだ「疲れてない」ので必要を感じません。しかし、上海空港に到着して帰国する時には、グッタリしているので、飛行機に搭乗する前にほぐしたいな、と思います。上海はまだ近いのでいいけど、長距離便の時は狭い座席に長時間閉じ込められることを考えると、「ほぐしておこう!」と思うわけです。まぁ、血行を良くしてから乗れば身体にもいいでしょうね。中国国内のほとんどの空港には「マッサージ店」があります。たまに利用しますが、わざわざ衣服を脱いで、、、となると面倒です。===空港内のサービスを考える際に、肝心なのは、「行く人、来る人」の両方いて、それぞれ望むものが違う、ということです。これは一般の商業施設の運営者が無意識に見落とす点です。店舗運営、接客も同様です、この客は、行く人なのか?帰る人なのか?を考えて接客できるようになるか?です。そういう意味でも、ハードもソフトも観察していて全く飽きないのが空港が好きな理由です(笑)。
2012/06/09
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今朝は飲食店の店長6人に集まってもらってヒアリングしました。日本での中国人観光客の飲食単価を上げるためのヒントをもらいたかったので。それはそれでとても参考になることばかりで、気がつかなかったことが多々あって勉強になりました。しかし、最も引き込まれたのは「クレーム対応」「困った客」の話です。暴力団がらみの対応話しから、せこい話しまで「これでもか!」というくらい日々事件があるとのこと。せこい話しの代表格は、カフェなのにお茶持参で来てオーダーしないで「お湯だけくれ」という人がいると(笑)。その他、北京ダックを持ち込んで食べちゃう人。個室の多い中国では、酒の持ち込みも絶えません。10人で予約しておいて入れ替わり立代わり20人くらい出入りして飲み食いする人たち。食べ方が悪くて汁が跳ねて服についたのに、弁償しろという客、、、。、、、とまぁ毎日がトラブルの連続のようです。さらに、上海の飲食店の店長やスタッフの多くは地方の人で、やはり食事のシーンをみると「格差」を実感してしまう、とのことでした。自分と同年代の上海の若者たちが、車やタクシーで乗り付けて個室でジャンジャン飲み食いする姿を見ているうちに嫌になることは良くあるようです。上海人に聞けばたいていの場合「上海はよい所」となりますが、地方から来ている人たちにとっては「格差を見せ付けられる場所」なのです。だから、早く辞めたいと(故郷へ帰りたい)。これが現実ですね。ヒアリングのお礼に1hだけ、日本の飲食店用の店舗運営の研修をしました。交流会はクロスが基本で、情報をもらいつつしっかり上げる。お互いに貸し借りなし!です。
2012/06/06
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上海に到着後、いつもの定宿のホテルにチェックインして、知人と会食後、ホテルの前のファミリーマートに買出しに行きました。水、ビール、パンなどをカゴに入れてレジに向かって会計します。そして、スタッフ商品をひとつずつスキャンしながら「ビールは2本だと割引なんです」と教えてくれました。「なるほど!」ともう一本カゴに入れました。そして、「合計で65元です」ということで、100元札と5元を出しました。つまり、おつりは40元です。中国は20元札があるので、2枚返してくれるわけです。ふとスタッフの手元を追いかけてみました。レジのドロアーを見ると、20元札は汚い札でした。(少し破れていたり、、、)すると、スタッフはすかさず20元札を全部取り出してその中から、比較的きれいなお札2枚を選んでくれたのです。これには驚きました。もちろん中国では、まだまだ珍しいのもありますが、(店によってはお釣りを投げてよこす)本当に驚いたのは、上海のファミリーマートは2004年に進出した時から、これを続けていることに驚いたのです。(なんと言う持久力!)その当時、たまたまテレビで上海にオープンしたファミリーマートのトレーニングシーンが放映されてました。その際に、レジのお札の向きを揃える。汚いお札は渡さない、、、などのトレーニングをしてました。(なぜ知っているのか?というと、その番組を録画していたからです)ブランドとはそういうことなんだと。これに驚いたわけです。商品の陳列や渡し方、接客マナーみたいなのはどんな会社でもやりますが、コンビニの「お釣り」でも、他社との「差」が積み重なって行ったということです。ちなみに、上海のコンビニラインキングではファミリーマートがNO1です。===先日、とあるテレビ番組で、ソフトブレーンの創業者の宋文州氏が「日本のコンビニはサービス業の圧倒的な総合力で世界に誇るサービスだ」とコメントしていたのを思い出しました。いやー素晴らしい!
2012/06/04
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かつての日本は、外国の様々なハード(製品)を取り入れつつ、日本流により使いやすくアレンジして、海外に輸出して大成功を収めました。その後、現地生産化して、よりその国の人々の風習や使い方に合った改良を加えて、今でも世界各地で売りまくってます。それに適合できなかったメーカーは苦戦してます。最近、「日本のサービスを海外に!」というような報道や記事を良く見ます。日本流のおもてなしを、、、。実際には、飲食業や小売業など、2000年以降はどんどん海外に進出していきました。それから12年も経過すると、ここでも失敗と成功に分かれてます。日本流をそのままにして海外に進出すると、、、小規模の場合はさておき、大きくチェーン展開する際には問題化してしまいます。やはり「現地化」が必要なのです。そういう指摘を素直に受け入れる人もいれば、あくまでも日本流にこだわる人もいます。そして、それが明暗を分けます。自分の国に取り入れる時には、うまいこと「日本流」にアレンジするのに、海外に進出する時には、その地域や国流にアレンジできないのです。「日本流」にヘンなプライドがあるからです。そもそも、日本のお家芸は他国の良い部分を活かしてより使いやすいように改良することのはずで、「0」から発明するようなものではないはず。サービス業でも、コンビニエンスストアから、ファーストフード、ショッピングモールまで、欧米から取り入れて改良に改良を加えたものばかりです。飲食も同様です。イタリアン、フレンチ、でも、日本流にアレンジすることで本家を凌ぐ料理に進化させてきました。だから、今度は外国に合わせて改良すればいいのに、(ローカル・フィット)ヘンなプライドが邪魔して失敗する人が後を断ちません。輸出する時になると、なぜか「頑固者」が急増します(笑)。一方で、現地化の得意な人たちもいます。FamilyMartなどのコンビニは、日本で確立したスタイルをさらに台湾スタイル、中国スタイルへ、、、と変化させて、見事に現地に受け入れられています。サービス業が世界に出て行くには、日本流の達人ばかりいても成功しません。日本流の良い部分をこのしつつ、不要な部分をバッサリと切り捨てて、現地の風習と適合させて受け入れられるようなバランスを見つけられる人が必要になります。(どこを残して、どこを捨てるか?)私たちも中国での施設や店舗では、毎度のことながらこのことに直面してきました。わかりやすいものでは「日本流のおもてなし」というやつです。それは現地の人にはわかりづらい。おもてなしが「相手の立場に立って、、、」というなら、現地の生活風習を知らなければならないわけで、それを真剣にやると、あっという間に12年が過ぎてしまいました(汗)。これは職種で大いに違うし、売上げが必要な仕事と必要ない仕事でも違います。現地であれこれやって、現地化に必要なことがわかってきました。それはとてもシンプルなことで、「絶対に厳守しなければならないことは何か?」を決めてサービスの基準にして、それ以外の日本流をバッサリ切り捨てることです。そして、その基準に「優先順位」をつけることです。「あれも大事、そうはいってもコレも大事、、、」ではダメで、「まず1番大事なのはコレ。2番はコレ、、、」と決める。これはに多少の勇気と責任が必要です。責任を回避したい人は、いつまでたっても「あれも、これも、それも、、、大事」と叫び続けます(笑)。そして、その内容はたいていは「お客様に失礼にならないように、、、」するための項目です。肝心なのは「お客様により満足してもらうための、、、」または「お客様に楽しんでもらうための、、、」こちらを決めなければならいのに、「やってはいけないこと集」になってしまうという傾向があります。それに良く見れば「どれが日本式、日本流なのか?」怪しいものがたくさんあります。本当は「わが社流」が多いのです(笑)。ここがポイントで、何でもかんでも日本流を押し付けられて喜ぶ人は多くありません。(逆の立場になればわかります)だけど、オークラ流、大戸屋流、、、とすれば、そこに就職する人にとっては「学びたい」ものになるはずです。そういう意味では、ディズニーランドの運営理念「S・C・S・E」は、もうため息が出るほど素晴らしい。(優先順位つきの4つのキー)シンプル イズ ベスト!の典型でしょう。もう一つ大事なポイントは「アメリカ流」とは言わなかったことです。開業当時指導に来ていたアメリカ人トレーナーたちは、この4キーを「ディズニーランド流」として、ひたすら繰り返し、しっかり定着させました。だから開業当時新人だった私たちキャストにとっては、とてもわかりやすかった。これを徹底することで、世界各地であれほど運営の複雑な巨大なテーマパークを毎日安全に快適に楽しく、、、そしてしっかり稼ぐ運営ができるのだと思います。「夢と魔法の国」には、サービス業を輸出するヒントが詰まってます。
2012/06/01
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