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「救急隊に食事の時間を」これはさいたま市消防局が発表した呼び掛けなのだが、夏場に出動の機会が増え救急隊が食事を摂る時間が減っているとして、コンビニエンスストアなどでの飲食物の購入に理解を求める内容だ。救急隊が店舗で買い物をしているだけで通報されたケースもあるという。さいたま市消防局では以前からも病院などに併設された売店で救急隊が飲食物を購入することはあったそうで、夏場の熱中症患者の増加やコロナ禍で出動要請が増える中救急隊が食事を摂る時間が減っていたといい、市民に理解してもらうために今回初めて広報を行ったという。反響については「ここまで大きいとは想定しておらず、理解の声が多くて、われわれとしてもうれしい」と担当者は話している。 総務省が発表した全国の消防本部へのアンケート結果によると、「救急隊が正規の時間帯に食事時間を確保できているか」との問いに、約6割の消防本部が昼食・夕食ともに正規の休憩時間帯に摂ることができていないと回答しており、コロナ禍などで出動要請が増えていて状況はさらに深刻になっているという。海外に目を向けると、救急隊を取り巻く環境は日本と大きく異なる。米国では日本と異なり、救急隊は基本的に消防署には戻らず、車両を走らせながら外で待機するため食事も外食が多くなるという。「ファストフード店などに救急隊が立ち寄ると混んでいても市民がと列を譲る。米国では自分たちを守ってくれる人を尊敬する文化が強く、日本では救急隊は呼べば来るのが当たり前、という文化があるようだ」と指摘している。 東京都のある区役所に「職員がコンビニの前でソフトクリームを食べています」とのクレーム電話が届いた。このクレームがあった事実を明かし「昼休みだから問題ない」と訴えた区役所職員の投稿が大きな反響を呼んでいるという。区役所にクレーム電話が入ったのは午後1時30分頃で職員が業務をさぼっていると勘違いしたのか、告げ口をするような口調だったという。クレームを指摘された職員はこの日「昼当番」を終えて午後1時から休憩を取っており、区役所では正午~午後1時の来客に対応するために「昼当番制」を敷いていて、時間をずらして昼休憩を取る職員がいるという。公職に就く人々にことさら厳しい視線を向け問題だとみなせば役所に通報する人が一部にいる実態が浮かぶというのだ。 民間企業で、顧客が従業員に対して悪質なクレームや不当な要求を突きつける迷惑行為が、いわゆる「カスタマーハラスメント」として社会に知られるようになってきた。こうしたカスハラの被害は民間企業にとどまらず自治体など行政窓口でも増えているという。全日本自治団体労働組合が全国の自治体職員ら約1万4000人に実施した調査では、過去3年間にカスハラを受けた経験があるとの回答は「日常的に受けている」や「時々受けている」を合わせ46%に上っているそうなのだ。原因として公務の現場では「過剰な人員削減が行政サービスの低下を招き、ささいなミスをきっかけに国民の怒りを誘発している」という側面もあるが、訴訟に発展するケースや職員が休職や退職に追い込まれるケースもあるという。 警察官や自衛隊など制服を着た公職に就く人にも当てはまるそうで、自治労の森本正宏総合労働局長は「『税金を払っているから何を言ってもいい』という考えが、自治体カスハラの根底にある」と指摘している。無断で女性職員の姿を撮影しインターネットで動画投稿するなどセクハラの要素を含むカスハラも多いともいわれているが、セクハラやパワハラは法律で事業主に防止措置が義務付けられているがカスハラは法整備が進んでいないことも課題で、自治労はカスハラの基準などを明示したマニュアル作成に乗り出している。不満をぶつける先に役所が挙がるということは社会のほかのコミュニティで発散できないことが多いというが、社会の秩序維持を担うすべての人々の労務環境について改めて考えるべきだという。
2022年09月30日
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10月にも様々な食品が値上げされ「今年最大」となる6500品目が対象だというが、帝国データーバンクの集計では10月は6532品目と9月の倍以上の数に跳ね上がっており、10月からの値上げの発表をしたのは5月や6月という企業も多いものの、原油高・円安が一気に進んでほとんどの食品で値上がりとなっているという。また帝国データバンクの8月末時点の集計では11月に値上げを予定しているのは458品目となっているそうで、値上げの波は一旦落ち着きそうなのだが円安や燃料費高騰などはまだまだ続いており、冬以降も油断はできない状況だという。消費者に厳しい「値上げの秋」が私の住む愛媛にもやってきていて、松山市のスーパーでは値上げ後の値札を事前に準備する作業に追われているという。 ハム・ソーセージおよび調理加工食品221品目が3%~30%の値上げまたは内容量変更となるようで、伊藤ハムでは主力商品の「アルトバイエルン」は127gから120gと、約6%減少するし、日本ハムでも家庭向け商品では「シャウエッセン」などハム・ソーセージ78品目に加え、加工食品125品目に業務用商品では168品目が2%~34%の値上げまたは内容量変更となるそうなのだ。丸大食品も「燻製屋熟成あらびきポークウインナー」は、429円が451円になるという。家庭用チーズや菓子類が値上げまたは内容量変更となっていて、明治では「北海道十勝スライスチーズ(7枚)」が410円から432円になるなど値上げは約5%~15.5%で、また内容量変更は4%~11.1%の減少になるという。 10月からの値上げというとビール類で、キリン一番搾り生ビールなどビール類だけでなく氷結などチューハイ・サワー類・ノンアルコール飲料が値上げとなるという。サッポロ生黒ラベルにヱビスビールなどビール類やサッポロうまみ搾りなど酒類テイスト飲料等、その他樽詰商品が値上げとなるそうなのだ。そこで松山市の大型酒店では前週から駆け込み需要を見込みビール類の仕入れを3~4倍ほど増やしているという。外食サービスや保険料の値上げも原材料や光熱費が上昇することで外食も値上げ傾向となっているそうなのだが、私もよく利用する回転寿司チェーンのスシローでは郊外型店舗の回転寿司価格が10~30円値上げになり、黄皿が110円に赤皿は180円に黒皿は360円となるそうなのだ。 値上げのピークとなる10月に街では値上げ前に箱ごと商品を買うなど駆け込みで買い物をする人が多いそうなのだが、マクドナルドは一足早く9月末から値上げすると発表している。値上げを巡っては、世帯当たりの家計負担額が年間で約7万円増えるという試算もあるが、スーパーでは少しでも値上げを抑えるため食品トレーのふたを安いものに変えたり新たな仕入れルートを開拓したりするなど「企業努力」を続けているそうなのだ。値上げするのはどうも食品だけではなさそうで、オートバックスでは展示している一部のタイヤが10月より値上げを予定してるそうなのだ。これは大手タイヤメーカーの「ミシュラン」などが原油価格の高騰などを受け10月1日出荷分からタイヤを値上げするからだという。 食料品価格が上がり続けている主な要因としては小麦や大豆・原油価格の高騰に加え、円安による輸入コストが上昇していることがあげられるが、今までは「うちだけ値上げしたら売れなくなる」と考えステレス値上げでしのいできたが、大手やシェアの高いところが値上げに踏み切ったことで堰を切ったように値上ラッシュとなったのでないかという。ニュースでも資源高や円安など頻繁に放送されるようになり消費者にもコストが上がっているとの認識が浸透してきたのも一因だという。企業としては今までの分も含め本来の正常値というところまで値上げしたいところなのだろうが、企業が内部留保にこだわり値上げした分が社員に還元されなければ、節約意識から必要なもの以外は売れなくなっていき自分たちの首を締めることになるという。
2022年09月29日
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安倍晋三元首相の国葬があった昨日は「弔意を強制しない」という政府方針もあって普段通りだったというが、賛否の声が渦巻く中首相経験者としては55年ぶりとなった国葬を人々はどう見たのかというと、朝早くから日本武道館近くの一般献花台に多くの人が並び「長蛇の列」や献花会場の最寄り駅である「半蔵門駅」がトレンドワードに入ったという。献花の列はさらに延び内閣府は午後1時過ぎ「献花希望の方が多く、最後尾の最寄り駅はJR四ツ谷駅」になったとツイッターに投稿したそうなのだ。この案内が驚きとともに拡散し「国葬」を含む投稿は昼過ぎから増え式典が始まった午後2時以降は1時間あたり12万件前後の投稿が続き、午前5時から午後5時までの累計は約102万件に上ったそうなのだ。 国内外からおよそ4300人が参列し第2次安倍政権下で外相を務めた岸田文雄首相や、官房長官を務めた菅義偉前首相らが弔辞を読んだ。銃撃事件が与党・自民党と世界平和統一家庭連合の関係を明るみになり国葬への反対が強まり支持率が急落する中、岸田首相は「弔問外交」をアピールしたい考えで、この日はオーストラリアやインドの首相らと立て続けに会談したという。葬儀委員長の岸田首相は弔辞の中で安倍元総理が官房長官時代から取り組んだ北朝鮮による日本人拉致問題に触れ、被害者が家族のもとに一刻も早く帰れるよう全力を尽くすと遺影に呼びかけた。さらに戦後最長となった在任期間に言及し「歴史はその長さよりも、達成した事績によりあなたを記憶する」と語ったそうなのだ。 政府が首相経験者の国葬を行うのは戦後では吉田茂氏以来2例目だが、法律に国葬の規定はなく岸田首相は安倍氏の連続在任期間が戦後最長だったことなどから開催を決めている。海外からはインドのモディ首相やオーストラリアのアルバニージー首相にハリス米副大統領など218の国と地域・機関の約700人の要人が出席した。48人は元職を含め首脳級で中国からは全国政治協商会議の万鋼副主席が、ロシアからはシュビトコイ国際文化協力担当大統領特別代表が参加している。国内からは約3600人が参列したが、野党は安倍晋三・元首相の国葬を巡り日本維新の会と国民民主党が出席、共産・社民両党などが欠席と対応が分かれ、共産党などは国葬と同時刻の抗議集会に参加し批判を繰り広げたという。 維新の馬場代表は式典に出席後国会内で記者団に「改めて安倍元首相が偉大な政治家だったと実感した」と振り返ったそうなのだが、維新は前代表の松井一郎大阪市長が安倍氏と親しく国葬に一貫して賛成していた。国民の玉木代表も式典後に記者団に「菅前首相のあいさつは大変心を打った。遺族も一つの区切りがついたのではないか」と評価したという。報道各社が9月中旬に実施した世論調査によると政権支持率は軒並み急落しており、毎日新聞の調査では36%から29%に低下し初めて30%を割り込み、日本経済新聞は14ポイント減の43%の共同通通信は13.9ポイント減の40.2%だったという。最も厳しい結果となった毎日新聞の調査によると旧統一教会を巡る対応を評価しないは72%で国葬に反対は62%だったという。 抗議集会では「税金の無駄使い」とか「反対する国民の声を無視して開催されている」とプラカードを持って歩道に並び「国葬反対」の声を響かせたそうなのだ。主催団体の男性は「国葬は開かれたが、世界平和統一家庭連合との関係など安倍さんに関わる問題が終わったわけではない。追及を続けないと、この国に明るい未来はない」としているが、抗議ビラを受け取った女子学生は国葬について「知らないことばかりなので意見はできない」とし、「目をそらしてはいけないような気がしてビラをもらった。今日をきっかけに世の中について一度考えてみます」と話した。国葬当日に反対デモが起こったことについて「意思表明できる社会であることも必要と思うが、葬儀なのでもう少し静かな振る舞いがあってもよかった」と述べていた。
2022年09月28日
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日本人の給与が下げ止まらないといわれるがなぜ日本人の手取り収入は下がり続けるのかというと、人事ジャーナリストの溝上憲文氏は「天引きされる厚生年金保険料や健康保険料などが膨れ上がる一方、支払われる給与はベアと定昇の廃止・縮小、残業代減、家族手当・住宅手当減といった会社側の施策により目減りしている」という。その背景には言うまでもなく企業が人件費を削減するためにありとあらゆる人事・賃金制度の変革を行ってきたからなのだが、日本企業の賃金は月給と賞与に分かれており、月給は基本給と諸手当で構成されているが諸手当は2つあって、所定内手当として役付手当などの職務関連手当と家族手当・住宅手当・通勤手当などの生活関連手当と、所定外手当などいわゆる残業代が主となっているという。 まず基本給はベースアップと定期昇給が賃上げの二大要素でとなっており、ベアは春闘などの労働組合との協議で決まるが、経営側が最初に手をつけたのがベアの廃止・縮小だったというのだ。実際に厚生労働省の調査による主要企業の賃上げ率は1997年の2.90%をピークに下降し2002年には1%台に突入長期低落傾向は今も続いているという。さらに2000年初頭には自動的に昇給する定昇の凍結・見直しも進んだとされ、その流れを強力に後押ししたのは経済界だったという。経営側の春闘方針のバイブルとされるのは当時の日経連で、この時には「労働問題研究委員会報告」において「これ以上の賃上げは論外、ベア見送りにとどまらず、定期昇給の凍結・見直しなどが求められる」と企業にハッパをかけているのだ。 定昇は少なくとも1990年代前半までは大手企業であれば入社時から定年退職の60歳まで支給されていたが、2000年以降定昇額の縮小や支給年齢の前倒しあるいは廃止など見直しが進んだ。産労総合研究所が今後定昇をどうしていくかを調査しているが、それによると「現状を維持する」企業が30.2%で、制度は維持するが「定昇額を縮小」する企業が26.4%となっていて「適用対象を限定する」企業が15.1%で今後「定昇制度は廃止する」企業が17.0%となっている。その後どうなったのかというと、日本生産性本部が上場企業に実施した「日本的雇用・人事の変容に関する調査」によると、定昇がある企業は67.6%で「特に年齢や勤続年数に応じた定期昇給はない」企業が29.4%と約3割に達しているという。 さらに2010年代以降進んだのが所定内手当の削減で、とくに家族手当や住宅手当などの生活関連手当の削減が徐々に進行しているという。人事院の調査によると家族手当を支給している企業は7年前には83.1%だったが昨年は74.1%と減少傾向にあるという。住宅手当を支給している企業は8年前には58.5%だったが昨年は52.2%に減っている。支給企業に今後どうするかについて聞いた質問では家族手当を全廃または縮小すると回答した企業は合計8.6%に住宅手当は9.2%と1割近くに上っているという。ちなみに手当の平均支給額は厚生労働省調査によると1000人以上の企業で家族手当2万2000円の住宅手当2万1300円となっていて、廃止されると計4万3000円が月給から差し引かれることになるという。 廃止するのは人件費を削減するだめだが、その理屈付けに使われているのが職務給あるいは役割給と呼ばれるジョブ型賃金制度の導入で、つまり「ジョブや仕事の成果とは関係のない属人手当を支払う必要はない」という欧米企業の考え方と同じ理屈だという。月給に含まれる基本給からベアや定昇に所定内手当を次々と剝ぎ取っていくだけではなく、かつては「第二の給与」と呼ばれた残業代も減少しているという。残業が減った背景には働き方改革関連法の「時間外労働の罰則付き上限規制」も影響しているが、この規制は純粋に長時間労働を抑制するのが目的だったのに企業にとっては残業代の削減につなげているという。そして賃金制度の変革による給与削減の歴史を振り返ると給与が上がる可能性は見つけづらいという。
2022年09月27日
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来年度予算編成の最大の焦点となっている防衛費増額の財源だが、岸田政権は財源確保策として「つなぎ国債」を発行する方向で検討していることが明らかで、防衛費について自民党内では北大西洋条約機構水準である国民総生産比2%以上への増額を求める声があり、5兆円規模の安定財源確保が必要となるというが、鈴木財務相の「何らかの将来の償還財源を念頭に置くことは、財政健全化を考えれば必要」とか、木原副官房長官の「国債は駄目との立場は取らない」と「つなぎ国債」をにおわす発言が相次いでいたが、どうやら本気で発行する計画だという。防衛費増額の財源には法人税を軸に金融所得課税やたばこ税も検討中で、与党関係者が経済界の一部に財源案の大枠を伝えたそうなのだ。 ひとくちに国防のコストといってもその資金使途は様々で、最初に思い浮かべるのは車両や航空機といった装備品に弾薬・ガソリンなどの消耗品に関する支出だという。これらは軍事関係部署の規模が大きくなり訓練等が行われるほど増加してくることになり、兵員の人件費や生活費なども必要となってくるという。軍隊の編成単位の1つに師団というものがあるがこれはだいたい1万人程度の兵員で構成されており、1個師団の部隊を1日動かすだけで1日3食の1万人分だから3万食分の食料が必要となってくる。また軍隊は巨大な公務員組織であることから兵員に対する給料の支払いや人事の管理だけでも相当な事務作業が発生し、これを担当する事務職員も大量に雇わなければならないといわれている。 新しい兵器を開発するための研究費用や医療施設の運営費なども必要となってきるし、軍事費全体のうちもっとも大きな割合を占めているのが燃料や資材など軍事的なオペレーションの実施に必要となる経費となっている。オペレーション費は全体の約34%を占めていて、次に多いのは人件費で全体の約23%程度で、続いて装備品の調達費が約16%に研究開発費が約11%と続いているという。戦費総額が大きくなってきているが兵員数はあまり増えておらず、つまり兵器のハイテク化がかなりのスピードで進行しており、戦争のコストに占める人件費の割合が低下しているといわれている。この動きはドローンなどの登場で今後加速する傾向になっていくそうで、各国はハイテク兵器への支出を増やし人員を次々に削減しているという。 近い将来は先進国にとっての戦争は人員をできるだけ投入しないスタイルに変わっていくとされているが、なぜか先進国では日本だけが防衛予算に占める人件費の割合があまり変化しておらず、兵器のハイテク化ということを考えると少々気になる傾向だという。政府の予算は一般的に単年度主義と呼ばれる仕組みになっており、その年に徴収した税金でその年に必要な経費を賄う必要がある。「今年は払えないので来年以降に支払う」といったような一種のツケのようなことはできないルールになっている。その理由は政府がそのようなことを行ってしまうと支出に歯止めがかからなくなり財政が破たんしてしまう可能性があるからなのだが、防衛費の中には戦闘機や護衛艦のように複数年度にわたって調達を実施するものが多いという。 このため防衛費など特殊な状況にある予算については国庫債務負担行為といって複数年度にわたる予算をある年度の予算で確保するという仕組みが用いられるが、防衛省が毎年支出する金額と予算として確保した金額はズレが生じることになるという。そのうえ国防の充実は収入に限らずあらゆる国民が恩恵にあずかるなどいくらでも理屈はつけられるし、財源の裏づけがあれば財政規律は維持できるので財務省は文句を言わないという。この先戦時国債のようにどんどんつなぎ国債が発行され、次々と増税が行われる恐れがあり、増税による軍事大国化が加速しかねないという。政府は防衛力強化の方策や財源を議論する有識者会議の初会合を開くが増税ラッシュの足音が聞こえてくることになりそうだという。
2022年09月26日
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国債を乱発して将来世代の借金を増やし続けかえって国民の不安を煽っているといわれて久しいが、財政赤字は膨らむ一方なのに来年度の当初予算案の概算要求総額は例年のごとく100兆円を超える見通しとなっていて年末の予算編成段階で要求額はさらに膨らむ見込みだという。それでも岸田政権は来月に「経済総合対策」を策定すると発表ており、こうした緊急の経済対策には補正予算が組まれ赤字国債が発行されることも少なくないのに、政府は膨らみ続ける財政赤字への対策を明確にはしていないという。一方で日本の「国の借金」は6月末時点で1255兆1932億円に達して過去最大を更新し、国民1人あたりで単純計算すると初めて1000万円を超え、今後も増え続けることが確実だろうといわれている。 岸田文雄首相にはまったく危機感は全くないようだが、日本の債務残高は国内総生産の2倍を超え主要先進国の中で最も高い水準にあるだけでなく、経済が成長しないのに国の債務だけが成長しているという異常事態なのだという。なぜ日本政府はこれほど野放図に借金できるのかということなのだが、アベノミクスと異次元金融緩和を継続し日本銀行が財政赤字を穴埋めするために中央銀行が国債などを直接引き受けることを行なっているからだという。欧米の中央銀行がインフレ抑制のため利上げを進めている中なのに、日銀の黒田東彦総裁は今の異次元金融緩和を続けたまま来年4月の任期を終えみたいなのに、「出口戦略」を示すことなく退任するのは無責任極まりないとの批判が起こっているという。 日本経済新聞は5月の朝刊1面トップに「国債利払い費、1割転用」と題した記事を掲載しているのだが、サブタイトルは「10年で11.9兆円、補正の隠し財源」・「低金利の恩恵、限界に」として一般にはあまり知られていない予算案編成において財務省が伝統的に用いてきたテクニックに焦点を当てた記事を載せている。国の予算において一般会計の国債費は「債務償還費」・「利子および割引料」・「国債事務取扱費」によって構成されているが、これらのうち市場金利の動向との関連で焦点になるのは「利子および割引料」だとされ、その内訳は「公債利子等」や「借入金利子」に「財務省証券利子」の3つだという。その中でも金額が圧倒的に大きいのが「公債利子等」で国債利払い費だという。 内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」では2030年度にかけて物価と金利が上昇する中での財政の姿が推計されており、利払い費自体は示されていないが長期金利と国債費に歳出と税収等との差額などの推移は示されている。内閣府試算では経済成長によって利払い費の増加以上に税収が増えそれによって財政赤字が縮小する姿が描かれている。しかし仮に経済があまり成長せず十分な税収が見込めないままに金利が上昇すれば利払い費の増加で財政が大きく圧迫されかねないという。大規模な経済対策を打ち出した。補正予算でも財源として国債が発行されるため国債残高はさらに増加する見通しだが、日本の財政が金利上昇にますます脆弱になっていきかなないと危惧されている。 日本が経済を立て直して財政を健全化する方策は2つしかないといわれており、1つはガソリン補助金や詐欺の餌食になった新型コロナウイルス対応休業支援金・給付金のような無駄遣いをしないことで、もう1つは国債の償還を借り換え・繰り延べでごまかして負担を子や孫に先送りしないことだという。岸田首相の言う愚策だらけの「新しい資本主義」では日本経済を立て直して財政赤字を改善することはできず、借金という十字架を背負って生まれてくる赤ちゃんのことを考えず次の選挙のために予算をバラ撒く悪習は直ちにやめるべきだという。さもなければもし岸田政権が次の国政選挙まで3年続いたとしても、それは日本経済にとって「黄金の3年」ではなく「暗黒の3年」になるとの予測がなされている。
2022年09月25日
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政府の経済財政諮問会議は今年度後半の重点課題とマクロ経済運営について議論したそうなのだが、新内閣発足後初開催となる諮問会議で岸田首相は総合経済対策を取りまとめる方針を明言し、「物価・賃金・生活総合対策本部で決定した物価高騰対策を早急に実行に移す」としたそうなのだ。政府は物価高騰への対応として電気・ガス等のエネルギーや食料品等の価格高騰に苦しむ生活者・事業者への対応として総額6000億円の地方創生臨時交付金を設けているが、支援対象先には地域の医療機関等も含まれているという。「新しい資本主義を大きく前に進めるための総合経済対策を10月中に取りまとめる」と意欲を示し、政府は物価高騰対策を織り込んだ経済対策を含む来年度予算編成作業に着手するという。 この日の諮問会議では物価高騰対策を主眼に岸田内閣が掲げる「新しい資本主義」の実現に向けてヒトへの投資や科学技術・イノベーションといった成長分野への官民投資を推進する方向を民間議員から提案されたそうで、政策課題には社会保障分野も含まれ具体的な施策では「医療・介護DX」の推進を掲げ、閣議決定した「骨太方針2022」で岸田首相を本部長とする「医療DX推進本部」の設置を明記しているほか、「全国医療情報プラットフォームの創設」や「電子カルテ情報の標準化等」等の取り組みを行政と関係業界が一丸となって進めるという。岸田内閣が掲げる「新たな資本主義」ではマイナンバーカードによるオンライン資格確認や電子処方箋などの利活用も視野に入れているようだ。 今後のマクロ経済運営に当たっては輸入価格の上昇により海外への所得流出が続く状況を抑制していく必要があるが、ゼロエミッション電源の活用や省エネの促進に加え足元の円安メリットをいかした国内企業への回帰と供給力の強化を行い、農林水産品の輸出拡大など我が国の稼ぐ力を強化する取組が重要だという。物価上昇に負けない持続的な賃上げが重要なのだが、賃上げ促進へのインセンティブ強化や中小企業の価格転嫁を促すとともに、人への投資を通じて成長分野への労働移動やリスキリングを促すことで所得を引き上げるという。成長と分配の好循環の実現には官民連携の投資と中間層の拡大がカギで、好循環を持続的に拡大し成長と財政規律を両立させることも重要となってくる。 この会議で岸田首相は「日本企業の実情に応じ年功的な職能給の仕組みを、ジョブ型の職務給中心のシステムに見直すだけでなく、輸入価格の上昇により海外への所得流出が続く状況を抑制していく必要があり、わが国の稼ぐ力を強化する取り組みが重要」と言及した。これが号砲となってか自民党内では早くも過去最大規模となった30兆円超の昨年度補正予算を目安に今回の総合経済対策も大規模にすべきとの声が出始めているという。近年では秋になると補正予算を編成するものの年度内に使い切れずに次年度に繰り越すことが常態化しており、特にコロナ禍が直撃した2020年度以降その規模が桁違いになってしまっているという。 計上したものの年度内に使い切れずさらに繰り越しもしない予算失効額は昨年度の一般会計で6兆3028億円と過去最多となっているそうなのだが、使い切れないなら繰り越すこともあきらめて無駄遣いしないということなら無駄に繰り越すよりもまだましだということのようなのだ。歳出の不用額はコロナ前なら例年1.5兆円前後だったが、一昨年度は3兆8880億円で昨年度はそれよりも多いとされていて、一昨年年度から昨年度に繰り越した歳出予算は今年度に使い切れなければ不用となるという。コロナ禍による混乱の影響はあるとはいえ使い切れないのに無理に繰り越したと思しき歳出予算がそれなりにあったということなので、コロナ禍での過剰な財政依存を漸減させていくような総合経済対策がいま求められているというのだ。
2022年09月24日
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政府・日銀は急激な円安進行を阻止するため円買いドル売りの為替介入を実施したが、円買い介入は1998年6月以来の約24年3カ月ぶりだそうだという。円安傾向は米連邦準備制度理事会が0.75%の大幅利上げを決定したのに、日銀が大規模な金融緩和の維持を決めたことを受け外国為替市場で円相場が一時1ドル145円台後半まで急落したことから介入に踏み切ったという。日銀の黒田総裁が記者会見で当面利上げしないと発言したことも円売りを招いたわけなのだが、為替介入の判断は財務大臣で日銀ができるのは金融政策の変更で、その日銀の黒田総裁が円安をけん制しても金融政策を変更しない姿勢を示せば為替市場では円売り材料とみなされやすいのが実態だといわれていたのだ。 この件で鈴木財務相は記者会見し為替介入を実施した理由について「足元の為替市場では投機的な動きも背景に、急速で一方的な動きが見られる。投機による過度な変動が繰り返されることは、決して見過ごすことができないという考え方から、本日、為替介入を実施した」と説明している。そのうえで政府・日銀がドルを売って円を買う為替介入を行った理由については「投機による過度な変動が繰り返されることは、決して見逃すことができない」と説明しているが、岸田首相も訪問先のニューヨークでの記者会見で「為替市場の過度な変動に対しては今後)断固として必要な対応を取る」と述べたという。岸田首相は「為替は安定的に推移することが重要だ」とも強調し市場動向を引き続き注視していくと語ったそうなのだ。 為替介入の実施を受け円相場は一時140円台まで上昇したそうなのだが、日銀の黒田総裁は会見で為替介入について「介入の効果や判断については、財務省の権限と責任なので私から申し上げることはない」と明言を避けているが、円安の原因となっている大規模緩和を続ける理由について黒田総裁は「コロナ過からの回復途上にある経済を支える必要がある」と述べ為替の変動については「様々な要因があるにもかかわらず、円安が進んできたことは、一方的な動きで、投機的な要因も影響しているのではないかと考えられる。我が国経済にとってマイナスだ」とし、政府とも緊密に連携しつつ金融為替・市場の動向や国内経済だけでなく、物価への影響を十分に注視していく考えを示したそうなのだ。 米財務省は6月の外国為替報告書で日本を監視対象国に引き続き指定していたが、米国財務省は外国為替市場で日本当局が実施した介入に理解を示したという。米国財務省の報道官は「日本銀行は外国為替市場に介入した」との声明をし、「最近高まっている円の変動性の抑制を狙った行動だとしており、われわれはそれを理解した」と説明したが、米国はこの日本の為替介入に参加しなかったという。為替介入について財務省当局者によると介入直後に「焼け石に水になるかもしれないが、やらなくてはならなかった」としているが、与野党からは様々な評価が出ており、自民党幹部は「米国の長期金利の利上げのスピードが想定外に早く、日米の金利差が広がった。マーケットで円安が進みすぎる」と述べ一定の理解を示したという。 日銀出身の自民議員は「介入しなければ150円まで行っていた」と指摘し、「一時的にはこれで止まっても、これから為替当局の覚悟が何度も試される」と断続的な介入になる可能性を示唆している。立憲民主党の泉健太代表は「異次元金融緩和と日米金利差が続く以上、効果は限定的ではないか。アクセルとブレーキを一緒に踏むような政府と日銀の対応には説明を求めたい」と語たり、共産党の小池晃書記局長も「小手先の介入で円安の大きな流れが止まるなんてことは誰も思わない。一時しのぎにもならない程度のものではないか」との見方を示したそうなのだ。経団連の十倉雅和会長は記者団の取材に応じ「投機的な動きが続いており、放置しないぞという意思を表明したのは意義あることだ」と介入を評価したという。
2022年09月23日
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今年に入って原材料価格の上昇や世界情勢の変化などさまざまな要因から身近なモノの値上げラッシュが続いており、国内企業を対象にした調査でも約7割の企業が年内の値上げを実施・予定していて国民の多くが値上げを実感しているという。原材料やエネルギー価格の高止まりのほか円安の進行による輸入コストの上昇など、企業を取り巻く経営環境は厳しさが増しているが、こうしたなか開催された政府の「物価・賃金生活総合対策本部」で9月末が期限となっていたガソリンの補助金制度を12月末まで継続するなど、追加の物価高騰対策が取りまとめられている。岸田首相は物価上昇に負けない持続的な賃上げ実現に向けた総合的な取り組みの一環として、価格転嫁対策の取り組みをさらに進めると示しているそうなのだ。 なかでも「価格交渉促進月間」を契機に下請中小企業がさまざまなコストの上昇分を適切に取引先に価格転嫁できるよう企業の価格交渉を促進しているが、自社の主な商品・サービスにおいてコストの上昇分を販売価格やサービス料金に多少なりとも価格転嫁できている」企業は70.6%で、内訳をみるとコストの上昇分に対しすべて価格転嫁できている企業は2.3%にとどまっており、8割以上できている企業は11.7%で5割以上8割未満できている企業は16.7%だったという。一方で全く価格転嫁できていない企業は18.1%となっていて、総じてみると価格転嫁をしたいと考えている企業でコストの上昇分に対する販売価格への転嫁割合を示す「価格転嫁率」は36.6%と4割未満にとどまっているそうなのだ。 これはコストが100円上昇した場合に36.6円しか販売価格に反映できていないことを示しているわけなのだが、これまでの政府の物価高騰対策の効果に関しては「大いに効果を実感している」企業が0.7%で、「ある程度効果を実感している」が11.1%となっているという。一方で「あまり効果を実感していない」は38.9%の「ほとんど効果を実感していない」は34.3%となっていて、合計すると企業の73.2%で「効果を実感していない」という結果となっているという。この先もしばらくは値上げが続きそうだ値上げ時代を迎えた今、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは節約かもしれないが、節約をしすぎると生活のレベルが落ちたと感じてしまい、とりある生活から気持ちの面でも遠のいてしまう可能性があるとの指摘もなされている。 消費者が値上げを実感する品目では「生鮮食品」が57.9%と一番で、「ティッシュ類」が40.1%に「インスタント麺」が38.7%など、食品関連を中心に日々の生活に欠かせない商品を挙げる人が多かったという。物価がどのくらい上昇しているのかは総務省が毎月発表している消費者物価指数で知ることができるが、それによると2カ月連続で前年同月比の2.5%も上昇しているという。直近の推移を見ると今年になってから0.9%や1.2%と上昇幅を拡大しており、年次データを見てみると徐々にインフレ傾向に移行しつつあることもわかるという。特に若い世代に比べるとシニア層は自宅にいる時間が長いため日用品や生鮮食品が生活費に占める割合も高いため、そのぶん値上がりを肌で感じている人も多いのではないかという。 このようにインフレ傾向が続くようだと「貯えで暮らしていけるから老後の生活資金は大丈夫」という考えを改める必要がでてくるのだが、住民税非課税世帯には大盤振る舞いする政府の今回の対策について、関東学院大学経済学部の島澤論教授は「住民税非課税世帯というと生活が苦しい若い人と感じるが、8割近くが年金生活世帯なのでイメージとは違う。参院選前にうけいれられなかった高齢者への現金バラマキを、ラベルを変えて行っているもので、ちびちび稼ぎながら自活している層にも恩恵を与えてほしいものだ」という。来月には値上げラッシュが続くので政府には価格転嫁支援の強化に加え、物価の高騰による影響を受けているすべての企業に支援が行き渡る対策の実施が求められているという。
2022年09月22日
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原油先物取引価格はほぼ横ばいで推移しているとされているが、浜田靖一防衛相は記者会見で原油価格高騰によって自衛隊が訓練などに使用する装備品の燃料購入費が近く不足するとして、新型コロナウイルス・物価高対策予備費から約507億円を充てると発表したという。浜田防衛相は「調達価格の大幅な上昇で、1~2カ月以内に燃料購入の予算が不足する見込みだ。予算を措置しなければ自衛隊の持続的な部隊運用に支障が生じる」と説明している。政府も新型コロナウイルス対策と原油価格・物価高騰対策に充てるため予備費約3兆5000億円の使用を閣議決定したそうなのだが、浜田防衛相によると今年度当初予算では部隊運用に必要な燃料購入費として989億円を計上していたという。 政府が年末の来年度予算編成で焦点となる防衛費増額について、当面の財源確保策として「つなぎ国債」を発行する方向で検討していることがわかったという。つなぎ国債は赤字国債の一種で当面の財源を借金で賄いつつ事後的に増税などの恒久財源を確保し、財政規律を維持する狙いがあるとされており、東日本大震災の復興事業で活用され一時的な所得税や法人税への上乗せ増税を財源にした例があるとされている。そのような中で政府・与党が来年度予算編成の最大の焦点となっている防衛費増額の財源として、法人税を軸に金融所得課税やたばこ税の増税を検討することが明らかになったそうで、与党関係者が経済界の一部に財源案の大枠を伝え、11月から本格化する与党税制調査会の議論に向け調整を進めるという。 政府は6月に決定した経済財政運営の基本指針「骨太の方針」において、「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」と明記しているが、自民党内では国内総生産比2%以上への増額を求める声もあり、5兆円規模の安定財源の確保が必要となる可能性があるとされている。防衛費増額の財源の柱とみられる法人税は所得税や消費税と並んで国の税収の多くを占める「基幹3税」の一つとされており、国税と地方税を合わせた実効税率は現在29.74%で大企業を中心に負担されているという。また金融所得課税をめぐっては1億円を境に非上場株式などの譲渡所得が多い「高所得者」の税負担が減少する「1億円の壁」の問題が指摘されていることもあって、富裕層に相応の負担を求める意味合いもありそうだという。 たばこ税は国防費確保の観点からスウェーデン等で税率引き上げの動きがあり、財政制度等審議会などが財源案として参考にするよう提言しているという。いずれも関係者の利害が絡むため税率引き上げの議論が難航するのは確実だが、政府・与党内には候補に挙がる3税のほか国防力強化の費用負担の公平性を保つ観点から所得税を支持する声や、相続税も浮上しているそうなのだが、与党ではまた防衛費増額の財源の全額を国債で賄うべきだとの主張も根強く財源をめぐる今後の議論は曲折が予想されているという。また鈴木俊一財務相は防衛費の算定方法に関し、海上保安庁予算など安全保障関係の経費を幅広く組み入れる「北大西洋条約機構基準」について「一つの目安として考えられる」と語っている。 国防予算に海上法執行機関予算や軍人の年金などを入れるのが「北大西洋条約機構基準」なのだが、公明党の山口那津男代表は記者会見で、防衛費の算定方法に関し海上保安庁予算などの経費を幅広く含める「北大西洋条約機構基準」の採用に慎重姿勢を示し「海保は法執行機関で軍事組織ではなく、自衛隊と区別すべきだという考え方で取り組んできた。しっかり国民に理解してもらう努力が必要だ」と述べたそうなのだ。我国の国防予算は米国から高額な兵器を買うのは対米随従政策の一環なので本来の防衛力強化とは筋が違うのだが、まず自衛隊員の待遇や施設の整備は重要で、実効的な日本周辺の防衛戦略に関する議論は国民にも納得できるものであるべきだという。
2022年09月21日
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日本で川の水といえば「石清水清き流れの 絶えせねば」という「千載和歌集」にある能蓮法師の歌のように澄んだ水をイメージしやすいが、日本の常識はしばしば世界の非常識となるといわれるように北欧やカナダ北部の河川水の多くは茶色をしているという。ここには悠久なる大地の歴史と現在の微生物の働きが関わっていて、日本との違いは平坦な地形と湖や湿地の多さであるとされおり、雨のあとの林床を踏みしめると茶色の水が滲み出すが茶色の正体は溶存有機物と呼ばれている。この溶存有機物アミノ酸や有機酸などの馴染みのある物質から得体のしれない高分子芳香族化合物まで水に溶けた有機物の総称で、身近なところでいえばお茶や昆布ダシに色をつけているのもこの溶存有機物だという。 自然界での溶存有機物のもとは落葉や根っことされていて、落葉のセルロースが分解されると透明なグルコースと呼ばれるものになるが、グルコースは甘くて美味しいのですぐに微生物によって分解されてなくなってしまうという。一方でリグニンと呼ばれる木質成分から滲み出す茶色い水は芳香族化合物を多く含み渋くて苦いという。微生物が分解しようとしても数年かかるうえに分解されて二酸化炭素になる前に、その一部が、雨とともに土の中へと浸透していくという。溶存有機物は土の中を流れやがて粘土に沈着し植物根や微生物の残骸とともに数百年も分解されず残るのだが、これが土を黒色や茶色に染める腐植となるという。そして森のエキスともいえる溶存有機物はリンや窒素などの栄養分を運搬する血液のような働きをしている。 つまり森の血液は茶色なのだが、カナダ北部の大河・マッケンジー川の上流域で巨大な滝の名所を訪れると、日本との違いに驚かされるが川の水が茶色をしているという。カナダ周極域では大地を覆った1万年位前から氷河が後退しはじめ、行き場のなくなった氷河の融解水は平坦な地形にたまり湖や湿地を形成したという。こうしてできた湿地帯の針葉樹林の下には数千年かけて泥炭土が形成されたのだが、北極海に流れ込むマッケンジー川は流域に広がる泥炭土の溶存有機物を溶かし込んで茶色になる。この流域に広がる泥炭土では酸素が少ないために微生物による分解がさらに遅く溶存有機物が残され、この残された溶存有機物を集めながら川が流れるため水道の飲料水さえ茶色いことが多いという。 「森は海を育てる」という言葉は有名だが、溶存有機物に結合したフルボ酸鉄が山から運ばれ海の生き物たちを育むと考えられている。その栄養分の源こそ土で、マッケンジー川の流域には泥炭土や永久凍土があって、泥炭土からは溶存有機物が滲み出し夏には水田の泥のようになる永久凍土からリンや鉄も溶け出すという。大地からの恵みを受けた北極海には短い夏に太陽が沈まない白夜が訪れるが、鉄やリンといった養分と光を受けて植物プランクトンが大繁殖する。次にそれを食べるオキアミが大増殖しこれを目当てにクジラや渡り鳥が北極海を目指して集まってくる。いのちの連鎖が短い夏のにぎわいを引き起こしホッキョクグマ等のいのちを育む栄養分の運搬には陸域から放出される溶存有機物も一役買っているという。 北極の生き物たちにとっては溶存有機物と栄養分を運ぶ希望の川となっているマッケンジー川だが、濁流のなかで河川生物がどのように過ごしているのかはほとんど分かっておらず、大河で水量の多いなか自然環境も厳しく野外調査をするのは非常に困難だからだという。数少ない研究で魚類に小型発信器を装着して増水中の移動について調べた研究があって、これらの結果は増水して氾濫した川の中でもサケ科魚類は石の下や障害物の影に隠れてじっと耐えていることが示唆されているという。自然の河川は雪解け増水等によって河川の水量が大きく変動するのだが、そしてそこに棲む生物はこういった自然攪乱にうまく適応しており、生物の中にはむしろ攪乱がないと上手く生活できない種さえいるという。
2022年09月20日
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私のように高齢者となり年金だけで生活するようになると、「老後、いくら貯蓄があればいいのか」ということがよく議論されるようになり、この老後資金問題では「必要額は夫婦で800万円あればいい」とか、「2,000万円はほしい、さらには余裕ある暮らしを望むなら5,000万円が最低ライン」などさまざまな意見を耳にするが、ただこれらの試算をただ鵜呑みにすると老後に困窮することは火を見るより明らかだという。「年金制度はいずれ破綻する」とか「国の年金は当てにならない」などと言われて久しいが、いまから遡ること3年前に世間を騒がせた「老後資金2,000万円不足問題」では「老後、夫婦2人で暮らしていくのに年金だけでは2,000万円足りなくなる」といった情報だけがひとり歩きしてしまい混乱を招いたという。 そもそもこの問題は金融審議会の市場ワーキンググループがまとめた報告書の「高齢社会における資産形成・管理」のなかで、高齢夫婦無職世帯の平均的な「収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要になる」という試算によるものなのだが、そしてこのとき数値の根拠になったのが総務省の「家計調査」のデータだという。それによると夫65歳以上妻60歳以上でともに無職の世帯の場合実収入は月20万9,198円だが、実支出は月26万3,717円となり差額は月5万4,519円の1年で65万4,228円、老後30年とすると1,962万6,840円とおよそ2,000万円の赤字となってしまい、確かに年金のほか2,000万円が足りない計算だったという。 この家計調査は抽出する世帯が異なるので数値は毎年変わり、最新の調査をみていくと実支出は月23万7,988円で実支出は月26万0,094円となっていて、差額は月2万2,106円の1年で26万5,272円となり30年であれば、795万8,160円とおよそ800万円だという。この数値で同じように報告書をつくるとすれば「老後年金だけでは800万円足りないので、皆さんで準備しましょう」ということになるという。特にコロナ禍においては一律10万円の「定額給付金」があったり収入が一定以下の人に支給される「年金生活者支援給付金」があったりと年金にプラス要因があったことで無職の高齢者の収入はアップしただけでなく、さらにコロナ禍という特殊な状況下支出額も減少してその結果赤字額は大きく減少したというのだ。 老後資金を考える際に用いられることの多い家計調査は調査年によって結果は変わるので、「老後は2,000万円足りない」とか「いや800万円あれば十分だ」などということを絶対的なものとして言うことはできないという。さらにあくまでも試算は「夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯」の平均値で「30年間、夫婦ともに健康で暮らしたなら」ということを前提に単純計算したものなので、30年間病気をせずに亡くなるという人生は相当稀な話だという。このような背景があるにも関わらずただ「老後2,000万円あれば大丈夫」とか「800万円あればいいらしい」と自身に置き換えて考えずにいると思わぬ出費で慌てることになるという。さまざまな試算は統計調査をもとに単純計算したものでモデルケースのように人生歩めるかは未知数だという。 老後は悠々自適で旅行に行ったりクルマを買い替えたり、子どもの結婚資金も援助したりなど、そういったゆとりを持ちたければ準備すべき老後資金は跳ね上がるという。そこでどういった生活をしたいのか考えておおよその必要額を具体的に計算しておくだけで十分だという。ただ老後の人生で大事なのはお金だけではないといわれていて、どんなセカンドライフを過ごしたいのかや「健康」や「生きがい」なども含め自分らしい生き方を考えることがなにより大切になってくるという。つつましくも夫婦で過ごす時間を大切に考えるのか現役中は忙しく旅行などのレジャーに充てられる時間が無かったので夫婦でアクティブに過ごしたいと考えるのかといったことを考えておくだけでも大きく変わってくるというのだ。
2022年09月19日
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安倍元首相の「国葬」に反対する声は強まるばかりなのだが、国葬を巡っては各メディアの世論調査で反対派が賛成を上回り、岸田文雄首相の説明に納得していない国民も多い状況となっている。国葬を実施する「法的根拠」がないことが批判されており、参列客は最大6000人程度になるというのに招待される「基準」がハッキリしないことにも批判が噴出している。報道関係者にも案内状が送られているようで、ジャーナリストの田原総一朗氏や田崎史郎氏には案内状が届いているという。もっとも「案内状」が届かなかったキャスターの辛坊治郎氏がラジオ番組で「私、いまだに来ておりません。安倍さんが差配する立場なら私のところに招待状が絶対来ていると思うんだけど」と不満を漏らしているという。 どのような基準で国葬の案内状を出しているのかということでは、国葬の費用は全額税金で負担するだけに招待する人の「基準」を明確にすべきだとの批判も出ており、内閣府の国葬事務局は「案内状を送るのは、現職と元職の国会議員、立法・行政・司法の関係者、地方公共団体の代表、さらに各界の代表者などです。各界の代表者については、省庁からの推薦を基にしています。具体的な基準は、各担当者に聞かないとわかりません」という。注目なのは安倍元首相が「どんな時も心の奥でつながっている人、腹心の友だ」と語っていた加計学園の加計孝太郎理事長が招待されているのかどうかなのだ、加計学園に問い合わせると「国葬に招待されているのかどうか、お答えは差し控えます」とのことだったという。 そんな中立憲民主党の蓮舫・辻元清美参議院議員が国葬の案内状の写真をアップしたうえで「欠席」を表明しているが、これに対しては故人や遺族に対して非礼だとし批判の声もあがっているという。安倍晋三元首相の国葬について自民党の二階俊博元幹事長は「長年、務めた総理が亡くなったのだから、黙って手を合わせて見送ってあげたらいい。こんなときに議論すべきじゃない」とし、また「終わったら反対していた人たちも、必ずよかったと思うはず。日本人ならね」と語り、立憲民主党の執行部が欠席の意向を示したことに関して「欠席しようがしまいが、国葬に関係ない。世の中に、あんまり賢くないな、ということを印象づけるだけだ。欠席する人は後々、長く反省するだろう。選挙で取り戻すのは大変だ」などと批判している。 二階氏の暴言ということでは先月に都内でおこなわれた講演でも、国葬の反対意見が強いことについて「それがあったからといって、国葬をやめるわけではない。国葬は当たり前だ。やらなかったらバカだ」と発言しているが、このときも「国民を見下す発言」と批判が殺到している。さらに自民党と統一教会との関係が問題視されていることについても悪びれることなく、「究明し修正をしてやっていくべきだと思いますが、自民党はビクともしないよと発言し大きな批判を浴びたばかりだといわれている。批判されても省みることなく、発言をヒートアップさせる二階氏にはネットの怒りも最高潮になっているそうなのだ。国葬欠席を表明している日本共産党は「まるで『慢心』という言葉の見本のようだ」と批判しているという。 安倍元首相の国葬まで残すところ10日となったが、安倍が出て来てから30年間に日本はどんどん各国に後れを取り国民の生活も格差が広がっている。長いこと首相を務めたのだから国葬が当然という前にその体たらくを招いた30年間のほとんどの期間自民党が政権与党であり、安倍は2度も首相の立場にあっただけでなくこの間の自民党のかじ取りが間違っていたあるいは不十分だったことの反省の方が重要ではないのかという意見も多いという。ある作家は「国葬は法的根拠もないまま、政府が勝手に一人の政治家を権威化しようとしている。何故それに無批判に従うことが、最低限の『マナー』みたいな話になっているのか」と続け、国葬と一般的な冠婚葬祭を同一視して議論することへ異議を唱えているという。
2022年09月18日
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食後に血糖値が上がるのは簡単にいえば「糖質」が体内に入ってくるからで、糖質とは炭水化物のうち体内に吸収されてエネルギー源になるものだとされ、ちなみに体内に吸収されずエネルギー源にならない炭水化物が食物繊維だという。糖質は食物繊維以外の炭水化物ということなので、炭水化物と糖質はほぼイコールと考えていただいてよく具体的にはごはん・パン・めん類・いも類といった主食系や甘いものに多く含まれている。糖質の入った食事を摂ると胃や小腸と通り抜けるなかでブドウ糖にまで分解されて小腸から吸収され血管に入っていく。そして血液の流れに乗って全身に運ばれながら全身の細胞にスッと入っていくのだが、このときにすんなりと細胞に入れば血糖値はそこまで上がらないそうなのだ。 問題なのが血管に入った糖がすんなりと細胞に取り込まれない場合で、血中にブドウ糖が増えるとすい臓からインスリンというホルモンが分泌され細胞に働きかけるという。すると「あ、インスリンが来た」と細胞がそのシグナルをキャッチし血中のブドウ糖を取り込むように本来はなっている。ところがその反応が鈍い人がいてそれを「インスリン抵抗性」と言うのだが、「インスリン抵抗性」とは「血中の糖を細胞内に取り込んで」というシグナルであるインスリンは出ているのにインスリンに対する感受性が低下して、血中の糖を細胞に取り込む作業が滞ってしまう状態のことだという。糖尿病の初期やその手前である境界型糖尿病等の糖尿病予備軍の耐糖能異常の原因にはこの「インスリン抵抗性」にあるといわれている。 インスリン抵抗性が高まったりインスリンの分泌が低下したりして血中の糖がなかなか細胞に取り込まれないと、すい臓は「もっともっと糖を取り込むように」と頑張ってたくさんのインスリンを分泌する。そうすると次第にすい臓が疲れていってインスリンの分泌も悪くなってしまい糖尿病の末期にはインスリンがほとんど出なくなるという。「なぜ血糖値が上がるのか」といえば糖質の多い食事を摂っているからで、そしてインスリン抵抗性が高まって血糖値をスムーズに正常値まで戻すシステムがうまく働いていないからだという。インスリン抵抗性はなぜ起こるのかというといろいろな原因が絡み合っていて、体質的にインスリン抵抗性が起きやすい人もいるし、肥満や運動不足だけでなく高脂肪食にストレスも原因になるそうなのだ。 これまで太る原因は食事で摂ったカロリーよりも消費するカロリーが少ないことだと考えられていたのだが、カロリーはたくさん摂っているのに運動はしない状態が続くと余ったエネルギーが脂肪として貯蓄されるという「エネルギーバランスモデル」という考え方が主流だったという。ところがたくさん糖質を摂ってインスリンをたくさん出して血中の糖をどんどん細胞内に取り込んでいくことを繰り返していれば、たとえ血糖値は上がらなくても太っていくそうで、なぜならエネルギーとして使われない余分な糖は最終的には中性脂肪につくりかえられるからだという。インスリンが分泌されると血中の糖が細胞に取り込まれるわけだが、エネルギーとして使われない糖は中性脂肪につくりかえられて脂肪細胞に取り込まれていくというのだ。 インスリンの分泌を抑えるために炭水化物をとりすぎないことが肥満の防止になり、同時に空腹の時間を減らすことにもなると考えられており、糖尿病の場合にはタンパク質不足であることがほぼ確定的だという。脂質優先の食事はタンパク質不足が解消してからの方が健康的で、食事で摂りすぎた過剰な糖質は脂肪に置き換わり蓄えられるということになり、その結果肥満につながるという。肥満は見た目の問題だけではなく健康寿命を短くするため、そう考えると食後高血糖を起こしにくい体質の人でもやっぱりインスリンを出しすぎる生活は避けたほうが良く、炭水化物との付き合い方を選ぶ必要があるという。血糖値を直接的に上げるのは糖質だけなので、まずは「タンパク質をたくさん食べる」意識を先に持ってくることが大切だという。
2022年09月17日
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世界各国でインフレが加速していてアメリカでは今年6月の消費者物価指数が前年と比べて9.1%も上昇し40年ぶりの高水準となっている。欧州の消費者物価指数も8.6%上昇しているが日本が先進諸国で先駆けて低成長時代に入って以来これだけ世界的な規模でインフレが起こるのは前例がないという。円安や資源高を背景として食料品や日用品だけでなくガス料金や電気料金などが続々と値上がりしており、上昇の幅は欧米ほどではないが消費者物価指数は昨年を2.2%上回っているとさえいわれている。政府等は消費者物価指数によって物価の上昇を判断しているが、指数品目のうち購入頻度が高い食料品や電気料金だけを抽出すれば物価上昇率は4.9%ほどになっていて物価上昇の体感はすでに5%だという。 いま日本は主要国の中でほぼ一人負けしているが、誰が大儲けしているかと言えば中東やアメリカ・ロシア・などを含む資源・エネルギー産出国家だという。ウクライナ戦争が始まってから、石油や化石燃料にかかわる業界はぼろ儲けで、アメリカの総合エネルギー企業エクソンモービル社の株価は年始から上がりはじめ脱炭素の流れで凹んでいたぶんを完全に取り戻しましているという。ロシアのウクライナ侵攻でアメリカ内の武器の在庫は一掃され軍需産業もかなり儲かるはずだし、ロシア経済も決して疲弊しておらずルーブルはウクライナ侵攻直後に1ドルが80ルーブル弱から138ルーブルまで大暴落したものの、今では59ルーブルと爆上がりし侵攻前よりはるかに高くなっているそうなのだ。 これも各国がルーブルでロシアの資源を買っているからなのだが、一方で日本円の価値は下落したままとなっていて、ウクライナ戦争の勃発後最も大きく価値が下落した通貨だとされているそうなのだ。円安で144円台まで落ちているが、アメリカ・欧州・日本ではインフレの条件や状況がそれぞれ異なっていて、アメリカの場合は「ディマンドプル型」のインフレで新型コロナの終焉もあって経済活動が本格的に再開されたことで、それまで抑え込まれていた物・サービスの消費が拡大し需要が供給を上回ることとなり物価が上昇しています。一方で日本は「コストプッシュ型」のインフレで、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻によって資源・食料価格が高騰し物価上昇の要因となっており、欧州はアメリカと日本の中間だという。 ただ欧米の場合は物価上昇にきちんと賃金上昇が追いついてきており、アメリカは労働市場の流動性が高いため労働需要から賃金がどんどん上がっているし、欧州は他国と比べて労働組合の発言権が強いため賃上げの要求が反映されやすいとされている。日本は特殊な国で2%程度のインフレでも実質賃金は下がるため体感インフレが消費者マインドを冷ましてしままっていて、これは日本特有の問題となっている。日本でも賃上げが追い付けば今くらいのインフレはそれほど問題にはならないはずなのだが、賃金低下の問題については労働生産性の低さよりも「労働分配率の低下」の問題を取り上げる意見が多くなっていて、日本企業が賃金を上げられるかどうかという課題が浮上してきているそうなのだ。 内閣府によると企業が生み出した付加価値の分配という観点からは、配当性向がほぼ横ばいで推移する中で労働分配率が低下している。国内における設備投資は増加しているものの企業収益の伸びの割には緩やかなものにとどまっており、結果として企業は貯蓄超過となっていて企業は労働分配率を低下させて内部留保を蓄積し、海外M&A等による投資を行っているというのだ。つまり収益の分配は株主分が増え従業員の取り分が減少しており、内部留保について企業で蓄積された剰余金等の内部留保の増加は自己資本比率の上昇基調を支え、さらにバブル崩壊以降は負債による設備投資を抑制する保守的な経営が主力化したため自己資本比率は上昇に転じたとしていわれているそうなのだ。
2022年09月16日
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日本にも世界的なインフレの波が押し寄せて来ているといわれているが、国内物価の上昇が止まらず7月の消費者物価指数は前年同月を2.4%上回り11カ月連続での上昇で、2%を超えるのは4カ月連続だししかも上昇が止まる気配はないという。しかも10月には様々な消費財の値上げが予定されていることから、消費者物価指数の上昇率が3%を超えてくるのは時間の問題と見られている。実際に企業間取引の物の価格である「企業物価指数」は前年同月比8.6%も上昇しており、7月の「輸入物価指数」は前年同月に比べて48%も上昇しているそうなのだ。原油や小麦などの海外市況商品の高値が続いているのに加えて急速な円安で企業が輸入する際の価格が大幅に上昇していることが大きいという。 消費者物価の大幅な上昇は消費者の生活を直撃することになるが、企業物価の上昇ほど消費者物価が上がっていないのは企業努力で吸収するなど小売り価格に転嫁されていないためで、問題は物価の上昇を吸収できるくらい賃金が上がるかどうかだという。果たして企業はこうした政府の要請に応じる形で物価上昇に見合った賃上げを実施するのだろうかだが、残念ながら企業の多くは従業員の生活防衛よりも自身の企業防衛を優先しそうな気配だという。企業物価の上昇を最終価格に十分に転嫁できない場合にはそこコスト増を吸収するために一段の合理化を進めることになるが、そのしわ寄せが従業員や下請けに回りそうなのだ。そうすると賃上げどころか賃金据え置きすら怪しくなってくるというのだ。 近年の賃金低下の問題については労働生産性の低さよりも「労働分配率の低下」の問題を取り上げる意見が多くなっているが、経済のグローバル化で先進国の労働分配率は低下傾向にあるとされており、賃金の低下が大きく長いデフレに陥っていたのもわが国だけだという。そこにはわが国特有の原因があると考えがえられていて、企業は労働分配率を下げ短期的な業績への要求が強い外国人株主に対応しているという。わが国の労働分配率の低下そして賃金低下の原因は株式市場が流動化して企業経営が株主重視になっている一方で、雇用制度は戦後の終身雇用の慣行や年功序列賃金が主流であるとされる、株式市場と労働市場の制度的なミスマッチによるものではないかとの指摘もなされている。 雇用については非正規雇用の割合を増加させたものの主流は終身雇用の慣行と年功序列賃金を維持してきたが、つまり長期雇用の慣行の対象者の数は絞ったもののその仕組み自体は温存されたというのだ。現在では銀行の株式持合いの解消により株式市場が本来の力を取り戻しており、しかもその約3割は欧米の機関投資家となり、大企業は銀行借入を返済し内部留保を積み上げて自己資本比率を高め銀行より株式市場との関係性を深めている。こうしてメインバンク制による銀行中心のシステムから株式市場中心のシステムへと変化している企業金融の仕組みと、非正規雇用は増やしたものの主流は従来の日本的経営による長期的で固定的な雇用となっている雇用の仕組みに「ミスマッチ」が生じているのだという。 仮に賃上げが行われたとしても物価上昇率には到底及ばずいわゆる実質賃金は低下してしまっているのだが、これは政府が「過去最大の引き上げ」と胸を張る最低賃金にも現れてしまっているそうなのだ。10月から適用される全国の最低賃金が出そろったがその加重平均は961円と前年比31円の引き上げで率にして3.3%となっている。確かに前年の3.1%増を見た目では上回っているが、今年7月の消費者物価の上昇率は2.4%で昨年7月は0.2%のマイナスだった。単純にこの物価を加味すれば昨年の最低賃金は3.3%の上昇だが、今年は0.9%の上昇ということになり、実質で見れば昨年を大きく下回る引き上げしかできていないというのだ。そしてこれと同じことが今後も企業の賃金でも起きそうなのだという。
2022年09月15日
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年を重ねると体のあちこちに不具合が出てくるが中でも膝の痛みに悩む人は多いが、高齢者の膝痛の多くは膝関節の骨が原因で起こる「変形性膝関節症」という病気で、厚生労働省によると自覚症状のある患者数は約1000万人で加齢とともに進行する病気とされ、痛みなどこの病気と診断され治療を行っても関節の状態は「後戻り」しにくいという。変形性膝関節症の治療法は大きく分けて「保存療法」・「再生療法」・「手術療法」の3種類だが、保存療法とは手術などで直接原因を取り除くのではなく生活習慣の見直しや薬剤治療で症状の緩和を目指す方法だという。最初は患者教育・運動・減量などの非薬物療法を試みて改善しない場合には鎮痛剤・関節内注射などの薬物療法を行いさらに重度になると手術を考えるという。 手術療法には関節の変形や傾きを修正するため骨を切るものの基本的に関節は残す「高位脛骨骨切り術」と、関節全体を人工関節に置き換えてしまう人工膝関節置換術があり、ともに手術後は活動性が大幅に高まるとされている。そのうえ約1カ月の入院を要するなど体への負担は大きく仕事などで多忙な人はなかなか踏み切れないというのも実情だという。こうした治療の流れのなかで順天堂大学医学部附属順天堂医院スポーツ医学・再生医療講座の齋田特任教授が重視するのは「運動療法」で、太ももの大腿四頭筋など膝関節をサポートする筋肉をしっかり鍛えることなのだが、「薬などで痛みをとることは重要だが、より大切なのは医師と相談しながら運動療法をしっかり続け、歩く力を衰えさせないようにすること」だという。 一度すり減った軟骨が運動により戻るわけではないのだが、関節をサポートするための筋肉を鍛えるとともに膝周囲の組織の柔軟性を高めることで関節の負荷を減らし、痛みを軽減できる可能性があるほか炎症を抑えて骨の変形を食い止める効果も期待できるという。「運動療法を行うときは、患者さんの症状やライフスタイルに合わせて低負荷の運動から開始し、適切な負荷の運動量を決定していきます。大切なのは、定期的にフォローアップをして運動量を見直し、継続できるようにすることです」という。「患者さんには、膝に負担がかかる行動を避けること、体重を減らすこと、大腿四頭筋の筋力増強を行うことなどをアドバイスします」というが、症状の緩和には膝に負担がかからないように日常生活を見直すことも大切だとしている。 医療機関では通常痛みを改善し運動療法をサポートするため非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれ「フェルビナク」・「ロキソプロフェン」・「インドメタシン」など鎮痛薬を含んだ飲み薬や貼り薬に塗り薬による治療が行われている。これらの薬物療法で効果が不十分な場合は次に行われるのが「注射療法」で、非常に痛みが強いときに一時的に行われる「ステロイド注射」のほか、継続して受けられる治療として広く行われているのが「ヒアルロン酸の関節内注射」だという。ヒアルロン酸の関節注射は推奨されているそうなのだが、腸管で吸収されず直接関節まで行くとは考えにくく内服は推奨されていないという。膝が痛いと言うと薬局などからサプリメントを勧められたりするがやはり素人判断はやめて医師に相談するべきだという。 また再生医療は体の中の様々な炎症を抑え軟骨の成長を促す物質とされる「抗炎症性サイトカイン・修復因子」の働きにより症状の緩和や組織修復を期待する治療法だとされている。変形性膝関節症の新たな注射療法として広まりつつあるのが「多血小板血漿療法」で、患者から採取した血液を遠心分離し血小板の多い部分を抽出し、血液中の血小板などが持つ組織修復の力を利用する治療法自分自身の血液を体内に戻すものなので副作用もないとされている。しかも何度も繰り返し実施できるのも利点のひとつなのだが、保険診療として認められていないので自己負担が大きくなってしまうのが欠点だという。「多血小板血漿療法」の費用は医療機関によって異なるがだいたい1回30万円から40万円くらいかかるそうなのだ。
2022年09月14日
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80歳や90歳になっても活動的で元気いっぱいの高齢者が増えているが、人生100年時代の長い老いの期間を健やかに過ごすためには脳の機能をいかに保つかが重要だという。70代前半までであれば認知症や要介護になっている人はまだ1割もいないのだが、あわせて70代の時点で持っている運動機能を80代以降もいかに長持ちさせるかが大切になっている。今後は老いを2つの時期に分けて考えることが求められていると医師は言うが、それは70代の「老いと闘う時期」と80代以降の「老いを受け入れる時期」だという。80代になり85歳を過ぎたくらいからは誰かの手を借りることも多くなっていくそうなのだが、そのときこそありのままの自分の老いを受け入れる時期と考えたほうが良いとアドバイスしている。 70代において多くの人々はより元気になりまだまだ老いと闘うことのできる時期になったといえるそうなのだが、元気でいようと努力することは70代においては効果もあり、大いに意味があることだという。いまの70代は若々しくなってきたとはいえこの年代ならではのリスクもたくさん抱えていて、その最たるものが「意欲の低下」だという。脳機能や運動機能の維持には「使い続ける」ことが重要なのだが、たとえ、40代や50代の人が何もせずにゴロゴロと寝て暮らすような生活をしたとしてもただちに脳機能や足腰が衰えることはないとされているが、70代の人がそれをやるとすぐに衰えてしまうという。70代というのは意欲的に身体を動かしたり頭を使ったりしないとすぐに要介護になってしまうリスクを抱えているというのだ。 これは多くの高齢者自身もわかっていることなのだが、実際に使い続けることを実践できる人はそう多くないそうで、なぜなら頭では理解していても70代になってくると意欲の低下が進み活動レベルが低下してくるからだという。何事にもやる気が湧かず興味が持てなくなり、人に会うのも億劫になって出不精になる傾向も出てきるという。実はこの「意欲の低下」こそ老化でいちばん怖いことで、病気やけがをきっかけに老け込んでいくということもあるが、加齢とともに意欲の減退が要因となって一気に年老いていくというのだ。こうした「意欲の低下」が顕著になるのがまさに70代とされ、つまり70代から80代に向けて元気に過ごすことができるかどうかは70代においていかに意欲の低下を防ぐかにかかっているというのだ。 定年延長や定年後の再雇用など高齢者になっても働く環境が整備されつつあるが、それでも年金が支給されると長年勤めていた会社を退職している人が多いといわれている。これまで懸命に働いてきたのだから退職したらもう何もせず家でゴロゴロ過ごしたいという人も多いが、一気に老け込む人の典型は仕事をリタイアしたときからあらゆる活動をいっぺんにやめてしまうというケースだという。働いていればそれなりの知的活動や他者とのコミュニケーションがあり、さまざまな出来事にも遭遇することになるが、しかしただ家で過ごしているだけではそういった脳の活動はなくなり認知症のリスクが高まるだけだという。それに働いているときはデスクワークのような仕事であっても通勤などで思っている以上に体を使っているものだという。 農業や漁業また職人のような仕事もそうだが自分が「やめる」と決めない限り続けられるような仕事であるならば、身体がもつ限りできる範囲で一生続けることが老化を遅らせるためのいい方法だという。勤め人であっても役職からは外されるかもしれないが、働くということからは引退する必要などないという。アルバイトや契約社員などどのような形態であっても仕事を通して社会との関わりを持ち続けることが、活動レベルを落とさず若々しくいるための秘訣だという。また退職後も社会と関わっていくという意味では町内会の役員やマンションの管理組合の役員・趣味の集まりの役職などでもよいという。ボランティア活動も退職後の社会参加としては1つの選択で、いつまでも現役意識を維持することに大いに役立つはずだという。
2022年09月13日
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財務省は来年度一般会計予算の概算要求額を今月に公表しているが、全省庁の合計は110兆484億円となり過去最大だった今年度予算の111兆6559億円に次ぐ規模に膨らんだといわれている。概算要求は翌年度当初予算案の編成に先立ち各省庁からの要求額にあらかじめ上限を設けることで予算全体の膨張を防ぐ枠組みだが、この数字にはまやかしがあって政府はここ数年8月末の概算要求締め切り時点では具体的な金額を明示しなくてもいい「事項要求」を多数認めているからだという。実際の要求額はさらに膨らむことになり来年度当初予算は今年度当初予算を上回り過去最大になるのは必至とみられていることから、霞が関では「すでに機能不全に陥っている」との声が強いという。 重点枠や事項要求など数多くの例外が設けられた結果予算の膨張を防ぐ機能が低下しているためだが、政府が7月に閣議了解した「概算要求基準」を確認してみると、各省庁が自由に使える「裁量的経費」を今年度比で一律10%減らすよう求めたものの、削減分の3倍の額を岸田文雄政権が重視する「重要政策推進枠」に配分することを認めたといわれている。さらにここに「事項要求」も加わるため「概算要求の実際の規模がどの程度になっているか、全体像が読めない」事態に陥っているという。事項要求は本来なら新型コロナウイルス対策など要求時点では全体像が読めない事業に絞って認められるべきものだが、各省庁の事項要求では緊急性があるとは思えない事業も多数盛り込まれているというのだ。 事項要求の予算額は年末の当初予算案の閣議決定に向け財務省と各担当省庁が協議をして詰めることになるが、概算要求段階で数字が示されないため内容を精査する時間が限られるため、財務省のチェック機能が低下してしまう問題もはらんでいるそうなのだ。各省庁が事項要求を膨らませているのは政権や与党の後押しが期待できるためなのだが、岸田首相が掲げる「新しい資本主義」など政権が重視する政策に事項要求を詰め込むことで「通常のルートで予算要求するよりも財務省を突破しやすい」との思惑があるという。なかでも露骨なのが防衛省で「防衛力の抜本的強化」を掲げる岸田政権は有識者会議を設置した等の防衛費拡大の流れにのって、概算要求では約100項目にのぼる事項要求を並べてみせたという。 政府関係者は「防衛費の拡大は来年度予算の目玉。防衛省には強気の要求をしても財務省は拒否しづらいという思惑があるのだろう」とみているそうなのだが、現在国内総生産の約1%を占める年間約5兆円規模の防衛費を北大西洋条約機構が2%以上をめざしていることを念頭に「相当な増額」を含めて年末までに方向性を示す考えだという。防衛費拡大の具体的な要求は相手の射程圏外の遠距離から攻撃する「スタンド・オフ防衛能力」だけでなく、「持続性・強靱性」などが事項要求だという。このうち「持続性・強靱性」に含まれているのがこれまで軽視されがちだった弾薬なのだが、特に長射程弾の量産に力を入れたいとしている。備蓄が少なくて戦争になったらじきに枯渇するなどと言われてきたポイントだという。 防衛費の充実にはメリハリの利いた予算編成が求められているが、その防衛費増額の財源について木原誠二官房副長官が国債の発行も視野に入れる考えを明らかにしたそうで、TVの報道番組に出演し「長期にわたって調達していかなければいけないものもある。財源の確保で国債はダメだという立場は、私自身は取らない」と述べただけでなく、北大西洋条約機構が防衛と直接関わらない海上保安庁の予算なども防衛費に盛り込んでいる「北大西洋条約機構基準」については、「今回、世界標準で我々もしっかり頑張りましょうということ。一つの世界標準として北大西洋条約機構基準があるから、世界にしっかり説明できるものは考えていかなければならない」と述べ、日本でも採用を検討する考えを示唆したそうなのだ。
2022年09月12日
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イギリスの君主として歴代最長となる70年にわたって在位したエリザベス女王が夏期休暇で滞在先のスコットランド・バルモラル城で亡くなったが96歳だったという。この訃報が伝わると各国の首脳はすぐさま弔意を示したのだが、我が国の岸田文雄総理大臣が弔意を発表したのは翌日の午前9時を過ぎてからになってsまっていて、国会の閉会中審議において安倍元首相の国葬をおこなう理由を「弔問外交のため」と言ったにもかかわらず「行動が遅すぎる」と批判の声が多く上がっているそうなのだ。さらにネット上では「エリザベス女王の葬儀こそが本物の国葬」であると「本物の国葬」という言葉がトレンド入りし、国民の総意に反する葬儀はニセモノだとする「本物の国葬論」が巻き起こっているという。 岸田首相がもくろむ「弔問外交」のお株を奪われそうな展開だが、閉会中審査で岸田首相は安倍元首相の国葬を適切だと判断したとし、その理由を「国政選挙に6回にわたり勝利したこと」・「首相在任期間が歴代最長で、東日本大震災の復興や経済の再生に尽力したこと」・「外交に尽力し、平和秩序に貢献したこと」・「各国から弔意の声が寄せられていること」の4つ路していたが、安倍元首相が銃撃によって命を落としたことから「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示していく」と語っていた。在任期間の最長記録だけは事実だが国民からは残りの3つについて「曖昧な成果ばかり」という声も少なくなく、何よりも国民が「国葬」に反対する理由は税金の支出と統一教会との関係であるとされている。 エリザベス女王の訃報から間もなく海外要人の訪英が報じられ始めていて、バイデン米大統領はオハイオ州での演説を終えコロンバス国際空港で大統領専用機に乗り込む際に、女王の葬儀について「詳細は分からないが、行くつもりだ」と語り、参列を表明している。エリザベス女王は英国史上だけでなく存命する世界の君主の中でも最高齢だったし、国内外から国民統合の象徴として人気と尊敬を集め「世界で最も有名な女性」とも呼ばれていた。そんな歴史的人物の国葬に各国首脳や元首クラスが一堂に会するのは想像に難くない。ましてや英連邦の国家元首の葬儀であり、女王国葬が予定通り実施されれば安倍元首相の国葬はその8日後となり、かえってみすぼらしさが際立つことになりはしないかが懸念されている。 岸田首相は「弔問外交」をもくろんでゴリ押ししているが問題だらけな安倍元首相の「国葬」と比較して、日本のネットではエリザベス女王の葬儀を「本物の国葬」と呼びその言葉は一時トレンド入りするほどに広まっていたそうなのだが、弔意の表明に大きく出遅れた岸田首相なのだがそれに対して世界各国の首脳はいち早くエリザベス女王への弔意を示していた。あのロシア・プーチン大統領でさえも「エリザベス女王は、世界が権威を認めた」との弔意を岸田首相より先に発表している。第一報が出てから数時間がたったネット上には「弔問外交を言う資格もないほどの失態」とか「外交能力の低さが露呈」・「よく安倍の国葬で外交をとか言えるな」・「こういうところにも外交センスが表れる」などと対応の遅さに批判の声があがっているという。 安倍元総理の国葬の参列予定の海外要人としてフランスのマクロン大統領やドイツのメルケル前首相は結局見送りとなり、米国のハリス副大統領やカナダのトルドー首相にインドのモディ首相等岸田首相が名前を挙げた首脳が全員来日するとしても、彼らはすでにエリザベス女王の国葬の場で弔問外交を展開していて、わざわざ安倍元首相の国葬でトップ会談する必要もないし、ニューヨークで開かれ各国代表がスピーチする国連総会一般討論と日程が重なっていて政府が安倍元首相の国葬を舞台に参列する各国関係者との2国間外交を想定しているとしてもスケジュール的に下準備ができているのか疑問で、各国首脳が顔をそろえるサミットのような場を思い描いていたのでだろうがそのもくろみは完全に外れていまったという。
2022年09月11日
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安倍元総理の国葬について議論する閉会中審査が衆参両院の議院運営委員会で開催されたのだが、岸田文雄首相が国葬について国会で説明するのは初めてで、まず衆議院で審査がおこなわれ国葬決定の経緯や法的根拠だけでなく、総額16億6000万円程度とする費用は妥当かなどが話し合われたそうなのだ。岸田首相は16億6000万円とする費用について「仮に190の代表団、そのうち接遇が必要な首脳級50の代表団と仮定をし、数字を示した次第であります。これがさきほど松野博一官房長官からも説明がありました、8億・6億といわれた数字であります。こうした数字は、過去のさまざまな行事との比較においても妥当な水準であると、政府としては考えている」と述べたという。 わけのわからないのに催される安倍晋三元総理の国葬に反対する動きが強まっているそうなのだが、参院選のさなかに凶弾に倒れた安倍元総理氏に対し、いち早く「国葬」を決めた岸田文雄首相にとっては大きな誤算で、岸田首相は衆参両院の議院運営委員会に出席し、葬決定の経緯などを説明したのだが、これは「国会や国民に直接、説明したい」という岸田首相自身の意向を受けたものなのだが、これまでの見解を繰り返しただけで国民の疑問に正面から答えることはできなかったという。また「国葬」費用について岸田首相は「仮定の上で試算を行った」として総額16億6000万円を要することを明らかにしたが、8月下旬に閣議決定した際の支出額である約2億5000万円から大幅に増額される格好となっている。 当初示された予備費支出の約2億5000万円から総額16億6000万円程度に膨らんだ費用を岸田首相は「妥当な水準」としているが、ニュースを見た70代の女性はコロナ禍で廃業したり自殺したりする人がいることを挙げ「国民の生活を良くするために別の使い道があるのでは。このまま突き進むのか」というし、岸田首相が強調した「歴代最長の在任期間」とか「外交的遺産を受け継ぐ」といった理由も「拉致問題は解決していない。あいまいな説明に終始した問題も多い」と批判したという。また自営業女性も「森友・加計学園問題」に「桜を見る会」といった疑惑を問題視して、「うやむやな点があるだけでも、国葬はふさわしくない」とばっさりと切り捨て、「岸田首相が国葬を利用した外交をしたいのではないか」といぶかっていた。 安倍晋三元首相の国葬日増しに国民の反発は増すばかりだが、新聞各社の世論調査では「反対」が「賛成」を上回り激しい逆風にさらされているという。ジャーナリストの鵜飼秀徳さんは「55年前の吉田茂元首相の国葬の際の逆風はなかった。今回は死去から葬儀まで81日もかかり国葬に関する議論の余地を与え、ネットなどで否定的意見が拡散したことで炎上したのではないか」という。前回の国葬が昭和42年10月31日に開かれた吉田茂元首相のケースの政権は佐藤栄作首相だったが、「吉田国葬」では今ほどの激しい逆風は吹かなかったとされている。吉田氏の葬儀を国葬としておこなうかどうかについて協議されているが、官房長官によれば佐藤首相は国葬を希望していると報道されていたという。 「一般財団法人日本消費者協会」が実施した葬儀に関するアンケート調査によると葬儀費用の平均総額は161.9万円だとされており、葬儀一式の費用や通夜の接待費また寺院等へのお布施や謝礼が主な支出となり対して収入となる香典の平均額は74.1万円とされている。在任期間が歴代最長の安倍元首相とはいえ1人の葬儀に約16億円が注ぎ込まれることに違和感を覚える国民も少なくはないようで、特にコロナ禍という国難にあって歴史的円安が拍車をかけて物価の上昇も招くなど多くの国民が我慢を強いられている現状のなか、反対の声が強まってネット等では国葬に対し難色を示していた「昭恵さん」というワードがトレンド入りし、安倍昭恵夫人に国葬辞退を求める声が相次いでいるという。
2022年09月10日
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円相場は1ドルが145円に迫るなど円安ドル高に歯止めがかからず市場では円安ドル高が続くとの見方が強いとされていて、高騰するガソリン価格を抑えるため1リットルあたり35円を上限に石油元売り会社に支給し上限を超えた分については、その半額を補助している。今年の1月に始まったこの補助金支給制度はこれまで2度も繰り返し延長され10月からは3度目の延長となるが、レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は169円60銭で4週ぶりの値上がりとなったという。この補助金支給に関して最初から疑問に思うのは「トリガー条項の発動」をなぜしないのかだが、トリガー条項を簡単に言えば「ガソリンにかかっている高い税金の一部を免除する」という法律が旧民主党政権下で成立しているのだ。 法律では「レギュラーガソリン1リットルあたりの価格が3カ月連続して160円を超えた場合、翌月からガソリン税の上乗せ分旧暫定税率25.1円の課税を停止し、その分だけ価格を下げる」ことが決められた。しか東日本大震災が起こったため復興財源を確保するという名目で現在も運用が凍結されたままとなっている。政府はガソリン税を引き下げるトリガー条項の発動を見送って補助金支給を決めた経緯があって、補助金支給当初はトリガー条項の復活について当時の羽生田光一経済産業相だったは「トリガー条項が発動された場合、ガソリンの買い控えやその反動による流通の混乱や、国、地方の財政への多大な影響の問題がありますから、凍結解除は適当でないと考えております」と反対の意向を示していた。 経済産業省は「1リットルに対し上限35円」の補助金を石油元売り会社に支給しているうえに「さらなる超過分についても1/2支給」と補助金の追加も行っているが、今月末に期限を迎えるガソリンの補助金制度について政府は延長し、上限額の「35円」を11月から5円ずつ縮小する方向で調整に入っているという。政府関係者によると10月は上限額を「35円」で維持し11月から「5円」ずつ下げる案を検討しているということのようなのだ。この制度は今年の1月から始まりすでに2回延長しているがさらに年末まで延長する方向で調整しているという。巨額の補助金を使って価格を抑える政策を長期にわたって続けることには批判もあり、補助金の縮小をめぐって与党や財政当局と調整が行われていたというのだ。 補助金の総額は今月末まででおよそ1兆9000億円となる見通しで混乱なく終了させる「出口戦略」が課題となっていたのだが、専門家は来週のガソリン価格は政府の補助金がなかった場合207円を超える予想が出ているという。ウクライナ情勢の影響やサウジアラビアのエネルギー相が原油の生産量を減らす可能性を示唆したことから原油価格は再び大幅に上昇していて、政府の補助金は37.1円に増額される予定だという。このため巨額の補助金を使って価格を抑える政策を長期にわたって続けることには批判もあり、補助金の縮小をめぐって与党や財政当局と調整が行われているという。事業の拡充と延長で財政負担は大きく膨らんでおり、手厚い支援策を混乱なく終了させる「出口戦略」も課題となっているそうなのだ。 ところが補助金貰えるから石油元売り業者は過去最高益を更新しており、自民党の政治資金団体に8000万円の政治献金が行われたと一部で報道されている。令和の今でも経済産業省OBの天下り先が石油関連の協同組合と言われているが、経済産業省からすれば補助金を石油元売会社に出せば強い繋がりが出来るという。経済ジャーナリストの萩原博子氏は「補助金は石油元売りを太らせただけで、国民の納得感が得られないチグハグな対策だ。原油価格が今後も高騰する可能性もあり、補助金の段階的縮小はガソリン価格の段階的上昇を意味する。しわ寄せは家計に来る」と批判しているが、あえて石油元売り会社に補助金を支給する方法を選択するのは癒着に繋がる行為になっているというのだ。
2022年09月09日
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趣味や旅行を楽しむくらいの贅沢はしたいけれど働いていた頃ほどの収入は見込めないセカンドライフでは、「お金をどのように使うか」をきちんと考えることがより大切になってくる。特に夫婦などパートナーと暮らしている人の場合はそれぞれの「お金の使い方」で許せない・譲れないことがあるという。お金についての価値観はひとそれぞれだが、50代~70代の夫婦やパートナーと暮らす全国の男女1,030名を対象に実施した調査によると、お金の使い道についてパートナーと喧嘩することがある人は、「よくある」・「たまにある」を合わせて約25%で、4人に1人という結果になっているそうなのだ。そして喧嘩をする人の割合は中でも男女ともに50代が最も多く60代、70代と年代が上がるにつれて減少傾向になるという。 男性からすると女性の洋服や化粧品がそれに該当するようなのだが、女性には「いつも美しくありたい」という願望があり、最近では美容院やエステに加えてネイルやマツエクなどを施す人もいるのでそのメンテに費用がかかるという。女性にとってこうした時間やお金は決して無駄ではないそうで、ネイルやエステに行って話を聞いてもらったり情報を仕入れたりして上手にストレス発散をしているからだという。高額なブランド物やホストクラブなどにお金をつぎ込まない限り女性が多額の借金を負うことはさほどないそうで、妻のお金の使い方が本当に浪費なのかどうかは実際に話を聞いてみないと何ともいえず、「無駄遣いしないで」と口で言っても伝わらないのは1回の買い物は少額なので贅沢している感覚はゼロなのだからだという。 男性は女性よりも高額の借金をしやすい状況にあり、ひと昔前な、起業・開業の失敗や借金の連帯保証人といったものが多かったのが、今はパチンコやゲームなどのギャンブル系だけでなく株や為替・仮想通貨などへの投資によるものも増えているそうなのだ。初めは微々たるものだったのがいつの間にか額が膨らんでいって消費者金融から借り入れをしたり、家族の預貯金に手をつけたりすることが多いという。初めは隠していたものの金額が膨らみ隠しきれなくなっていつしか妻の知るところになるわけなのだが、妻は夫をある程度自由にさせる傾向にあるが女性では相手の「趣味費」や「交際費」を許せないと考える人が多いという。そして今度は「私は我慢しているのに、夫は好きなことばかりしている」という新たな不満が起こるというのだ。 解決の糸口を見つけるにはまずカウンセリングで多くのケースではここで冷静になり話し合いをすることで問題は解決していきとされてはいるが、それまで感情的に「お金遣いが荒い」と妻が怒り「うるさい、俺が稼いだ金だ。何に使おうが俺の勝手だ」という感情論だけで走っているのに、冷静に話をするとほとんどの夫婦は気がつくものだという。また「パートナーの許せないお金の使い道は」に対し77.7%の人が「特にない」と回答しており、約8割の人がパートナーのお金の使い方に寛容であるという結果になっているという。夫婦それぞれがどんなストレスを抱え日々生活をしているのかをシェアすることで心が軽くなり夫婦仲がいい方向に変わっていくためには、人間関係においてお互いをよく理解することがとても大切なことだという。 なお「年間でそれぞれ自由に使えるお金がどれくらいあれば、パートナーとのお金のもめごとを回避できるのだろうか」ということだが、その年間の金額を聞いた質問で最も多かった回答は「50~100万円未満」で、次いで「100~500万円未満」という結果になっているそうなのだ。パートナーともめないためには「少なくとも年間で50万円以上の自由に使えるお金が必要」と考えておいた方がよさそうなのだが、セカンドライフを充実させるには長い人生を見据えて今ある資産でどうすれば安心して暮らせるのかだけでなく、どう使えばいいのかを考えてプランを立てておくことが重要だという。夫婦できちんと話し合いそれぞれの価値観への理解を深めておくことが大切になるが、資産に余裕を持つことは心の余裕につながるはずだというのだ。
2022年09月08日
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コロナ禍にウクライナ危機も長引き物価高や円安が加速しているだけでなく収入が増えないなか家計は圧迫されるばかりで、はたして「日本の貧困化」はどこまで進むのかといわれていて「このままいけば、富める者も富まざる者もどんどん貧しくなる」との警鐘が鳴らされている。世界的な物価高といわれるが我々日本人だけがこんなに苦しいのは理由があって、世界的にみても生活を支える収入は日本だけが上がっていないというのだ。経済協力開発機構が算出する日本・米国・英国・ドイツ・フランス・イタリア・カナダの主要7か国に韓国を加えた平均実質賃金の推移をみると一目瞭然で、日本と同様にイタリアも低迷していてこの8か国のなかでは日本とイタリアが最下位争いを繰り広げている格好となっているそうなのだ。 賃金が増えていないのはこの20年間だけではなく、国税庁の「民間給与実態統計調査」によると日本のサラリーマンの平均年収は1997年の467万円をピークに、その後は一も上回ることなく推移しているそうなのだ。もっといえばサラリーマンの平均年収が400万円を超えたのはバブル真っ只中の1989年で、その後1992年には450万円台となって1997年まで上がり続けたが、その後は450万円台にも届かないまま2020年は433万円と前年よりも減っているというのだ。つまり日本のサラリーマンの給料は1990年代よりも低い水準のままであり、この30年以上にわたって増えていないも同然なのだという。よくバブル崩壊後の「失われた30年」というがまさに日本人の「賃上げが失われてきた30年」ということがはっきり見えてくるという。 年収は300万円以下で本当に稼ぐべきは月10万円が必要で、70歳男性の就業率は45%を超え80代就業者の約9割が自宅近くで働く定年後も働く人が増えるなか、どのような仕事でどれくらいの稼ぎをすればいいのかをデータや事実から知ることができるという。60歳では8割近くが働き70歳では45.7%の人が就業しているとされるが、なぜ日本人は定年後も長く働くようになったのかというと、経済成長率の鈍化や人口の高齢化によって中高年の賃金や定年後の退職金は減少し、政府の厳しい財政状況から厚生年金の支給開始年齢引き上げなどによる公的年金の給付水準の引き下げも進んだいる。こうしたなか寿命の延伸によって増加する老後生活費を高齢期の就労なしに獲得することは難しくなってきているというのだ。 国としてもできるだけ長く働く人を増やすような政策・方針をとっていて、昨年の4月に施行された高年齢者雇用安定法では現状義務化されている65歳までの雇用確保に加え65歳から70歳までの就業機会を確保するための高年齢者就業確保措置が企業の努力義務とされている。ここでは雇用の提供というこれまでの選択肢に加え70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の創設などの選択肢も提示されていて、雇用であれ業務委託であれ70歳までの従業員の生活を保障してほしいという政府から企業への要請となっているという。国として70歳まで働かせる方向に突き進んでいるが企業としては人件費などを考えると難しい問題であるといわれているが、60歳の78.9%に70歳の45.7%が働く社会になっているというのだ。 かつて高度経済成長期にはほとんどの国民の収入が右肩上がりで増えて買いたいモノが自由に買えるような「一億総中流社会」が到来した。やがて欲しいモノが行き渡りむしろ溢れるようになると「お金はあるけど、欲しいモノがない」という成熟社会にシフトしたが、今や日本では世界的な物価高に円安で上乗せされた価格でモノを買わざるを得ない状況となり、「欲しいモノはたくさんあるけど、お金がない」というこれまでとは180度違った世界が訪れているという。岸田政権は「資産所得倍増プラン」を掲げるが資産所得の倍増を目指すのであって、そもそも資産を持たない者の所得が倍増するわけではない。このままではごく普通に見える人たちの家計の負担ばかりが増し家計が破綻して生活困窮者に陥ってしまう可能性が高いという。
2022年09月07日
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せっかく長生きをしても健康でなければ人生を楽しめないといわれるが、できるだけ最後まで健康でいたいと誰もが願うもので、年を重ねると体のあちこちに不具合が出てくるが中でも膝の痛みに悩む人は多いという。中高年になると「歩き始めに膝が痛い」とか「階段を下りるときに膝に違和感がある」や「正座が苦手になった」といった膝のトラブルが増えており、高齢者が健康でなくなる原因の約4分の1は骨・関節・筋肉といった整形外科領域の病気で、その中で高齢者の膝痛の代表的なものが変形性膝関節症だという。変形性膝関節症の日本での推定患者数は、レントゲンの変化だけで判断すると女性1670万人の男性では860万人で合計2530万人もいると想定され、特に女性に多く年齢が上がるとともに増えていくという。 変形性膝関節症は加齢とともに進行する病気だそうで、多くの場合は膝の「痛み」や「こわばり」を感じ始める年齢は40~50代だが、そうした自覚症状を感じる前から膝関節の変化は進行しているとされている。痛みなどで変形性膝関節症と診断され治療を行っても関節の状態は「後戻り」しにくいといわれるという。順天堂大学医学部附属順天堂医院スポーツ医学・再生医療講座の齋田良知特任教授は「高齢者が膝の痛みで歩かなくなると、すぐに足の筋力が低下し運動器の障害により、移動機能の低下をきたした状態である運動器症候群が加速して歩けなくなる。そうなる前に適切なケアを行うことで病気の進行を食い止めることが極めて重要。いくつになっても自分の足で歩けることを目指してほしい」と語っている。 変形性膝関節症はどのようにして起こるのだが、関節は関節包で覆われ袋状になっていて関節包の内側に滑膜という膜があり、内部は関節液という液体で満たされていて、骨と骨は靱帯でつながれていて骨と骨の間にはクッションの役割を果たす関節軟骨がある。医師によると「膝関節は複雑で、歩くだけでも垂直方向の圧縮力と前後方向の剪断力がかかります。強い力がかかり続けると関節軟骨がすり減り、関節軟骨がすり減ると骨と骨が直接当たるようになり、滑膜に炎症が起きて痛みの原因となると考えられる」という。膝関節の変形の程度はレントゲンで膝関節を撮影すると軟骨は写らないので隙間が空いて見え、軟骨がすり減ると骨と骨が接していくように見えるのでその状態をグレード0から4の5段階で表すそうなのだ。 変形性膝関節症はいろいろな要素が組み合わさって起こるが、体重が重いと大きな力が膝関節にかかるそうで、歩くとだいたい体重の3~5倍小走りなら6~7倍の力が膝関節にかかると言われている。研究では発症時に太っている人はもちろん若いときに「ボディマス指数(BMI)」が25を超えていた人は早くから変形性膝関節症を発症することがわかっているし、メタボリックシンドロームが変形性膝関節症と関係することもわかっている。メタボは内臓脂肪がたまって高血圧・高血糖・脂質代謝異常のうち2つ以上が組み合わさり心臓病や脳血管障害が起こりやすくなる状態だが、高血圧・高血糖・脂質代謝異常の3つのうち2つ以上ある人は、メタボでない人に比べて変形性膝関節症の発症が統計的に有意に高いという。 変形性膝関節症は筋力との関わりも深く大腿四頭筋の力が弱い人ほど変形性膝関節症が進行しているという報告がある。ただし筋力が落ちているから変形性膝関節症が進行したのか変形性膝関節症が進行したから筋力が落ちてしまったのかはわからないという。医師は「若いときに膝を痛めた人は、変形性膝関節症を発症しやすくなります。また、あまり練習をしないでいきなりフルマラソンを走ったりするのもよくありません」というが、若い頃に体重が重かった人や靱帯損傷など膝を痛めた経験がある人は、膝に負担がかからない生活を心がけたほうがよく、運動不足による筋肉の衰えや肥満はこの病気の原因の一つで、日ごろから体重管理や運動習慣を心がけるとともに膝に痛みや違和感を覚えたら整形外科を受診するべきだという。
2022年09月06日
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年収のダウンが叫ばれて久しいが実際どれだけ減ったのかというと、国税庁の「民間給与実態統計調査」のデータに基づき社会保険料や住民税などを含めて徹底分析した北見式賃金研究所の所長は「政府は健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料だけでなく住民税・消費税などを引き上げて民間からお金をむしり取ることばかりに熱心で、市中にお金が回らなくなったのも当然だ」という。日本人は全員が何らかの医療保険に加入していて勤め人は勤務先の健保だし75歳以上は後期高齢者医療制度、それ以外の人は「国民健康保険」となる。国保の加入率は27.1%4で人に1人は国保に入っているが国保料は前年の年収より仕事にかかる経費を引いた額に基づいて算定されその保険料はきわめて高いという。 国税庁の「民間給与実態統計調査」は年末調整の結果でアンケート調査ではないが、日本の給与を調査したデータとしてこれ以上信頼性の高いものはないとされている。また国税庁が毎年公開しているこのデータをふり返ると年収が一番高かったのは1997年であるとされており、そこで2020年までの24年間の変化を分析したところ、結論から言ってしまえば私たち日本人の実質手取り収入は平均で年84万円減という驚くべき数字が出たというのだ。1997年の平均年収は467万3000円だったが2020年は433万1000円で34万2000円ダウンしている。これだけでも十分衝撃だがそれだけではなく社会保険料や住民税が上がったため、その分の約28万円を差し引くと手取りベースで計62万円も下がったことになるという。 国保は助け合いで運営しているといわれているが、例えばテレビコマーシャルでおなじみの民間保険はサービスを受けたいのであれば保険料を納めなさいという保険原理となっている。しかし国保を含む公的医療保険・年金保険・雇用保険・労災保険・介護保険の5つは社会保険といわれ個人への保険料だけでなく事業主にも負担を求め、国が公費を投入し運営に責任を持って国民に加入を義務づけるという面も持ち合わせいる。これは自己責任や家族・地域の助け合いだけでは対応できない貧困・病気・失業などのさまざまな問題に対して、社会的施策で対応していきましょうということなのだという。だから加入者に助け合いばかりを強調して過酷な負担を強いるのは社会保険として考えた時に問題なのだという。 さらに追い打ちをかけたのが消費税率の引き上げで、税率は5%から10%に引き上げられたのでこの分も差し引くと実際に使えるお金は計75万円も減る計算になるという。年収が33万円以上も減っているにもかかわらず公的保険料は年間で15万8000円も増えている。しかも住民税は総務省に照会したところ東京都民の場合は収入が減ったのになんと12万円の負担増で、手取り収入は大きく62万円も落ち込んだのに加えこの消費税の影響で実際に使えるお金は75万円も落ち込んでいる。加えて物価高も加味すると1997年時点に比べ計84万円も落ちたというわけである。政府は民間からお金をむしり取ることばかりに熱心なのだから、これでは市中にお金が回らなくなったのも当然だということのようなのだ。 物価も考慮するということなのだがでは何の物価と比較するべきだろうかというと、今回は「パン」を選択しているがこれなら庶民感覚でイメージしやすいはずだという。総務省に問い合わせたところ標準的な食パンの価格は、2020年を100とすると1997年は96.4で、つまり食パンは3.6%値上がりしているというのだ。ちなみに総務省の消費者物価指数の総合は1997年が99.5で2020年が101.8となっていて2.3%物価が上がったことになっている。ロシアがウクライナを侵略したこともあって原油やレアメタルが暴騰していると報じられているが、まさにハイパーインフレの到来だといわれているが実際はさまざま分野の物価がもっと値上がりしているように思えるのに、実質収入は1997年時点よりも計84万円も激減しているというのだ。
2022年09月05日
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公共工事に談合はつきものだといわれるが京都府中市で土木工事を巡る官製談合疑惑が持ち上がり府中市幹部と市議に市内の建設会社社長の計6人が事件に関わったという。発注工事の入札不正疑惑が発覚するのは土木課の職員が市内の建設会社に積算価格を漏らして逮捕されたおよそ四半世紀ぶりだそうで、警視庁は府中市が実施した2件の土木工事の指名競争入札で事前に市議2人に最低制限価格を漏らしたとして当時の都市整備部長を官製談合防止法違反容疑で逮捕したという。価格情報を受注者側に漏らした市議2人と落札した府中植木と池田土木の2社の社長を公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕され、市議と池田土木の間で価格情報を仲介した玉川造園の社長も同容疑で逮捕したという。 都市整備部長は2件の入札でそれぞれ別の市議に最低制限価格を漏洩したそうで、公園拡張工事では一方の市議が入手した価格情報を府中植木の社長に直接教え、道路新設工事ではもう一方の市議が玉川造園の社長を通じて池田土木の社長に価格情報を伝えたという。公園拡張工事の入札は予定価格1億2425万7千円で最低制限価格1億1220万4071円だが、指名された6社のうち5社が入札に参加し市議から価格情報を得た府中植木が最低制限価格を9円上回る1億1220万4080円で落札している。道路新設工事の入札は予定価格6142万9千円で最低制限価格5454万8952円だが、指名された7社のうち5社が入札に参加し玉川造園を通じて価格情報を得た池田土木が最低制限価格と同額で落札している。 また国土交通省関東地方整備局利根川下流河川事務所の職員が入札に関する情報を建設会社に漏洩しようとしていたことが分かったことから、入札の公平性・公正性が保てないとして公告中だった3件の入札手続きを中止したという。利根川下流河川事務所によると情報漏洩を図ったのは発注手続きとは関係のない部署の職員で、その職員が発注担当者しかアクセスできない情報を入手しているのを知った他の職員が不審に思い上司に相談し調査したところ不正が発覚したという。問題の職員は複数の建設会社に対して入札情報の提供を働きかけていたそうで、現時点で入札情報が漏洩した事実は確認されていないが、「企業側に不信感を抱かせた可能性がある」として入札手続きの中止を決めたという。 手続きを中止した3件以外では過去の入札を含めて不正行為があった形跡はないというが、入札手続きを中止したのは「利根川左岸仲新田排水樋管新設工事」・「利根川下流土砂改良その1工事・、同その2工事」の3件で、いずれも施工計画の提出を求めない施工能力評価型II型の総合評価落札方式を採用した一般競争入札だという。問題の職員の年齢や所属部署等入手した情報など具体的な内容について現時点では公表しておらず、関東地方整備局で事実確認や再発防止策の検討を進め一定の事実確認が終わった段階で内容を公表する予定だという。このように官製談合等が横行しているのは国土交通省が各地方整備局や北海道開発局などへの通達で、「実施しても差し支えない」と繰り返し述べているからだという。 かつて「談合の温床」などと批判された指名競争入札について国土交通省が各地方整備局や北海道開発局などへの通達で「実施しても差し支えない」と繰り返し述べており、その背景には台風や地震など自然災害の頻発と激甚化を受け迅速な復旧を進める狙いがあるとされている。入札参加者の減少が続く道路や河川の維持工事では不調・不落対策や中長期的な担い手確保を目的とした本格導入も視野に入れていて、要件に合えば道路などの一般土木工事への適用も可能としている。入札方式の取り扱いについて国土交通省は「地域の実情や工事の特性を踏まえ、指名競争入札の実施により早期着手等の観点から大きな効果が見込まれる工事等については指名競争入札方式により実施しても差し支えない」と言明している。
2022年09月04日
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国土交通省は来年度予算の概算要求で公共事業関係費に今年度当初予算比で19%も上回る6兆2443億円を計上したが、一般会計全体では18%増の6兆9280億円を求め防災対策や脱炭素化に力を入れるという。資材価格の高騰対策などは金額を示さない「事項要求」に盛り込んでいる。防災対策に関しては河川の流域全体で水害対策に取り組む「流域治水」に今年度当初予算比で26%増の6710億円を要求しているが、流域治水関連法の全面施行を受け治水ダムの建設や既存ダムの再生・雨水貯留浸透施設の整備といった対策を推進するという。自治体の防災・減災対策を支援する「防災・安全交付金」には19%増の9677億円を計上し、この交付金を使い盛り土の安全対策を推進するという。 国土交通省は自治体が管理する橋梁のうち定期点検で緊急または早期の対策が必要と判定される割合を約30年後にゼロにするそうで、政府が閣議決定した「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」で明らかにしたという。修繕が必要な橋梁は年を追うごとに増えていくため国土交通省は全ての対象橋梁の修繕に着手できるまで40年以上かかると推定していた。しかし5カ年加速化対策の予算を集中的に投じれば達成時期を8年前倒しできるとしている。国土交通省では補修対象となるⅢ・Ⅳ判定の橋梁の修繕に加えて、Ⅱの状態から計画的に老朽化対策を講じる「予防保全」を推進し、修繕が必要な全ての橋梁で対策を終えⅢやⅣと判定される橋梁がなくなる状況を目指すという。 故安倍元総理の掲げた政策で最も有名なものはアベノミクスだが、この政策を実現するための3本の矢と位置付けそのうちの1本である「機動的な財政政策」を代表する施策が国土強靱化だという。国土強靱化とは巨大な災害や大規模な事故が発生したとしても、国土や経済が致命的な被害を負わないようにし、被害を受けた状態から速やかに回復できるようにすることとしている。故安倍元総理は第2次安倍内閣を発足させた際に古屋圭司氏を初代国土強靱化担当大臣に任命し新しい国づくりに対する強い姿勢を示した。国土強靱化の政策推進に当たってはこの考えを提唱した京都大学大学院の藤井聡教授を内閣官房参与に迎え、議員立法による国土強靱化基本法が成立させ国土強靱化基本計画が閣議決定している。 公共事業を伴う国土強靱化を推進してきた印象から公共事業投資が大幅に増加したと考える人は珍しくないが、「流域治水」は当初予算から7%増の5401億円を要求している。流域治水関連法を活用しハードとソフトの両面で備え、加えて土砂災害対策に8%増の1028億円と線状降水帯などに関する防災情報の高度化に約1.5倍の132億円を計上している。昨年の7月の豪雨では静岡県熱海市で大規模な土石流が発生したが、流出した盛り土が大きな被害をもたらしたことを受け金額を示さない「事項要求」に全国の盛り土の総点検を盛り込んでいるという。また通学路などの安全対策では24%増の2265億円を要求しているが、小学生の列にトラックが衝突した死傷事故等を受けガードレールの整備や無電柱化を進めるという。 自治体のインフラ整備に対する国の関与が強まってきているが、自治体の防災・減災事業などに対する国の財政支援について、従来の交付金から補助金への切り替えを含めて制度の在り方を検討すべきだと指摘されている。財務省の財政制度等審議会も財務相に提出した予算編成に関す意見書で交付金による支援の問題に言及しており、国土交通省と農林水産省が所管する国土強靱化政策に絡む4つの交付金事業だという。自治体がある程度自由に使える交付金から国が使途を限定する補助金へと国の財政支援の転換を迫る動きが相次いでいるが、背景には自治体の政策遂行能力に対する国の根深い不信があって、無駄な公共事業を生む元凶として廃止・縮小を進めてきた国の補助金改革は転機を迎えているという。
2022年09月03日
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経費削減はすべての企業において優先的に解決すべき課題だが、目先の成果だけにとらわれて経費削減対策を行うと新たな問題やトラブルが発生する原因となるとされ、経費削減に取り組む場合はコストの節約につながるかどうかだけでなく他の要素に悪影響を与えるリスクについても考慮することが大切だという。特に人件費は会社の経費の大半を占める項目なので人員削減や賃金・賞与のカットは最も手っ取り早くかつ大きな効果を生み出す経費削減行為だとされてきた。安易にリストラや賃金カットを行うと一時的なコストカットは実現できても経営に悪影響を及ぼすおそれがあったのに、非効率な高コスト体質を改める効率化の必要に迫られたがいつの間にか効率化が人件費等の経費の削減にすり替わってしまったというのだ。 そのような中で人手不足は先進国共通の課題となってきていたのに、諸外国は人手不足に対しITを活用した業務の効率化・自動化で問題解決を図ってきたという。ところが日本の産業界はテクノロジーで状況を乗り越えようとせず安い賃金で外国人労働者を働かせるという最悪の方法で対処した結果、日本の労働生産性は欧米各国の半分から3分の1と極めて低い水準にとどまってしまったという。法務省によると昭和30年代に60万人だった外国人人口は昭和60年には85万人になったそうだが現代から見ると微増だったという。ところが平成以後は、リーマン・ショック等があって、平成27年には外国人人口は223万人に大幅増加しており、昨年はコロナ禍の影響があってもなんと外国人人口は293万人と増加しているという。 技能実習制度とは発展途上地域の人づくりに寄与することを標榜している。ところが、実体はだいぶ違っているのだ。賃金や労働時間などの待遇面で違法行為多発し、失踪者も多くでている。技能実習制度は、現代の奴隷労働と国際社会で指摘されているのだ。安価な労働力としての存在は、技能実習生だけではない。留学生も実際には労働力として日本は受け入れている。留学生労働者こそ奴隷労働だろう。外国人労働者の問題では、技能や技術の習得を目的とした技能実習制度が実際には労働力の搾取であり、「強制労働に当たる」として米国務省から非難され続けるなど、国際的な批判を浴びている。現実として外国人労働者のなかには未だにブローカーなどを介して多額の借金を背負って来日している実習生も多いという。 それがもとで失踪してしまったり窃盗などの事件につながったりするケースも少なくないことから、実効性のある相談窓口や救済メカニズムの構築が強く求められていた。そればかりか現実には安い賃金で外国人労働者を雇用する仕組みとして機能していることを悪用して、一部の事業者は賃金の未払いや過重労働だけでなく、劣悪な宿舎など重大な人権侵害を行っていて現代の奴隷労働として国際社会でもたびたび問題視されてきた。そこで日本政府が外国人技能実習制度の見直しに乗り出したわけだが、この問題は放置しておけば日本が人権弾圧国家に認定されるリスクをはらんでおり事態は極めて深刻だった。今年の7月に当外国人技能実習制度の本格的な見直しに着手する考えを示したという。 先進国でありながら外国人を対象に事実上の奴隷労働を行っているというのはあってはならない事態で、民間の事業者が勝手に実施したものならあくまで個別企業の行為で済ませられるが政府の事業ということになるとそうした言い訳は通用しないという。下手をすると中国におけるウイグル問題と同一視されかねない問題で早急な改善が必要だったそうで、政府は年内にも有識者会議を設け具体的な制度改正に向けて議論を進める方針だという。労働法制を守らせるというごく当たり前のことを政府が実施するだけで国内賃金は確実に上昇していたはずだが、雇用維持が最優先され政府は労働基準法を厳格に適用してこなかったが、これからは外国人労働者の問題だけでなく労働法制遵守は必須の課題だという。
2022年09月02日
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医者は薬を処方するがそれを飲むのは患者なのだが、どんな薬にも副作用があることを知っていても医者が処方する薬を「仕方ない」と思って諦めて飲んでいる人が多いという。その薬を飲み続けることで何らかの不調を感じたらそのことをはっきりと言わなければならず、言わない限り医者は薬を出し続け患者は不調に苦しみ続けることになるからだという。症状は「フラフラする」・「眠くなる」・「頭がボーッとする」どんなことでもよく、それをはっきりと訴えてまさか「気にしなくていいです」とか「我慢しなさい」という医者はいないといわれるが無反応な医者はときどきいるそうなのだ。患者の訴えに取り合わずいつもと同じ薬を同じ量だけ出すといったそういう医者にいま診てもらっているのだったらその医者は替えるべきだという。 薬を取り巻く状況はだいぶ変わってきていて薬局の役割が大きくなってきており、特に心血管系の病気でも糖尿病のような基礎疾患でも、悪い項目の数値を下げるのが治療の第一歩と見なされるのでどの医者も同じような薬を処方するという。「これを飲むと頭がボーッとするんだけど、薬だから仕方ないのかな」といってある程度の不調は薬の功罪の罪の部分で、功もそれなりにあるんだからと受け止める人は、「実際に血圧が下がっているんだから我慢すればいいのかな」と考えてしるが、これはとんでもない考え方だという。なぜ薬を飲むのかといえば不調を治すためで、いくら血圧の数値が下がったとしても飲めば調子が悪くなる薬なら意味がなく、そうなるくらいなら血圧が高くても調子がいい状態に戻ったほうがじつは身体のためだという。 私もそうだが血圧や血糖値が高めというだけで薬を出される50代後半ぐらいから何らかの薬を飲む人が出てきるという。高齢になるにつれて検診で引っかかる項目が増え実際に糖尿病や心血管系の病気にかかる人も増え薬の種類も量も次第に増えてくる。「飲まなくていい薬は飲まない」・「飲んでも飲まなくてもいいような薬も飲まない」・「飲んだほうがいい薬を必要なぶんだけ飲む」といった3つを守るためには、医者とは堂々と付き合って薬で調子が悪くなるときははっきり説明して「減らしたい」・「飲みたくない」と申し出るべきだという。自分の専門領域しか眼中にない医者ほどとりあえず病気の原因となる検査項目の数値である血圧や血糖値を下げようとするのだが、予防や悪化させないためですからこれは仕方ないことだという。 今の調剤薬局は「薬剤管理」などの名目で個人の薬剤情報の一元管理を目指しており、多剤処方や重複投薬を防止する方向に進んでいるといわれている。医者が処方する薬を「仕方ない」と諦めてそのまま飲むのでなく、ぜひかかりつけの薬局を作って無用な薬は飲まないようにするべきだというのだ。また薬のことだけなら医者より薬剤師のほうが精通していることが多く、ほとんどの薬は血圧・血糖値・コレステロール値などの数値を下げるためのものだという。そういう数値を下げれば老いても元気に暮らしていけるのかということなのだが、そもそもなぜ数値を下げようとするのかといえば正常値とされる数値より高いからで、平均値を挟んで大半の人を正常とし高過ぎたり低過ぎたりする人を異常とする統計的なものだという。 血圧・血糖値・コレステロール値などの数値は少しぐらい高めでも毎日元気で自分でも体調がいいと感じている人もいれば、正常値でも病気になったり不調を感じたりする人もいるのだが、たしかに脳梗塞や心筋梗塞のような病気の予防にはこれら3つの項目の数値は高いより正常であったほうがいいのだが、薬を使ってまで下げる必要があるのかどうかとくに高齢者の場合は疑問だという。ただ数値を下げるためだけに何だか食べる楽しみが薄れてしまうとか、薬を飲んでも生活の質までが下がって活力のないしょぼくれた老人になってしまったら意味がなく、むしろ血圧や血糖値・コレステロール値はちょっと高めぐらいのほうが高齢者の活力を維持してくれるそうなので、本人がそれで元気なら何も問題はないという。
2022年09月01日
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