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日本に対するイメージは、国や地域で違います。また、職業や立場でも違うでしょう。外国の人からあれこれ指摘してもらうと、とても新鮮です。気が付かないこと、見落としていたこと、知らないこと…のオンパレードです。以下、メキシコシティで移動の車の中の会話をまとめたものです。===安定した経済発展を続けるメキシコには、お隣のアメリカから多くの企業や投資家、それにコンサルタントなどのサービス業の人々が訪れてビジネスを展開しています。その度に、企業に呼ばれて通訳をするわけです。多くの企業で通訳をする中で、思うことがあります。「なんちゃらマーケティング」が輸入されたかと思うと毎年のように「○○マーケティング」が輸入されます。また、企業研修の分野でも「なんちゃらシグマ」が来たと思えば、「なんちゃらコーチング」の講師たちが大挙押し寄せてきて、さらに「なんちゃらマネジメント」が毎年やって来ます。それで、それを教わっている企業が変化したか?と言えば「NO」です。結局は「理論」のみを持ち込んでまるでゲームソフトを売るかのように流行を作り出しているだけ…ということに気が付きました。こちらは黙っていますが、結局は、同じ事を切り方を変えて小出しにしているだけ…そんな風に思えて来ます。大体、それらのノウハウが本当に効果的なら、なぜそれを生み出したアメリカがこれほど不況なのか?説明つかないでしょう?「CS(カスタマー・サティスファクション)」のような言葉も、散々、研修で通訳してきたけど、アメリカに行ってみて、日常の商売のどこにCSがあるのか?探しちゃいました(汗)。極限られた施設や企業にしか存在しないんです。ところが、日本に行ってみて驚きました。もうCSだの、アメリカが大げさに理論化していることが、日常にゴロゴロしているわけです。ちっとも珍しくない。コンビニでも、そうしたビジネス理論が全て凝縮されていてしかもちゃんと実践できているということに驚きました。日本人は気が付かない(自覚がない)うちに、やっていることばかりです。それなのに、書店に行くとそういうアメリカの理論系の本が売れているのに、またまた驚きました。なぜ読む必要があるのか?と。アメリカのごく一部の超大企業、メジャー企業の事例を読んで何が参考になるのか?日本は、大手企業ばかりでなく中小零細企業でも当たり前にできていることを、大げさに理論体系立てて見せているだけなのに…不思議でなりませんでした。最近話題になる日本企業でうまくいってない大手企業は、多分、こうしたアメリカを中心とする外資の変な真似をした結果ではないでしょうか?10ー20年も同じ企業で働く日本人が、2-3年で転職するアメリカ型のマネジメントや教育を学んでも仕方ないでしょう。意味がわかりません。自宅から駅までの徒歩10分の商店街だけで、十分に便利に暮らせる日本人が、アメリカ型のマーケティングやセールスを学んでも噛みあうはずがないと思います。もっと言えば他人を働かせて稼ごうとする人と、自分で働いて稼ごうとする人とでは、必要なノウハウは違うはずです。日本人は明らかに後者が多いと思います。世界中でこれほどの経済危機があり、バブル後もデフレが続く日本ですが、反対に、日本だから耐えられたのです。GDPが下がった、成長率が低迷、失業率が、、、とは言っても、どこもほんの数%の世界で、これだけ色んなことがあっても、その辺で留まれる日本はやっぱり強い。たいていは、EU諸国のようになるでしょう。それは日本人が自分で働くからです。ブラジルを始めとする南米諸国に自分で働いて稼ぐことを教えてくれたのは日本人なのです。戦後の日本は、どの国からも搾取することなく、騙すことなく文字通り自力で働いて、世界第二位の経済大国まで行きました。少なくとも南米の人々はそれを知っています。だから尊敬させるのです。だから、これからの日本はそういう日本のノウハウが欲しい人達、必要な人達としっかりパートナーを組んで行けばいいのだと思います。(わざわざボッタクる人たちと付き合う必要なないでしょう:笑)日本メーカーに望むことは、性能もサービスも素晴らしいと思います。、あとは「デザイン」を頑張ってください。そうすれば南米でももっと売れるでしょう。===以上、スーパー通訳のホセくんから教わったこと、でした!(メキシコで通訳が必要な時は、、、ホセくんがオススメです!)★レジャーサービス研究所のホームページはこちらをクリック!★★レジャーサービス研究所のYoutubeです!★
2012/09/27
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メキシコシティにも、高級なショッピングモールが次々とオープンしています。そのどれもが日本の高級百貨店をそのまま超大型化したような感じです。これは南米や中国をはじめとするアジア諸国でも同様の傾向があります。最近ではドバイの巨大な高級ショッピングモールなどがテレビで紹介されることが増えてきました。そういうのを見ると「外国は凄いなぁ」と思いがちです。しかし現実は意味合いが違います。諸外国の場合そういう施設が必要なのです。なぜか?と言えば、それはセキュリティの問題です。特に高級品を扱うブランド店の場合、こうした大型で高級なショッピングモールに出店することで、ガッチリとセキュリティしてもらえるという利点があります。(とてもじゃないが路面店では無理)また訪れる富裕層も出入口にショットガンを持ったセキュリティがいるショッピングモールならば安心して買い物ができるわけです。ちなみに、こうした施設を視察して、写真撮影をするとセキュリティに怒られます。富裕層を撮影させないようにしているわけです。万が一、そうした写真がインターネットに掲載されると、悪意ある人達(マフィアなど)のターゲットになるからです。反面、そうしたセキュリティがいるお陰で富裕層は安心して買い物ができるわけです。こうした事情で巨大なセキュリティ要塞としてのショッピングモールが誕生するということです。対して、日本は百貨店でもショッピングモールでもそこまで厳重なセキュリティは必要ありません。だから外国人観光客は、日本の警備員が年寄りだったり女性もいることに大いに驚きます。しかも、銃などの武器も持っていない。「あれで大丈夫なのか?」と。たいてい観光初日の銀座で驚きます。そして、日本の安全性を実感するわけです。代官山や青山、表参道のような街は、大変珍しい(羨ましい)…と人気の理由です。こうした街は、お金を積んでも造れない(真似できない)からです。最近は、周辺国との政治的緊張状態があり、中国や韓国からの観光客が減っています。それでもやはり海外の富裕層は来日しています。レディガガが来日して、ブラブラ買い物をしても、誰も襲わない…。だから海外の富裕層が憧れるのです。高級ブランドに憧れて来るのではなくて、(外国でも買えるし…)街で自由に買い物ができるから来るのです。(夜でもOK)そんな国は、なかなかあるもんじゃありません。安全&安心は、立派な観光資源ということです。
2012/09/25
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半年ぶりにアエロメヒコ航空でメキシコシティに来ました。アエロメヒコに乗ると毎度勉強になります。特に「素晴らしい!」とか感動物語もないけど、必要にして十分なサービスを気づかせてもらえます。私のブロックには女性と男性の客室乗務員が2人ずつ。男性は40才くらい1名、50才くらいが1名。女性は20代半ばといったところ。この客室乗務員の年代と男女のバランスがいい。若い女性たちは、チャッチャカ、テキパキ仕事をこなしていきます。その後をベテラン男性陣がフォローしていく…こうした連携で特別なことはなくとも、必要なサービスを確実に提供していく…そんな感じでした。途中、気流が悪くて激しく揺れている時は、男性陣がゆっくり客室を回り、シートベルトをチェックしつつ、「大丈夫、あと10分でおさまりますよ」と微笑みと落ち着きを提供してくれます。アジア系の虚空会社は、女性が多く、それも若くて元気できれいを揃えたがります。しかし、乗客をよく見てみれば、子供もお年寄りも家族もカップルもビジネスマンもいます。そういう客層を全て網羅できるようなサービスができる人は滅多にいるものではありません。しかし、こうしてバランスを取ればお客を網羅できる守備範囲が広くなります。特に日本の接客サービスの現場というのは、若いスタッフに対して、全ての客層を網羅させるように、かなり無理して教育指導している施設や店がほとんどです。考えてみれば、20代の若い女性に60代のおじさんの気持ちはわからないのは当然でだけど、そこを「相手に立場になって」「察して…」と丸めて本人に押し付けてしまうわけです。こういうことが多発する原因は、日本人がある意味では器用なので、現場がなんとしてくれるから。(だから指導者が育たない)極たまにそういうことができる若者がいますが、それは本人の能力とか資質というより、祖父祖母と一緒に暮らしてきた人がほとんです。幼少期から一緒に生活していたからわかるのです。反対に接点がなかった人たちにはわかりませんね。核家族化がこれだけ進むと仕方ないと思います。であれば、何でもかんでも若い女性を揃えれべOKではなくて、客層に合わせたスタッフを揃える…そういう時代なんだなぁ、ということを実感することができました。===もうひとつ大事な点は、「客のわがままを何でも受け止めるサービス」ではなく、「私たちのサービスはここまで」という線引もしっかりしていました。一回目の食事が終わると、窓のシールドを閉めて夜間飛行モードに入ります。すると、「何か食べたい飲みたい時には、後方のギャレーに来てください。軽食と飲み物を用意してます」ということで、セフルサービスになります。だから、客が客室乗務員を呼びつけて「ワインを持って来い!」みたいなことはできないわけです。1時間に一回程度、水を持って巡回してくる程度で、あとは何もしません。交代でしっかり休憩してました。サービスを考える時に、「お客様の満足のために」という言葉ばかりが飛び交いますが、それより「ここまで」という線引をするのが大事です。サービスとは言っても値段があるわけで、もっと良いサービスが欲しければビジネスクラスを予約すれば良いわけで、「ここから先はファーストクラスでご用意しています」でも良い。客のわがままに振り回されてサービスとオペレーションが崩れていって…その結果高コスト構造になって採算が合わなくなる…というのは日本のパターンです。(航空会社に限らず)「ここまで!」と決めることが何だか悪いこと、努力不足なことに感じてしまう後ろめたさもあるのかもしれません。少なくとも外国人にサービスを指導する場合は必須です。そうすれば、結果として客も乗務員も大きなトラブルなくまぁまぁ快適に旅することができます。それで十分。実は、サービス業でたまに客を感動させることはそう難しいことではありません。難しいのは「これで十分」というサービスを企画して実践することです。感動的なものは、従業員にもモチベーションになる場合があります。(もちろん客にも)しかし、その反動も必ずあって、何か特別なことがないとモチベーションが長続きしない…というデメリットが同席してしまいます。だから、そういうフレーズを掲げる企業や店は、サービスが安定しないしスタッフも安定しません。(意外にも離職率は高いのが実態)言ってみれべ「短距離ランナー」の集団のよう。一方、「これで十分」なサービスを、淡々と継続できる企業や人はマラソンランナーのようで、客も地域も安定安心があります。人々に安全安心を提供するには、まずはマラソン型で行きましょう!
2012/09/16
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8月は合計4グループの中国人観光客のアテンドをしました。「ゆっくりお盆休みを」と思っていたら、結局は毎週のように訪れる中国人客のアテンドでした(汗)。そのせいで成田空港と羽田空港に何度も通いました。そこで話題のLCCのカウンターを見ることができました。何度も見ていると、激怒客を目にすることがありました。LCCは格安で飛行機を運行するために、様々な工夫をしています。そのひとつは機体の所有を最小限にして、絶え間なく運行することです。そのため、機体が空港に戻ってくるのが遅れたり不具合が発生すると代替えの機体がないため、遅延や欠便になります。機体をたくさん保有していればそうしたことに対応可能。しかし、余分に機体を保有するということは、それだけでも膨大なコストがかかります。(人件費、メンテナンス、駐機代など)だから「遅延覚悟前提で乗る」べきものです。しかし、まだ客のマインドがそれに慣れてないのです。そうした客たちは、遅延や欠便があると地上のスタッフに喰ってかかります。中には暴言を吐いて、スタッフを泣かせてしまう客もいます。さらに荷物預かりは有料とか、従来の航空会社のルールとは大小様々な違いがあります。その度に「なんでできないんだぁ!?」と怒る客がいます(汗)。(従来通りのいたれりつくせりのサービスが欲しいならJALかANAに乗ればよい=選択の自由)当面はLCCのスタッフの悪戦苦闘は続くかと思います。どんな業界でも新しいサービスを導入すると初めはお客が慣れてないため様々なトラブルやクレームが発生します。TDLの開業時も同様でした。今でこそ夢と魔法の王国として、レジャー観光産業の不動のエース的立場ですが、開業当初は、ゲストからもマスコミからも叩かれまくり、、、でした。当時のことを冷静に振り返ると、毎日ゲストへの注意やお断りをしていて、つらい日々だったことを思い出します。その筆頭が「お弁当の持ち込みお断り」です。それまでの日本人の感覚としてレジャーに行く時、お母さんの手作弁当を持参するのは当たり前であり、常識みたいなものでした。それを持ち込んで広げて食べようとしたところで、私達キャストがお断りするのです。素直に従ってくれる人は稀で、ほとんどのゲストは不平不満を口にしました。正直、私自身も「こんなこと意味あるのかな?」と思ってました。こういう毎日が一年以上続くと働くキャストもめげて来ます。そして、3年くらい経過すると、段々と減ってくる…。(客がルールを理解しだす)最近では、南船橋にイケアが開業した頃も、「なんで自分で組立なきゃならないんだ!?」と激怒する客がいました。自分で組み立ててもらうのがイケアの特徴なのにそれを理解してない客ばかりだったのです。このように新しいサービスが始まった当初は「客を教育する期間」です。こう書くと高飛車な感じがしますが、事実です。だからこの期間に働く従業員はタフでなければならないのです。最初から客に感謝されることや客の笑顔を当てにしていた人たちは、あっという間に去っていくからです。私たちが行う「開業時研修」も、この「客の教育期間」を前提とした内容で指導します。(これはTDLでの経験が大いに役に立ちました)このように開業当初というのは、おてもなしうんぬんの手前の段階でますは客を教育することが必須なのです。LCCのグランドスタッフの皆さんも当分は、理不尽な不平不満を浴びせられるかと思いますが、しっかり客を教育してもらって日本の観光産業のためにもぜひ、乗り切って頂きたい。
2012/09/03
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